真夏のウエイトレスのコスチュームは胸開きでセクシー。
高校生バイトの胸の谷間はその肌のきめの細やかさとテーブルを拭くときのかがんだ姿勢で男性客の目をくぎ付けにした。
ああ。もちろんおっぱいはいわゆるロケット乳でその距離も息遣いがわかるほどの密接なものだった。
その娘の名前はイボンヌってことにしておこうか。
「ヤング麺セットください」
そしてつい注文してしまうのだった。
その、お好きなラーメンとチャーハンに餃子がついたセットメニューを。
しかし誰にでもあるであろうそんなささやかな楽しいひと時も夏の終わりとともに姿を消したのだった。
それから一年後。真夏のことだった。ある晩そのラーメン店を訪れるとそこには胸の開いた衣装のイボンヌがいた。
目が合うと知っている、あのヤング麺セットを毎日注文していた人だと無言のうちに語っていた。
思わず激辛みそ野菜タンメンくださいと注文していた。
午後9時を回ったところだった。
車の中で冷房を風量マックスにして涼んでいるとお店の裏口から出てきたのは普段着に着替えているもののバイト帰りとわかるイボンヌだった。
なんと自転車に乗り軽快にペダルをこぎ出した。
あのとき、最後まで追っていったら人生は変わっていたのだろうか。