04月2

タバコヌード

昭和60年代、僕がc学二年生の時でした。
悪友にインスタントカメラを貸してもらったのです。
カメラ本体を親類から譲り受けたけど、フィルムが高いから なかなか使いようがないので、
「お前カメラ好きだから、よかったら使えよ。」と言ってくれたのです。

悪友はこんな事も言ってました。
「写真屋さんに頼めない写真もOKだぜ。」

  ○

悪友が言ってた「写真屋さんに頼めない写真」それはヌード写真のことでした。
悪友はシャレのつもりで言ったのでしょうが、僕にはその写真が撮れそうな女がいました。

同学年で近所に住むレイ子です。
レイ子の家に遊びに行った時、彼女の母親が読んでる婦人雑誌を見せてくれました。
それに、女子s学生のヌード写真が特集されていたのです。
レイ子は「こんな子供のヌードより、私のヌードの方がよっぽどキレイよ!」と憤っていたんです。

僕はレイ子に、インスタントカメラを貸してもらったから、モデルになってと言いました。
レイ子は喜んでくれました。

  ○

まだ暑い秋の始めの撮影の日、二階にある僕の部屋にやってきたレイ子は、さっそく服を脱ぎました。
さすがに自信あるだけに、おっぱいが大きくふくらんだレイ子の身体でしたが、
(なんだ。パンティーは脱いでくれないのかよ)……ちょっと拍子抜けしました。

それに、裸になったレイ子はしきりと窓を気にするのです。
「あの電線から、ここ丸見えじゃないの?」
「いや、あんなところに人は来ないでしょ。」
「でもほら、鳥が止まったら部屋の中見えるじゃない。」
「じゃあ、カーテン閉めてやるから。」

僕は窓辺に近づいてカーテンを閉めながら、こっそり隠していたものを取りだしました。
そして、部屋の隅で固まってるレイ子にそれを手渡したのです。

「何、これ?」レイ子は手渡されたモノを見つめました。「本物のタバコ?」
「そうだよ……」僕はタバコを手にした裸のレイ子を撮りました。レイ子はシャッター音もフラッシュの光も気にならないようで、煙の流れを見つめていました。

「ベッドにあがってくれる?」
レイ子は僕のベッドにあがり、タバコを手にクッションにもたれました。
(すげえ、売春婦みたいだ。)

僕がシャッターを何度か切った時、レイ子はタバコをくわえたのです。
タバコの先っぽがオレンジ色に光り、レイ子の唇から煙が吹き出してきました。
「レイ子、タバコ吸えるの?」
僕が聞くとレイ子はちょっと笑って言いました。
「ウチはママがこっそり吸ってるから、時々ママのタバコを抜きとって吸ってみるの。」
「ふーん、レイ子は愛煙家だったのか。」そう言いながら僕は、ズボンの奥でチンチンがとんでもない硬さになっているのを感じていました。

10枚しかないフィルムを撮り尽くして、新しいフィルムパックを詰めました。レイ子は短くなったタバコを灰皿に押し付けると、慣れた手つきで新しいタバコに火をつけました。

「レイ子。」「なあに?」
僕は思いきって言いました。
「パンティー……脱いでくれない?」
「うん、いいわよ。」
レイ子はベッドであお向けになると、タバコをくわえたまま腰を少しあげてパンティーをずらせて行きました。
僕はその瞬間を逃しませんでした。
僕にとってそれは今も越えられない最高の「淫らな」ショットになりました。

   ○

僕はs学四年生の時、『ヌード写真の撮りかた』という本を手に入れました。
もっとも、それに見本として載せられているヌード写真を見ながらオナニーするための本でした。
とはいえ、何度もその本を読むうちに「撮りかた」も頭に入っていたのです。

こんな文章も頭にこびりついていました。
……モデルとの意志疎通がうまくいかなかったり、モデルが緊張したりしている時には、タバコを用いるのも良いでしょう。
それはモデルの心を和ませたり、写真に耽美な演出を加えたりするのに有効です。……

僕はその項目に載せられた、タバコを手にしたりくわえたり煙を吹いたりする美女の姿で、気持ちいい射精をすることを覚えました。

今でも僕は、そんな写真を撮るチャンスを逃さないために、カバンの奥に新しいタバコとライターと携帯灰皿をこっそり隠しています。

09sp2019

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