「セックスは私たちの命の成り立ち、根幹となる部分なのに、
日本の性教育の中では、恥ずべきものだと思われています。
性交、セックス、避妊、中絶・・命のスタートの部分はひた隠しにする。
なんだったらなかったことにする風潮がまだまだ根強いんです。
でも、セックスが何かというのを知って、性教育=命ということを伝えない限り、
乗り越えられない壁が出てきます」
性教育で一番大事なのがセックス!? それを未就学児に伝えるのは、ちょっとハードルが高すぎやしませんか・・・?
「セックスの話をして、子どもが理解してると思ったら大間違い、
一切理解してないですよ!だから安心して伝えてください(笑)。
たとえば、『命ってどうやってできるの?
赤ちゃんってどこから生まれるの?』と聞かれたときに、
『おしっこの穴と、ウンチの穴の間に、幸せの穴=膣っていうところがあるんだよ。
そこから生まれてくるんだよ』と伝えるのも性教育の1つ。
『じゃあ、どこから入るの?』と言われたら、
そのまま科学の方程式として伝えてあげればいいだけのこと。
『お父さんのおちんちんの先から、精子っていう
おたまじゃくしみたいな種が出るんだよ。
お母さんのお腹の中には卵があって、それがくっつくと受精卵っていう、
赤ちゃんの卵ができるんだよ。
それが十月十日お腹の中にあって、あなたたちが生まれたんだよ』
って話をしてあげればいいだけです。
すごく難しく考えてらっしゃる方が多いんですけど、
子どもたちは私がいくらこんなことをいっても、ほとんど覚えてないです。
だけど、なんか大切なことはいってるんだなってことは伝わります」
10歳までは、性産業の「性」ではなく、あくまでも「命って大事なんだよ」というのを教えていくのが性教育。
そう思うと、ハードルは下がるかもしれません。
「命について話していると、
セックスについてよくわからなくても、
赤ちゃんがどうやってできるか仕組みはわかるんです。
うちの娘は『パパとママがセックスしたからできた』って普通にいうんですよ。
よそのお母さんたちが聞いたら『なんてことを言わせているんだ!』
と思うかもしれないけれど、わが家の子どもたちにとって、
セックスは子どもを作るための行為なんですよね。
まだ全然いやらしく思っていないから口に出せる。
うんち、ちんちん、おっぱいという言葉は、中学生になったら言いませんよね。
でも、未就学児のときはそれしか言わない(笑)。
それは一切恥ずかしいという気持ちがないから。
小4の娘も『弟が欲しいからセックスして』っていうんですよ。
この子にとってセックスは方程式と同じ。
でも外では絶対に言わないようにしつけてあるので、
そこだけ徹底しておけば、命の話は存分にしてあげてほしいと思います」
子どもたちは、命の絵本が大好き。命の根幹や生きる源について答えてあげることは、自分を知ることにつながるといいます。
「小さい子に性教育をするのは、すごく難しいと思うんですけど、
超えた先に”母親になってよかった”っていう瞬間がたくさん待っています。
こんなかわいいことをいってくれるんだとか、
こんなことで悩んでいるんだとか、
『産んでくれてありがとう』っていう言葉とか、
胸キュンの瞬間がたくさん!
性教育は、子どものための教育ではありますが、
ママ自身の自己肯定感があがったと、みなさんいいます」
子どもを産んでよかった!という感覚、もう一度、もう何度も味わってみたい!
・・・とそのためには、実践あるのみ。