深夜、男は人目を避けるように歩いていた。
足早に暗い道を進む。
窃盗を生業とするこの男は、つい数十分前に、事務所荒らしをしたばかりだった。
気付かれるようなヘマはしていないが、犯行後は直ぐに自宅へ帰る訳にはいかない。
一晩越す潜伏場所を探していた。
( ―ん? )
目を付けたのは一棟のマンション。
一階にある部屋のベランダには、取り込み忘れたシーツが干したままだった。その柄は若い女が好みそうなものだ。
辺りに人影が無いのを確かめ、男は足を忍ばせて側へと近寄る。
シーツに隠れる形となっていた窓は網戸になっていた。
( おいおい、不用心じゃねぇか )
男はニヤリと笑う。
どうやら、身を潜ませるついでに、楽しく時間を潰せそうだ。
周りに十分注意を払い、音も立てずにベランダに侵入する。
ソッと網戸を開ければ直ぐにベッドが見え、中へ入りガラス窓を閉めた。
―――ギシッ
「?!」
「騒ぐんじゃねぇ、殺すぞ」
ベッドに乗り上げると同時に、素早く女の口を掌で塞ぐ。
びくっと目を覚ました女…美月は、状況が把握できずにパニックを起こしそうになるが、耳元で低く囁かれ硬直した。
( なかなか可愛いツラした女じゃねえか )
怯えた眼差しが男の気分を高ぶらせる。
口を塞いだまま、空いた手でTシャツを掴んで引き裂く。
ビリリと布の裂ける音がして、なめらかな素肌が眼下にさらけ出された。
美月は眠る時にブラを着けない。
それが仇となり、柔らかな胸は直ぐに無骨な手でまさぐられた。
「うっ、ッ、~~~!」
「ひひっ、こいつぁ良い…。おい、たっぷり楽しませてくれよ」
男は鷲掴んだ胸に顔をうずめた。
乳首を口に含んで舌で転がして舐める。
美月は段々と荒くなる息を鎮めようと体を強張らせるが、ズボンをずり下げられてハッと男を見やった。
( あ…あ…嘘… )
ショーツの上から触られる。
ちょうどクリトリスの所を指で擦られ、美月はビクリと腰を跳ねさせた。
「何だ感じてんのか? 良いさ、お互い気持ち良くなろうじゃねぇか」
「うぅ…っ…ん…んん…ッ」
愛液のシミを作っていたショーツを剥ぎ取り、足を開かせてむしゃぶりついた。
美月の唇は自由になったが、こんな状態を人に見られるのは耐え難く、叫んで助けを呼ぶことも出来ずに自分の掌で塞いだ。
ヂュルッ、ビチャ…
愛液を掬い取るように襞を舐め、舌を膣へと潜らせて舐め回す。
口元をべっとりと濡らしたままクリトリスをしゃぶり、性急な動きで膣を指で掻き回し、男にとって最低限の準備を終わらせる。
「ヒヒッ、そのまま大人しくしてろよ。俺のチンポぶち込んでやるからな」
ガチャガチャとベルトを外して下着ごとズボンを脱いだ男は、いきり立った肉棒を手に掴んで美月に迫る。
美月はギュッと目を瞑った。
( あ…い…っ、いや…イヤ、イヤっ )
ヌルヌルと先端を擦り付けられる。
愛液で濡れた窪みに押し当てられ、ゆっくりと腰を進められた。
美月の内壁を味わうように、男の肉棒は深々と挿入された。
男の質量とその熱に美月は震える。
塞いだ掌の隙間から切なげな吐息がこぼれ、ジン、と子宮が疼くのを止められない。
「う…っ、アンタ、良い体してるな…。喰われてるみてぇな締め付けがたまんねぇー…」
「ふぅ…ぅ、ぅ、…っ」
心地良く包み込んでくる膣内に、男が下品な笑いをこぼした。
暇潰しのセックスで期待はしていなかったが、名器にありついた幸運に挿入したペニスは更に硬く成長した。
( やだ、ヤダ、抜いて…っ、ああ…うそ…こんなの、ダメ… )
体が従順に反応していることに、美月は首を振って自分を否定しようとする。
「ひひ…っ、今さら嫌がんじゃねえよ。俺とたっぷり遊ぼうや」
「ゃぅっ! あっ、~~…っ」
ズチュッ、ズチュッ、
吸いつくように絡んでくる膣内を、男の太いモノが蹂躙する。
無遠慮に内壁を擦られ、美月の体はカッと熱くなった。
( 止めて…止めて…、ひどい、こんなの酷いっ、ああ…っ、あああ…っ )
ギシギシとベッドが軋む。
正常位でじっくりと膣を犯されてからバックで激しく蹂躙され、再び正常位で繋がって何度も何度も穿たれる。
腰を引かれる時に雁で抉られる内壁にゾクゾクとする。
押し込まれる時の膣を広げてぶつけられる衝撃にジンと子宮が疼く。
犯されている筈の体が快感を強く訴えてきて、
美月は何がなんだか分からなくなっていった。
「お、お、うぅ…っ、出る…、イく、このまま中に出すぞ…っ」
「ふ、ん、ん、ぁ…? …っ?!」
男の言葉でふと蘇った正気に、美月はイヤイヤと激しく首を振った。
腕を突っぱねて男の胸を押すが、女の力ではどうすることも出来ない。
その間にも男は腰を振った。
犯している女の意思など初めから関係のない男の欲望は、本能のまま激しく膣を貪り……。
「イクぞ!ウウ…ッ!」
「や、やめ…ひ…っ、ぁ…ーーっ」
ビュルッ!!
ビューっ、ビュッ、ビュッ
男は腰を押し付けて深々とペニスを埋め込み、大量の精液を美月の子宮へと叩きつけた。
その衝撃に我慢出来ず、びくん、と美月は背中をしならせ、膣を締め付けて絶頂を迎えた。
男のハァハァと荒い息を間近で感じながら、駆け抜けた強い快感に、美月は呆然と体を投げ出した…。
* * * * * * * *
人々がまだ起き出さない早朝。
ぐしゃぐしゃに寝乱れたベッドには、気絶した美月が横たわっていた。
何度も繰り返し犯されたその体は精液にまみれていた。
それを満足げに見やってから、男は勝手に部屋を探ってシャワーを浴びる。
( あんなにヤったのは久し振りだな。ヤりすぎてチンポ痛ぇ…さすがに空っぽで水もでねぇわ )
金目のモノを盗っていこうかとも思ったが、こちらも良い思いもしたので止めてやる。
代わりに美月が穿いていたショーツをポケットに突っ込んだ。
そして男は、玄関から何食わぬ顔で出て行ったのだった。