07月24

りっちゃん(小さなお嫁さん)7

その後
 
【どうやらこのおんなもへんたいのようだ】
 
物陰に隠れて窺うと、来たのは友里だった。
1人だった。
 
「A吾ごめんね、ちょっとひどかったよねえ、大丈夫?」
 
友里は、自分のジャージズボンを持って来てくれていた。
ああ、助けに来てくれたんだ!
もともと友里は、アンヌに扇動されて俺を責めてるふしがあったっけ。
俺の恥ずかしい状況に、いたたまれなくなったんだな。
 
オナニーを阻止されたのは惜しいけど、素直にありがたいし、うれしかった。
ちょっと感動すらした。
ほんとにうれしかったんだよ…
 
なのにあんなことになるとは。
 
「これ貸す。穿いて…」
友里がズボンを差し出した時。
その視線は、俺のTシャツの裾を持ち上げてるちんちんに、釘付けになった。
いつの間にか俺がワイシャツを脱いでることにも、友里は気付いてない。
それくらい一点集中の視線だった。
 
「それ勃起だよねえっ…夢精はまだでも、勃起はするんだもんね…」
 
すけべな気分じゃなくて、普通にこうなったと思ってるらしい。
こんな状況で興奮する男がいるなんて、友里は思ってないから。
実際、勃起は性的興奮と直結してないことも多い。
 
でも今は!これすけべな勃起だよ!
俺さっきまでオナニーしてたんだよ!
そんなの知るわけない友里は、のん気に危機感のない顔してる。
多分こう思ってる。
精通してない男子は、大人の本格的な発情とは無縁だ、と。
すけべなことばっかり考えてたり、勃起はしても、無邪気な子供のままなんだと。
 
俺が毎日オナニーしてて、さっきも射精したばかりなんて、友里は想像もしてない。
 
その友里の認識不足を、俺もまだ、いまいち認識出来てなかった。
 
とにかく、こんな状態で俺が恥ずかしいのは変わらない。
野外露出に興奮する俺でも、一方的にじーっと見られたいわけじゃないし。
ちんちん隠したい…俺はシャツの裾を手で下に引っぱった。
片手でぎこちなく裾を引っぱりながら、もう片方の手でズボンを受け取った。
 
でも友里は名残り惜しそうに、ズボンを掴んだ手を、なかなか離してくれなかった。
軽く引っぱり合う格好になる。
友里の視線はずっと下向きで、そわそわしてる。
もっとちんちん見たいのかよっ。どうもそうみたいだ!
 
助けてもらう手前、拒否しにくい。
友里も、さっきアンヌに良い子ぶっちゃった手前、今さら見せてとは言いにくいはず。
 
しょうがない。
俺は無言で、シャツの裾を手放してちんちんをフリーにした。
すると友里がニッコリ笑ってしゃがみこんだ。
 
「勃起って、真っすぐになるんだ…肉が出とる…何かの幼虫みたい!」
 
肉が出てるっていうのは、皮がめくれて、亀頭がにょきっと顔を出してるって意味。
遠慮がちな好奇心を見せて友里は笑ってた。
俺は恥ずかしくてひたすら苦笑い。
 
そして友里が、しゃがんだまま内股をもじもじさせた。
迷ってるような表情で、俺を見上げながら、
 
「…んーと…あのねえ、…私のも、また見たいっ?」
 
えーっ…!
何と答えればいいのか分からなかった。
見たいかと言われれば、見たいに決まってる。
でもどういうつもり…
俺が黙ってると、友里はハッと我に返ったように立ち上がって、
 
「あっあっごめん、何でもない…気にせんで」
 
小学生の時より分別を知ってる中学生の、理性が働いたようだった。
まだもじもじしてるけど友里は、一生懸命まじめな顔を作ってた。
 
ようやく、持って来てくれたズボンを受け取った。
穿いたんだけど…小さかった。
女子の中でも友里は小柄な方。
このサイズじゃ俺にはパンパンだった。
 
ノーパン勃起&ぴっちりズボン。
太ももがきついし、ギリギリで収まったちんちんの形がよく分かる。
ちんちんの存在感が、裸よりはっきり印象に残ったかも。
友里がクスクスと笑った。
釣られて俺も少し笑ってしまった。
 
「そんなにおかしい?」
 
「あはっA吾変なの!あはは…ふぅ!うふふ!クスクス」
 
何だか和やかな雰囲気に。
でも友里、笑い過ぎて泣いてる?
て言うか様子がおかしい!
 
さっき一度は働いた理性が、もっこりジャージを見て飛んじゃったみたいだ。
何だか過呼吸気味な息づかいと早口で、友里が話し始めた。
 
「ごめんねッさっきはちょっと意地悪したかっただけでッ!私たちほんとは怒っとらんの!
A吾がほんとに脱ぐと思わなくてッ、なのに脱いだからアンヌも調子に乗っちゃったと思う。
私もアンヌも、あそこまでするつもりは最初は全然なくて!
でも璃子と付き合って欲しくないのはほんとで!あの、何でかって言うとあのッ」
 
そこで友里は一旦言葉を切って、つばを飲み込んだ。
そしてスカートの前裾を、両手でぎゅううっ!と握った。
 
パンツが見える高さまで持ち上げ…そうで持ち上げない。
 
スカートはパンツをギリギリ隠せるとこで止まった。
日焼け跡がはっきり分かる太ももは、ぷるぷる震えてた。
 
「あはは、私やっぱりまだA吾が好きみたいで!A吾がえろとぴあんでも嫌いじゃなくて!
またA吾と見せっこしたいって、思っちゃったよ、私も変なんだよおかしいよ…」
 
何かのスイッチが入ったみたいに、友里はずっと早口だった。
普段まじめな友里は、自分の衝動的な感情に、自分でもとまどってるみたいだった。
 
「久しぶりにA吾と同じ組になったら、うれしくなった。やっぱり好きだなあって思った!
昔アンヌとも見せっこしとったの聞いた時は、悔しくなった。A吾にむかついちゃった。
でも、むかついたってことは、やっぱり好きだからでもあって、それでッ」
 
そして上目づかいで俺の目を見て、友里は、さっきと同じことを言った。
 
「見たい、って思う…?」
 
つづく

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