08月15

ビチ子

友人の修羅場に関わった話
所々伝聞や俺の憶測も入ってるがそこは勘弁して貰いたい

俺 会社員
友人(善太)
善太彼女(ビチ子)

当時3人とも25歳 俺、善太は会社の同僚。ビチ子は自称パン屋勤務

一年程前に会社の同僚達で合コンを開いた。
俺と善太は誘われた形だったが、善太は合コン初体験で、合コン当日俺らは休日だったのに、スーツで俺ん家に来るほど緊張していた。
服は着替えさせたが、集合場所までガチガチで正直倒れるんじゃないかと思う程だった。
善太は気が利く上に、優しい性格で同僚からも慕われててたし、
密かに会社の女性陣からも結構人気があったのだが、奴自身が極度の女性限定の上がり症で今まで彼女が出来た事がなかった。

そんなガチガチの善太は合コンでビチ子と仲良くなった。
上がり症の善太がビチ子とだけは普通に話してるのを見て俺ら全員感動してたんだが、今はあの時もう少し俺に女を見る目があればと本気で思う。

ビチ子はその名前とは程遠い清楚な雰囲気で、どちらかというとその日の合コン女メンバーの中でも控えめなタイプだった。
だけど気が利くし、ノリも良くそして善太と会話が成立する女。
もうこれは運命なんじゃないかと善太は思ったそうだ。

合コンから程無くして、善太はビチ子からの告白で付き合う事になった。
善太に彼女が出来たというニュースはあっという間に会社に広がったんだが、誰もが応援してた。

2人の付き合いは半年ほど順調に続いてた。
善太から聞く惚気話を聞く限りはそうだった。

ある日俺は学生時代の友人達(善太は就職後の友人)と飲みに行くことになった。
最近の近況や愚痴なんかを話してる中、友人の一人(A男)に彼女が出来ていた事が発覚した。
照れるA男に皆でどんな女だと問い詰めるとプリクラを見せられた。

写っていたのはビチ子だった。

付き合って3ヶ月だと嬉しそうに話すA男とプリクラに写るビチ子。
正直何も言えなかった。
帰ってからまじで悩んだよ。冷静に考えれば善太とA男に報告すべきなんだろうが、あの時はずっと、
せっかく彼女が出来た善太に言えるか俺?プリクラ見る前にタイムスリップは可能か俺?
とかかなりテンパッてた。結局丸一日考えて善太に知らせる事にしたんだけど。

話を聞いた善太はもちろん最初は信じなかったよ。
俺の見間違いだろ、ビチ子はそんな女じゃないと思う、嘘付いてるとは思わないけど勘違いだと思う。
そうやってビチ子信じる発言を繰り返してた。
俺もまさかビチ子がって気持ちだったから善太が信じないのも無理はないと思ったし。
はっきりさせる為にもA男と話がしたいと善太が言い出したので、まず俺がA男と話して事実関係を聞き出すことにした。

俺一人でA男と話して、プリクラの女がビチ子と確定してからA男に善太の存在を話した。
こちらもやはり初めは信じなかったけど、話し合った結果善太に会いたいと言われたので俺立会いで2人は会う事になった。

会うなり二人は沈黙だったんだけど、少しずつ話が始まりお互い自分の彼女が浮気してる事を確信した。
俺は2人の紹介と喧嘩防止のために立ち会っただけだったから、これからどうするかは2人で長い間話し合ってた。

結局付き合いの長い善太にA男が身を引くという形で決着がついたらしく、A男はビチ子と別れる事になった。
正直俺としては善太も別れた方がいいと思ったんだが、善太とA男が今回の事は、俺含めた3人の胸に仕舞いたいと言ったのでそうする事になった。
今後またビチ子が浮気する心配はあったけど、とりあえず二股は終わり、とりあえず解決した。

と思ったのは間違いだった。

後日、先の合コンで俺が仲良くなった女(A子)から話があると言われ、告白かもしれんと思いワクワクしながら会った先でビチ子についての新事実を聞かされた。
A子は善太とビチ子が付き合ってる事を知っていたが、なにやら最近ビチ子が結婚してるという噂を聞いたらしい。

A子は直接ビチ子と仲がいいわけではないらしく、ビチ子は合コンも人数合わせで呼ばれた形だったそうだ。
友人伝いでビチ子結婚説を聞いた時は驚いて俺に連絡したらしいが、俺は多分もっと驚いてた。
多少迷ったが、A子を信用して以前のビチ子二股話をした所、いろいろ探りを入れてみるとA子に言われ、俺はまたタイムスリップしたい葛藤と戦う日々を過ごした。

結論から言うと、ビチ子は結婚してなかった。
というか、以前は結婚しており子供も居たが、離婚して子供と共に、今住む場所に越してきたらしい。
男と子供と3人で歩いてるところを知り合いに見られた事から結婚の噂が広まったらしんだが、風貌からして男はA男でも善太でもなかった。
それだけだと、男はビチ子の兄弟や元旦那かもしれんと善太に知らせるのは躊躇してたんだが、どうやらその男はビチ子の彼氏だという事が分かり、善太に報告する事にした。

話を聞いた後善太は泣いた。
なんとなく感じていた違和感が全て繋がったらしい。
付き合って半年以上ビチ子の家に招かれてない事や、仕事が早いからと門限は6時、善太の家に泊まったことが一度あるらしいが、次の日朝早く帰った事。
他にもいろいろあるが、違和感というかどう考えても怪しい事だらけだった。
門限6時だけは俺も聞いていたが、パン屋は早いからなと疑ってもなかったよ。バカ過ぎるな俺

さすがに今回は善太も胸にしまうという事は出来ないとビチ子と話す事を決めた。
俺にも立ち会って欲しいと言われた。

話し合いは善太の家でしたんだが、何も言わずビチ子と遊ぶ約束を取り付けてやってきたビチ子を問い詰めた。

善太が子供が居る事を聞いたと話すと、ビチ子はかなり動揺してたが
バツ1だと言い難く、子供が居る事も話さなきゃと思いながら今まで言いそびれてしまった。
隠すつもりじゃなかった。今度会って貰いたいと子供の事を語りだし、善太が静かに切れた。

善太「別に構わないけど会ってどうするの?その子にしょっちゅう会ってる彼氏が居るのに俺の事は何て紹介するの?」
ビチ子「え?か、彼氏?彼氏は善太じゃん。何言ってんの」
善太「彼氏何人いるの?俺とその男と、後・・・・A男以外にもいるの?」

A男の名が出た時のビチ子は見事に固まってた。
言い逃れ出来ないと悟ったのかは分からんが、A男とはもう終った。ちょっとした気の迷いだった。ごめんなさいと泣き落としに入った。

善太「A男が君と別れたのは俺と話して彼が身を引く事になったから。別れ話のとき、泣いて嫌だと言ってた事も聞いてる。気の迷い?何それ」

それからA男が俺の友人でそこからビチ子の浮気がバレた事。
それ以外にも男が居る事も分かってる事を善太が話し、正直に話して欲しいとビチ子に促した。

ビチ子は意外と素直に善太と付き合う前から本命の男が居た事。善太とA男が浮気相手だったと語った。
話を聞いて善太はしばらく黙ってたんだが、

「分かった。きちんと話してくれてありがとう。その本命の彼氏にも知らなかったとは言え謝罪したいから会わせてもらえるかな?」
とニコっとしながらビチ子に聞いた。
ビチ子再度固まったが、すぐにその必要はない、あたしから伝えとくとなにやら必死。
これは男はビチ子の浮気完全に知らないなと悟ったが、善太も同じだったようで何度も直接謝罪したいと粘ってた。

しばらく、謝罪させてくれ!と、しなくていい!の繰り返しだったんだが、突如ビチ子が爆発した。
ビチ子「するなっつってんだろうが!もういいよ!話終わり はい他に男居たのにごめんなさいね んじゃさよなら」
と言って部屋を飛び出し走って逃げていった。

その後、俺らは2人で朝まで飲んで次の日会社に遅刻するという大失態をしてしまったんだが、善太の落ち込みも気になってしばらく毎晩遊びに連れてった。
数週間後、善太からA男も誘って飲みに行かないかと言われ、ビチ子の事を話すのかと思いOkした。

飲み始めてしばらくしてもビチ子の話題が出ないのであれ?違ったのかなと思ってたら、二人がポツポツ話し出した。

ビチ子が善太の部屋を飛び出した後、善太はいろいろと考えてたらしい。
後日A男にその日の顛末を話して、A男の協力を取り付けた善太は自力でビチ子の家を見つけたんだそうだ。

ビチ子の彼氏を見つけA男と2人で訪ねた後、ビチ子と付き合ってた事、他に男が居る事は知らなかった事、
だが結果的にあなたにとって浮気相手になってしまった事を謝ったそうだ。
話を聞いたその彼氏は突然の事ですごく驚いたらしいが、これを聞いて下さいと、ビチ子に問い詰めた日に録音してたテープのコピーを渡して帰って来たそうだ。
録音してた理由は、ビチ子との話し合いの前に善太がA男に連絡を取っていて、
こういう話し合いをするけど来るか?ときた所、その日は外せない仕事があって行けないが詳しくどうなったかが知りたい。と言われ録音していたとの事。

A男と録音を改めて聞いてたときにテープを持って彼氏に謝りに行こうとなったらしく、実行したけど今思えばやりすぎだったなと2人は元気なく語ってた。

彼氏の方から後日、別れる事になった。こちらも申し訳なかったと連絡があったらしい。
結婚する予定だったと言ってたそうで、詳しくは話してくれなかったそうだが、A男、善太以外にも余罪があるような口ぶりだったそうだ。

その後ビチ子から接触もないし、奴がどうなったか簡単な事しか分からないが、ビッチは害でしかないと心底思う。

尻切れトンボみたいな終わり方で申し訳ないが、これで終わりだ。支援サンクス
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