11月29

最近嫁がエロくなったと思ったら3

嫁の美佳が、俺に嘘をついてバイトをサボって、鈴木君という男とデートをしたと思われる日のボイスレコーダーを確認した。

雑踏の音など日常音しか聞こえてこないが、少し我慢して聞き続けていると、
「美佳さん! 早いっすね! まだ20分も前ですよ。  待ちきれなくなっちゃいました?w」
驚くほどクリアな音声で聞こえた。日本の技術に感心しながらも、ドキドキと不安と怒りが入り交じる。

「はいはい・・・  っていうか、とし君ももう来てるじゃんw 待ちきれなかった?w」
美佳が、他の男とこんなに打ち解けて話をするところを初めて聞いた。基本、美佳はMキャラなのでこんな話し方をするなんて知らなかった。

「もちろん!  待ちきれなくて1時間前から本屋にいたっすよ! ホント、嬉しいっす!」
「相変わらず調子良いねwわかったから、移動しよ。  ここ、目立つしね」

口調なんかから推測すると、とし君は若い。それも、学生のような10代かもしれない感じの若さだ。

「そうっすね! 行きましょうか!」

「ちょっと・・・  何ナチュラルに手つないでるの? キモいよ」
「あっ。気がついちゃいました? でも、今更手ぐらい良いじゃないですかw」

「まあ、そうだけど・・・  っていうか、誰に見られるかわかんないでしょ?」
「一緒に歩いてるとこ見られたら、同じでしょ?いいから、いいから」

「まあ、そうだけど・・・  こんなおばさんと手つないでも、嬉しくないでしょ?」
「バカ言っちゃいけません! 俺は、美佳さんがいいんです! 今日は、ホントに夢見たいです!」

何だ、このやりとりは・・・ もう、淡い期待もなくなった・・・  浮気ですね、これは・・・

「ホント変わってるよね、君は・・・」
「そんなことないですよ。  結構、みんな美佳さん狙ってます。 みんな、人妻のエロス全開とか言ってますよ」

「なにそれ、キモい。  で、どこ行くの?」
「えっ?  俺の部屋でしょ?」

「それは無理。一人暮らしの男性の部屋に行くなんて、ママに怒られちゃうしw」
「えーーーー!!??  約束は? そんなぁ!」

「うそうそ、約束だからね。ちょっといじめてみたw」
「なんだぁ!  チョー焦りましたよ! 意外にSっすよね、美佳リンって・・・」
「なに?美佳リンって・・・  そんな風に呼ばれたことないけど?」
「あっ、なんとなく・・・ノリで・・・」
「ホント、チャラいよね。」

「あっ!そうだ、あれは着てくれてます?」
「うん、あれはとし君にしては良いセンス。特に下の方が可愛いよね。気に入ったよ。」
「でしょーー!  選ぶのにスゲー時間かかったっすもん。  見せて。着てるの。」
「えっ?今?」
「そっ!今!」

「はい」
「うおっ!  ていうか、短!  もう一回!」
「ダーメ!」
「えーーーー!  まあ、いいか、後で見れば・・・」
「だから、ご飯作ってあげるだけだよ? 見せるわけないじゃん!」
「また、またぁ!  まあ、そういうことにしておきますw」

「で、  その・・・  あの・・・  あれ・・は?  つけてます?」
「ぷっ!  なに照れてるの?照れるくらいなら、あんなド変態なこと言わないの」
とし君が急にモジモジした口調になったことに吹き出しながら、諭すように言う美佳。

「いや、だって・・・  なんか照れくさいというか、恥ずかしいというか・・・」
「なに?私に恥ずかしいものつけろって言ったの? さいてー」

「ごめんなさい。  でも、夢だったんです!」
「はいはい、  つけてるよ。  はい、これ、リモコン」

「マジで!? 嬉しすぎて死ぬ・・・ 美佳ちゃん大好き!」
「男って、大変だねw」

「じゃあ、さっそく・・・  ポチッとな」

「あれ・・・  何ともないんすか?」
「・・・・・うん・・・  なんか、くすぐったいだけ」

「マジですか?  っていうか、つけてます? だましてません?」
「はいはい、ほら?」

「あっ!  え?  こんなにブルブルしてるんだ・・・  気持ちくないっすか?」
「だから、くすぐったいだけwAV見過ぎだよw」

「・・・そうなんだ・・・  夢が・・・  こんなところで感じちゃう! みんなに見られながらイッちゃう!  っていうのは、嘘なんすか?」
「ぷっ!  お前は童貞か!w  人によるんじゃない?  ごめんね、鈍感でw」

なんというか、おそらくリモコンバイブを装着しているという話だと思う・・・
あの美佳が、おとなしくて恥ずかしがり屋の美佳が・・・
もう、離婚かな?いや、離婚だな・・・  そう、離婚だ!  そんな考えが頭を駆け巡る。

「いいんです・・・  現実を知って、大人になるっす」
「ふっw  君はオモシロいね」

「でも、せっかくなんで予定通りコーヒー飲みましょ?」
「予定って?聞いてないけど。」

「あぁ、すんません。  脳内予定でしたw 注文中に、いきなりリモコンオンにするんです。」
「いきなりって、もう言っちゃってるじゃんw」
「あぁっ!? しまった・・・」

こいつは本当にバカだなと思いながら、なぜか怒りが和らいでいくのを感じていた。

そして、コーヒーやクッキーを注文する美佳の声がする。
「それと、チョコレートチャンククッキーを  んっ・・  2枚で・・・ ん」
「お好みで、暖められますが,いかがでしょうか?」
「あぁ・・・  はい・・  あっ・・・  ん・・  結構です・・・」

声に甘い響きが混じっている。全然鈍感じゃない気がする・・・

「美佳ちゃん、なんか、様子変だったけどw鈍感なんじゃないの?」
とし君がからかうように言う。
「えっ? 何が?  別に普通だけど」
美佳が何ともない口調で言う。
「またまたぁ!  エロい顔してたじゃん?」
「ふっwバカじゃないの? くすぐったくて、笑っちゃいそうになったの我慢してただけだよ」
鼻で笑う美佳。

「またまた! はい、ポチッ!」
「ん・・  くすぐったいから、やめて・・・ ふぅ・・」
「あれ?顔赤くないっすか? みんな見てますよw」
「ちょっと!  もう止めて、笑っちゃうから  あ・・」
「なんすか?今の”あ”は?  やたらエロかったけどw」
「・・・ん・・・  コラ・・・ あ・・  駄目だってぇ・・・  あっ!」

「見てるよ。みんな美佳のこと見てる」
急に口調が変わり、呼び捨てにするとし君。
「だめ・・・ もう・・・  トイレ行く」
がたっと少し大きな音がする。
「だめ、行くな。ここにいろ。  っていうか、今のでもっとみんな見てるよ。 美佳のこと見てる」

「おねがい・・ぃ  とめ・・てぇ・・  んんっ! んっ!  んんんっ!!!」
「はい、止めた。  あれ?  なんか震えてたけど、寒いの?w」
「・・・トイレ行く・・・」
「だから、駄目だって、そろそろウチ行く?」
「・・・変態・・・」

「だって、美佳さん鈍感なんでしょ?w  もしかしてイっちゃった?w」
「そんなわけないでしょ。  もう、くすぐったくて笑い死ぬかと思ったよ」
「はいはい、そうですねw」

店を出たらしく、雑踏の音が混じる。

「どうです?美佳ちゃん、気に入った?」
「そんなわけないでしょ?もう外したいんだけど。」
「さっき、イッたよね?美佳ちゃんって、イくとき下唇かむ癖あるもんねw」
「バカ!  もう帰る!」

「あぁぁ、ごめんなさい」
「ぷっ!wなんだそりゃ?」

このとし君ていう子、なんか憎めない気になってきた・・・
ただ、コーヒー屋でリモコンバイブでイかせるなんて、信じられなかった。っていうか、美佳がイク時に下唇をかむ?  初耳だ・・・  

しばらく普通の会話のやりとりをしていたが、
「あっ! 何してんの? 止めて! バカ!」
「びっくりした?  あれ?顔赤いけど?  大丈夫w?」
「・・・駄目だってぇ・・ もう止めよ?  ちゃんと歩けなくなるよ・・・  ストップ!」
「鈍感なのに?」
「だから、くすぐったいから  あっ  もう満足でしょ?  ん・・」

「あれあれ?  なんかエロい声出てますけど?」
「はぁ・・・  ん・・ もう歩けない・・・ お願い・・・」
「そこ、座って」
「ん・・・  ん・・  あっ・・  ん!  んん! はぁぁ・・・」
「はい、ストップw」
「・・・バカか、お前は? ・・・・・オンにして」

「駄目なんでしょ?はい、終わりーーw」
「・・・・死ね!」

なんか、楽しそうだ・・・

しばらくすると、鍵がガチャガチャする音とドアが開く音がする。
「えっ? 綺麗だね。  しかも広いね。」
「この部屋、親父のなんすよ。」

「賃貸じゃないの?」
「そうっす」
「意外におぼっちゃまなんだ・・・」
「どら息子ですw」

「そこ、座ってください。 んんっ!  えっ!  美佳さん!?」

モゾモゾする音に混じって、クチュクチュと言うキスでもしているような音がする・・・
美佳から?キスしてる?

「どうしたんすか? ん・・ あ・・」
さらにクチュクチュ音が続く。

「君があんなことするから・・・  ほら?」
「うわっ! ぐちゃぐちゃじゃん?  膝までたれてるしw」
「もうだめ、すぐ来て」
美佳の切ない声がする。

「はい!服を・・・」 
衣擦れの音が続く。
「この下着、スゲー可愛いっす。」
「早くぅ・・・」
「今ゴムを取って・・・ あっ! 美佳さん!? まだ着けてない・・・ スゴい・・・ 熱いっす  あぁ、美佳・・・」
「ふぁぁぁっ! あっ! あっ!  スゴい・・・ 奥に・・・  ふぇぇ・・・ あっ! あっ! もう・・・  あぁぁ・・・」

「美佳さん・・・ スゴい気持ちいい・・・ あっ、乳首も気持ちいいです・・・ キス、キスしてください」
クチャクチャ舌が絡み合う音がする。

「ハッ! ハッ! ハッ! だめぇ・・・ イクぅ・・・」
美佳がこんな声を出すのを聞いたことがない。会話から判断すると、部屋に入ってすぐに美佳の方からとし君にキスをして押し倒し、騎乗位で生ハメをしている・・・  そして、上になりながらとし君の乳首まで責めているようだ・・・

いつもはマグロの美佳からは、想像も出来ない。

「駄目っす! 俺も出る!」
「あぁぁっ! 口に・・・」

「あぁっ! 出る! あぁぁ、美佳!」
「んんんっ! んっ!」

しばらく経過後、
「飲んだの?」
「うん、飲んじゃった・・・」
「マジですか? スゲー嬉しいっす! 初めて飲んでもらいました!」
「私も初めてだよ・・・  これ、おいしくないねw」

「すいません・・・  夢みたいです・・・ 美佳さん、その下着スゲーいいっす」
「着たまましちゃったね。 それも初めてだよ・・・  もう、悪い子だなぁ」
「どっちが?w」

「じゃあ、すっきりしたし、帰ろっかな?」
「えっ!?  っていうか、男かよ? 普通逆でしょ?  それに、約束!」
「覚えてたか・・・w」

「じゃあ、キッチン借りるね。」

あぁ、やっぱりか・・・  浮気だね・・・  どうしよう・・・
とりあえず、どうしていいかわからずに、レコーダーを聞き続けた。
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