その日も、ターミナル駅は混雑していた。
スーツ姿のサラリーマンに杖をついたお年寄り、
ヘッドフォンからシャカシャカと雑音を振り撒いている若者。
ちょうどラッシュの時間帯にぶつかったらしく、構内の通路は
たくさんの人、人、人で溢れ、それぞれ忙しげに先を急いでいる。
一見して、特に珍しくもない日常的な光景。
だがその中には、行き交う人々の僅かな隙間をすり抜けるように
疾駆する蒼い影の存在があった。
常人の目には残像すら映らぬほどの速度で移動する蒼い影は、
さながら吹き抜ける一陣の風のようであった。
(――逃げられた……?)
しばらくして蒼い影は突然歩みを止めると、人々の前に姿を現した。
人混みの中から突如現われた影の存在に気づき、構内は俄かに騒然となる。
「うわっ、な……なんだ?」
「さ、さぁ……映画の撮影か何かじゃないか……?」
人々が騒ぎだすのも無理はない。
空間から突然何かが出現したという事実もさることながら、
その何かは人に似て非なる姿をしていたからである。
全身を覆うフルフェイスのヘルメットとワンピース型の戦闘用スーツは
明るい青色で統一されており、光を反射して少し眩しい。
背中には鞘に納められた日本刀とおぼしき武器が吊られていて、
近未来のイメージのうちにどこか忍者を彷彿させる出で立ちだった。
要するにこの場からは明らかに「浮いている」格好なのである。
しかしその蒼い影、もとい、ハリケンブルーは周囲の喧騒など
気にも留めず、ヘルメット内のディスプレイに意識を集中させた。
駅の構内図の中に、敵の姿が光点で示される。
(……いや、まだ近くにいるわ)
おおよその位置を確認して再び走り出そうとしたその時。
『――七海、聞こえるか?』
七海の耳におぼろからの音声通信が入る。
『いったんひき返して鷹介達と合流するんや』
『お願い、もう少しだけ』
『あかん、深追いは禁物やで』
その言葉に、七海は構内の壁を軽く叩いた。
(たとえ人間に変装して人混みに紛れたとしても、
与えたダメージまでは隠し切れないはず。なのに……どうして……?)
敵は、お世辞にも強いとはいえなかった。
七海が独りでいる時に遭遇したため一騎打ちの形になったのだが、
こちらの攻撃が悉く思い通りに決まった。
あとはとどめの疾風流剣技・激流斬を見舞うだけ、というところで、
突然敵が尻尾を巻くように逃げ出したのだ。
これまでにない敵の行動に意表を突かれたのも事実である。
だが何よりみすみす敵の逃亡を許した原因は七海自らの慢心。
それが七海には許せなかった。
「電車が参ります。白線の内側までお下がりください」
駅員の職業的なアナウンスの後、車輪を線路に軋ませて
プラットフォームに電車が滑り込んできた。
ドアが開き、人波が電車の中に吸い込まれていく。
七海は慌てて戦術ディスプレイを確認するが、敵が果たして
電車に乗り込むものか、それともホームに留まるものか、
光点の位置からは判別できない。
(くっ……これまで、ね)
敵の姿を視認できない以上、追跡は不可能だ。
おぼろの忠告に従い、踵を返して基地へと戻ろうとしたその時、
背広の袖口から血筋を垂らすサラリーマンの姿が七海の目に入った。
『おぼろさん、見つけた!!』
『あかん、七海、戻るんや!!』
おぼろの制止も聞かず、七海は男の後を追い電車に乗り込んだ。
電車のドアが――音を立てて、閉まった。
電車に乗り込んだ七海は呆然としていた。
発車間際に見つけたはずの、袖口から血筋を垂らしたスーツ姿の男
――恐らくはジャカンジャ、を再び見失ってしまったのである。
辺りを捜索しようにもラッシュ時の電車の中は鮨詰め状態であり、
七海は自由な動きを封じられてしまっていた。
ひとまず戦術ディスプレイを確認すると、睨んだ通り
敵は同じ車両にいることを光点が指し示している。
仕方なく七海は他の乗客と同じように吊り革に掴まり、
警戒しながら意識を周囲の乗客に集中させることにした。
しかし。
「おい、何だよあの格好?」
「さあ、コスプレか何かじゃねぇの?」
「マジかよ、頭おかしいんじゃね?」
吊り革に掴まり電車に揺られる異形の姿を目にした乗客たちは、
不審気にひそひそと囁きを交わし、その声が七海に突き刺さる。
ひとたびジャカンジャとまみえれば、その戦闘力と水忍の忍術で
敵を圧倒、殲滅するハリケンブルーのスーツも、
一般の乗客の中にあっては単なる奇妙な紛争でしかなかった。
それでも、敵が近くにいる以上は変身を解くわけにはいかない。
乗客達にかけられる辛辣な言葉に、七海はただただ耐えるほかなかった。
そんな七海の姿を、じっと見つめていたスーツ姿の男がいた。
歳の頃は30代前半であろうか、痩せ型で銀縁のメガネをかけている。
ずり落ちたメガネを指で直す仕草からは、どこか神経質そうな印象を受ける。
そして袖口からは――じわじわと滲む赤色。
傷口が痛むのか、男は顔をしかめながら腕をさすった。
(いいようにやりやがって……目にものを見せてくれる)
心の中で吐き捨てると、男はそろそろと七海に迫った。
混雑に辟易しながらも七海の背後に辿り着いた男の眼前には、
ハリケンブルーのヘルメットがあった。
言うまでもなくヘルメットの下の首までもぴったりとしたインナーで
覆われているのだが、それゆえに普段は髪で隠れているであろう
うなじの線や意外にも細い肩のラインがはっきりとわかる。
戦闘用スーツは通気性にも優れているのか、そっと顔を近づけると
シャンプーの匂いと汗の臭いが混じり合ったなんとも言えない香りが
男の鼻をふわっとくすぐった。
(こりゃもう我慢できねぇぜ……ククッ……)
その香りに牡としての本能を刺激されたのか、男は大胆にも
七海の太腿に背後からそっと左手を伸ばした。
掌に触れた太腿は一分の隙もなくレオタードに覆われており、
スベスベした繊維と網目の感触が指に心地いい。
肉付きが良いにも関わらず、軽く指でふにふにと押してみると
ハリのある弾力が返ってきて、男の嗜好を十分に満足させる。
(よく見たら随分とそそる格好をしてるんだな)
幾分か余裕が出てきたのか、男は背後から七海の肢体を眺めた。
どちらかというと肉付きのよい部類に入るだろう。
その体を銀色のレオタードと青色のワンピースが窮屈そうに
締めつけているせいで、スーツの上からでもボディラインがはっきりと分かる。
豊かな胸の隆起。魅力的な腰の曲線。ツンと上を向いたヒップ。
しかもワンピースのミニ丈はかなり大胆で、戦闘用のスーツでありながら
男の性欲を刺激するに十分なセクシーさを兼ね備えていた。
男は舌なめずりをした後、つぅっと太腿を撫でた。
その瞬間、不覚にもこれまで意識を乗客達からかけられる心無い言葉に
向けてしまっていた七海の体が、ビクンッと跳ねた。
「―――ッ!?」
「動くな、ハリケンブルー」
ようやく太腿の刺激に気づいて振り向こうとする七海を冷たい囁きが襲い、
冷や水を浴びせられたような寒気が背筋に走る。
そっと振り向くと、あの男が下卑た笑いを浮かべながら佇んでいた。
(――やはりこの男が、ジャカンジャだったのね)
自分の読みが当たっていたとはいえ、ようやく敵を確認できたとはいえ、
背後を取られるという不利な体勢であることには変わりがない。
度重なる失態に臍を噛みつつも、七海は背後の敵の隙を窺う。
敵はそんな七海の狙いを感じ取ったのか、更なる囁きで追い討ちをかける。
「他の乗客がどうなってもいいのか?
なんならこの電車ごとふっ飛ばしてもいいんだぜ」
「……ッ。 う、くっ、卑怯な真似を……」
それは七海と男にしか聞こえないほどの小さな言葉。
だが七海にとっては、反撃の機会を奪われるばかりでなく
現在の危機的な状況を思い知らされる大きな言葉だった。
いくらこの敵が弱いとはいえ、狭い電車内である。
この場で戦闘を始めれば乗客たちに確実に危害が及ぶだろう。
いや、最悪の場合電車が脱線して大惨事になることも考えられる。
そしてこのピンチを招いたのは、他ならぬ自分のミスだ。
人質をとるという目の前の敵の卑劣さと、自らの思慮の足りなさに、
七海は唇を噛んで静かに悔しがった。
「わかったら大人しくしているんだな」
「……わ、わかったわ。その代わり、他の人に危害は加えないで」
七海の持ちかけた苦渋の取引に答えようともせず、
男はよりあからさまに太腿を撫で、感触を楽しんだ。
「いい脚してんな、ハリケンブルー」
「……う、うるさいわ」
「褒められたら女は素直に嬉しがるもんだぜ。ククク」
(くッ、弱いくせに……ちゃんと戦えさえすればこんな奴……)
疾風流忍者のはしくれだけあって努めて冷静でいようとしているようだが、
これまでの敵とはまったく違う未知の手管に、七海の声は上擦っていた。
男はそんな反応すら楽しいらしく、下卑た笑みを浮かべ続けている。
そのとき、これまで遊ばせていた男の右手が、七海の胸を掴んだ。
「ひっ……!?」
「おっと、声を出すと周囲に気づかれるぜ」
「ん……うっ……く……」
慌てて言葉を飲み込む七海を尻目に、男は思う存分胸を揉みしだく。
ごつごつした男の指に沿って柔らかな膨らみは形を変え、歪む。
下半身に伸ばした左手はその間も間断なく動き続けており、
太腿だけでなくヒップをも撫で、さするようになっていた。
そのあからさまな手つきに周囲にいる乗客達の中には
異変に気づいた者もいるようだが、面倒事の関わり合いに
なるのを恐れてか、誰も二人に声をかけようとしない。
「んッ!? ……んんんっ……」
「どうした? 気持ちよくなってきたか?」
「そ、そんなわけ……んくっ……ないでしょう」
「そうか、じゃあもっと刺激を与えてやるとしようか」
「い、いや……もう……ひぅっ」
小声ながら、ひときわ高いトーンの嬌声が七海の口から漏れる。
男の右手が胸の突起(と思われる部分)を指で弾いただけでなく、
左手が内股にまで入り込み、柔肉をふにふにと擦り始めたのだ。
レオタードで覆われているとはいえ、股間を指で執拗にほじくられては
さしものハリケンブルーも何処吹く風とはいかないらしく、
刺激を与えられるたびにピクッ、ピクンッと小さく体を震わせた。
「ふん、こうなっちまったら大人しく感じた方が身のためだぜ?」
「……う……はぁっ……さ、さぁ、それはどうかしら?」
「何だとッ!?」
途端、これまで弱々しい声を出して男の言いなりに
甘んじていたはずの七海が、一転して強い語気で男に反旗を翻した。
思ってもみなかった反応に狼狽を隠せないでいる男に体を向けて
睨みつけると、七海は危機的状況を打開する切り札を取り出す。
それを目にした男の顔色が変わった。
――ソニックメガフォン。
マイクで喋った通りに相手を操ってしまうハリケンブルー固有の武器。
確かにこれならば人質をとられていようが何一つ問題はない。
相手の動きを止めてしまうか、電車の外へ出してしまえばいいからだ。
その狙いに気づいた男の顔は青ざめ、額には冷や汗がつたう。
先ほどの戦闘では、男は動きを止められ、地面に顔面から激突させられ、
目が回るほど高速で回転させられたのだ。
操られる恐ろしさなら、嫌というほど思い知らされている。
「そ、それは……ちょっと待て……待ってくれ……」
「ダメよ、覚悟しなさい。せーの、次の駅で電車から降……きゃッ!?」
ゴトン!!
七海にとっては運がなかったとしか言いようがなく、
男にとっては思いがけない僥倖としか言いようがない瞬間だった。
電車が急停車し、バランスを崩した人波がドミノ倒しのように
押し寄せ、二人を襲ったのである。
急停止の原因は停止信号である、という申し訳程度のアナウンスの後、
進行方向に押し寄せていた人波はゆるゆると重心を元に戻した。
そして我に返った七海の手に、ソニックメガフォンは、なかった。
「形勢逆転だな、ハリケンブルー」
「……あッ!? か、返して、返しなさい!!」
「ダメだね。散々いたぶってくれたこいつでお返しをしてやるよ」
奥の手を取り上げられて狼狽する七海に、男の非情な命令が向けられる。
「――敏感になれ」
ドクンッ!
七海は、自分の胸の鼓動が聴こえた気がした。
男の言葉を聴いた瞬間、体がかぁっと熱くなりスーツの中で汗が滲む。
なんとか体の異変に耐えようとするも抗いぎることができず、
「はぁッ……」と切なげな吐息が漏れてしまう。
「フフフ、さすがはソニックメガフォンだ、効果は覿面なようだな。
さて、ハリケンブルー、お楽しみの続きといこうか」
「はぁうッ!! んっく……い、いやぁ……あはぁッ……」
(だ、だめ……こんな状態で触られたら……私……)
男の愛撫は、前にもまして執拗かつ的確だった。
胸のふくらみを遠慮なく揉みしだき、中央をコリコリと刺激する。
モジモジと閉じようとする股を押し開き、股間の敏感な部分を
七海の反応をもとに探り当て、弱点と見るや指先を立てて振動を与える。
感度を高められた体を激しく責められて、七海は悶え苦しんだ。
男の指が動くたびに、ビクンッ!ビクンッ!と跳ねずにはいられない。
与えられる快感に立つことすらできなくなり、それでもなんとか
崩れ落ちまいと両足を開くその姿は、まるで股間を開放して男の手を
迎え入れるかのようだった。
「はぁッ、はぁッ、ひぐッ……んっ、んんんあぁぁ……」
「おや、だいぶいい声が出てきたじゃないか?
ハリケンブルーといえど、股間ほじくられると感じるんだな」
「い、いやぁ……お願い、も、もう……許して……」
男の指と言葉による巧みな責めは、七海を確実に高みへと押し上げていく。
心と体を蝕んでゆく甘い刺激に息も絶え絶えとなり、脚をガクガク
震わせていた七海は、とうとうバランスを崩して男の肩に掴まった。
その時。
『七海、大丈夫か?』
『うっ、んんんぁ……お、おぼろさん……?』
(嘘でしょ……こ、こんなときに通信なんて……)
敵を独り追跡した七海を心配したおぼろからの通信。
だが皮肉にもそれは七海をますます追い詰める結果となってしまった。
まさか敵の愛撫を受けて喘いでいるなんて。
それも電車の中で、周囲の目がある中で。
そんな痴態を、どうしておぼろに言うことができよう。
今や七海の頭の中は、通信で助けを求めることよりも
いかに快感に耐えて平静を装うか、で占められてしまったのである。
『どうしたんや、そんな小さな声出して? 何かあったんか?』
『な、なんでも、はぁっ、はぁ……ないです』
『そか? ならええんやけど……敵は見つかったんか?』
『……んあぁぁッ!!』
なんとか声を押し殺しながら通信していた七海だったが、
突然小さいながらも嬌声を上げてしまった。
男の手が再び胸と股間への愛撫を再開したのである。
(だめ、今はだめ……お願い……バレちゃうから……)
『七海? 七海? どうしたんや!?』
『い、いえ……なんでもないです……敵はいませんでし、た……』
『まったく、無茶はほどほどにしいや。早よ戻ってくるんやで』
『あぅ……はい……』
「ククク……そりゃ通信機能ぐらいはついているよな。
最初は感じすぎて独り言言い出したのかと思ったぜ」
「んっく……はぁっ、ひぅ……」
「本当にバレずに通信できてたのか?
聞いている限りではかなりアヘ声が出てたぜ、クククク」
やはり男は、七海が通信中であることに気づいていてなお、
いや、気づいていたからこそ愛撫の手を緩めなかったのだ。
それでも、なんとか怪しまれることなく通信を終了までこぎつけた
精神力は、見事というほかない。
七海の口から、安堵の溜め息が漏れる。
だが、その溜め息も再び喘ぎ声へと変わるのだった。
「さて、ハリケンブルー、そろそろイキたいだろ?」
「そんなこと……んあぁぁ、はぁっ、な、ないぃ……」
「まあそう遠慮するなよ。待ってろ、直に触ってやるからな」
「んっんんんっ……え? え? あ、ああぁぁ……」
戸惑う七海をよそに、男は左手だけ元のジャカンジャの姿に戻す。
そこには甲虫の腹のような、こげ茶色の醜悪な腕が現われた。
男はその醜悪な腕をおもむろに七海の股間にあてがうと、スーツの
繊維を掴んでビリ、ビリッと引き裂き始める。
まさかの事態に、七海は「ひぃ」と小さく悲鳴をあげた。
いくらジャカンジャとはいえ、並の敵では戦闘用スーツを
引き裂くなどできようはずがない。
戦闘の時には鈍重な動きで気づかなかったが、まさかこの敵が
ここまでの剛力を持っていようとは。
引き裂いた部分から外気が流れ込んでヒヤッとしたかと思うと、
みるみるうちに股間部分に穴が開き、七海の秘部が外へ露出する。
ソニックメガフォンで敏感にされた性感帯を散々弄ばれたせいで、
秘奥は既に濡れそぼっており、雫が糸を引いてこぼれ落ちた。
その雫を指ですくい取ると、男は七海に見せつけるように口へと運び、
そしてその指をゆっくりと秘奥へと突き入れた。
ちゅぷっ。
「んんんああっあはあぁ……」
「ククク、なんだかんだ言ってびしょびしょに濡らしてるじゃねえか」
「うそ……うそよ……んんんんッ、あはぁッ、だめ、だめッ」
「焦らして悪かったな、そろそろイカせてやるぜ」
「くっあぁ、だ、だめなの……動かしちゃ……あっはあああああ」
ずぷっ、じゅぶじゅぶ、ぴちゅっ。
男が指を動かすたびに電車内に淫猥な水音がこぼれ、
押し殺すことを忘れた七海のあられもない声が響き渡る。
もはや、観客は誰もが二人の行為に注視していた。
それは、好奇・好色の目でもあり嫌悪感溢れる目でもあった。
大勢の視線が自らに突き刺さっていることを痛いほど感じながら、
七海は絶頂へと押し上げられてしまった。
「ひああッ……だ、だめッ、出ちゃうの……出ちゃうから、だめぇーッ」
「おらっ、イクところを乗客の皆に見てもらえよ!」
「あああああーーッ、ひあぅッ、はぁうッ、で、出ちゃうぅーッ!!」
ぷしゃあああああ……。
七海が痙攣しながらひときわ大きな喘ぎ声を上げたその時、
秘部から大量の飛沫が勢いよく床へと噴射された。
「はぁっ……はぁっ……ん……ぁう……」
「ハハハハ、潮を噴きながらイくなんてさすがはハリケンブルー、
『水が舞い、波が踊る』ってか? クククク、ハハハハハッ」
男の哄笑を遠くで聞きながら、自らが分泌した液で
水溜りができている床に、七海はぴしゃっと音を立てて崩れ落ちた。
END
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