09月16

武井咲ちゃんの彼氏の日記

○月×日 晴れ

咲に告白した。
いつも、遠くから見つめていて、きれいだな、かわいいなと思っていたけれど、目の当たりにすると、桁外れにかわいくて頭の中が真っ白になってしまった。
それでも、なんとか想いを伝えることができた。
返事はすぐに、というわけにはいかず、少し考えさせてほしいとのこと。
ああ、気になって、気になって、今日は眠れそうもない

 

○月△日 曇

咲から電話があった。OKだった。
信じられない。夢みたいだ。
学校ですれ違っても、知らんぷりされていたので、てっきりダメとばかり思っていたけれど。
調子にのって、デートの約束をした。今度の日曜日。
でも、デートってどこにいけばいいんだ?

 

○月○日 晴れ

咲と初めてのデート。
さんざん考えた末に映画を見に行くことにした。
咲のリクエストだった。

見終わったあと、喫茶店で映画の話をする。
あの、シーンがどうだとか、あの俳優さんがこうだとか。
咲に僕の感想を聞かれる。
困った。映画の上映中、となりに座った咲のことが気になってしょうがなくて、ほとんどまともに映画を見ていなかったのだ。
感想は適当に当たり障りのないことを言った。
映画を見ている真剣な表情を見ていて、ますます、咲のことが好きになってしまった。

 

凸月凹日 晴れ

咲と二回目のデート。
今回は遊園地にいった。
さすがに咲も普通の女の子、遊園地の乗り物とかに大はしゃぎだった。
今日は一日中、咲に振り回されっぱなしだった。でも、それもすごく楽しかった。
咲の、普通の女の子の表情にドキドキさせられた。
デートが終わって、送って、お別れするときに、キスしてしまおうという下心があったけど、今日の咲には、とてもそんなことできなかった。

 

凸月○日 曇
夢に咲がでてきた。
夢の中で咲はなぜか全裸。
真っ白な肌に、小さな胸。あそこのあたりはぼやけていてはっきり見えなかった。
そんな咲と、夢の中でキスした。
キスからその続きを、というところで夢から覚めてしまいました。
気づいたら、パンツの中が……。
夢精してました。
僕は、最低です。ごめんなさい、咲。

 

凸月×日 雨

今日も咲とデート。
映画館に行きました。
この前、咲で夢精してしまってから、初めてまともに会ったけど、顔をまともに見ることさえできなかった。
でも、咲はとても楽しいらしく、すごくかわいい笑顔を見せてくれていた。
そんな笑顔を見ると、余計に罪悪感が……。

帰り道の途中、咲のほうから、僕の手を握ってきた。
僕は心臓がバクバクと破裂しそうなくらい、緊張した。
咲の手は、ちっちゃくて、やわらかかった。

 

凸月△日 曇

再び、咲が夢の中に現れる。やっぱり、裸。
この前のあの可愛らしい手が、僕のペニスを握っていた。
僕の赤黒いペニスに絡みつく、咲の白くて細くてやわらかい指。
夢の中で射精した瞬間、目が覚めました。
やっぱり、夢精してました。
雑誌から切り取った咲のグラビア写真を取りだし、何回も何回も謝りました。
ごめんね、咲。

 

凸月□日 晴れ

学校で咲に会っても、すぐに夢のことを思い出してしまう。
このままではいけない、咲で夢精しないよう、たまったらオナニーしてヌいてしまおうと考え、早速実行する。
レンタルDVDにいって、咲から想像もつかないエグいAVを借りてきた。
DVDは最初からハードなプレイのオンパレード。
よし、これでヌいてすっきりしようと準備した。
しかし、いざ、オナニーし始めると、つい咲のことが思い出され、画面のハードプレイを咲がしてくれている、としか頭に思いつかない。
そうこうしているうちに、DVDではフィニッシュの顔射シーン。
僕もフィニッシュで咲のあのかわいらしい顔に射精していると想像して、イッちゃいました。
我ながらあきれました。ごめん、本当にごめんなさい。咲。

 

凸月▽日 雨

いけない、いけないと思いつつ、再びレンタルDVDからAVを借りてくる。
今度は、アナルファックモノ。
すごい……。お尻の穴にペニスが入るなんて。AV女優がケモノのように叫びをあげていた。
こんなことができるAV女優と、咲が同じ女性とは思えない。でも、咲もやっぱり女だし……。
いけないと思いつつ、バックからアナルを責めているシーンを見ながら、咲のお尻をバックから責めているところを想像しながら、イッてしまった。
僕に咲とつき合う資格なんてあるのだろうか。

 

凹月×日 晴れ

咲とデート。
やっぱり咲はかわいい。キラキラと瞳が輝いている。
でも、僕といったら……。
ああ、咲お願いです。そんな瞳で、僕に微笑みかけないでください。
咲が微笑みかけている男は、咲でとてもエッチなことを想像し、オナニーまでしている大馬鹿野郎なんです。

デートの最中、今度は僕の方から手を握った。
咲は僕を見上げ、ニッコリと微笑むと、僕の方に体をよせてきた。
咲のシャンプーの匂いが僕の鼻を刺激した。
さわやかな、咲らしい匂いだった。
僕も、さわやかな咲に負けないよう、さわやかな男になるぞ。

 

凹月○日 雨

電話で咲と話してるうちに、今度、家に咲がくることになってしまった。
どうしたらいいんだ。
とりあえず、部屋の片づけをはじめる。
別に今から咲が来るわけではないのに、とにかく、そうしなければいけないとしか考えられなかった。
部屋の中から、咲に見られてはまずいものとかを隠し、処分する。
今から、こんなに緊張してどうするんだ。

 

凹月凸日 晴れ

とうとう咲が家にやってきた。
親は急な用事ができて朝から出かけてしまった。
咲と僕と二人っきり。
咲の顔に疑いの色が……。
違う、違うんだ、咲。ホントに親は急な用事で出かけたんだ。

僕の部屋で、いろいろお話をする。
学校のこととか、友達のこと、咲からは芸能界のこととかも聞いた。
会話がとぎれ、ちょっとした間があく。僕は意を決し、咲を抱きしめた。

「こうしようと思って、今日にしたんだ」

咲が、つぶやいた。
僕はあわてて咲から離れ、事情を説明した。
説明が下手で何度も何度も繰り返してしまったが、なんとか最後は咲に納得してもらえたようだ。

「ごめんね。疑ったりして。ホントにごめんね」

咲が何度も謝まる。
僕としては疑いが解けたのでホッとしていた。
そんな僕の目の前で、咲の顔が僕の顔に急に近づいてきた。

「おわびのしるし……」

そうささやく咲の言葉が聞こえた瞬間、僕の唇にあたたかくやわらかい物体が触れた。
それが咲の唇だとはすぐにはわからなかった。
目の前の咲は顔を真っ赤にしていた。
自分の方からキスしたということがやはり恥ずかしかったようだ。
そんな咲に僕は、「もう一回、いい?」と、間抜けに話しかけていた。
そんな僕にあきれることなく、咲は小さくうなづくと、目を閉じた。
僕は唾を飲み込むと、再びキスをした。
どうしていいのかわからないので、とにかく唇を咲のかわいい唇に押しあてていた。
我が人生最良の一日。我が人生に悔いなし。

 

凹月凹日 雨

咲に学校で会う。やっぱりかわいい。
いまだに咲とキスしたなんて自分でも信じられない。
でも、事実なのだ。
しかし、人間の欲求とは底がないのか、キスまでしたというのに、僕はついその先のことを考えてしまう。
咲の胸はどんなだろう。お尻は。あそこは。
ああ、こんなこと考えちゃいけないのに。

 

凹月△日 晴れ

咲が家にきた。
なぜか、今日も親は留守。
今日もいろいろなお話をした。音楽のこととか、映画のこととか。
やはり、なぜか、会話がとぎれてしまい、お互いの顔を見つめ合う。
咲は目を閉じてしまう。
僕は咲の小さな肩を抱き、キスした。

このまま、どうしようかと思っていると、咲の体から、力がフッと抜けていくのがわかった。
僕はそのまま、咲をゆっくり押し倒していった。
抵抗もなく横になった咲。
僕の手が咲の胸に伸びていく。
そんなに大きくない咲の胸に手がゆっくりと覆い被さる。
咲の体がピクリと反応する。
胸を覆った手をゆっくり動かしてみる。やわらかい。
服の上からでもやわらかさは十分感じ取れる。
咲の呼吸も心なしか、甘い匂いが感じられた。

指先は咲の服を脱がそうと、ボタンに伸びていったが、さすがにそこまでいくと、咲も、体をかたくさせ、僕の動きを止めさせた。
咲もどんな顔をしていいのかわからないようで、それから、会話はほとんどなかった。
でも、また、家に来るって約束してくれた。

 

凹月□日 雨

この前の、咲の胸の感触が今日もずううっと手に残っている。
咲のことを考えると、ついついエッチな方に頭は向かってしまう。
また、DVDを借りてきた。
やっぱりハードなヤツ。
この前、咲がいた、僕の部屋でDVDを見る。
いやらしい顔つきのAV女優がフェラチオをしている。
のどの奥にまで太いペニスを飲み込んでいた。
一本だけでは物足りないのか、もう一人の男優のモノを一緒にしゃぶりはじめた。
僕の頭の中は、咲が僕のペニスをしゃぶってくれている、という妄想でいっぱいとなっていた。
こんな想像しちゃいけない、と思いつつ、ものすごく興奮していた。
あの、咲の小さなかわいらしい口が、僕のペニスを……。
あっという間に射精してしまった。
再び、自己嫌悪でいやになってしまう。

 

□月×日 雨

今日は普通のデートの予定だったのに、雨のため、急遽予定変更。
家にくることになった。
親はなぜか、今日もいない。
ウチの親は咲とは縁がないらしい。
僕の部屋でまた、お話をする。他愛もない話ばかり。

僕がお茶の用意に台所に立っていたとき、とんでもないことになってしまう。
咲がAVを見つけてしまったのだ。
咲が来ることがわかっていたら、確実に隠しておいたのに、今日はいきなりだったので昨日のままだったのだ。

「こんなの見てるんだ」という咲の言葉に、僕はなんて答えたらいいんだ。
でも、咲の様子は、僕を軽蔑するふうでもない。
それどころか、興味津々といったところで、「一緒に見てみよう」とまで言ってきた。
言われるまま、DVDを見ることとなる。
初めて見るAVはやはり刺激的だったようだ。
フェラチオ、バイブ、マングリ返し、顔射と結構ハードな内容に咲はただ息を飲むばかりだった。
見終わった咲の顔は紅潮していた。

「こんなので、その、ひとりで、エ、エッチなことしてるんだ」

潤んだ瞳で見つめられると、ウソは言えなかった。うなづく僕。
咲がつぶやいた。

「私に言ってくれれば、してあげるのに」

僕は聞き間違えたのだろうか。咲に聞き直したけれど、赤い顔をしたまま、もう答えてくれない。
今日はそのまま、帰ってしまった。
あの言葉はどういう意味だったのだろうか。

 

□月○日 晴れ

咲が家にやってきた。親はなぜか出かけていた。
この前のDVDのこともあって、ぎこちない。
それでも、なんとか会話を盛り上げようと努める。
してはいけないと思いつつ、この前のDVDのことに触れてしまう。
咲の顔に緊張が走る。
しまった、と思ったが、今さら取り消すわけにもいかない。

咲がとぎれとぎれに話し出してくれた。
とどのつまりは、咲が僕のことが好きで、初めての相手になって欲しいと思っていた、ということだった。
言い終えた咲は涙ぐんでいた。
うれしかった。
うれしかったけど、僕は自分が本当にイヤになった。
咲の心を全然思いやれず、咲にそんなことを言わせるなんて。
僕は本当に最低の大馬鹿野郎だ。

僕は咲を抱いてキスした。
そして、そのままベッドにゆっくりと押し倒した。
咲は涙で赤くなった目を閉じていた。
僕は震える手で咲の服を脱がせていった。
咲の肌は真っ白だった。
真っ白な肌に真っ白なブラジャー。
華奢な体が震えていた。その胸元にキスをした。
手をスカートに持っていき、脱がせる。パンティーも真っ白だった。
僕は震える手で、ブラのホックを外し、胸を露わにさせた。小さめのふくらみの上にピンク色した乳首がちょこんとのっていた。

手はとうとう、パンティーへ。
やはり緊張しているのか、なかなか脱がせることができなかった。
真っ白なパンティーの下から黒い茂みが見えたときは、この世の光景とは思えなかった。
僕の目の前に武井咲が、全裸で横たわっていた。
世界中で武井咲の裸を見たことのある男は、僕一人。

僕は震える咲にキスをした。
ホントにきれいだった。
しかし、僕も初めてで、どうしたらいいのかわからない。
まさか、この前のDVDみたいなこと、いきなりするわけにもいかず、胸をやさしくもんでみる。
やわらかい。すべすべとした肌に僕の手が吸いつくようだった。
後は僕の本能のおもむくまま、乳首にキスをして吸っていた。

手は、足の間にもぐり込んでいった。
ざらっとした毛の感触が指に感じられた。
さらに奥に進むと、指先が割れ目に触れた。触れた瞬間、咲の口から吐息が。
指を割れ目にそってなぞらせてみる。
指先が濡れた。咲が感じている?

僕はもう耐えきれず、咲の足を開き、ペニスをあてがっていた。
咲に「いい?」と尋ねる。目を閉じたまま小さくうなづく咲。
僕はそのまま、腰を前に動かした。
おかしい。入らない。
もう一度あてがい腰を動かす。
また、失敗。どうしたらいいんだ。

絶望に襲われた僕を救ってくれたのも、咲だった。
咲の右手が伸びてきて、ペニスを導いてくれた。
そのまま腰を動かすと、次の瞬間、僕と咲は一つになっていた。
咲の中は狭く、抵抗が感じられた。
咲の眉間にしわが寄っていた。
このままやめようかとも思ったけれど、咲の勇気を無にするわけにはいかない。
再び腰を前に動かした。何かがどうにかなったようだ。

僕は咲のことを思いやる余裕もなく、たちまち絶頂に達してしまう。
ただ、射精するとき、「咲」と声をあげ、咲の手を握っていた。

ことが終わった後、僕は咲の顔をまともに見ることができなかった。
起きあがった咲も僕の顔をなかなか見ようとしなかった。
ベッドのシーツに赤いシミができていた。
僕は何とも言えず、服を着ようとして後ろを向いていた咲を抱きしめた。
あまり、話をすることもなく咲は帰っていった。
でも、最後にお別れのキスをしてくれた。
今度は咲の家に行く約束もした。
ありがとう、咲。ごめんね、咲。好きだよ、咲。

 

○×月○日 晴れ

僕は本当に咲と、したのだろうか。未だに信じられない。
咲は、学校で会ってもふだんと変わらない。今日もあの笑顔を見せてくれた。
いや、ホントに僕は咲と、したんだ。だって、僕の目には咲の白い肌が焼き付いていて、この手には咲のやわらかい胸の感触が残っている。
でも、ホントによかったのだろうか。僕なんかが咲と。
 

○×月×日 曇

咲の家に行く。すっごく大きい家だった。
なぜか、咲のご両親は留守だった。

「急な用事ができて……」

と言う咲。なんにも言わずにうなづいていると、あわてて自己弁護をはじめた。
「ホントにホントなんだから」

わかってます。
咲がウソをつくわけないもの。

咲の部屋は、想像通りだった。なんていったらいいのか、咲のイメージ、ピュアというのがピッタリの部屋だった。
初めて女の子の部屋、しかも咲の部屋に入った時、僕の心臓はドキドキして破裂しそうだった。
でも、緊張してたのは咲もいっしょだった。部屋に入っても落ち着きがなく、お茶の用意ということでそそくさと、僕を残していってしまった。

部屋の中をぐるっと見渡してみた。机。本棚。タンス。鏡。そしてベッド。
ここで咲が毎日を過ごしているんだ。
そこに僕がいる。
そう思うと咲に包まれているような気がして、気持ちが安らいでいった。
大きく深呼吸してみる。
咲の空気が僕の肺を、胸をいっぱいにしていった。

何気なく本棚に目をやると、小説とかマンガとか雑誌が並んでいた。
雑誌をいくつか手に取ってみる。ファッション誌や芸能誌がほとんどで、やっぱり咲も普通の女の子なんだな、と思った。
といったところで、ある雑誌を見つけた。
学校でも話題になっているのを耳にしたことがある、女の子向けのけっこうエグい、エッチな雑誌だった。

「???まさか咲が……?」

表紙には「オナニー特集」とか「男の子がよろこぶフェラテク」、「テレクラで……」といった文字が並んでいた。
なんと間の悪いことに、僕がページをめくろうとしていたときに、咲が戻ってきた。

お茶の用意をしてきた咲の目が、僕が手にとっている雑誌にいくと、一瞬、その場が凍り付いたようになってしまった。
視線が合う。
咲の顔が見る見るうちに真っ赤になっていった。

「……」

「……」

気まずい雰囲気をなんとかしようと、明るく話しかける。
「れ、咲も、こういう雑誌、読むんだ。咲、オナニーとかするの?」

言ってから後悔しました。
僕は大バカモンです。
言うに事欠いて、なんていうことを。
ひっぱたかれると思い目をつぶりました。
でも、咲は僕をぶったりしなかった。
「……うん。するよ」

おそるおそる目を開けた僕の前に、咲は顔を真っ赤にさせて座っていた。
僕は耳を疑った。
でも、咲ははっきり「する」と口にした。
頭に血が上り、ますます訳のわからないことをしゃべり出す僕だった。
「そっかあ、咲、オナニーするんだ。あ、もしかして、僕のことを思い出しながらオナニーしてたりして」

……僕って奴は。あきれました。
でも、咲はそんな僕に真剣に答えてくれた。
「……うん。いつも、思いながら、してる……」

短い髪が小刻みに揺れていた。
再び、視線が合う。
次の瞬間、僕は飛びつくように咲を抱きしめていた。
咲の細い体からは力が抜けていった。
顔に目をやると、目を閉じている。
僕はそのままキスをし、ベッドに押し倒した。
この前の、初めてのときは何がなにやらわからないまま終わってしまったけれど、今日はもうちょっと余裕があったのか、咲をじっくりと感じることができた。

僕の腕の中で、華奢な咲の体から力が抜けていった。
服を脱がし、下着も脱がし、全裸にしてしまってから、体を上から下へ、下から上へ見渡した。
真っ白な肌と黒い茂みが目にまぶしい。そのまま、じっと見続けていると、咲が薄目を開け、つぶやいた。

「……恥ずかしいよ……」

僕はうなづいて、服を脱いだ。
もう完全勃起状態。
そのまま咲を再び抱きしめた。
咲のやわらかさと体温が伝わってくる。
僕はぎこちない手つきで咲の胸を揉み、乳首を吸った。
咲の呼吸が荒くなっていったのがわかった。
手は咲のあそこへ。
割れ目に指先が触れると、しっとりとした感じが。
「咲……濡れてる……」

僕は知らず知らずつぶやいていた。
それを聞いた咲は、顔を真っ赤にしていた。
「……だって、好きなんだもん……」

頭に血が上った僕は、我慢しきれず、咲に入っていった。
ペニスが咲に包まれる。
熱く濡れた、心地よい締めつけ。
僕は咲を抱いて、キスをした。
「咲……」

僕はうわごとのように、ただ咲の名前を呼び続けていた。
咲の呼吸はさらに荒く、激しくなり、同時に甘く切ない声が漏れてきた。
「咲……。もう、僕……。中に、いい……?」

限界が近づいていた。
「……うん、いいよ……」

小さくうなづく咲。
眉間にしわをよせ、唇を噛みしめていた。
頭の中が真っ白になり、僕は咲の中でイッてしまった。
今から思うと短いものだったけど、その時は、ずいぶん長い間、放出し続けていたような気がした。
「ハア、ハア……」

二人とも荒い息をしていた。目と目が合った。
「気持ちよかった?」

「気持ちよかった?」

同時にお互いが声をかけた。
咲と僕はなぜかおかしくてしょうがなく、思わず声をあげて笑ってしまった。
帰るとき、もう一回キスをした。
 

○×月△日 晴れ

学校で咲のことが話題になっていた。
クラスの男子生徒が咲のことを、「かわいいよな」とか「あー、つきあいてえ」とか言っていた。
話はどんどん脱線していった。「芸能人とつき合ってるんじゃないか」とか「もう、芸能人に、やられちゃったんじゃないか」とか。
僕は話に参加せず、ただ聞き耳を立てていただけだった。
君たち、咲をそんな目で見ちゃいけないよ。
咲はそんな女の子じゃないんだから。
夜、電話で咲とそんなことを話した。
僕はなぜかその話を聞いた咲が、電話の向こうで微笑んでいるような気がした。

 

○×月▽日 曇

友達にAVを借りる。
いいって言ったのに無理矢理押しつけられるように借りることになってしまった。
こんなのが部屋にあって、また、咲が来て見つかったらどうしたらいいんだ、と思いつつも、あればあるで見てしまう僕だった。

内容は、フェラに的を絞ったようなつくり。
最初から最後までほとんどしゃぶりっぱなしだった。
頭の中では、咲のかわいらしい口が僕のモノを……という妄想でいっぱい。
咲がそんなことするはずがない、と思いながら一方では、こんなことしてくれたらなあ、と思っていた。
DVDでは顔射でフィニッシュ。
僕もそれにあわせるかのように、イッてしまった。咲のことを思い浮かべながら。

いけないなあ、と思いながらDVDを巻き戻していると、ある考えが浮かぶ。
この前、咲とこの部屋でAVを見た。
もしかしたら今度、家に来たとき、また一緒に見るようなことになるかもしれない。その時、このフェラの映像を見た咲が興味を持ってくれたら……。
いかん、いかん。
こんなもの咲に見せていいはずがない。
しかし……。

 

○×月◎日 雨

いかん。最近、咲の口にしか目がいかない。
頭の中では妄想が。
でも、咲はそんなこと知るはずもなく、最高の微笑みを僕に見せてくれている。
ごめん、咲。
今日も咲が口でしてくれているところを想像して、してしまいました。
最近、咲でオナニーしても、昔ほど罪悪感がなくなってきてしまっている。これは果たしていいことなんだろうか。
やっぱり、いけないことだろうなあ。
咲のグラビア写真を取りだし、謝りました。
ごめんなさい。

 

○×月凸日 曇

咲と電話をしていたら、今度の日曜に僕の家に来ることになった。
どうしよう。
僕の目の前にはDVDがある。
この前から僕の頭を半ば占領している、フェラチオシーン満載のAV。
これをさりげなく部屋に置いておくべきか、それとも友達に返してしまうか。
僕は決心した。
返してしまおう。
咲と僕の間にこんなものがあっていいわけがない。
そう決めると、不思議と心が軽くなった。
これで今夜はぐっすり眠れる。
咲の笑顔を、やましいところもなく、受け止めることができるだろう。

 

○×月凹日 雨

僕ってヤツは……

咲と学校で会ったとき、咲の「今度の日曜が待ち遠しいなぁ」って言葉を聞いて、僕はどういうわけか、AVを友達に返すことをやめてしまった。
それどころか、その友達に他のこんなDVDを貸してくれるよう頼んでしまっていた。
夕方、そいつの家によって何本かフェラモノAVを借りてきた。
今、そのDVDを全部見終わった。

どうしても、咲の口のことしか思い浮かばない。
咲はホントに、素直に「日曜が待ち遠しい」んだろうけど、僕の「日曜が待ち遠しい」のは、やましいところだらけだ。
でも、どんなふうに思っていても、日曜はやってくるんだ。

 

○△月○日 晴れ

咲が家にやってきた。
もちろん、親は出かけていた。

今日の咲は、普段よりも数段かわいい。
なぜ、こんなにかわいいんだろう。
つい、視線は口元へ。
ピンク色をしたちっちゃな唇が微笑んでいた。

あの、唇に僕の……。
いかん。それは咲の心次第。
もし、咲が気がつかなかったり、そんなことできないってことになったらすっぱりあきらめよう。

部屋に案内する。
この部屋で僕と咲は初めて一つになった。
そんなことを思い出して、僕は興奮し挙動不審になる。
そんな僕を暖かく微笑みかけてくれる咲。

「どうしたの。また、エッチなこと考えていたんでしょ」

釘を刺されてしまった。
でも、咲は笑っていたし……。

そのまま、僕はお茶の用意をしようとキッチンに向かった。
咲はDVDを発見するだろうか。
この前、咲の本棚からエッチな雑誌を見つけたから、今日は僕が本棚とか机の引き出しにそれとなくDVDを置いておいた。

見つけて欲しいような、欲しくないような。
ああ……。

僕は部屋に戻っていった。

「あ……」

咲が座っている目の前にDVDが置いてあった。
見つけてしまったのだ。
どんな顔をしていいかわからないまま、咲の方をチラッと見てみる。
咲もどんな顔をしていいのかわからないようだ。
「そこの、本棚の後ろに隠してあった……。こんなの見てるの?」

まともにDVDのパッケージさえ見ることができないのか、視線を逸らしていた。
「う、うん……」

「そう。咲じゃ物足りないのかな……」

ち、違うよ、咲。
そんなんじゃないんだ。
そうじゃなくて、その……。
「……よし。わかった。じゃあ、どんなのか見てみよ。咲ができそうなことだったらしてあげる」

そう言って、いたずらっぽく微笑むと、DVDをデッキに入れた。
それから僕の手を取り、となりに座らせた。
僕の心臓は破裂しそうなくらいだった。
まんまと咲にAVを見せることに成功したという気持ちと、咲にこんなAVを見せていいのかという気持ちが僕の中で争う。

テレビがDVDの映像を映し出した。
ストーリーはないに等しく、ただ、AV女優がフェラチオを始めていた。
横目で咲の様子を盗み見る。
咲は目を大きく見開き、口を手で押さえていた。

無理もない。
この前もAVを見たけれど、その時のフェラシーンはさわり程度だった。
でも、今日のは違う。
マニア向けのハードなフェラチオが迫力ある映像で映されていた。
音も、ズリュッ、ジュプッ、ジュリュッ、と臨場感溢れる音声が耳を刺激する。

「ゴクリ」

そんな中で、僕は咲が大きく唾を飲み込むのを聞いたような気がした。
いや、はっきりとその音が聞こえた。
咲は頬を紅潮させ、目が潤みだしていた。
その視線の先では、AV女優が男のペニスを喉の奥にまでくわえこんでいる。
こんなことがあっていいのだろうか。
咲がAVを見て興奮しているなんて。

DVDはすでにクライマックスにさしかかっていた。
いつまでもペニスをくわえ続けているAV女優を無理矢理引き離し、ペニスを顔に向ける。
女優はいやらしい口を大きく広げ男の射精を待ちかまえ、そして大量の精液を受け止めた。
その大量の精液をゆっくり飲み込み、満足げな表情を浮かべたところでDVDは終わった。

「……」

「……」

終わってからも、しばらく僕と咲は声を発することができず、視線を合わせることもできなかった。

「あの」

「あの」

同時に声が発せられた。僕は咲に譲る。
「あの、私、こんなの初めて見ちゃったから……」

赤らめた顔を咲はなかなか僕に向けてくれない。
ああ、やっぱり断られるんだ。
しょうがないよね。いいんだ、咲。
僕がいけなかったんだ。

「初めて見たから、うまくいかないかもしれないけど……」

え?

「一生懸命がんばるから」

どういうこと?なに?
咲は潤んだ目で僕をまっすぐ見つめていた。

「あの、その、……いいの?」

コクンと小さくうなづく咲。

「……いいよ。だから、その、自分で脱いでくれる?」

咲は恥ずかしいのか、僕から顔を背け上着を脱ぎ始めた。
僕も後ろを向き、服を脱ぎ始めた。
けれど、僕は咲にペニスなんて見せていいのか、という思いが頭の中を駆けめぐり、ズボンをを脱ぐことに躊躇していた。
そんな僕に、咲が声をかけてくる。

「……もう、脱いだ?」

その言葉に後押しされて、僕はズボンとトランクスを一気に脱いだ。

「い、いいよ」

振り返る咲の瞳が僕の股間を見つめ、大きく見開かれた。
咲の目の前には、僕の勃起したペニスが上向きにそそり立っていた。

「……」

初めて見たであろう男の勃起したペニスを前に、咲は何も口にすることができなかった。
ただ、何度も唾を飲み込んでいた。

「……すっごい。パパとお風呂に入ったとき、パパのは見たことあったけど……」

視線をペニスから動かすことなく、かろうじてつぶやくように話す咲。
その目は、はっきりと潤んでいた。

「……ね、触ってもいい……?」

興味津々といった面もちで咲が僕に近寄ってきた。
そんな咲のお願いをどうして断ることができるだろうか。

「う、うん」

のどが渇き、声が裏返ってしまう。
仁王立ちになった僕のペニスが、咲の目の前に屹立していた。
咲の白くて小さな指先が、僕の赤黒いペニスにやさしく触れる。

「熱い……」

思わず指を引っ込め、咲はつぶやく。
でも、すぐにまた、今度はペニスを摘むように指先が伸びてきた。

「熱くて、硬くて、おっきくて……ドクンドクンて脈打ってる……」

確かめるように、手がペニスを握りしめる。
これだけですぐにでもイッてしまいそうになったが、必死になって我慢する。

「最初にキスしてたっけ……」

今まで見ていたDVDの内容を僕にたずねてくる。
下を見ると、咲が全裸で僕のペニスを握っていた。
あわてて、視線を上に向け、答える。

「うん……」

ペニスの先にやわらかい感触が。
視線を下ろす。

ああ、なんてことだ。
あの咲が、咲のかわいらしい唇が、僕のペニスにキスしてる。
夢のような光景だったけれど、これは夢じゃない、現実なのだ。

唇を離すと、僕を見上げ、恥ずかしそうにはにかむ咲。
再び、視線をペニスに戻すと、おもむろに小さな口を精一杯広げくわえようとする。

「あっ……」

ペニスの先が暖かく、ヌルッとした感触に包まれた。

あの咲が僕のペニスをくわえてる……。

もうダメだった。
限界だった。
体中を電流が駆けめぐり、頭の中が明るく点滅してきた。

「ああ、ダメ、ダメだ。咲……」

僕の反応に驚いた様子を見せながら、どうしていいのかわからない咲は口からペニスを離そうとしない。
どうにか離れようとしたけれど間に合わなかった。

「咲、ごめん……。くうっ……」

頭の中が真っ白になる。
次の瞬間、僕は咲の口の中に射精していた。
慣れていない咲は、最初の放出を喉につまらせむせかえってしまう。

「ごほっ、ごほっ。きゃっ……」

むせてペニスを口から離してしまった咲。
でもペニスの放出は止まらず、白濁した精液が咲の顔に……。

なんてことだ。
勢いは収まらず、何回も放出が繰り返され、咲の顔を汚してしまう。
その間、僕はただ快感に打ち震えているだけだった。
ようやく射精が収まり、我に返る僕。
目の前の咲になんて言えばいいのか。

「ごめん、咲」

あわててティッシュで咲の顔を拭い、何度も何度も謝りました。
でも、なんにもしゃべってくれない。
咲の肩が小刻みに震え、目に涙が浮かんできた。
ああ、僕は取り返しのつかないことをしてしまった。
咲を泣かしてしまうなんて。どうすりゃいいんだ。

「本当にごめん。ごめんなさい」

床に頭を押しつけて謝りました。

「……ぐずっ。ごめんね……」

頭の上で、かすかに咲の声が聞こえた。

「?」

どういことか、何に謝っているのかわからず、頭を上げ、咲の顔をのぞく。

「……ごめんね」

再び謝る咲。

「きちんと、してあげれなくて、ごめんね……」

なにを言っているんだ、咲。
悪いのは、君にフェラチオをさせて、あろうことか顔にかけてしまった僕なのに。
目に涙をいっぱいに浮かべ、謝り続ける咲がとても愛おしくなり、僕は抱きしめてキスをした。

帰るとき、咲は笑って、

「今度はちゃんとしてあげるからね」

と言ってくれた。

ああ、やっぱり咲は、最高にかわいい女の子です。

 

×○月◎日 晴れ

学校の廊下ですれ違ったとき、咲が、この前のことなどなにもなかったようにいたずらっぽく僕に微笑みかけてきた。
なぜか僕は誰かに見られてやしないかと、あわてて周りを見渡した。
そんな僕を見て、咲はますますかわいらしく微笑む。
すれ違い、そのまま歩いていく咲の後ろ姿を、僕は眺めていた。

制服姿の咲も、やっぱりかわいいなあ。
あんなにかわいくて清純な咲に、フェラチオさせてしまうなんて……。
そんなことを思い出していると、いつの間にか勃起していた。
ホントに、僕という男は……。

 

×○月▽日 曇り

今度の休み、咲はお仕事で東京に行ってしまう。
もちろん、そんなことは承知の上だったけど、やっぱりさびしい。

あの笑顔が見れないなんて……。
ああ、今度の週末は憂鬱になりそうだ。

 

×○月□日 雨のち曇り

今日も学校で咲と廊下でばったり。
偶然と言うべきか、その時、廊下には僕と咲以外、全く人はいなかった。
にっこりと微笑みかけてくる咲。
僕はじっと咲を見つめ続ける。

しばらく、と言っても週末だけだけど、会えないと思い、咲の姿、笑顔を目に焼きつけておきたかったのだ。
そんな僕の態度に、咲はちょっといぶかしがる。

「どうかしたの?」

そんな問いかけに、僕は「その、咲が、あんまり綺麗だから……」と答えるのが精一杯だった。
実際、ホントに綺麗だったのだ。

「やだ、もう」

顔を赤らめる咲。
僕はもう一回、咲の姿を上から下まで見た。
華奢な体、白い肌。あどけなさと大人らしさが同居してる顔。制服姿がよく似合ってた。

「お仕事で、会えないけど……」

咲はすななそうな表情を見せる。
「……うん。がんばってね」

僕がそう言うと、表情がパッと明るくなった。

「うん。がんばるからね」

やっぱり咲には笑顔が似合う。

 

×○月◎×日 曇り

咲は東京へ。
僕は何をするでもなく、ただ一日中咲のことを考えていた。
昨日の咲の制服姿を思い出す。

かわいかったなあ。
しかし、そんなことを考えていると、いけない妄想が浮かんできた。

制服姿の咲。
あの制服を脱がせてみたい。
そして……。
いけない、いけないとそんな妄想を振り払おうとするが、全然、頭から取り除くことができない。

それは時間が経てば経つほど、強い妄想となっていった。
東京の咲に思いを馳せる。
もう夜遅くになっていた。
今、咲はどうしているだろう。
僕は咲の写真を取りだし、まず謝りました。

「ごめん、咲。こんな僕を許して……。一回だけだから」

そうしてから友人に借りていたAVをデッキに入れ、ズボンを下ろした。
AVはよくある制服モノAV。
うちの学校の制服にちょっと似ていた。

絡みが始まると、僕は咲の制服姿を思い出し、妄想していった。
制服のスカートをたくし上げる咲。
真っ白なパンティーが。
妄想の中で咲はしゃがみ込み、僕のズボンのファスナーを下ろす。
そのまま頬ばる咲……。
大きくなった自分のペニスをしごこうとした矢先、電話がかかってきた。

「誰だよ、もう」

僕はDVDを止め、電話に出た。

「もしもし……」

咲からだった。

「あ……。ど、どうしたの……」

「うん。今、何してるかなって思って。何してたの?」

……なんて言えばいいんだ。
ホントのことなんて死んでも言えない。

「あ、あの、そのう……咲のこと考えてた……」

「ホント?咲も、今、同じこと考えてた。うふふ……」

ああ、咲が僕のことを思ってくれているのと、僕が咲で妄想していたのとでは
天と地ほどの差があるのに、咲は電話の向こうで無邪気に笑ってる。
咲は、それから今日の仕事の事や、東京のことなどを話し始めた。

そうしているうちに、僕はまたとんでもないことを思いついた。
このまま、咲と電話しながら、オナニーの続きを……。
思いついた次の瞬間、僕はDVDを再生していた。
もちろん、ボリュームは小さくして。

耳からは咲の心地よい声。
目からは制服姿の乱れたAV女優の絡み。
僕のペニスは瞬く間に硬さと大きさを回復した。

「それでね……」

咲は僕のふしだらな行動に気づくこともなく、お話を続けていた。
僕は相づちを打ちながら、ペニスをしごいていた。
ふつうではあり得ない異常な状況でのオナニーに、僕は普段以上に興奮していた。

「……ねえ、聞いてる?」

咲が僕の適当な相づちと、呼吸の乱れに不審を抱いたのか、尋ねる。

「う、うん。……あ、れ、咲……」

目の前のAVでは、制服姿の女優が顔にザーメンをかけられた瞬間だった。
僕はこの前の、咲に誤って顔にかけてしまったことを思い出し、射精した。
これまでになく興奮していた僕は、大量の精液を飛び散らせていた。

「もしもし、ねえ、どうかしたの?」

射精が収まり、我に返ったとき、電話の向こうで咲が話しかけていた。

「……いや、なんでもないよ。その、そっちは楽しい?」

僕は話題を変えようとした。

「うん。初めてのことばっかりだから、緊張したけど。楽しかったよ。……でも」

「でも、なに?」

「でも、やっぱりそっちの方が楽しいかな」

「どうして?」

僕の疑問に、咲は口ごもって、なかなか答えようとしてくれない。

「……だって、好きな人がいるんだもん……」

やっと小さな声で答えてくれた咲の答えだった。
僕には咲の顔が真っ赤になっているのが、すぐにわかった。

「じゃあね。また今度、いっぱい会おうね」

恥ずかしさからか、咲はそう言ってそそくさと電話を切ってしまった。
ああ、こんなに僕のことを思ってくれている咲で、僕はなんてことを……。
ゴメンなさい。咲。

コピー