俺の田舎は、紀州の山奥です。
15になると今でも公民館で集まる行事が続いています。
村のおばさん(ちょうど自分たちの母親の年齢)が手ほどきをすることになっています。
早熟な田舎ですから、小学5年でセックスしてしまったという奴ももちろん、います。
しかし、7割くらいはおこもりを終えてから、付き合っている相手ともからだを重ねるわけです。
で、俺、楽しみにしていたわけですよ。
もう付き合っている彼女はいました。大人しい子で、同い年。
美術部でいっしょで、しかも一ヶ月俺より年上。俺は、クラスで一番年下でした。
で、いよいよ、おこもりの日になったのです。
町に近いほうから、列を成して、一番山奥にある神社へ行き、
それから、公民館によるというので、待っていたのですが、
列は我が家に着たかと思うと、すっと通過してしまいました。
クラスの半分ほどと一クラス下(15というのは数え年です)の見知った顔が見えるのです。
といわれたのです。
友達の兄さん(福井の大学にのちに行った真面目な人です)がいたので聴いてみると、
「悪いけんど、おまい、ここの地のもんやないろ」
といわれました
「地の者やないって」
と聞き返すと、
「●●くんは横浜生まれで小学2年のころにこっちへ来たやないか」
といわれるのです。
「このおこもりは、ここで生まれた人間だけなんや。これはしきたりや」
そういうと、彼は一隊を引き連れて、お参りに行ってしまいました。
悶々としたのはいうまでもありません。
その晩、とうとう眠れずにマスターベーションを繰り返しました。
翌日、学校へ行くと、みんながすっきりしているように見えます。
すごい劣等感。