駒ヶ林などの漁村に於ける村落共同体の性意識は「とても解放的」で 、一夫一婦制はあくまでも「建前的なもの」にしか過ぎなかった。
従って、「結婚したから」と言って、その相手を性的に独占できる訳ではなく離婚も簡単だった。
元々当時の農民家には大した家財道具や財産など無いから風呂敷包み一つ持って家を出れば済むような、「極めておおらかな事」だったのだ。
つまり歴史的経緯からすると村落社会における夜這いは、言わば「集団婚の一形態である」と考えられるのである。
「集団婚(群れ婚)」という婚姻形態は、一言で言えば「複数の男と女がグループ」で婚姻関係を結ぶもので、日本を含めて採取狩猟時代から人類の間で歴史的に長く行われていた。
共生の為の「群れ社会」と言う特別の信用信頼関係を構築するには、特別の間柄が継続して実践証明し続けなくてはイケナイのだが、そうなると一夫一婦制の既成概念は取り払わなくてはいけない。
言ってしまえば、群れ内は「フリーセックス」と言う事に成る。
そして個別の二つの群れ同士の争いに解決方法は二つ、武器を持って争うか仲間として合流するかである。
個別の二つの群れが平和的に合流するとなれば、誓約(うけい)の概念に拠る「集団婚(群れ婚)」が、双方を「特別の間柄」と継続して実践証明する「群れ内フリーセックス」が現実的だった。