12月17

大沢先輩



 部活で人気を得るためには上手くなければいけない。
僕は必死に練習してコンクールのメンバーに選出された。
メンバーは音楽室で合奏練習の参加が許され、
先輩たちにも認知される。
数日で合奏にもなれて、きょろきょろと先輩たちの観察を始めた。
いつもぼんやりと運動場をみつめるパーカッションの先輩が目に止まった。
西日が先輩を照らし、少し脱色した髪の毛をオレンジに染め、
ほおの産毛がベールのように光を反射した。
きれいだな…僕はぼんやりとみとれてしまった。



 「大沢さんまた外見てる」
となりで吹いている先輩が僕の視線に気づいた。
「あの子はかわってるから、ケン君かかわっちゃだめだよ」
「僕は…別に…」
しどろもどろになりながら、合奏に集中した。
楽器を片付ける時、さりげなく大沢先輩とタイミングをあわせた。
先輩は制服のリボンも名札もはずし、スカート丈を伸ばし、
少し不良な格好をしていた。
「ケン君だっけ、よろしくね」
突然の会話に僕は舞い上がった。
「あの、その、おつかれさまです」
チャンスを逃したくないので、一緒に帰ることに決めた。



 帰り道はたった15分だ。先輩と僕は小学校が違うため、途中から方向が違うのだ。
僕は勇気を出して、いつもどこを見ているのかたずねてみた。
「少しむこうに給水塔があるでしょ?」
運動場から見えるキノコ雲を思わせるタワーだ。周囲が公園になっている。
「昔、あの公園で家族で花火したんだ?。昔ね…」
「花火、好きなんですか?」
「お父さんが火をつけて、大きいのをドンドンって」
先輩はうっすらとほおにえくぼを作った。
また笑顔にみとれて沈黙が続いた。
「こら!」
先輩の声で我に返る。
「会話が止まると嫌われちゃうよ。まあいいけどね」
いつの間にか別れ道で、くすっと笑って先輩は信号を一人で走って渡っていってしまった。



 僕は寝ても覚めても先輩のことを考えた。
先輩をネタにはできなかった。何故か罪悪感が膨らむからだ。
必死に一緒に帰る努力をした。
好みのタイプは国広富之、中ランが好き、お昼はパン、マミーが好き…という他愛のない話から、
僕のオナニー回数、他の先輩のHな噂といった下ネタも話した。
「家帰るの嫌になっちゃうんだよね」
先輩はさみしそうにつぶやいた。
「それって…」
「違うよ、家が嫌なの。純粋に」
僕の淡い期待を先輩は笑顔で打ち消した。
「家が嫌いなんすか?」
「子供にはわからないよ」
先輩はうつむいて信号を渡っていった。いつも不思議な影を背負う後ろ姿だった。



 夏休みに入って、部活の練習はますます厳しくなった。
そして恒例の合宿が始まった。
男子は教室、女子は柔道場で寝泊まりする。
厳しい禁オナニー合宿でもある。夢精が恐怖だった。
 夜になり一息ついた時、部長が男子部屋に飛び込んできた。
「大沢さん知らない?」
夕食から行方不明なのだ。深夜徘徊で補導…部員はそれを恐れていた。
「みつけないと。先生にも言おう」
先輩達は、ヤンキーだから、変わり者だから、と大沢先輩の陰口をはじめた。
「僕、外見てきます」
僕は先輩がどこにいるかわかっていた。給水塔だ。
僕は走った。なんだか嬉しかった。



 公園のベンチにジャージ姿の大沢先輩が座っていた。
「あは、ばれたね」
屈託のない笑顔だった。足元に線香花火が落ちていた。
「すぐわかりました」
「だよね?、ケンがわかるだろうって出てきたし」
「花火、したかったんですか?それならみんなで…」
「特別なんだよ。ここはお父さんがかっこよかった場所」
僕の言葉をふさぐように先輩は話し出した。
「お父さん、死んじゃってね…うちに新しいのが来てるの」
突然のシリアスな話に僕は狼狽した。
どんな顔で聞けばいいのか、聞いたらなんてコメントするのか、
僕は子供過ぎて、まだうまくやれる自信がなかった。



 「お母さん、勝手なんだよね。舞い上がっちゃって」
先輩は頭を僕の肩に預けてきた。Vネックの体操服の胸元に視線がいく。
ブラの透き間に褐色の乳輪がのぞく。
もそもそと音を立てて僕は勃起してしまった。
「もう!」
先輩はそれを見て笑った。怒られずにすんでほっとした。
「新型もさあ、わたし見て勃ってんだよ」
先輩は新しい父親をZガンダムのように呼んだ。
「お風呂のぞいたり、引き出し漁られたり…」
僕は憤った。チンコも憤っている。先輩は深くため息をついた。
「ケンも新型も一緒か…」
意地悪く先輩は笑う。
僕は真っ赤な顔で勃起したままプレゼンテーションを始めた。



 「わかった、わかった」
先輩は機関銃のように自己弁護する僕の口を手でふさいだ。
そしてほおにキスしてくれた。
「先週、新型のを握らされたんだ…」
そういって先輩は僕のチンコをなでた。
「ケンもさわって欲しい?」
素直にうなずいた。先輩は僕のジャージを脱がしてくれた。
「色がちがうね…」
じっくりと先輩に観察された。雑なさわり方が少し痛かった。
「精子みせてよ」
そう言うと先輩は乱暴にしごきだした。秒殺で僕は射精した。
先輩は手についた精子を振り払っていた。
「へんな匂いするね、イカとは違うけどな」



 足で地面に飛び散った精子に砂をかけた。
「ケン、わたしとセックスしたい?」
「したい…です」
「わたしだからしたい?わたしだけ?」
「僕、大沢先輩が好きです」
「一生、わたしだけ好きでいられる?」
僕はうなずいて嘘をついた。クラスにも好きな子がいる。
「コンクール終わったら…しよ?」
僕は先輩を抱き締めてキスをした。
 学校への帰り道、先輩はおニャン子クラブの歌を歌った。
「セーラー服で処女を捨てるんだ?。脱がしていいよ」
もう一度キスをした。

10

 学校で大目玉を食らい、僕達は合宿生活に戻った。
コンクールは惜しくも代表に選ばれず、
地区大会で夏は終わった。
先輩と僕は約束を果たせなかった。
新しい父親のイタズラはエスカレートして、
先輩の素行はますます悪くなっていった。
受験という理由で二人の関係はフェードアウトした。
受験という詭弁でクラスの女の子に僕は夢中になった。
お別れも言えないまま先輩は卒業した。

中三になった時、先輩の訃報が部に届いた。
お別れも言えないまま…

エロくないです(⊃д`)
文中に出てくるクラスの子がエロいんです。
リクあらば・・・です。

悲しい思い出なので書きたかったんです。
萎えでスマソ

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