09月13

中国人の彼女の話

すぺっく
俺:大学生 海外に1年間留学して今年の1月に帰国
普通の顔してると思う。
彼女:同じ所に留学してた19歳
いかにも中国美人

留学行って3ヶ月くらいたったころ、
語学学校で大量の新入生を受け入れるのに、
生徒からもボランティアを募っていた。

もちろん英語で全部対応する訳だから
いい訓練になると思って参加した。

その当事はなにかと女に飢えていて、
可愛い子でも見つかればいいなあなんて思っていた。

んで、見つけたのがその子(以降ワン)
ワンちゃんは新入生じゃなくてボランティア側の子だった。
ワンちゃんともう一人の中国人の女の子(以降ヤン)
ととても仲が良かった。

もちろん速攻で仲良くなってその2人と連絡先交換とかした。
その夜も一緒にクラブに行こうとか言われたけど、
ちょうど別件が入っていたのでやめた。

その3日後くらい、
あれはちょうどオリンピックの開会式の日だった。
仲の良かった男友達が2人いた。
1人は中国人(ジャイ)でもう一人は韓国人(ナム)だった。
んでそいつらと一緒に大学内にあるパブ(巨大スクリーンつき)に飲みに行った。

パブには、ワンとヤンも開会式を見に来ていて、
その流れで一緒に飲むことになった。
(ちなみに留学先は18歳から飲酒喫煙okな)
そのときからちょっとずつワンのことが好きになり始めた。
なんたって天真爛漫でかわいい。

開会式の選手行進で国旗だけみてその国の名前当てるゲームを、
ワンとナムと俺でやったりしていた。

そこから俺たちの距離はだんだんと近づいてきた。
毎週末授業の疲れを取りに夜遊びして、
それが結局疲れになって月曜日ばてばてとかけっこうあったな。

ワン・ヤン・俺・ジャイは特に仲良くなって、
図書館とかで勉強するのも一緒につるむようになった。

そんな中風のうわさでこんな話をきいた(ジャイから聞いた)

ワンとヤンにはそれぞれ好きな人がいるらしい。
ヤンはジャイを。

そしてワンはナムのことが好きだという話だ。

この時はさすがに俺・・・ってなった。
でもプライドの高い俺は「おもしろ!」みたいなこと言って、
第3者を貫こうと思っていた。

ワンにもそのことを直接聞いてみたら、
ナムのことが好きだと言っていた。
「ナムに言っちゃおっかな―」みたいにいうと、
本気で起こりながら「No!」とかいうからまた可愛いなこいつとか思った。

そもそも女に飢えていたと言っても、
ただいやらしい気持ちしかなかったので、
仲の良いワンやヤンには特別な気持ちみたいのはあまりなかった。

ただ残りの留学生活が4ヶ月くらいしかなかったから、
このいい関係が帰るまで続けばいいのになあなんて思ってた。

でもある日、ワンにとってよからぬことが起こる。

ワンに起こった悲劇。
それはナムにはほかに意中の女性がいることが発覚したこと。
そのときばかりは普段天真爛漫なワンも結構沈んでた。

だから俺・ジャイ・ヤンで一生懸命励ましたり、
テキーラ祭りで酒飲みまくったりした。
次第にワンもその事実を受け入れるようになってきて、
前と変わらずに笑うようになっていた。

ある夜のこと、ナムが
「今夜でワンには諦めてもらうから、直接俺が話するわ」
みたいなことを言い出した。
突然言い出したので、何か酷いことをワンに言ったりしないだろうかと
俺は内心かなり不安だった。

みんな親友みたいな感じだったから、
ナムのその行動でみんなの歯車がずれたりしたらやだなとか考えた。

ていうかワンはそのころにはとっくに諦めていたと思うんだが、
ナム的にはしっかりとけじめをつけたかったらしい。

そこでジャイが意味不明のテンションMAXに陥るwww

「2人のあとをつけよう!wwww」

なんかやけにテンション高かった。
ように見えたのは逆に俺が必要以上に不安がってるせいかもしれない。

結局なんかそのテンションの高さに負けて、
2人の後をつけることにした。

ナムはその場所としてパブの外にある席を選んだ。
時間はたしか9時くらいだったかな。
外はもう暗くなっていた。

俺たちは2人からは絶対見つからないような暗がりから
その様子を息を潜めながら観察していた。

そのとき突然ジャイが変な声を出した。

「jvんhfd!!!!!」

2人はどこからか変な声がしたので、
あたりを不思議そうにきょろきょろ見渡していた。

ジャイはこの時点で爆笑wwww
もちろん声は潜めていたが。

特にワンのほうはかなり怖がりなので、
結構おびえているように見えた。

さらにジャイの嫌がらせは進む。
今度はワンの携帯に非通知で電話をかけた。

ワンは電話に出るが、ジャイは何もしゃべらない。
ワンは「こわいよ・・・」みたいな感じになっていた。
そしてジャイは無言のまま電話をきった。

ジャイはここでも爆笑ww
なんか俺も逆に楽しくなってきちゃって、笑いをこらえていたww

そして15分くらいそんないたずらを続けた。

飽きてきたジャイは「そろそろ潮時かなww」
と言って姿を見せようと言ってきた。

俺もまあネタばらししなきゃまずいだろうなと思って同意した。

ジャイの作戦は、あたかも偶然そこを通りすがったみたいに振舞うこと。

2人のほうに歩いていき、
「あれ!?こんなとこでなにしてんの!?!?!」
みたいなくさい芝居をしながら話しかけた。

2人はその瞬間納得して、
「お前らだったのかよ!」みたいな感じだった。
ワンは少し安心したような感じだった。

で4人で寮に帰る途中で、
俺はさりげなくと言うか不躾と言うか、まあどうだったかを2人に聞いたw
そしたらナムが、
「まあ・・・・な・・・」
みたいな感じで答えたので、やっぱりナムは直接、
自分にはほかに好きな人がいるということを伝えたのだと分かった。
ワンも「まあ分かってたしねー」みたいなことを言っていたし、
俺が不安に思っているようなことは今後も起きないだろうなと思って安心した。

ここまでの俺はやっぱりあくまで第3者で、
ワンに対して特別な感情は無かったと思っていた。

そんなこんなしている内に、学期末となり、
ワン・ヤン・ジャイで毎日のように図書館に通って勉強した。

そして学期が終わって1週間程度の休暇が始まった。
それを機に俺たちの生活はがらりと変わってしまうのだった。

その第一のきっかけとなったのが、
ナムとジャイが付属の寮を退寮して、
近くのシェアハウスに引っ越してしまったことだ。

ほとんど一緒にいた友達が寮を出てしまい、
俺やワンはとても寂しくなった。

俺とワンはこのころ特に仲が良くなって、
2人で部屋でDVDを一緒に見たり、
パブに飲みに行ったりするようになった。

そして第2の事件はそのころ起こる。

俺は他の男友達とナイトクラブに繰り出すことになって、
ワンとヤンにも一緒に行こうと声をかけた。

二人ともおkしたので、
待ち合わせ時間になって2人を待っていると、
ワンだけやって来た。

聞くところによると、ヤンはおなかが痛くて来ないことにしたらしい。

ということで俺・男友達4人くらい・ワンの面子で行くことになった。

「女の子、私1人じゃん・・・」みたいなことを
ワンはぶつぶつ言いながらちょっと不機嫌な様子だった。

クラブに着いて、まあ各自踊ったり酒飲んだりタバコすったりと
楽しい時間を過ごしていた。

俺はワンを誘った身分として、しかも女の子一人だったので、
なるべくワンから目を離さないように一緒に過ごしていた。

そこに俺の友達の一人、コロンビアから来たエルナンデスくんが来た。
エルナンデス君は背こそは俺(172)よりは小さいものの、
顔はとてつもないイケメン。しかもマッチョ。
彼が俺たちの歯車を大きくずらすことになった。

ワンはエルナンデス君に夢中のように見えた。
少なくとも俺の目にはワンの目がハートになっているように映った。

そこで俺はなんとなく本能的に危険を感じた。
そもそも俺はエルナンデス君のことは良く知らないし。
このまま2人を放っておいたら危ないことになる。

そして俺は彼からワンを守る責任がある!ww
みたいな事を思った。

俺のことをすこし書くと、
非童貞ではあるものの、色沙汰関係は苦手で、
こういうときにワンを守るためにどうしたらいいのか全く分からず、
2人が楽しそうに一緒に歩いているのを、
ドラクエ歩きで追跡することにか出来なかった。

そしてチャンスがやってきた。
ワンがトイレに行ったとき俺とエルナンデス君は2人で
ぼーっとみんなが踊るのを眺めていた。

なんか彼にガツンと言わなきゃ!
よし言うぞ!よく聞けよこの糞イケメン!

・・・なにを言ったらいいんだ・・・・

そんなことを頭で必死に考えた。
やばいそろそろワンが帰ってくる。

俺が搾り出した答えは、

「お前は知っているか?ワンはセクロスが嫌いだぞ」

wwwww
俺、それ何情報wwwww

言った直後なんか自分でも意図が分からず、笑ってしまった

エルナンデス君は、なんだこいつ突然・・・
みたいな顔をしながら俺のことをマジマジと見た。

そしてただ「そうなの?」みたいなことをさらりと言ってきた。

そしてワンが帰ってきて、また俺の追跡劇は始まった。
でもだんだんこんなことしてなんになる、
本人が楽しんでるならそれはそれでいいだろ、
別にワンは俺の彼女でもないわけだし、
みたいなことを思い始めて、結局放置することにした。

そんで別の友達と外でタバコ吸ったり、ぐだぐだしていた。
でも実はこの時も心の中ではワンのことを心配していて、
(頼むから、なんもしないでくれよ、エルナンデス君・・・)
と切に思っていた。

俺は次の日朝からバイトがあったので2時半くらいには帰ろうということを、
前もってワンには伝えていた。
そして2時半になったので、ワンとエルナンデス君を探し出して、
ワンに「そろそろ帰んなきゃ」みたいなことを言った。
ワンはかなり残念そうで「もうちょっとだけ!」みたいなことを言ってきた。

俺は自分のふがいなさやエルナンデス君の突然の登場に
少しイライラしていたので、
「は?約束しただろ。明日朝からバイトだし、お前を一人にはできないよ」
と言った。
エルナンデス君が口をはさむ。
「こいつは大丈夫だ。俺が寮まで連れてく。」

お前が信用ならないんじゃああああああ!
となんだか心が燃えてきたので俺も引き下がれなくなって、
「いや、もう約束してたんだ。帰ろう!」みたいなことを言った。

そんな口論を続けていると、
エルナンデス君が妥協案を示してきた。

「よし、じゃああと30分したらみんなで帰ろう。それでいいだろ?」

こいつは俺より年下のくせに・・・
とか大人げなく思いつつもその案でまとまった。

そして30分後みんなでタクシーよんで寮に帰りましたとさ。

タクシーの中では、なんだか空気が重くなって、
みんな黙っていた。俺もワンに何か言おうと思ったけど、
言葉が見つからないまま寮に着いた。

ワンの住む寮は俺の住む寮とは少し離れていたので、
いつもクラブに行ったときは俺が寮まで送って行っていた。

この日もエルナンデス君はなんとなく空気を読んだのか、
送るのは俺に任せてくれた。

何かこの辺の心意気も結局はエルナンデス君の方が俺より勝っていて、
そのことが余計に俺をイライラさせた。

ワンの寮までの道中で俺はワンに謝った。

「もっといたかったよな・・無理言ってごめん」

「別にいいよ」

とワンは答えてくれたが、やっぱりなんか寂しそうだった。

ここまで読んでもらえれば
俺がこのとき本当はワンのことが大好きどということが
分かってもらえるだろう。

その夜部屋に戻った俺は、
ようやくその気持ちを理解し始めていた。

やべえ、ワンのことが好きになってしまった。

でもそれを理解したくない自分がそこには確かにいた。
理由はいろいろある。

以前にワンとそういう話になったことがあった。
「俺君は彼女作らないの??」

「実はこっちに来る前にメンヘラの彼女を振ってきてるんだ。
だから彼女は当分いらないと思ってるし、
残りの留学生活も3カ月だから作ったところで辛いだけだろうな」

メンヘラの彼女がいた奴には共感してもらえるかもしれないけど、
その重さに若干トラウマさえ抱くものだ。

そんな会話をしたことがあった。
だからワンも俺は彼女がいらない人だと思っている。

その夜は一睡もできなかった。
翌日のバイトもずーっとうわの空だった。

ワンからメールが来た。

「暇だよー。今何してんの??」

「今バイト終わって帰ってきたとこ。
昨日なんか分かんないけど眠れなかったから今すげー眠い」

「おやすみー」

みたいな感じで、いつもと変わらない感じに戻っていた。

そして俺たちにはここから階段をかけ落ちるような展開が待っていた。

俺の誕生日が迫っていた。
誕生日の2日前くらいにジャイとナムのシェアハウスで
誕生日パーティーをしてくれることになった。

参加者は俺・ジャイ・ナム・ワン・ヤン、そしてあと何人か。

パーティー自体はもう考えられないほど楽しかった。
ジャイがこの日のために中国系のスーパーで買ってきてくれた、
55度の中国酒をショットで飲み始めたあたりから危ない雰囲気になってきた。
もう世界がぐるぐる回っていた。
友達が俺のことを家の中で胴上げとかしてくれた。
それで酒はまわるまわるww

あるときナムが気付いた。

ジャイとヤンがいない。
さっきまでみんなでばか騒ぎしていたのに突然2人して姿を消した。

前にも書いたけど、
ヤンはジャイのことを片思いしていた。
でもジャイには中国に愛する恋人がいる。
(毎日定時にスカイプでちゃHするくらい)
だからヤンの恋はもう終わった、というのが俺らの共通認識だったから、
俺とナムは

「おいおいおいおいおい!!!wwwwwまじかよ!wwww」
とテンションがMAXになった。

俺とナムは2階のジャイの部屋に忍び足で近づいた。

そして耳をすませば・・・

「カントリーロード(ちゅぱちゅぱ)、この道(ちゅぱちゅぱ)
ずーっと(ちゅぱちゅぱ)、ゆけばー(ちゅぱちゅぱ)」

wwwwwww
まじかよ、あいつらやってんのかよ!!?!?!?!

おれとナムはその場ですこし固まった。
そして静かにその場を去った。

パーティーの部屋に戻るとワンが

「何してたの?????」
と興味深そうに何度も聞いてきたけど、
俺とナムはひたすら言葉を濁した。

「えーーーーー教えてよーーーーーー」

「いや、お前は知らなくていいから、ほんとにwwww」

この出来事が酔った俺を狂わせたことは後になって分かった。

宴もたけなわ、パーティーはお開きとなった。
俺は自力じゃ歩けないくらいに酔っていたので、
寮の部屋までワンが送ってくれた。

寮に入る。
ワンがちいさな肩を俺に貸してくれている。
この時には自分の気持ちが分かっていた俺は、
いやらしいことを考えつつも、いやさすがにそれはできない。
こいつは恋人じゃなくてただの親友だ。

と必死に自分を抑えていた。

部屋まで向かう廊下で、
酔った俺は口をコントロールすることができずにこう言った。

「今日俺の部屋に泊っていって。」

ワンは特に間も空けずに「いいよ」とだけ答えた。

部屋に入って、服を着替えた。
そしてベッドに直行した。
ワンは俺のよこたわるベッドの端っこの方に
ちょこんと同じように横たわった。

女の子と同じベッドに寝ている。

一応童貞は卒業している俺にはその状況は理解できた。

「ハグしてもいい??」

「いいよ」

俺はゆっくりとワンの身体を抱き寄せた。

ちなみにワンは非処女。経験人数は1人だと言っていた。
エルナンデス君の件で俺の珍発言「ワンはせクロスが嫌い」
というのは実を言うと事実だった。

前に本人が言っていた。

そんなことが脳裏をよぎりつつも、
俺はことをしめやかに進めた。

「キスしていい??」

「いいよ」

最初はただのキスだったけど、あまりに抵抗しないもんだから、
普通にべろチューもした。

その後はまあ淡々と淡々と一歩一歩本番まで近づいていった。

余談だけど、この行為中に衝撃の事実が発覚。
ワンは外見結構おっぱいありそうに見える。

少なくともCは堅いだろうなあと前々から思っていた。

でもおっぱい触った時すべてを理解した。
ブラが異常に分厚いのだ。
通常のブラにももちろん多少のパッドみたいのは入ってるもんだが、
そんなのとはケタ違いの存在感だった。

実際は多分ぎりぎりBないくらいのAだと思う。

とにかくびっくりしたのはなんも抵抗しないこと。
こいつビッチかもなとこのとき始めて疑い始めた。

まあ本番の準備がすべて整ったってところで、
俺は気付く。ゴム持ってないwwww

その辺のぎりぎりの貞操観念はまだご健在だったため、
すんなりとそこで諦めることができた。

「ああ・・ゴム持ってないわ。寝る。」

実は行為中も眠さMAXだった俺は、
そう言って速攻眠りに落ちた。
ひでえなwww今思うとひでえww

翌朝5時くらい。
物音に目を覚ますと、ワンが身支度をしていた。
寝ぼけ声で

「帰るの??」と聞くと、

「うん」とだけ答えた。

「なら送ってくよ。ちょっと待ってて」

「いい。大丈夫だから。」

と言って部屋から出ていった。

その後また深い眠りに落ちた俺は、
昼の11時くらいまで寝ていた。

俺はどんなに酔っても翌朝記憶は鮮明にある人間なので、
もちろん昨晩俺のしでかした事態の大きさは分かっていた。
速攻でメールをした。

「昨日は悪かった。悪酔いしちゃったみたい。忘れてくれ」
みたいなメールだったと思う。

「大丈夫だよ。俺君は二日酔いとか平気なの??」
といつもと変わらぬ文体でメールは帰ってきた。

そして俺の誕生日の前夜。
俺の部屋でワンとヤンと0時の誕生日の瞬間を迎えてくれることになった。
7時くらいから部屋に集まって、軽く飲んでいた。

一つおかしなことがあった。
ヤンが全くしゃべらない。
もしかしたらワンがあの夜のことを話したのかなとか思ったけど、
ワンに目配せしても首をかしげるだけだった。

10時くらいにワンが洗濯機を回していたことに気がついて、
一旦部屋に戻って乾かしてくると言った。

もう夜だったので、
「みんなで一緒に行こうよ」と俺はワンに言ったけど、

「いいよ。すぐ戻ってくるから。誕生日に間に合わなかったら死んで詫びるよwww」
みたいな感じだったので、まあ大丈夫かなと思ってそのままにした。

そして部屋に俺とヤンのふたりきり。
俺はジャイの件でヤンはビッチだということを認識していたため、
なんとなく警戒しつつも、なんで今日は静かなのかを聞いてみた。

「なんか今日元気ないよね。なんかあったの??」

「いや何もないよ。ただちょっと疲れてるだけ」

「そうなんだー。いや何かあったら何でも言ってね」

みたいなことを話していた。すると突然ヤンが言った。

「俺君ワンのことが好きでしょ」

図星だった俺は「えっ・・・なんで?ww」
みたいにきもい返事をした。

ヤン曰く、
「あたしは俺君より年上だからね、経験が多いの。」

ここでいう経験は多分セクロスとかより人生経験みたいなものかなと思った。
ちなみにヤンはたしか24歳くらい。見た目は16くらいだけどwww

「だから俺君のこと見てると分かるのよ。」

「じゃあ別にワンとのこと何にも聞いてないの??」と聞くと、

「やっぱりなんかあったんだwww」とニヤッとした。
やられた、カマかけられたww

そして俺はヤンにワンとの間に起こったことを、
自分の気持ちも含めて洗いざらい説明した。

ヤンはこう言った。
「だからあたしは今日は静かにしていようと思ったの。
なんだか2人のことを見てると自分が邪魔者のように思えてきて。
あたしも女だから、やっぱり少しそれは見てて傷つくのよね。」

「いや別に俺らはそんな特別じゃないし、みんな仲良くしたいだけだよ」

「そういうわけにはいかないの。あたしの心が無理って言ってる。
だからこれからはあなたたちと距離を置こうと思うの。」

俺はイライラしていた。
ヤンのことも普通にいい奴だと思ってたけど、
この時を境にこいつのことを
ただのプライド高いくそビッチとみなすことにした。
だってそんなの勝手すぎるやんw

ヤンはこうも言った。

「ワンはまだ19歳でしょ。彼女はやっぱり心のどこかで、
チヤホヤされたいって思ってるの。
たくさんの男に言いよられる自分が好きみたいなね。
あたしもワンくらいのときはそういう風に思ってたから。
ほら、このまえのエルナンデス君だってそうよ。
あのあとワンはあたしに『エルナンデス君マジかっこいい』
みたいなこと言ってきたわ。」

は?何この女言いだすの?
自分が最盛期すぎたおばさんだからってひがんでんの?

とか思ったけど、その言葉は確かに心に響いた。
ワンは俺を「たくさんの中の一人」っていう風に認識してて、
だから俺と寝ることも抵抗しなかったのかと合点もいってしまった。

そしてヤンは俺の部屋から去っていった。
俺には彼女を止める意思が消えうせていた。

それから10分くらいしてワンが帰ってきた。

「ヤン、体調悪いから帰るって」

「そうなんだ。だから機嫌悪かったのかな・・」

「かもね。」

それから0時を迎えるまではたわいもない話を2人でしていた。
頭の中ではヤンから言われた言葉がぐるぐると回っていた。

俺は「たくさんの中の一人」かあ・・・・

そして俺は21歳になった。
ワンは一人で俺に「HAPPYBIRTHDAY」を熱唱してくれた。

「こんな時間まで一緒にいてくれてありがとうね」

「ぜーんぜんいいよ。俺君はBESTFRIENDだからね!」
とか言ってくれたけど、親友かあ・・などとさらに気分は塞がってきた。

「帰んないの??」と俺はワンに聞いた。
ヤンも帰ってしまったし、俺と2人でこんなして飲んでても
なんとなくつまらないかなとか思った。

「まだいいよー」

「いや帰った方がいいよ」と俺は少し強めに言った。

「え?帰ってほしいなら帰るけどwww」
どこまでも天真爛漫だな、こいつはとか思った。

「そういうわけじゃないんだけど・・・
ほら、この前みたいになったらよくないだろ?」

「ああ・・まあ・・・」
ちょっとどんよりとした空気になる。

今日で全部にけりをつけよう。
そう決心した俺は、

「あのー言いたいことがあるんだけど、びっくりすると思う。」

「恐い話じゃなければ・・・」

「恐くはないから聞いて。
まあ・・・その・・・あれだ。お前が好きだ。」

「!?!?」
ワンはびっくりしていた。でも俺の目には「ついにきたか・・・」
と言っているように見えてしまった。
それもこれもヤンの余計なひがみのせい・・

「知らなかった・・・」

(嘘つけ、知ってて弄んだんだろ・・・)

「まあ・・・それであたしとどうなりたいの??
俺君は彼女いらないって言ってたよね・・・」

馬鹿な俺はそこまで考えてなかった。
とにかく自分の想いを伝えて、
それですべて終わりにしようと思っていたから。

「んーそれは分からん。でもこれだけは言っときたい。
ワンはかわいいから周りにいつも男が寄ってくると思う。
でも俺はそういう男の中で?1になりたいんだ。
それが付き合うとか付き合わないとかは別としてね。」

ワンはちょっと困ったような顔をした。

「えーよく分かんないよ。俺君はあたしと付き合いたいの??」

まあやっぱりそこが気になるよなああ
とか思ってうーんうーん言っているとワンはこう続けた。

「あたしがナムに振られた後、俺君とすごく仲良くなって、
好きになったこともあったよ。
でも、俺君は彼女いらないっていうし3カ月で帰っちゃうし、
って思って親友っていう道を選ぼうと思った。」

そうだったのか・・・知らんかった・・・
そうなると判断は俺に委ねられているようなものだった。

もし俺がここで付き合わずに親友のままでいるとするだろ。
そしたら付き合うということと何が違うんだろう。

セクロスか?この前は酒で醜態をさらしたが、
こんなにも好きな子にそんなことはもう2度としないと心に誓っていた。
だから違う。ただ帰るまでの時間を楽しく過ごしたいだけだ。
そしてその楽しいという感情はワンといるときが一番感じる。

俺はワンに伝えた。

「付き合いたい。前はああ言ったけど、
今はお前のことを誰よりも深く愛するって決めてる。
3カ月経った後のことは分からない。
先のことなんて誰にも分からないだろ。
でももしワンがおれと一緒にいることで幸せを感じれて、
そんで俺もそれが最高の道だって思えるなら、
俺はワンと付き合いたい。」

留学行ってから気付いたこと。
英語だとどんなくさいセリフ言っても、
意味が間接的に頭に入ってくるからか、あまり恥ずかしくないんだwww
でも今書いてて死ぬほど恥ずかしいなwww

ワンは「分かった」とだけ言ってものすごく考えていた。

普段は天真爛漫でいつも華やかな顔をしているけど、
このときはとても深刻そうに何度も「うーん」と言いながら考えていた。

逆に俺はとてもすがすがしい気持ちだった。
もう言いたいことは全部言ったし、
結果がどうであれ後悔はなかった。

ワンはこう言った。

「今まで付き合った人に振られる第1の理由って知ってる?
あたしは性格がこんなだから男の親友みたいな人がたくさんいるの。
もちろんそういう人たちとの間には特別な恋愛感情はないし、
でもそういう付き合いもすごく大事にしたいって思ってる。
でも今までの彼氏はそれが耐えきれなくてみんな消えてしまう」

俺は答えた。

「それはワンの気持ち次第だよ。
俺がワンが俺のことが一番好きだってことが感じられるんだったら、
ワンがどんな男の人と仲良くしようとも気にしない。」

それは正直な気持ちだった。
でものちのちこれですこし苦しむがwww

結局ワンはその日は答えをくれなかった。

その次の夜、あの彼が再びこの話に絡んでくる。
それはジャイでもナムでもなく、
エルナンデス君だ。

その晩喫煙所で煙草を吸っていると、
たまたまエルナンデス君と一緒になった。

最初俺は気まずさしか感じてなかった。

まあ英語だし、「最近どうよ?」とか「何吸ってんの?」
とかの常套会話はしてたけど・・
そしたらまたもやエルナンデス君に口火を切られた。

「俺たちはもっと話さなきゃいけないと思うんだ。」

俺は内心くやしかったが、負けじと
「ああ」みたいになるべくダンディーに聞こえるように答えた。

そして外は寒いのでエルナンデス君の部屋で話すことにした。

部屋に入るとエルナンデス君は
真っ先にFBで彼の彼女の写真を見してくれた。

おいおいおいww彼女いんのかいwww
彼女は彼と同じコロンビア人でいかにもといった豊満ボディだった。

まあ社交辞令的に「きれいじゃんww」みたいにいうと
「だろ!?!!?マジ最高だぜ!!!」とテンションがMAXになった。

「彼女の写真なんて普通は他人に見せないんだけど、
お前には見せとこうと思ってな。
お前はあのワンだかトゥーだかって子のことが好きなんだろ?」

おまww名前くらい覚えとけってww
このときからかすかに、
(もしかしてエルナンデス君て馬鹿でいい奴???)
という思いが芽生え始めた。

エルナンデス君は続けた。

「お前がナイトクラブで『彼女はセクロスが嫌いだ』
とか抜かしたときは、お前のこと頭おかしいやつかと思ったぜww」

「やめろwwはずかしいww黒歴史ww」

「いいか。好きな女がいるときは絶対に好きって言っちゃだめなんだ。
好きって言ってしまうと女はキープに入る。ああ、こいつはいつでも遊べるなって。
そうじゃなくてひたすらに自分に惚れさせるんだ。」

こいつ・・・ただの17歳じゃねえ・・・

「たとえばこの前のナイトクラブでいうと、
お前は俺たちのことをドラクエみたいに追っかけて来たよな。
あれをワンはすごい嫌がってたぞ。
お前はワンの親じゃないんだからな。
そうじゃなくて放しとくんだよ。そうすればワンは『あれ?』って思うから。
でも絶対に目を離しちゃだめだ。
何かあった時はお前が身体を張れ。
それも気付かれないように。
だからお前はあの時あんなクレイジーなことを言うんじゃなくて、
俺に『あいつは俺の女だからなんか手出したら鼻の骨折ってやるからな』
って言うべきだったんだ。」

「もちろん俺は彼女がいるから変な気持は全然なかった。
ただ向こうがひょいひょい着いてきたんだ。」

イケメンはやっぱり見えてる世界がちげえなと思った。
俺が女だったら確実に股開くレベルの男だよエルナンデス君。

だから俺はその作戦を実行することにした。
もう「すき」って言っちゃってるからほとんど失敗なんだけど。

その翌々日くらいにワン・エルナンデス君を含めた大勢の友達で
ボーリングに行くことになった。
エルナンデス君と相談して、
序盤はエルナンデス君がワンの相手をして、
俺はあたかもワンには興味ありませんみたいに振る舞った。

そしてボーリングからの帰り道。
みんなでとぼとぼ大学まで歩いた。
最初はエルナンデス君と一緒にいたワンだけど、
途中で俺のところにやってきた。

「どうしたの?」と俺が聞くと、

「なんでそんな速く歩くの??あたしヒールはいてて足マジ痛い」

「ハハハ。じゃああしたからヒール禁止なー。」

「えーーーーー」
みたいに関係がこじれる前みたいに楽しく話した。
次第にワンのテンションが下がってく。

「どうしたの??」と俺がもう一回聞いた。

「何でもない。」

「はー?いえよー!」

「何でもないって言ってんじゃん!」

みたいな感じで結局寮に着いてしまった。

その夜はなんだか変な胸騒ぎがしてよく眠れなかった。
でも明け方に一気に疲れが来て、起きたら12時を過ぎていた。

メールが来ている。ワンからだ。
「一個きいてもいいですか?」

「なんですか?」

「まだ私と付き合いたいですか?」

難問キタ―!!!!
これはワンが心を決めたから来たのかなとか思ったし、
イエスと答えれば、「ゴメン」と言われそうで、
ノーと答えれば、「分かった」と言われそうで、
ここで俺は完全にヒヨッタ。
付き合わなくても今みたいに楽しく毎日が過ごせれば幸せだ
とか思って「ノー」という返事をしてしまった。

「okok」

これがメールの返事だった。
これで終わりだなって思った。
でもそこまで後悔はしておらずむしろちょっと気持ち良かった。

その日の夜、ワンからメール。

「今日ナイトクラブ行くけど一緒に来たい?」

俺は正直戸惑った。
このタイミングであのエルナンデス事件のあったクラブに??
しかもエルナンデス君はあの日の俺の行動をワンは嫌ったと言っていた。

「誰が来るの??」

「ヤンと行く。他は知らない。」

「俺に来てほしいの?」

「俺君に聞いてんの。」

「じゃあ行くよ。」

当時の俺の推理はこうだった。
ワンは俺との関係を元通りに戻したくて、
だからヤンも誘って昔みたいに遊びたいっていう風に思って
俺に声をかけたのだと。

だからもし俺がここで「行かない」と答えると、
これからは俺たちはもっと疎遠になってしまうんじゃないかと。

よって俺は行くと答えて引きずった気持ちは全部ここに捨てていこうと決めた。

ナイトクラブはかなり盛り上がった。
酒も結構進んだし、ワンもヤンも俺もそれなりにそれぞれ楽しんでいた。
ちなみにエルナンデス君はこの日はいなかった。

とくにワンは酒のペースが速かった。
テキーラショットを多分10以上は余裕で飲んでいたと思う。

俺が一人でダンスフロアを眺めていると、
ワンが後ろからとなりにやってきた。

「楽しんでる??酔ってんの???」と聞くと、
へろへろな声で「酔ってませーン」と答えた。

「俺君、一つ言いたいことがあるんだけど。」

「何ですか??」

「一つ言いたいことがあ、あるんですけどおお。」

「だから何??」

「大好きよ」

信じがたいことが起きた。

信じ難かった。ワンは酔っていたから。
だから俺はとにかく冷静で居続けた。

「分かった分かった、酔ってんだなww」

「酔ってませーン!だいすきでぅうううう!」

「はいはい」

みたいに話してた。

「踊らない??」とワンが聞いてきたので、一緒に踊ることにした。
それまではみんなで一緒に踊ったり、
みんなの中でたまに2人で一緒に踊ったりとかはしたけど、
2人きりでダンスフロアに降りて踊るというのは初めてだった。

踊っているとワンはキスをしてきた。

ナイトクラブから出た後、ワンに水を飲ましたり、
タクシーがなかなかつかまらなかったりとかで、いろいろ大変だったけど、
そんな中でワンの酔いはドンドン醒めていった。

それでもあれだけ飲んだのだから、
ワンの部屋まで付き添って行った。
もちろんあの言葉の真相を聞きたかったのもあった。

部屋に向かう途中ワンは俺にこう言った。

「今日はうちに泊まってくれる??」

「その前にちょっと話をしような」

「うん」

2人でベッドに座って話をした。

「今日クラブで俺に言ったこと覚えてる??」

「覚えてるよ。」

「俺はあのときワンは酔っぱらってへろへろだったから、
あの言葉の真意はまだ分からないんだ。いまは大分落ち着いているように見えるから、
もう一回教えてくれる??」

「俺君の誕生日の日からいろいろ考えたの。これからのこととか。
俺君の言うように3ヶ月後にあたしたちがどうなってるかなんて分からない。
でも今あたしは俺君といるのが一番幸せだから、
付き合いたいって思ったの」

「じゃあ本当に俺たち付き合えるんだね??」

「うん。」

俺は本当にこの瞬間幸せだった。

3カ月間の一緒に入れる期間でとにかく
ワンの人生の中でも1番の男になれるように頑張った。
もちろん学費を払っているので勉強を第1優先にはしたけど、
それでも毎日10分でも5分でも時間を見つけては、
ワンに会いに行った。

毎日夜3時くらいまで図書館に籠る生活が続いたけど、
週末などはいっしょに街に買い物に行ったり、
ご飯を作ったりした。

ここからは書いてもつまらんような出来事ばかりなので、
簡単に箇条書き。

・韓国人のある男(ナムじゃないよ)への異常なまでの嫉妬
・インドネシア人のこぶつきのロンドン旅行
・コンドーム破けたか!?事件
・ヤンとの間の埋められない溝
・俺、帰国便を逃す

などなど

俺の帰国日が迫るにつれて、やっぱり涙なしでは語れない話もあった。
結構本気で日本の大学辞めて、こっちの大学に編入することとかも考えた。
でも現実と折り合いつけてしまって、あと日本でばあちゃんが死んだこともあって、
予定通りに帰ることになった。

帰る前に何度も何度も何度もワンに伝えたことがあった。

「自分の気持ちに常に正直にあってほしい。
常に自分の幸せのことだけ考えてほしい。
俺はつねにワンの味方だから。
もし俺が帰った後に、いい男を見つけたら迷わずがっついてくれ。
俺ももしいい娘にあったらその娘と幸せになれるように頑張るから。
でも、付き合い始めたときから心に決めてきたことは、
ワンの思い出の中で?1になりたかったということ。
それがどうだったかはワンが死ぬ時に決めればいいからね」

そうして俺は日本に帰ってきたわけだ。
やっぱりああは言ったもののワンのことはまだ大好きで、
実は心のどこかでワンも俺のことをずっと思い続けてくれればいいのに
って思っていた。

そんなことがもし起きたら、
俺は親の反対も周りの目も気にすることなく結婚しようと決めていた。

帰ってきてからも何かとメールはしていたし、
スカイプも定期的にはしていた。

そうして帰国から1ヶ月ほど経ったときに、
中国の春節に合わせて、好きだよという風にメールを送ってしまった。
なんとなく、本当になんとなく気持ちを伝えたくなったから。

そしたらメールが返ってきた。

「俺君、ごめんなさい。俺君は本当にあたしのことを深く愛してくれた。
本当にうれしかったし幸せだったよ。本当にありがとう。」

と書かれていた。
来る時が来たか。早かったな。
と意外にも冷静に思っていた。

「大丈夫だよ。好きな人ができたんだね?」

「うん。本当に好きなの。まだ付き合ってもないんだけど」

「それを聞いて俺もうれしいんだよ。ワンが幸せに近づいてるんだから。
だから頑張って彼をゲットするんだよ。」

俺はまだまだしばらくワンのことを思い続けるけど、
彼女はまた新しい幸せを見つけれたんだなと思って、
俺もまた頑張ろうという風に思ったとさ。
コピー