「へ~。先輩。AVみるんですか~。やっぱジャンルは人妻だったりするんですか」
「いや。まあ。ひととおり」
「素人なんかはどうですか」
ドキッ。
この娘はなに考えてんだ。
ここはジャングルではないんだ。
野生が目覚めてどうする。
しかし答えは、
「はい。素人物はよく見ます」
と煩悩には勝てない自分がいた。
今ではありえないような状況も十数年前の職場にはあった。
ずいぶん寝てしまったようだ。
気がつくと車の中だった。
近くに止まった車のドアが開き、ルームミラーに写ったのは、薄青のサマーニットの上半身。
ポニテの女だった。
「素人なんかどうですか」
確かにあの娘だ。
ルームミラーに写る横顔。
そしてまさに熟女な肢体。
金魚鉢の中で金魚はぷくぷくと小さな泡を吹いた。
夕べ出したばかりなのにもう欲情している。
こうして男はまたひとつ「おかず」を手に入れる。
それにしても、またどうしてこうなってしまうのかな。
今夜も泡ならぬ白い精を噴くことになるのか。