私、S学校5年生だった。フツーの女の子だった。
そのころ、学校帰りに通る公園に よくパフォーマーを見かけた。
アコーディオンを奏でたり、手袋みたいな人形を動かしたり。そんなパフォーマーの周りに、学校帰りの子らが集まっていて、パフォーマンスに見入っていた。
たいてい一人で帰る私は、その群れの中に入っていけなかった。チラッと横目で見て通り過ぎていった。
一度友達が足を止めたついでに、あるパフォーマンスを一通り見たことがある。それは数枚の大きな色のカードを使いながら、金髪の外国人がストーリーを語るものだった。
黒いカードを示して「罪に汚れた 私の心は……」
赤いカードを示して「神様の血に よって洗われ……」
それから何枚かのカードを示したあと、白いカードを示して「天に召されて 永久(とわ)の命を……」
友達は「行こう。」と私の手を引いた。「結局、布教活動じゃないの。」
私も、そんなモノだとは気づいてた。だから近寄らなかったんだ。
ーー▽ーー
ある日、いつも通り公園のそばを一人で帰る私を、若い男の人が呼びとめた。
「お嬢ちゃん、紙しばいを見ないかい?」
私はなんとなく黙ってうなづいてしまった。
観客は私一人だけだった。
木の植え込みのそばで、男の人は持っていたスケッチブックを広げた。
『究極の愛』
タイトルからして布教っぽかった。男の人がページをめくると、意外な絵があらわれた。
裸のお兄さんと、お姉さんがいた。私の目はその二人のオヘソの下にクギづけになった。
(おチンポと、ワレメが描いてある……)
男の人はお話を始めた。
「お兄さんと、お姉さんは、お互いのことが大好きです。だからお兄さんは、」
ページをめくると、男のおチンポが、女に向かってピンと立っている絵があらわれた。
「お姉さんのハダカを見て、お兄さんのチンチンは、すごく固くなりました。」
ページをめくると
「お姉さんはそれを見て、お兄さんのチンチンをなめてあげました。」
その絵を見て私はキュッと脚の間が締まった。
オシッコの出るおチンポを、口の中に入れるなんて……男の人は言った。
「こんな汚ない所を、どうしてお姉さんはなめるのでしょう。それはお姉さんが、お兄さんの一番汚ない所を愛せるチカラを持っているからです。だから、」
ページをめくると、女の顔におチンポの先から出るオシッコがかかっている絵があらわれた。
「気持ち良くなったお兄さんが出す、白いオシッコも、お姉さんは飲むことだってできるのです。」
(飲むの?オシッコを飲むの?)
ページをめくると、女が脚を広げてワレメをむき出しにして、それを男がなめている絵だった。
「お兄さんも、お姉さんの一番汚ない所を愛せるチカラを持っています。だから、お姉さんのオmコをなめてあげます。お姉さんは大好きなお兄さんにオmコをなめられて、」
次のページに移った。
「お姉さんのオmコは、くぱぁーと広がって、穴が見えるようになりました。」
その絵を見て、私は知らないうちに自分のパンティーの中に手を入れて、自分のワレメをさぐっていた。
「この穴は、お姉さんがお兄さんを迎え入れるために、愛のチカラがはたらいて開いた穴なのです。」
(迎え入れる穴……何を?)
次のページにそれが描かれていた。
「お兄さんは、お姉さんの穴を見てふたたび固くなったチンチンを、お姉さんのオmコの穴に当てました。
お兄さんのチンチンとオmコは、二人の身体からにじみ出た液に濡れて、なめらかになっています。
汚ない所と汚ない所をくっつけて感じる『究極の愛』の気持ちよさは、愛しあう二人にしか感じられません。」
私はワレメの中の穴を指でさぐりあてた。ここに……ここにおチンポを当ててどうなるんだろう……
「アッ!」
男の人はスケッチブックを閉じて植え込みのスキマに飛びこんだ。姿が見えなくなったと同時に私は、
「ちょっと、アナタ。」
と呼ばれた。振り向くと二人のオバサンが歩いてきた。
「アナタ……ここで何をしてたの?」
「何もしてません……」
「誰か、ここにいたんじゃないの?」
「いえ、私だけです……」
オバサン達は不思議そうに植え込みを見ながら言った。
「こんな所で遊んじゃダメよ。色々と悪いことする人がいるんだから……」
「はい……」
私はウソをついてた。
あの男の人の紙しばいのお話に乗って、ワレメにイタズラしてたことが、オバサン達にバレそうな気がしたからだ。
私はオバサン達の前から逃げるように公園から出ていった。
~▽~
「許可のない公園内での集会、パフォーマンスは禁止いたします。
見つけたら通報をお願いいたします。」
そんな看板が公園に立てられた。
たまたま一緒に帰った友達が教えてくれた。
「あのパフォーマー達の中に、布教にかこつけて男子女子にエッチなイタズラしてたヤツがいたんだって。」
「へえ……そうだったんだ。」
私は、でも…… あの男の人の紙しばいが好きだったな。
布教にかこつけてなくて、ストレートにエッチだったもん。
それに、あの紙しばいの絵を思い出しながら、自分のワレメの穴をさぐるのが、すっかりクセになってしまったもん。
(『究極の愛』か……)
でも私はあの紙しばいを最後まで見ていない。だからいつも私のクセは、ハンパな所で終わってしまう。
「何よ、何ニヤニヤしてるのよ。」
「え……?」友達に言われて、私は驚いた。
あの事を思い出してるうちに、私はそんな表情になっていたらしい。友達は続けて言った。
「もしかしたらアナタ、隠れスケベになったんじゃない?」
隠れスケベ…… そうかも知れないな。
そんな私がこれから「究極の愛」を伝えていこうかな。