江戸末期、花柳界で花魁に太巻きを丸かじりさせるお遊びが流行。
商家の旦那衆たちは遊女がはしたなく巻き寿司をほおばる姿を見て楽しんでいたというから、今ならばセクハラそのもの。
このお遊びがいつのまにか「得意客を喜ばす」=「福を呼び込む風習」に代わり、昭和になってからは一部の地域を除いて風習が廃れていった。
終戦後の1950年代から1970年代にかけて、洋食化が進むにつれて、海苔の消費量が減少。
これを懸念した大阪の海苔問屋が作る組合が、海苔の販売促進を目指して節分に太巻き寿司を食べるキャンペーンを展開したことで、かつての風習が復活した。
1970年代には寿司屋業界と協力して「幸運巻きずし」を謳った宣伝ポスターが共同で店頭に貼りだされたといわれている。