01月7

憧れの従姉 ?佐藤寛子?

憧れの従姉 ?佐藤寛子?

 学校を出た時、空はずっしりと重い暗雲の塊に覆われていた。さっきまで雲ひとつなく、夏一番の陽光が照りつけていたというのに、この急激な天候の変化はどうしたのだろう。
 なんだか雨がきそうだな…。
 空を見上げながらバス停へ向かおうとした雅樹の頬に、ぽつりと雫が当たった。
 あれれ、もう降ってきやがった…。
 急いで商店の軒下に飛び込み、鞄から折畳みの傘を取り出した。その途端、大粒の雨がものすごい勢いで落ちてきた。
 雨粒は、そのまま舗道のアスファルトにぶち当たると、激しい音を立てて大きく四方に跳ねる。さっきまで真夏の陽射しをいっぱいに受け、溶けて柔らかくなっていたアスファルトは、瞬く間に一面が水溜まりとなり、むっとするほどの湯気をあげていた。

 商店の軒下から歩き出そうとした雅樹は、その時、激しい雨の中を、傘もささずに走ってくる人影を目にして立ち止まった。近付いてくるにつれ、人影ははっきりと像を結び、雅樹の目に華やかな女性であるとわかった。
 白いブラウスに水色のタイトスカートをはいている。ハンドバッグを傘代わりに頭上にあてがっているのだが、豪雨を相手には殆ど効果はない。その証拠に、ブラウスもスカートもぐっしょりと濡れそぼち、すらりとした身体にぴったりと貼り付き、走るのをひどく妨げている。
 おまけに踵の高いハイヒールを履いているものだから、足下がぐらぐらして、今にも転びそうなほどだ。
 ひやひやしながら危なっかしい姿を眺めていた雅樹は、女が近付いてくるにつれ、見覚えがあるような気がしてきた。目を凝らし、通り過ぎようとする相手を追って振り返った途端、雅樹は鞄を落としそうになった。
「お姉ちゃん?」
 雅樹の呼びかけに、女が驚いたように立ち止まり、いぶかしそうに振り返った。

 目鼻立ちのくっきりした美しい顔を間近に見て、雅樹は自分の勘が間違っていなかった事を知った。やっぱり従姉の寛子姉さんだったのだ。
「雅樹君?」
 それまで細める様にして雅樹を見つめていた女の目が、驚きで丸く見開かれた。
「…本当に、雅樹君なの?」
 そう言ったきり、寛子は口元に手を当てて黙り込んでしまった。言葉がつまって出て来ない様子に、雅樹もたちまちジーンと胸が熱くなってきた。
 考えてみれば、寛子が雅樹のことをすぐにわからなかったのも無理はないのだ。なにしろ、2人が会うのは3年ぶりなのだから。当時、中学一年生だった雅樹も、もう高校生になっていた。
 対する従姉、寛子の方は、まるで変わっていなかった。あの頃から従姉はよく雑誌のグラビアとして世間を賑わして、今ではテレビでもよく見かける様になった。だが、黒い髪も、綺麗な瞳も、ずっと昔から覚えている従姉のままだ。
 子供の頃から、こんなにも綺麗な従姉がいることが得意でたまらなかった。盆や正月に親戚が集まる時に寛子を見るだけで、心がときめいたものだった。

「信じられないわ。こんなに大きくなって…見違えちゃったわ。ねえ、もっとよく顔を見せてくれる?」
 寛子を見ながら甘い感傷に浸りかけていた雅樹は、従姉の全身がずぶ濡れになっているのを目にとめ、ハッと我にかえった。
 いけない。お姉ちゃん、ずっと雨に打たれたままじゃないか…。
 あわてて傘をさしかける。寛子が嬉しそうに微笑みながら入ってくる。途端に雅樹は、濡れた従姉の身体から、嗅いだことのないような馨しい肉香が立ちのぼってくるのに慌てた。
 それは、西洋梨を成熟させたような、甘酸っぱいとしか表現のしようのない香りだった。果樹園の香りよりはかなり生々しく、動物的な雰囲気を帯びているというのが的確かもしれない。
「本当に大きくなったのね。ほら、私が肩までしかないわ。前には私の方が背が高かったのに」
 言いながら寛子は、雅樹の背の高さを測ろうとでもするかの様に、背伸びをして頭の上へと手を伸ばしてきた。その拍子に、ブラウスを大きく突き上げる胸の膨らみが雅樹の肘に当たり、スローモーションのようにゆっくりとつぶれていった。

 思いがけない成り行きに、雅樹の頭は痺れた。瞬時に身体が硬直し、乳房が押し付けられている間、息をすることさえもままならなかった。
 ほんの一瞬のことなのに、ムッチリとした膨らみの当たっていた肘が、今なお疼いているかの様に、その感触が残っていた。
 おまけに、従姉は相変わらず無邪気に雅樹を見上げているものだから、胸の膨らみがなおもグイッと突き出されている。ぐっしょりと雨を含んだ薄い純白のブラウスが、水着の様にぴったりと貼り付き、大人の乳房をくっきりと浮き彫りにしているのだ。
 白いブラウスの下から透けて見える、可愛らしい花柄模様の三角形のカップ。荒い息遣いとともにゆっくりと上下するカップは、従姉の豊かな胸を隠すにはあまりにも小さすぎて、そこから生身の乳房が飛び出すのではないかという妄想さえかきたてる。
 雅樹は思わず涙がこぼれそうになった。魅力的な乳房が、目の前でふるふると柔らかそうに揺れているのに、手を出すこともできないのだ。

「どうしたの?ぼうっとして…?」
 いきなり声をかけられ、雅樹はあわてた。見事な胸に見惚れていたのがばれたのかと、本気で心配になったほどだ。
「な、なんでもないよ…そうだ、お姉ちゃん、送っていくよ」
 動揺を見透かされるのが恐くて、雅樹はわざとらしくそっぽを向くと、そのまま歩き出した。
「ウフフ…変な雅樹君。ありがとう、助かるわ」
 明るく笑う従姉の屈託のない声は、まるっきり昔のままだ。懐かしくてたまらないはずなのに、淫らでいやらしい感情を抱いてしまう自分が恥ずかしくもある。すでにズボンの前は痛いほど大きく硬く膨らんでいる。
 それが知れたら、お姉ちゃんはきっと僕を軽蔑するに違いない…。
 歩いている間中も、雅樹は寛子の身体から意識をそらすことができなかった。寛子に硬くなった股間を見られたくなくて、片手をポケットに突っ込み、半歩前を歩いた。その為、寛子がいきなり立ち止まって肩を掴まれた時、後ろにひっくりかえりそうになった。

「どうしたの、お姉ちゃん?」
 いぶかる雅樹に、寛子は笑いながら
「だって、ここが私の住んでるマンションなんだもの」
と告げた。
 もう着いたのか。じゃあ、久しぶりに会えたのに、お姉ちゃんとはここでお別れしなければいけないんだ…。
 雅樹は、雨に濡れた十数階建てのビルを見上げながら、思わず落胆の溜め息をつきそうになった。
「ねえ、雅樹君。せっかく久しぶりに会ったんだから、ちょっとうちに寄っていかない?私、ゆっくり雅樹君とお話がしたいわ」
 そう寛子がやさしく誘いかけてくれると、雅樹は一も二もなく頷いた。
 それから雅樹はスキップせんばかりに従姉の後ろからエレベーターに乗り込んだ。

 雅樹は寛子の部屋に入ると、寛子に勧められる前に壁際のソファに座り込んだ。さっきから痛いほど硬くなって、ズボンを三角形に押し上げている股間の高まりを、一刻も早く従姉の目から隠したかったのだ。
「ありがとう、こんなところまで送ってきてもらって」
 寛子が大きなバスタオルで艶やかな黒髪をぬぐいながら、グレープフルーツジュースを入れたグラスを差し出した。雅樹はよく冷えたグラスを、股間をさりげなく隠したまま、手だけ伸ばして受け取った。
「悪いけど私、先にシャワーを浴びてくるわね。身体の芯までぐっしょり濡れちゃったわ…ほら」
 寛子は優美な仕草で胸の谷間をつまんで持ち上げた。すると、白いブラウスがいっそうぴったりと胸乳に貼り付き、膨らみの下を支えるまろやかなスロープがくっきりと浮き彫りになる。その重たげな双つの肉丘に、雅樹は呆然として頷くことしかできなかった。
 やがて、寛子がバスルームへ入っていくのを見送ると、雅樹はフウッと溜め息をついて、冷たいジューずを一気に飲み干した。

 最初は、美しい従姉の傍にいられるだけで切ないほど幸福だったのに、今は、獲物を前にして手を出せない肉食動物のような気分だ。やるせない疼きがきりきりと体を苛み、欲望ばかりがどんどん溜まっていく。どこかで発散しないとおかしくなってしまいそうだった。
 雅樹が、今なおしっかりと脳裏に刻み込まれている従姉の艶かしい女体を反芻し、猛りきった分身をなだめる様にズボンの上から握った時だった。
 微かだが、衣擦れの音がバスルームの方から聞こえてきた。その音の方へ目をやると、バスルームの手前、脱衣所のドアが3分の1程開いていた。
 あのドアまで行けば、服を脱いでいるところ、いや、裸が見られるかもしれない…。
 突然に浮かんできた淫らな考えに、雅樹は目がくらみそうになり、あわてて首を振った。従姉の裸を覗く…そんな破廉恥なことが、許されていいわけがない。
 だが、どうしても意識はそちらの方を向いてしまう。そればかりか、お姉ちゃんは今どんな格好でいるのだろうと、淫らな妄想を巡らせてしまう始末だ。

支援

 雅樹はもう、どうにも自分を押しとどめることができなかった。ドアの陰に佇み、しばらくためらった後、恐るおそる顔を出して様子を伺った。
 だが、そこには、裸の従姉の姿はなかった。
 お姉ちゃんは何処?
 狐につままれたような気分のまま、足音を殺して脱衣所内に踏み入る。その時、シャワーの音が耳に届いた。雅樹は後頭部を鈍器で殴られた様なショックを受けた。ぐずぐずしているうちに、もう寛子は服を脱ぎ終わり、バスルームに入ってしまったのだ。
 雅樹はフラフラと元居たリビングまで戻った。いつまでも躊躇っていないで、思い切って覗けば良かったと、後悔ばかりが込み上げてくる。
 いや、まだ遅くはない。もうすぐ寛子はバスルームから出てくる。そうしたら、寛子のヌードが見られるに違いないのだ。

 心に広がる淫らな期待が、さっきまでかすかに抱いていた罪悪感を跡形もなく吹き飛ばす。
 シャワーの音が止まり、バスルームのドアがガチャリと開いた音を聞いて、雅樹は慌ててドアのすぐ傍に身を潜めた。勿論、従姉には見えない位置にだ。やがて、雅樹の網膜も輝く様な白い裸身が飛び込んできた。雅樹は心臓がドキンと音を立てて打つのを確かに聞いた。
 唾をゴクリと飲み込み、従姉のヌードをもっとはっきり見ようと、身を乗り出した雅樹は、次の瞬間、失望のあまり、その場にへたり込みそうになった。裸だと期待したのに、従姉は豊かな胸から膝までを純白のバスタオルで覆っていたのだ。
 忌々しいバスタオルは従姉の豊潤な肉体を完璧に覆い隠していた。信じられない程柔らかな胸の膨らみも、全ての男の憧れの場所である黒々と生え揃った悩ましい茂みも、しっかりとその下に隠れているのだ。

詩宴

 お姉ちゃんのヌードを見ようなんて、やはりかなわぬ願いだったのだろうか。いや、希望を捨ててはいけない。
 もしかすると、バスタオルが何かの拍子で外れるかもしれない。そんなありそうもない偶然に一縷の望みを賭けた雅樹だったが、従姉が棚から純白のバスローブを取り出したのを見ては、失意の呻きを洩らさずにいられなかった。
 ああ、あれをタオルの上から羽織られたら、もうおしまいだ…。
 失望のあまり、目を閉じてしまいたくなるのをこらえ、祈る様にバスタオル姿の従姉をドアの隙間から見つめ続ける。

 すると、何故か従姉はバスローブをすぐに着ようとはせず、それを足下の乱れ籠に置き、雅樹に背を向けて考え込む様に首をかしげている。
 そして、雅樹の祈りが通じたかのように、信じられない事態が起こった。なんと従姉は、たくしこまれたバスタオルの端を、しなやかな指で解き始めたのだ。
 そのまま寛子が腕を横に伸ばすと、蝶が羽を広げる様に、白い布が離れていく。
 息をすることもできず、ギュッと手を握りしめて、夢のように美しい眺めを見守る雅樹の前で、バスタオルが音も立てずに床の上にふわりと落ちた。
 その瞬間、目がつぶれるのではないかと思うほどの眩しい光りが、雅樹の目を射た。

 初めて見る女の裸身だ。後ろ姿とはいえ、それは雅樹がヌード写真を見て密かに想像していたのよりも、はるかに色っぽく、悩ましい。この美しさをどう表現すればいいのだろう。
 まるで、採れたてのメロンの様な丸いヒップの張り。キュッと引き締まって尻肉の半分よりも細いウエスト。寛子が身をよじる度に、脇の下から微かに覗く、たわわな乳房の柔かそうなことときたら…。
 寛子がついと腰を屈めて、バスローブを手に取った。ムッチリと張りつめた重量感のあるヒップが突き出され、誘いかける様に躍った。
 雅樹はゴクリと生唾を飲み込み、我れを忘れて飛びついてしまいそうになるのを、危ういところで押し止めた。
 あのお尻の間に、お姉ちゃんのアレが隠れているんだ…アレ…オマ◯コが…。めくるめく様な昂りが、雅樹の体内で一気に燃え上がった。

 こっちを向いてよ!僕にお姉ちゃんのオマ◯コを見せてよ!
 心の叫びに応えるかの様に、その時、寛子の身体がくるりと振り返った。雅樹が、胸の急峻な膨らみと、脚の付け根の黒々とした翳りを見にした瞬間、純白のバスローブが情け容赦もなく、裸身の全てを覆い隠していた。
 そんな…。
 バスローブを羽織った従姉は何も気付かなかったようにリビングルームに向かいかける。落胆のあまり叫び出しそうになるのを、やっとのことで堪えた雅樹は、慌ててソファに飛び込んだ。
 雅樹は座っている場所がさっきと反対側になってことに気付いてひどく狼狽えた。だが、もう座り直す時間はない。
 座った場所が変わったことに従姉が気付かないよう願いながら、雅樹は照れ隠しに、とっくに空になっていたグラスを口にあてがった。

「あら、遠慮しないで冷蔵庫から出せば良かったのに。ジュースなら、いくら飲んだって構わないのよ」
 空のグラスを後生大事に抱えている雅樹を見ると、寛子は笑って冷蔵庫からジュースを取り出した。そして、雅樹のすぐ隣に寄り添う様に座ってきた。
「さあ、グラスを貸して」
 そう言われても、雅樹は微動だにできなかった。湯上がりで綺麗なピンク色に染まった肌に、バスローブ一枚を纏っただけの従姉は、あまりにも色っぽく、声さえ出せないほど圧倒されていたのだ。
 触れ合うほどの近くから、従姉の身体の熱が伝わってきた。このバスローブの下に従姉は何も着ていないのだと思うと、湧き起こってくる身震いを抑えられない。
 さっき、ちらりと目にした輝く様な裸体と、その中心に咲き誇っていた黒い茂みが鮮烈に甦ってくるのだ。

 あんなに綺麗ですべすべしたお姉ちゃんの身体のなかで、何故あそこだけが淫らで生々しいんだろう。
 雅樹が震える体を必死に抑えて妄念と闘っていた時、膝上で手にしたままのグラスにジュースを注ごうと、寛子が身を屈めた。反射的に腰を引き、胸元を上から覗き込む格好になった雅樹の目に、真っ白な双つの膨らみが勢いよく飛び込んできた。
 雅樹は息を詰め、生唾を飲み込まずにはいられなかった。
 それは、雅樹の想像を遥かに超えた美しさだった。透き通る様な薄い皮膚に覆われた豊かな肉の塊が、この世のものとは思えないほどまろやかで優雅なスロープを形作り、鮮やかに迫ってきたのだ。
 柔らかく熟した果実を思わせる双つ膨らみが、寛子が緩やかに息をする度に、ゆらりゆらりと上下に揺れる。
 かと思うと、ぶつかり合った膨らみはゆっくりと左右に分かれ、互いを隔てる深い谷間の底までを、はっきりと雅樹の目に曝け出したのだ。

 あれほど見たいと願った従姉の乳房が今、信じられないほど無防備な姿で、手を伸ばせば届くほどの近くにそびえている。
 例えようもない艶やかな眺めに、雅樹は魂を奪われたように見入っていた。従姉の見事な乳房は、その丸みの上半分が完全に剥き出しになり、先端近くに引っかかっているバスローブが、かろうじて乳首だけを覆い隠している有様だ。
 ああ、思い切ってこのバスローブを引き千切ってしまいたい…。
 そんな危険な衝動を必死に抑え、それでも乳首まで見たいと、雅樹がさらに首を伸ばして上から覗き込もうとした時だった。
 突然、太腿に何か冷たいものが当たる感触がしたかと思うと、寛子が嬌声を張り上げた。
「やだぁ…ごめんなさい、雅樹君」

 ズボンに冷たい感触が広がる。ビクリとして、雅樹は目を足もとに向けた。手にしていたグラスからジュースがこぼれ、ズボンの股の間までぐっしょりと濡らしているではないか。
「大変。ほら、早く手をのけて」
「い、いいよ、これくらい…すぐに乾くよ…」
 横にあったティッシュをつまんで太腿に手をかけてきた寛子から、雅樹は慌ててそれをひったくった。
 ここで従姉に股間を触られたらたまらない。なにしろ、さっきからずっとペニスがズボンを押し上げ、テントのように突っ張っているのだ。
 寛子に触られただけで、ジュース以上のスペルマが放出するのは目に見えていた。

「だったら、ズボンを洗ってあげるから、その間に雅樹君、シャワーを浴びなさいよ。今日は暑かったから、雅樹君だって、汗かいたでしょう?」
 雅樹は1も2もなくその言葉に飛びついた。とにかく、この危険な状態から一刻も早く脱したかった。それに、さっきから汗と雨でベトベトの体が気持ち悪かったこともあった。
「さあ、シャツとズボンを洗ってあげる。そんな格好のままじゃ風邪をひくわよ」

 雅樹はシャワーの前に立つと、勢いよく飛び出してきた熱い湯の噴出を顔で受けた。
 目を閉じると、さっき目にした従姉の美しい乳房の膨らみが鮮烈に瞼の裏に甦ってきた。それは、従姉の湯上がりの甘やかな香りと相まって、若い体の芯を切なく疼かせる。
 その危うい感覚を確かめる様に、雅樹はさっきから勃ちっぱなしのペニスに手を伸ばし、ゆっくりとしごいた。すでに先端は、これまでにないほど充血している。根元を押すと、透明な粘液ばかりか、白っぽいものさえねっとりと滲み出てくるほどで、今にも爆発寸前だ。
 バスルームで従姉を思いながらオナニーしているところを見つかったら、身の破滅だ。それはわかっているけれど、もうどうにも我慢できなかった。このまま出て行って、またあんな色っぽい格好を見せつけられたら、間違いなく従姉に飛びかかって押し倒してしまうだろう。

 あと、2こすりもすれば出る。雅樹が手の動きを速めようとした時だった。
「雅樹君、お湯加減はどう?」
 シャワーの音とともに、ドア越しに寛子の優しい声が聞こえ、雅樹はペニスを握る手を止めた。いつの間にか、ドアにはめこまれた磨りガラスの向こうに、白いバスローブを纏った従姉のシルエットがぼんやりと映っている。きっと洗濯機に雅樹の服を放り込んでいるに違いない。
 まさか、ギンギンに猛り勃っているペニスまでは見えるはずがないと思いつつも、雅樹は気まずい思いにとらわれた。必死で声の震えを押し隠し、なんでもない風を装う。
「う、うん…丁度いいよ」
 従姉が早く向こうへ行ってくれと願いながら答えた。だが、次の瞬間、ドアノブがガチャリと動いて、ドアが静かに引き開けられたのだ。

「?…お姉ちゃん!なに?…」
 雅樹は慌てて後ろを向いた。両手でしっかりと股間を隠し、肩越しに寛子を見る。
 雅樹の狼狽えとは対照的に寛子は、何を慌てているの?と言わんばかりに、バスローブを着たまま、中に入ってきた。そして、雅樹のすぐ後ろに立つと、とんでもないことを言いだしたのだ。
「さあ、洗ってあげるわ。ここに座って」
 雅樹は自分の耳を疑った。
 お姉ちゃんは一体何をするつもりなんだ?いつまでも僕が昔のままの子供じゃないことは、わかっているはずなのに…。
「い、いいよ。自分で洗うから」
「遠慮しないで。昔はよく、一緒にお風呂に入ったじゃない」
 混乱して、満足に話もできないでいる雅樹に、従姉は穏やかな口調でゆっくりと背後から囁きかけてきた。

「?…お姉ちゃん!なに?…」
 雅樹は慌てて後ろを向いた。両手でしっかりと股間を隠し、肩越しに寛子を見る。
 雅樹の狼狽えとは対照的に寛子は、何を慌てているの?と言わんばかりに、バスローブを着たまま、中に入ってきた。そして、雅樹のすぐ後ろに立つと、とんでもないことを言いだしたのだ。
「さあ、洗ってあげるわ。ここに座って」
 雅樹は自分の耳を疑った。
 お姉ちゃんは一体何をするつもりなんだ?いつまでも僕が昔のままの子供じゃないことは、わかっているはずなのに…。
「い、いいよ。自分で洗うから」
「遠慮しないで。昔はよく、一緒にお風呂に入ったじゃない」
 混乱して、満足に話もできないでいる雅樹に、従姉は穏やかな口調でゆっくりと背後から囁きかけてきた。

「私ね、今でも雅樹君のことを自分の弟だと思っているのよ。ううん、もっと大事な人だと言ってもいいわ。だから、遠慮なんかすることないの。今日は甘えてもいいのよ」
 従姉はそう言うと、雅樹の肩に手をかけて座るよう促した。雅樹も突っ立っているわけにもいかず、従姉に背を向けて椅子に腰を降ろした。突然の闖入者にも関わらず、ずっと衰えない硬さを保っているペニスは、勿論しっかり従姉の目から隠す様に両手でガードしたままだ。
 背後でシャワーが止まった。そして、ボディソープを容器から捻り出している音がする。
 てっきるスポンジで洗ってくれると思い込んでいた雅樹は、いきなり背中に触れてきたしなやかな指の感触に飛び上がりそうになった。
「お、お姉ちゃん?」
「いいのよ、じっとしていて。綺麗に洗ってあげるから」
 ヌルヌルのボディソープをたっぷりとまぶした掌が背中を這い回る感触を、何に例えればいいのだろう。

「逞しくなったのね、雅樹君。背中なんか、こんなに広くなって…」
 吐息が首筋にかかり、しなやかな十本の指がゆっくりと背中を這い降りていく。
「はあっ…」
 指が尾てい骨の窪みをまさぐり、その先がもう少しでアヌスに届くというところまでくると、雅樹は大きく口を開け、荒い呻きを洩らさずにはいられなかった。
 雅樹の狼狽をからかうように尻の上で方向を変えた指は、今度は脇腹をするすると這い上がってくる。そして脇の下を撫でた方と思うと、また這い降りていく。
 肌の感覚がいつもの数倍も敏感になったようだった。まるで全身を羽根の先でくすぐられている様な危うい感覚が体中を走り抜けていく。

 従姉の指が、今度は脇の下から胸に回ってきた。何をするのかいぶかる間もなく、指先が、まるで女性の乳房を愛撫するように、雅樹の乳首をコリコリと摘んできた。
「ううっ…」
 乳首が女の様に感じるなんて、雅樹には信じられなかった。
 歯を食いしばり、懸命に快感を押し殺す雅樹の焦りを見透かしているかの様に、従姉が背後から体を寄せてきた。バスローブのタオル地に包まれた丸い双つの膨らみが背中に当たり、雅樹は思わず息を呑んだ。
「ああっ、お姉ちゃん…」
 目を閉じ、背中に全神経を集中させて、肉の膨らみが背中でゆっくりと潰れる感触を味わう。あれほど思い焦がれた乳房のたまらない柔らかさを、布地越しとはいえ、初めて確かめることができたのだ。

 さりげなく上体を丸めると、背中がいっそう乳房に密着する。ゆるやかに開いていたバスローブの胸元が少しはだけ、双つの柔肉が背中を挟み込む様に揺らいだ。
 その間に、従姉の手は脇腹からお臍をくすぐるように撫で、最後の目的地に向かってゆっくりとずり下がってくる。
 もしかすると、お姉ちゃんはペニスに触ってくれるんだろうか…。
 まさか…と思いながらも、雅樹は淫靡は予感に身を震わせずにはいられなかった。
 そんな事態になったら、今でさえこんなに感じているペニスはあっという間に射精してしまうだろう。だが、お姉ちゃんの手に触ってもらえたら、どんなにいい気持ちだろうという期待も大きい。
 金縛りにあったかの如く動けない雅樹の純情さを愛おしむ様に、寛子が背後からまた囁きかけてきた。
「言ったでしょ。今日は甘えてもいいって…だから、良いのよ、何をしても」

「な、何をしても?…」
「フフフ。そうよ、何をしても…」
 お姉ちゃんは本当にこの言葉の意味がわかって言っているのだろうか。例えば、それは…オマ◯コに触ってもいいということなんだろうか…。
 雅樹はわからなかった。確かめるには、それを実行に移す他に方法がなかった。
 雅樹は股間を覆っていた右手を外すと、こっそりと後ろに回した。バスローブの裾に触れただけで手が震え、不安が込み上げてくる。
 上手くいくだろうか。僕には、お姉ちゃんのオマ◯コがどの辺りにあるのかさえわからないのに…。
 だが、指先は持ち主の意思を離れて、従姉の太腿に触れ、脚の付け根へと入り込んでいく。上へ進むに従って、次第に空気が熱く粘り気のあるものに変わり、指を包み込んでくる。

 指先がついにふわっとした草むらの様なものに触れた時、雅樹は心の中で歓声を上げた。そのまま指を草むらの根元に押し付け、肉の割れ目を探る。だが、指が触れたのはふっくらと盛り上がった丘の様な所だった。
「そこじゃないわ…もっと下よ」
 何ということだ。従姉は拒んでいない。従姉のねっとりと絡み付く様な声に、雅樹は嬉しい様な、それでいて不安とも恐怖ともつかない感情にとらわれた。
 やっぱりお姉ちゃんは僕のやっていることに気付いていたんだ…ということは、これからここで、お姉ちゃんと…。
「雅樹君だって大人になったんだもの。女の身体に興味を持つのは自然よ…アアアン、違うわ。あなたが触りたい所は、もっと下にあるのよ…そう、もうすぐよ」
 媚びを含んだ甘ったるい声がたまらなく官能を疼かせる。その声に導かれるように、貴志は思い切って指を下に伸ばした。

 やがて、全身の神経が集中した指先に、それまでとは全く違う熱く湿った感触が伝わってきた。
 ああ、これが、お姉ちゃんのオマ◯コなんだ…。
 指の周囲を熱くどろどろとした柔肉が包む。絡み付いてくる様な肉の淫らな感触を、指はペニス以上に鋭敏に受けとめた。そこから電流のように全身に快感が走った。
「そ、そこを…ああっ!」
 まぎれもない従姉の喘ぎ声に、全身が痺れ、頭が空っぽになる。同時に、従姉のほっそりとした柔らかな指が膨れ上がったペニスに優しく絡み付いた。
 その瞬間、雅樹はどうにも堪らず、「ウオッ!」と獣の様な呻き声を上げながら、耐えに耐えていた欲望を爆発させていた。

【つづく】

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