04月29

夫のせいで不妊治療。辛いのは妻ばかり。

私は結婚6年目の主婦で、先週末30歳になった。
夫が重度の男性不妊だと分かり、現在まで子供なし。

夫の精子検査の日、夫は結果を聞く前に仕事に戻ったので、私は一人で結果を聞いた。

先生:「はい、○○さんの奥さんね?えーっと、ご主人とは自然妊娠は無理ね。精子が少なすぎるから。
    体外受精でも無理だろうね。子供ほしいなら顕微授精以外無理ね。」
私:「え・・・・?」
先生:「顕微授精の説明は看護師から聞いて帰ってください。はい、お疲れ様でした。」
私:「え・・・、先生、無理って絶対に無理なんですか?」
先生:「絶対とは言えないけどこの数字じゃねー、考えても仕方ないよ。」

徐々に自分の体から血の気が引いていくのを感じて、意識がボーっとして、大して何も質問が出来なかった。
ただ、先生の言い方が冷たくて冷たくて、平常心を保つのがやっとだった。
何で夫は帰ったんだろう、一緒に居てほしかったと強く思った。
今考えれば、同情した言い方をすると泣いてしまうかもしれないから、淡々と言ってくれたのかもしれない。

後日、日本でも有数の体外受精の権威の病院へ行った。
夫の結果はやっぱり悪くて顕微授精以外無理だと言われたけど、私は状態がよかったらしい。
男性側が不妊の場合は、女性は正常でも不妊でもあまり関係なくて、排卵誘発剤を使ってできるだけ沢山の卵子を作って、
薬で全部を一気に排卵させて、卵巣から直接卵子を採取する。
自己注射になったので、誘発剤は自分で注射器で毎日打つことになった。
看護士が別室で注射の打ち方を教えてくれたけど、自分のお腹に注射器を90度の角度で針の根元まで刺すなんて、グロいし怖い。
いきなり練習でやってみてと言われたけど、緊張してうまく出来なくて、痛かった。
針がお腹に刺さっていかなくて、「痛い、これ以上針が入らないんですけど」と私が看護士に言ったら、
「大して痛くないくせに」って夫に言われた。
人に刺されたら痛くないんだろうけど、自分で自分に刺すのは、うまく出来ないから痛い。
どうせなら「頑張れ」とか「大丈夫」とか、そういう励ましの言葉がほしかった。

お昼頃に病院についたけど、初診で体外受精の準備が全部整ったので、自分でする薬や注射一式を渡されて、
スケジュールも説明されて、あとは自分のタイミングで始めてくださいって言われた。
今度病院に行くのは、自分で誘発させた卵子を採取してもらう時。
少しづつ治療が始まると思ってたのにいきなりスタートを切らされた感じがあって戸惑った。

病院を出た時19時を過ぎていて私は検査が多かったので疲れてたけど、
夫は精液検査だけだったので、待ちくたびれてたのかもしれない。何だか二人とも疲れてた。
「あと2回ここくれば、それで終わりだよね?」って夫が言って、私はキレた。

これから家で注射をしたり色々準備して、病院に行くのはあと4回。
そのうち2回は私は腹腔鏡手術をしないといけない。夫は1回、オナニーをして精子を出すだけ。

こんなこと思っちゃいけないんだろうけど、夫のせいで私は痛いきつい辛い思いをして卵子を採取するのに、
夫はアダルトビデオを見てシャーレに射精すればそれで終わり。
体外受精は男性と女性の精神的肉体的負担が全然違う。
本当は「夫が健康だったらこんなことしなくていいのに」って思ってるけど、
精子がなくて辛いのは夫だから、それは言わないようにしてた。
だけど、最近の夫の思いやりのない発言に限界だった。

「2回じゃなかったっけ?」って夫がまた言った。かる?く言った。意外と大したことないねって感じで言った。
口を開いたら醜い言葉しか出ないから、ずっと黙ってた。
涙が止まらなかったけど、横を向いて気付かれないようにしてた。
これから顕微授精に向けて私がなにをするのか、夫婦で説明を受けたのに、夫は聞いてなかったんだ。

ありのままの出来事を人に言うと、単なる夫への愚痴・悪口になるので友達にも言えない。
最近こんなことが続いてたけど、本当は夫は優しい人だし大事にしてくれてると思う。夫のことが大好きだし夫も好きだと言ってくれる。
夫を知ってる人はみんな「愛妻家だよね」って言ってくれる。
自分たちの事は客観的に見れないけど、客観的には幸せな夫婦です。
今回、色々とヘビーなことが短期間に集中したので誰かに愚痴りたくてここに思いを綴ったけど、
こういうことを乗り越えて他人が夫婦になっていくんだと思う。
そう思いたい。だから頑張ろう。
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