10月21

スケバンが・・・

あんまりエロくないのを一発ガイシュツかもしれんが

俺の高校はスケバンに支配されてたんだよね。

最近の子はスケバンなんて言ってもわかんないか。
ようするに女番長のことだよ。

髪の毛を染めてデーモン小暮みたいな頭にして、
スカートは異常に長く、チェーンや鉄のヨーヨーを振り回す。
やたらと濃い化粧。フーセンガム。それがスケバン。

そのスケバンは馬場今日子って名前だった。
けど本人は「凶子」と名乗ってたな。
「凶子」にしようか「狂子」にしようか迷ったらしい。馬鹿だろ?
苗字で呼ぶとすぐキレて、呼んだ奴を半殺しにしてたね。

ある日の授業中。例によって学級崩壊状態になって、
凶子は取り巻きと一緒にタバコ吸ってゲラゲラ笑ってたよ。
カツアゲで大金をGETしたようで、いつになく上機嫌だった。
で、上機嫌な分、いつもより余計に五月蝿かったな。

もちろん俺達は慣れっこだよ。スケバン連中は見て見ぬフリ。
中年教師が黒板に無言で書く内容をノートに書くだけ。
いつも通りだよ。情けないけど、それが現実なんだよね。
けど、そこでちょっとしたアクシデントが起こった。

凶子が遊びで投げたダーツが先生の尻にささった。
先生は「ヒイィ」と叫び声をあげ、凶子たちは爆笑。
笑われた先生は「ハヒッ?」と呼吸を整えながら凶子を指差す。

先生「こ、このクラスの委員長は誰だね!そいつらを注意しろ!」
凶子「おぃ先公よぉ…『そいつら』って言い方はねえよなァ?」
先生「わ、私は保健室へ行ってくるから!」

先生はもの凄い速さで逃げた。まあ、これもいつものことだ。
しかしここで、廊下側にいたガリ勉野郎が凶子に声をかけた。

山田「馬場さん、後で話があるから放課後残ってくれない?」

教室の空気が凍りついた。

声をかけたのはクラス委員長の山田ハジメだった。
成績は良いが体育は全然駄目というありがちな優等生の山田。
なんて馬鹿な奴だ…俺は頭の中で山田の冥福を祈った。

荒らされても何なんで私がタコラさんの代わりにコピペ

凶子「あぁ?ざけんなよ包茎野郎!誰が残るかボケが!」
山田「先生に注意しとけって言われたから。逃げないでね」
凶子「上等だゴルァ…テメェ明日の太陽は拝めねえぞ…。」

無常にも時間は過ぎ、放課後。
凶子と山田はどこかへ行ってしまった。
俺には凶子の殺戮シーンを覗き見する度胸はない。
万が一覗き見していることがばれたら俺も殺される。
凶子は恐ろしくケンカ慣れしている。1対1でも勝ち目はない。

今頃山田は死の恐怖を味わっている頃だろう…。
俺は山田の机を見た。明日あの席に花瓶が置かれるかもな。

次の日、学校へ行くと、なんと山田は五体満足だった。
顔中傷だらけアザだらけで、服の下も多分ボロボロだろうが、
命に別状はなかったようだ。腕は吊ってないし松葉杖もない。
よかったな山田、半殺しで済ませてもらえたんだな。

お前は良くやったよ。勇気があったよ。俺は心の中で誉めた。
本当に誉めると凶子の一派に目を付けられるから。

ガラガラ…

教室のドアを開けて、見慣れない女生徒が入ってきた。
背中の半ほどにまで届く黒髪。細く引き締まったスタイル。
淡い化粧。儚げな表情。誰だ?このカワイ子ちゃんは。
転入生じゃないな…え?ま、まさか!凶子?馬場凶子!?

その美少女に、クラス中が唖然としていた。
信じられなかった。昨日までヘビメタルックだったあの凶子が、
今日はまるでお嬢様ルックじゃないか。何があったんだよ!?

俺「山田、お、お前、凶子に何を言ったんだよ…?」
山田「別に何も言ってないよ」

何も言ってないって、おい!そんなわけないだろ!
何だよあの変わりっぷりは!人格が入れ替わってるだろ!

山田「…ちょっと、調教しただけ(くすっ)」

世の中に悪魔は実在する。

おまけ。

先生「ば、馬場さん?」
凶子「は、ハイ…何でしょうか(びくびく)」
先生「その、きゅ、急に雰囲気が、か、変わったよね」
凶子「…(涙目)」

その弱々しさに思わず萌えた。

その後、凶子は看護婦になったらしい。

おしまい。暇つぶし程度に読んで貰えれば…。

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