01月24

脱素人童貞

今の嫁と付き合うまで素人童貞だった。
大学生の頃、アルバイト先の先輩が、
パチンコ勝ったからと、ヘルス奢ってもらった。
言うならそれが初めての女性体験なのだが、
当然、本番はなし。口ではてた。

俺は外見にコンプレックスがあり、
嫌がられるかなと風俗ですら怖かったが、
まあ、向こうもそこは仕事、愛想良く、
さくさくねっとりこなしてくれた。
それが嬉しくて、風俗通いするようになった。

まあ、そうは言っても学生時代はお金がなかったから、
さほど行ったわけではないのだが、
社会人になって給料がもらえるようになると、
月に2?3度くらい行くようになってしまった。
ソープは高かったからほとんどいかなかった。
せいぜいピンサロか、ヘルス。
ちなみに女性への初挿入は、会社で九州出張行った際、
泊まり先で呼んだデリヘル嬢に。
お金上乗せして本番やらしてもらった。

そんな俺にも会社で好きな子が出来た。
年齢は二つ年下の事務の子。

佳奈子ちゃんと言って、けっこう仕事で絡む事が多かった。
彼女は愛想が良く、こんな俺にでも楽しそうに話してくれる。
ここでまた俺のコンプレックスが出てしまい、
『どうせ社交辞令なんだろうな』
『彼氏いるんだろうな』
なんて考えてしまい、仕事上の関係以上に踏み込めなかった。

そうこうしているうちに給料日には、
例によってストレス発散のヘルス。
その日は久々に来た店だった。
別に指名とかせずに、適当に待っていたら、
あてがわれた姫がどことなく俺の好きな事務の佳奈子ちゃんに似ていた。
あげはちゃんと言って年齢は俺より二つ下、佳奈子ちゃんと同じだ。

顔のつくりは似ているようで似ていないようで、
でも雰囲気は佳奈子ちゃんににそっくり。
彼女をちょっと大人っぽくしたような感じ。
『佳奈子ちゃんにそっくりだ』と考えた瞬間から、もうダメだった。
俺の妄想の中ではあげはちゃんは佳奈子ちゃんになっていた。

一緒にシャワー浴びている時から俺はてんぱっていた。
お決まりのスケベ椅子やら、立ちスマタやら、
もう体にローション塗られて、ぬるぬると体を押し付けられただけで、恍惚。
風俗通ってかなりになるが、初めて味わった感覚だった。

ベッドの上でもキスから全身に舌を這われ、
金玉や裏筋をくちゅくちゅされて、
じらされじらされた上に、ぱくっとチンコを咥えられたときにはもうヤバかった。
髪の毛を後ろで束ねている顔がまたそっくりで、
そんな顔が俺の股間で上下している。
心の中で、『佳奈子ちゃん・・・佳奈子ちゃん・・・』と唸ったね。
あっという間に昇天してしまった。

次の日、会社で髪を後ろに束ね仕事をする佳奈子ちゃんを見て、
昨日のを思い出しまた興奮した。

その興奮がたまる頃にまた風俗へ行き、あげはちゃんに抜いてもらった。

俺の上に乗ってスマタやってもらった時も、
やっぱり佳奈子ちゃんをイメージしてしまった。
まあ、とにかく何をやられても佳奈子ちゃんを連想してしまってたんだけど。
で、会社で佳奈子ちゃんを見る時は、今度はあげはちゃんのプレーを連想して、
妄想スパイラル状態だった。

そこの店にはけっこう通って、あげはちゃん指名した。
いつも早く果ててしまうので、時間が余り、ベッドに腰かけお喋りをした。

通ううちに打ち解けてきて、突っ込んだ話題まで出来るようになった。
まあ、それでも向こうは仕事の延長上なんだろうけど。

何かの会話の流れで会社に好きな子がいて・・・みたいな事は話した事がある。
話しながら、こんなところでこんな話題、何考えているんだと思ったが、
向こうは普通に聞いてくれて、アドバイスしてもらった。
ただちょっと呆れたように、
「こういうところに来るお金があったら、
彼女によく見られるように自分に投資しなさい。
そして彼女にも投資しなさい。」
そんなこと言われた。なるほどもっともだ。
妄想スパイラルしているより建設的だ。
納得したけど、風俗通いあげはちゃん指名はしばらく続いた。
まあ、さすがに会社の俺の好きな子が、
あげはちゃんに似ているとは言わなかったけど。

佳奈子ちゃんに似ているあげはちゃんと打ち解けた事は、
俺に変な自信がつけさせたのか、錯覚に陥ったのか、
ある日、会社でさらっと佳奈子ちゃんを映画に誘えた。
口に出した後、『しまった、嫌がられるか』と思いきや、
「え、ホント?行く行く」
と、あっさり普通にOKの返事をもらった。

その初デートで佳奈子ちゃんから、何か俺の事がずっと好きだった的な
ニュアンスの事を言われた。

今までの苦悩は何だったんだろうというくらいスムーズに事が運び、
その日のうちにホテルへGO!
ホント、過去の自分から考えられないくらいの早い展開だった。

佳奈子ちゃんの裸を目の前にしながら、
『うわあ、本物だ』なんて思ったりしたが、
我ながら何とも失礼でおかしかった。

風俗ではいつも攻められる俺、
実際のセックスはどうしたもんか分からず戸惑った。
素人童貞だからなあ。
つい自分の不器用さが情けなくなり、
「あんまり慣れてなくて・・・」と言ってしまった。
佳奈子ちゃんは、
「いいよぉ、じゅうぶん気持ちは伝わってるよ。
私も○○さんのこと大好きだから・・・」
そう言って激しくしがみ付いてきた。
もう天に昇る心地だった。

そして彼女は俺の上になり、ちんこを握り、
あそこにあてがい、そしてゆっくりと自分の中に入れた。
「私だって慣れているわけじゃないんだよぉ」
そう言って腰を振り始めた。

彼女が俺の上で腰を振っている。
風俗ではないからスマタではなく、当然入っている。
あげはちゃんの時みたいな擬似佳奈子ではなく、
本物、もうそれだけでいっぱいいっぱい。
「佳奈子ちゃん・・・」と口に出したが最後、
あっという間に中ではててしまった。

「ごめん・・・」
「いいよぉ。謝らないでよ」

その日は朝まで愛し合った。
佳奈子はもうあげはちゃんではなく、佳奈子になった。

佳奈子と付き合うようになってから、
俺はあげはちゃんのアドバイスではないが、
風俗を一切絶ち、自分と佳奈子に投資した。
もてない事への反動が風俗だったわけだから、
好きな子が彼女になってくれたのだから、
別に風俗行く理由もなくなった。

彼女はすぐに妊娠してしまった。
初めてのとき以外はゴムつけてやっていたので、
初めてのときが種付けになってしまったのだ。

お互い迷いもなく結婚を決めた。

自分ところの親は喜んでくれた。

しかし彼女の親御さんに挨拶に行く時は緊張した。
結婚前に子供までつくっちゃったりして・・・。
お義父さんはぴりぴりとしていたが、紳士的に受け止めてくれた。
お義母さんはブサメンの俺にはちょっと冷たかったが、
別に反対するということもなく、すんなり受け入れてくれた。

ある日、うちの家族と、佳奈子の家族とで食事する機会があった。
俺は一人っ子だったんだが、佳奈子には姉がいた。
その佳奈子のお姉さんは食事会に少し遅れて来た。

「すいません遅れました。姉の薫です。」
「あ、どうも。」
俺は立ち上がり軽く会釈をし、ぱっと義姉さんの顔を見て絶句した。
変な汗がどっと出た。

あげはちゃんだった。

俺は一発で気付いた。見間違うわけがない。
向こうは最初は俺のこと気付いていなかったようだが。
どうも徐々に疑いを持ち、途中で気付てしまったらしく、
俺とお義姉さんの間には二人にしか分からない微妙な空気が流れた。
どうりで似ているわけだ・・・。
しかもあげはちゃん、俺より年齢一つ上でした。

そんなお義姉さんも妹に遅れること3年、この間、結婚した。
相手はお堅い感じの会社員だった。
どこで知り合ったんだろうと興味があったが、
別に普通に義姉さんの昼の仕事先の同僚だそうな。





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