浅田真央、安藤美姫、高橋大輔…
いま、日本のフィギアスケートは、世界のトップレベルにある。
もちろん、これら、ほんの一握りの人たちの他に、まだ全く名を知られていない、多くの選手たちがいる。
僕たちも、そんな中のふたりだ。
そう、「僕たち」「ふたり」。
僕と姉ちゃんのふたり、アイスダンスのペア。
もちろん、はじめにあげたトップクラスの選手たちとは比べ物にならない、「裾野」の中にいるということは否めないけれど、
真剣さや練習の厳しさ等は、絶対にひけを取らない…と思っている。
純粋に速さや強さ、距離などを競う他のスポーツと違って、
アイスダンスを含むフィギアスケートの得点は、「美しさ」という、ある意味曖昧な要素が、大きなウェイトを占める。
そうなると、僕たち選手のルックスも、ある程度のレベルを求められる。
美男美女が優利なのは言うまでもない。
そしてその意味では、僕はまずまずのレベルだし、姉ちゃんのほうは、誰の目から見ても「可憐」と言える…
そう浅田真央さんや安藤美姫さんみたいな、ある意味「個性的」な可愛さ、美しさではなく、万人受けするアイドル的な可愛らしさと言える。
最近、たまに言われるのは、榮倉奈々さんに似ているとか。
アイスダンスというのは、もちろん純粋に高度なテクニックを競うスポーツであることは間違いない。
しかし、美しい舞踏でありショーという一面もあるのは事実である。
そして、そういった意味で、アイスダンスのペアが、ある種の好奇の目で見られることがあるのも、仕方のない部分もある。
実際、アイスダンスのペアが演じるのは、多くの場合「恋人」だし、実際にそのまま恋人になり、結婚に至るというケースも、少なくない。
映画俳優どうしが、共演をきっかけに結ばれるのと同じ事だと思う。
そもそも、僕たちがスケートを始めたのも、そんな事情が関係している。
父と母が、ペアではないものの、フィギアスケートの選手で、そんな関係で知り合って結婚した。
そして生まれた僕たち姉弟もスケートを始めた。
僕は姉ちゃんが大好きで、姉ちゃんも幼い頃からいつも僕を可愛がってくれた。
そんな僕たちは、いつも一緒に練習をしていたし、当然、息もピッタリだ。
まだまだ実力も、この世界での知名度もない僕たちが、手近な姉弟でペアを組む事になったのも、自然な流れだったと思う。
先に言った「ある種の好奇の目」、これが、僕のいまからの話につながっていくことになる。
アイスダンスのペアが、男と女であり、多くの場合「恋人」を演じる以上、その中心に「エロス」があるのは、至極当然のことと思う。
僕たちは、姉弟でありながら恋人を演じ、エロスを表現する。
これが、普通のペアより以上に、好奇の目で見られることにつながる。
そしてそれは、僕たちにとって必ずしも不快な事ではなく、そこに倒錯とも言える快感を感じていることもまた事実である。
姉ちゃんの本心は知らないが、少なくとも僕はそうだし、姉ちゃんだってたぶん、いや、絶対に…
アイスダンスでは、ペアが体を触れ合うのは当たり前だ。
男性が女性を抱き締めたり、頭上高く持ち上げたりするような技がたくさんある。
女性を放り投げたり、逆に、ジャンプして来るのを抱きとめたりもする。
この時、相手の体のけっこう微妙な場所に触れることもある。
もちろん、あえて変な所…乳房やお尻、股間など…を触るようになっているわけはない。
けれども時には、脇腹を抱えるつもりがタイミングがズレて、胸を掴んでしまうこともあるし、
太ももを支えた指先が、股間に…もっとあからさまに言えば、性器に触れてしまう事だってある。
特に、技が完成するまでの練習の間は、日常茶飯事と言ってもいいくらいだ。
もちろん練習中は、そんな事でいちいち殊更に謝ったり咎めたり、また、恥ずかしがったりすることもない。
けれども、お互いに相手の事を知り尽くした若い男女が、そんな状況になって平気でいられるワケがないのも、また事実だ。
やっぱり、触れてしまえばドキドキするし、そんな事があった後は、ぎこちなくもなる。
中途半端ですまんです。
まだココまでしか書けてないです。
続きは需要あるでしょうか???
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