三里さん5・トイレの三里さん
中田です。会社の後輩、三里(ミサト)さん(20)の話です。
三里さんは、おとなしくてまじめで恥ずかしがり屋で、でも天然で鈍感で無防備で
無頓着なので、その言動に萌えることがよくあります。
俺は彼女を口説く勇気がないヘタレなんで、回りくどく意地悪な発言してしまうん
だけど、幸いにもどうやら彼女はそれをセクハラともストレスとも思ってないらしい。
その辺の本音はあとになって聞いたけど、その話はまたいつか別の機会に。
営業所の奥の廊下、給湯室の横がトイレ。
小さなオフィスだけどトイレは一応男女別々。
一服しようと給湯室(喫煙場所でもある)に行くと、女子トイレのドアが開いたまま
なのが見えた。
誰も入ってない時は、換気のために開けとくこともあるけど、三里さんのスリッパ
(なぜか蛇柄)が置いてあるんだ。
三里さんが入ってるってこと。
女子トイレはドアを開けると一畳もないくらいのスペースと簡易な洗面台があって、
奥側に個室が1つだけという小さな構造。
(いや別に女子トイレの構造知ってても変じゃないよね)
三里さんは個室のドアはもちろん閉めてるけど、入口ドアは開けっ放しでおしっこ
してたんだ。
おいおい聞こえたらどうすんの…。聞きたいけど!
近づいて聞き耳立てようかと一瞬考えてたら、三里さんが出てきた。
「三里さん、ドアは閉めた方がいいよ」
「え?あ、すみません!」
「聞こえちゃうよ?」
多分俺はこの一言が余計なんだな…。
「わー!恥ずかしい…。すみません、聞こえちゃいましたか…?」
無視するか流すかしてもいいのに…受け答えしてしまう三里さん。
恥じらい方がたまらなくかわいいので、やっぱり意地悪したくなった。
おしっこの音、とか言わせてみたくて、
「何が?」と聞いてみた。
たまには三里さんも、もう!セクハラですよぉ!って怒るなり無視するなり、愛
想笑いだけでやり過ごすこともあるんだけど、このときの答えは想定外だったよ。
「声…」
「え?え?…なんで声?」・・まさかこんな子が会社のトイレでオn
「がまんしてた後とか!あのー、おしっこするとき、つい声出ちゃうんですよぅ」
「!!!」
うわー、多分恥ずかしくて早口で言い訳っぽくなっちゃったんだろうけど、余計恥
ずかしいこと言ってるよ。
…言わせたの俺か。すまん、やりすぎたか…オロオロ。
「あ、ああ、そうなんだ」
「んふーとかって、声出ちゃうことないですか…?ないですよね…」
…やっぱ、やばいです。
恥ずかしそうにモジモジしながらうつむいて、んふぅって言うんだよ。
おしっこって言葉には抵抗ないのか?
「オナニーしてたって言われるかと思ったよ」
て言いたいのは、もちろんこらえて、
「あ、ああ、うんまあ、でも、音も、聞こえたらあれだしね」
「あ、あ、そそそうですね、すみません気をつけますぅ…」
もう、下半身丸出しで眉間にしわ寄せて、口は半開き、おしっこチョロチョロ出しな
がら、んふぅ…って切ない声をもらす三里さんの姿がリアルに想像できて、俺のち
んちんはやばい状態に…。
で、無意識に足がモゾモゾ動いてしまった。
三里さんそれに気づいたわけじゃないだろうけど、
「あ、すみません、中田さんもおしっこしに来たんですよね…」
おしっこおしっこ言うなー!
普段は恥ずかしがり屋で純情そうなキャラのくせに、こういうことは平気で言うん
だよな。
じゃあ誘導して言わせたりするなよって話だけど。
ホントはタバコを吸いに来ただけなんだけど、この勢いでトイレで抜いちゃおうと
思ったよ。結果的には抜けなかったけど。
「そうそう、俺もおしっこ。声聞こえないように気をつけるよ?」
「あ!中田さんもやっぱり声出ちゃいますか!?」←なぜ嬉しそうに…?。
出さねーよ!いや出ない事もないか。
トイレでちんちん見たら、今の会話のせいでやっぱり濡れてた。
…しばらくの間妄想の中では大変なことになったけど、現実的には今回はここまで。
俺も彼女も、仕事は一応まじめにやってるので。
1回注意するとその後は確実に守る子なので、三里さんがトイレのドアを閉め忘れ
ることは、もう二度となかった。
別に、残念とか思ってないよ。…思ってないよ。
彼女もこう見えて、仕事ではしっかりやってくれるから、ドジっ子じゃないよ。
とっても頼りになります。
こういうエピソードが、毎日起こるわけじゃないから!
仕事上の会話以外はナシって日の方が多いから!
ただ、こんなことがあるたびに晩ご飯の品数が増えます。
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