11月21

?由依との奏で?

俺の名前は五代翔太郎(ごだいしょうたろう)。風宮高校の3年生だ。今日もイイ感じの朝を迎えて、学校へ向かう。

???:翔兄、いつまで寝てんのー!? あたしもう学校行くからねー!!!

翔太郎:うるせーなぁ…珠理奈。わかってるって・・・

珠理奈:そういってゆっくりしてると遅刻するよー!!!いってきまーす!!!

珠理奈は元気よく家を飛び出していった。そして俺はゆっくりと準備をする。何時でも自分のペースを崩さない。それが俺のポリシーだ。そうしてポリシーを貫き通した結果…俺新学期早々に遅刻をすることとなった。

俺は家を出て、学校行きのバスへと乗り込んだ。遅刻のバスだから貸切状態である。俺は音楽を聴きながらバスが発車するのを待っていた。すると、一人の少女がバスに乗り込んできた。

???「初日から遅刻とか最悪やぁ…どないしよう…」

俺は目を見張った。まさか自分以外に初日に遅刻をする強者がいるとは全く思っていなかったのである。俺の視線に気づいたのか、その少女はこちらを向き、ニコッと笑って座席に座った。???「あの?、学校着きましたよ?降りへんの?」

バスの中で爆睡していた俺に話しかける声がした。その声の主は先ほどの少女だった。

翔太郎「ああ、ごめん…。ありがとう。」

???「どういたしまして。あの…うち、今日初めてやから職員室まで連れて行ってくれませんか?」

翔太郎「あぁ…そうだったんだ。じゃあ起こしてくれたお礼に案内するよ。そういえば君、名前は?」
俺は少女に尋ねた。ここだけの話、なかなかの美少女だったので下心ありありであった。

???「うち?うちの名前は横山由依。京都から来ました。君は?」

翔太郎「俺は五代翔太郎。由依ちゃんって呼べばいいのかな?よろしくね。」

由依「そうやね…なんでもええよ♪」

そう会話を続けていくうちに職員室までたどり着いた。

翔太郎「ここが職員室だよ。じゃあ、また会うことがあればよろしくね!」

由依「ありがとう! ほなね?」

そういって俺は急ぎ足で教室へと向かった。

教室に入ると、中はとんでもない騒ぎになっていた。
どうやら担任はまだ来てはいないらしい。何食わぬ顔で自分の机にかばんを置いたとき、友達の大貫雄二(おおぬきゆうじ)が興奮しながら話しかけてきた。

雄二「なぁ、翔太郎、うちに転校生が来るらしいぞ!!!し・か・も・女♪」
俺は何となく予想はついてはいたが答えた。

翔太郎「マジか!!!いやぁ、ありがたいねぇ?。かわいい子がいいよなぁ…。だから梅ちゃんいないの?」
梅ちゃんとは我らが担任、梅田彩佳先生のことだ。

雄二「たぶんね…。おおっ、来たぞ!!!」

ガラッとドアが開く音が聞こえ、梅ちゃんと転校生が入ってきた。

梅田「はーい、美人が入ってきたからって興奮しないのっ(笑)みんなに新しいクラスメートが来たから紹介するね!!! 由依ちゃーん、入って?!!!」
俺の予想通り、入ってきたのはバスで出会った子であった。由依ちゃんはゆっくりと教室に入り、教卓の前で自己紹介を始めた。

由依「京都から来ました、横山由依です。よろしくお願いします♪」

男子からは歓声が上がった。騒ぎ立てる男子を鎮めながら、梅ちゃんは席を見渡した。

梅田「じゃあ?由依ちゃんの席は…あ、優子ちゃんのとなりね!」

由依「はい」
そういって由依ちゃんは優子の隣へと歩みを進めた。

優子「横山さん、よろしく!!!京都から来たって言ってたから…ゆいはんって呼ぶね!!!!」

由依「あ、よろしくお願いします♪えっと…優子ちゃんやっけ?」

優子「そうそう!!!私の名前は大島優子(おおしまゆうこ)!!!優子でいいよ!!!」
普段からテンションの高い優子にやや振り回されているようにも見えるが、なかなかうまくいきそうだ。

???「何やら楽しそうやな?、翔太郎、何ニヤついてんねん?」
後ろからいきなり話しかけられて振り返ると、そこには有華がいた。
有華は俺の元カノである。プロの歌手になるのが夢の有華を歌に専念してもらうために俺たちは別れを選んだ。その後は良き友達としてつるんでいる。

翔太郎「有華かぁ。後ろからは反則だろ!!! うちのクラスに転校生が来たんだよ。」

有華「ん?どれどれ、なかなかええ子そうやない?ウチにしたみたいに激しくシたったらあかんで?(笑)」

翔太郎「ばっ//そういう風に俺が変態みたいに言うのはやめろよ!!!」

有華「何照れてんの!?冗談に決まってるやん(笑)」
そういうと有華は走って教室を去って行った。
俺は由依ちゃんの方を振り返るとぼーっと眺めていた。
すると由依ちゃんの方からこちらにやってきた。

こっちである

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