07月4

C子

私子・F男→同棲カップル
C子・U男→同棲カップル

徒歩5分の所に住んでいて、よく遊ぶ友達同士。
C子とU男は結婚が決まっていた。何年か後にはU男の田舎に帰る事になっていた。
C子はU男を翻意させ、何とかこちら(C子地元)に残るよう説得したいと私達に相談していた。
C子達が結婚後も私達の付き合いは続いたが、この頃から
私子はC子に不信感を抱くようになる。
以前から、女の私子よりF男によく相談していたり、私子が
不在時にF男を訪ねて来る事が多く、あまりいい気はしていなかったのだが…
ある日の昼。C子が泣きながら私子に電話をしてきた。
U男の気持ちは覆らず、半年以内に田舎に帰る事が決まったと言う。

U男の実家は田舎の土地持ちで、山間部ではあるが市内まで車で20分、
C子のために離れを増築し、ご両親が待っているとの事。
実業は畑だが、C子はそれを手伝わなくても良い、となかなかの好条件。
元々C子に良い印象を抱いていない事もあり、私子は「結構いいやん。
U男の田舎に帰る事は結婚前から決まってたんだし、そんな遠くでもない
(新幹線で1時間)んだから、遊びにおいでよ」と軽く言ってしまう。
これに怒ったのか、以来C子からの連絡が無くなる。

1ヶ月程したある日、私子は知り合いの居酒屋に臨時バイトで入り、夜に不在となる。
あと1時間でバイトが終わるという頃、U男から携帯に着信。
田舎の事を話し合っていたらC子が怒り、突然出ていってしまったらしい。
F男にも電話をかけ、家にも行ったが、電話は不通、電気は消えていた。
不安になった私は急いで帰宅するも、家には誰もおらず、車が無かった。
F男の携帯に電話してもコールはすれども出ず。
それから更に1時間後の深夜0時近く、F男1人で帰宅。
ムシャクシャするC子から連絡があり、ドライブがてらカラオケに付き合ったと言う。
その後「頭を冷やしたい」と言うC子を実家まで送ったと言うが、C子は結局行方不明に。

私子はF男を問い詰め、最後までは行かなかったが、キスと前戯段階までしてしまったと知る。
軽はずみな行動に私子は怒り、その旨をU男に報告し、2人で謝る。
U男は「何となくそんなんしてるんちゃうかな、とは思ってた」と諦めの境地で、
怒らなかった。 3日後、U男からC子発見の電話。
私達とは別のU男の友人・Tの家(男の1人住まい)に行っていたらしい。
U男は2人を呼ぶので、私にも同席してほしいと言う。
F男の負い目もあり、私はU男宅へ(F男は仕事)

私は殆ど口を挟まず、3人は喧々囂々。
U男「Tの所に行ったんはまあええわ。それで…したんか?」
C子「してへん!泊めてもうてただけや」
れを聞いたTは我慢が利かなくなったのか
「嘘つけ!やったやないか!俺の事好きやって言うたやないか!」と激怒。
C子「それは言わへんって言うてたやん!」と茫然。
U男「ふーん…やったんか。T、お前、それがどういう事か分かっとるんか?C子は俺の嫁やぞ?」
T「俺はC子が前から好きやったし、C子の面倒は俺が見る」
U男「そこまで思てんのやったらええわ。でも、慰謝料は貰うで?」C子・T怯む。
U男はその日の内にTに車を売りに行かせ、とりあえず80万を取る。

U男の車でC子を実家に送り、Tは自宅に、私子は車内でF男の不貞をU男に謝り倒した。
「私子さんが謝る事とちゃうし、F男もついフラッとしただけやん。
思い止まってくれたんやし、許したってな」とU男は漢気を見せる。
F男帰宅後(U男は不在)私子はF男に事の顛末を話す。
この期に及んでもまだC子を庇うF男。
「だいたいな、U男も悪いねん。あんだけ田舎は嫌やって
言うてるのに、頑固やから」
私子は腹が立ち、F男をなじる。
「はあっ!?あんたアホちゃう?U男さんがいずれ実家に帰るんは、
あの子らが結婚前から決まっとった事やん。分かってて結婚したんやん」
F男「お前…女の気持ちがわからん女やの。知り合いもおらん
土地に1人で行かなあかんC子の気持ち、考えたれよ」
当時24歳だった私子の堪忍袋ブチギレ。
「たいがいアホやと思とったけど、そこまであんたがアホやとは…!
そんなにC子が好きなんやったら、あんたがC子の面倒見たりいや!
もうあんたとはやってられへん!」
止めようとするF男を振り解き、私子は当座の荷物とお金だけを持ち、安いビジネスホテルへ。

互いの両親も交えて話し合い、同棲は解消、その後私子はF男と別れた。
何故かU男は私子に謝ってくれ、その後も友達付き合いが続く。
TとC子はすぐに終わり、なかなか慰謝料を払おうとせず、U男は裁判へ。
2年程係争し、2人から300万(80万貰ってるので220万)を取る判決が下りた。
私子は新しい男と幸せな結婚をし、U男も田舎で年上のしっかりした女性と再婚した。
今でも時候の挨拶は続いている。
F男とC子、Tがどうなったのかは知らない。
【終わり】

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