妹「このクソ暑いのにパンツなんて穿いてられますか」
兄「じゃあせめてスカートはやめてくれ…」
妹「イヤです。扇風機の風を出来るだけ逃がしたくないです」
兄「…」
兄「リビングだけじゃなくてオレらの部屋にも扇風機買うか」
妹「ダメです」
兄「何故」
妹「合法的に露出出来ないじゃないですか」
兄「…」
兄「しかし暑いな…」
妹「言わなくても知ってます」
兄「すいません」
妹「水風呂でも入りませんか」
兄「それは入ったらいかが?の意味なのか、一緒に入ろう?の意味なのかによって返答が変わるぞ」
妹「後者に決まっています、馬鹿なんですか?」
兄「ごめんなさい」
妹「じゃあ」
兄「入らんぞ」
妹「え?」
兄「遠慮させてください」
妹「私の好意を無下にするんですか」
兄「いやこれが他人同士なら喜んで入るが…妹と一緒はまずいだろ」
妹「それは私を性的な目で見てると考えていいんですね」
兄「どこをどうしたらそうなる」
妹「兄さんが私のスカートの中を見てるからです」
兄「それはお前が見えるように扇風機…」
妹「ん?」
兄「なんでもないです」
妹「だいたい兄さんも暑いなら脱げばいいじゃないですか」
兄「すでに上半身裸なんだが」
妹「下の話です。…まぁ上もそれはそれで刺激的ですが」ボソッ
兄「素っ裸でいたら母さんに張り倒されるわ」
妹「そんな事はどうでもいいんです。大事なのは私が兄さんの裸を見たいという事です」
兄「まだ社会的に抹殺されたくないんですが」
妹「生物的に死ぬよりマシでしょう」
兄「目が怖いです」
兄「あー暑い」スッ
妹「部屋に行くんですか?」
兄「ああ」
妹「扇風機すらない地獄の部屋に?二階で屋根から熱が伝わってくるサウナみたいな部屋に?」
兄「何だ寂しいのか」
妹「はい?」
兄「何でもないです部屋に帰ります」
妹「…」
兄「…」
兄「死ぬ…」
コンコン
兄「どうしたー」
妹「どうぞ」
兄「なにこれ」
妹「見ての通り加湿器です」
兄「…どうしろと?」
妹「もちろんつけます。ほら、空気中に水分が増えたら涼しくなるような気がしますよね」
兄「いや、不快指数が…」
妹「…」ピッ
妹「では。まさか私の優しい心遣いを消したりしませんよね」バタン
兄「…死ぬ…」
妹「…なかなか出てきませんね」
妹「次はいっそストーブでも持って行きますか」
兄「勘弁してください」
妹「20分も耐えるとは予想外でした」
兄「いったいオレをどうしたいんだ…」
妹「好きにしたいんですが」
兄「聞いたオレが馬鹿だった」
妹「馬鹿ですね」
兄「…」
姉「ただいまー」
兄妹「!」
妹「おや」
兄「よっしゃクーラーが帰って来た」
妹「…」
姉「二人とも汗だくねぇ」
兄「部屋のクーラーつけてくれ頼む」
姉「はいはい」トントントン…
妹「…」
兄「どうした?オアシスが出来るぞ」
妹「行ってくればいいじゃないですか」プイ
兄「? お前は行かないのか?」
妹「ふん」ツーン
兄「はー…最高だ」
姉「あら、妹ちゃんは?」
兄「さぁ…なんか機嫌悪くて」
姉「暑くないのかしら」
妹「…誰でしょうね心頭滅却うんたらなんて言った馬鹿は」ダラダラ
妹「…兄さんのアイスでも食べますか」
兄「…あ、アイスがあったな」
妹「ふっふっ、これで隠したつもりですか。私の目はハーゲンダッツを逃がしませんよ」パカ ペリッ
妹「美味」
兄「お前もアイス食ってんのか。オレのはーっと」ガチャ ガサゴソ
妹「!」
兄「…それ」
妹「しょうがないですね、体で払いますよ」
兄「いや返せよ」
妹「何が不満なんですか、アイスなんかよりよっぽど美味しい自信がありますよ」
兄「アホな事言ってないで姉の部屋行ってこい」
妹「イヤです」
兄「なんでだ」
妹「馬鹿ですか?」
兄「理不尽すぎやしませんか」
妹「まぁいいです。元から兄さんに期待なんてしてないですから」
兄「ねぇ泣いていい?これ泣いていいの?ハーゲンしょっぱくなっちゃうよ?」
妹「クーラーにあたってばっかりで体調崩しても私は知りませんから」トントントン…
兄「…何で怒ってんだ」パク
夜
兄「…出たくねぇ…」
姉「もう夜だから昼より涼しいよ」
兄「わかったよ…」ガチャ
姉「おやすみー」
兄「…なんで姉の部屋にしかクーラーないんだよ…」ガチャ
ムワッ
兄「…加湿器つけっぱなしかよ…
リビングで寝るか。もう母さんは寝てるのか。オレも寝よ」
妹「…暑い……寝ますか…」
丑三つ時
妹ムク
妹「暑い…室内で脱水症状起こしそうです…」トントントン…
兄「…スピー」
妹「…何ですかこの美味しいシチュエーションは」
兄「…ゲッツ…オレのゲッツ…」ムニャムニャ
妹「うふふふふ」
妹「ここで兄さんが起きてgdgdなんて展開は私は許しませんよ」
妹「まずは手錠を…」ガチャガチャ
妹「で、ロープを」グルグル
妹「…よし」
妹「では。遠慮なく」ヌガシヌガシ
姉「あら」
妹「…HAaaaaaaaa!?なんDEATHかそのタイミングの悪さ!!こっちは今から兄さんといちゃいちゃ(はぁと)する予定だったんですけど!なんなんですか!ナンなんですか!?」
姉「早口過ぎて何て言ってるのかわかんないよ妹ちゃん」アセアセ
妹「ぐっ………ふぅ、取り乱しました」
姉「何してるの?」
妹「いえ、特に。おそらく加湿器を消し忘れたんであろう馬鹿にいたずらです」
姉「そっか。じゃあ私お水飲んで寝るね」
妹「…おやすみなさい」
朝
兄「…何か節々が痛ぇ」モグモグ
母「あんた逆さ吊りになってたから私がおろしといたわよ」
兄「…」
母「寝る時はせめて横になってほしいわ」
妹「しょうがないですよ、兄さんは寝相悪いですから」
兄「いやそういう問d」
姉「あはは、昨日は寝苦しかったからね」
兄「アレ?オレが変なの?」
姉兄妹「行ってきます」
母「うむ。生きて帰ってくるように」
ジリジリ…
兄「今日も暑いな…」
妹「暑いと言うから暑いんです」
兄「…今日も寒いな」
妹「馬鹿ですか?一度病院に行ったほうがいいですよ」
兄「どうしろと」
姉「ホント暑いねぇ」
妹「ですね」
兄「…」
姉「じゃあ私はこっちだから、またね」ヒラヒラ
兄「おー」
妹「はい」
兄「とりあえず逆さ吊りはやめてくれ」
妹「兄さんが抵抗しなければやりませんよ」
兄「…じゃあオレこっちだから」
妹「はい」
妹「…はぁ、どうすればうまくいくんでしょう」
妹「従姉妹は結婚出来るのに妹ときたら」
中学校・トイレ
妹「…まぁいいです、今日の予定は決まっています」ゴソゴソ
妹「姉さんの部屋から盗って来た高校の制服ー」チャンチャララッチャッチャー
妹「…」キガエキガエ
妹「…よし、行きますか」
高校・廊下
妹「…髪型も変えたし、パッと見ではわからないでしょう」
兄「……、…」
兄友「…ww」
妹「いましたね」
妹「ふむ、女っ気はないようですね」
女「…!」テテテッ
兄「…」
女「…w」
妹「…私としたことがフラグを立ててしまうとは」
妹「もうすぐ授業ですね、とりあえず図書室で時間でも潰しますか」
図書室
妹「割とサボってる人がいますね」
妹「まぁ夏ですし」トコトコ
キーンコーンカーンコーン
妹「…さて、いきますか」
兄「メシだー」
兄友「学食か?」
兄「おう、いこうぜ」
兄「ん、ちょっとトイレよっていいか」
兄友「おう、先に行っとくわ」
妹「…」スッ
兄「あー」
妹「…」トスッ
兄「う…!」
兄「…」ガクッ
妹「みねうちだ」ズルズル
兄「…う…」
妹「どうも」
兄「え、ナニコレなんでお前がいるんだ夢か」
妹「お昼を一緒に食べたかったんです」
兄「…恐ろしい奴だな」
妹「頼りになると言ってほしいですね。はい、お弁当です」
兄「おう。で、午後どうすんだ?」モグモグ
妹「図書室でエロ小説読んどきます。一緒に帰りますよね?」モグモグ
兄「はいはい、ご一緒させてもらいますよ」モグモグ
妹「屋上からの眺めはなかなかですね」
兄「日陰ほとんどないけどな」
妹「そういうとこがダメなんですよ」
ミーンミンミン…
午後
妹「さて、まったりエロ小説でも読みますか」
兄「…なんか体がほてるな…屋上行ったからか?」
キーンコーンカーンコーン
兄「…あと一時間…」
妹「ハァハァ」
兄「う…なんだ…」ギンギン
女「どうしたの?」ヒソヒソ
兄「…いや…なんも…ない」ハァ
女「…」(…なんか色っぽい)
キーンコーンカーンコーン
兄「おわっ…た…」
兄友「大丈夫か?なんか具合悪そうだぞ」
兄「あぁ、大丈夫…帰るわ」
女「お大事にね」
正門前
妹「お疲れ様です」
兄「…おぉ、帰る、か」フラッ
妹(…だいぶ効いてますね)
妹「ただいま帰りました」
兄「ただい…ま」
メモ[友達と日帰り旅行に行ってきます 母]
妹「なんという都合の良さ」
兄「…寝るわ…」ヨタヨタ
妹「はい」
兄「う…チンコがはち切れそうだ…」ギンギン
兄「…」スッ
妹「兄さん、濡れタオル持ってきましたよ」ガチャ
兄「! あ、あぁ、ありがとう」
妹「…どうしたんですか?」ニヨニヨ
兄「…いや、ちょっとだるいだけだ」
妹「…兄さん、今日も暑いですねぇ」
兄「…あぁ」ハァハァ
妹 ヌギヌギ
兄「!」
妹「どうしたんですか?目がギラギラしてますよ」パサッ
兄「…寝る」ボフッ
妹「…兄さん、せっかく半裸の女体があるんですよー」
兄「…」
妹「…兄さーん」
兄「…スー」
妹「…ホントに寝てしまいました」
妹「…しょうがないですね」
妹「汗の染みたシャツだけで勘弁してあげましょう」ヌガシヌガシ
兄「…くー」
夜
妹「ふぅ…つい耽ってしまいました」
姉「ただいまー」
妹「あの声は姉さんですね」
姉「あ、妹ちゃん」
妹「お帰りなさい。…なんですかそれは?」
姉「水着」
妹「なんでまた…」
姉「今週末は海に行きます!」
妹「はぁ、行ってらっしゃいませ」
姉「みんなで、よ」
妹「…」
姉「…というわけでお友達を誘っておくように!」
叩き起こされた兄「…また突然だな」
妹「姉さんが唐突に予定を入れるのは今に始まった事じゃないです」
兄「そうだ京都に行こうとか当日に言い出したこともあったな」
姉「じゃあ晩御飯の支度してくるからね」トントントン…
妹「あぁそうだ、シャツを返します」スッ
兄「なんで持って行ったか聞くのは野暮ですか?」
妹「馬鹿です」
兄「なんかよだれみたいなのついてるんですけど」
妹「馬鹿です」
兄「…」
次の日
兄友「話は聞かせてもらった!」
女「もらった!」
兄「兄友は死ね」
兄友「まかせろ、スイカでも瓦でも割ってやるぜ」
兄「お前の頭をかち割りたいんだけど」
女「私もついていっていいかな?」
兄「いいよ。毎回姉の思いつきに付き合ってもらってすまんな」
女「お姉さん面白い人だよねw前はお花見でサラリーマンと飲み比べしてたし」
兄友「わかめ酒ですか」
兄「ちょっと来い」
妹「あぁ、おはようございます。姉が突然海に行くと言い出してですね」
妹友「水着」
妹「そうです、水着を買いに行こうと…」
妹友「…」キラキラ
妹「…海、行きますか?」
妹友「!」コクコク
妹「じゃあ一緒に買いに行きましょうか」
妹友「」コクッ
妹「毎度付き合わせてすみません」
妹友「楽しみ」ニコニコ
妹「…そうですか」ニコ
姉「海に行こう!」
姉友「なんだいきなり」
姉「海に行こう?」
姉友「…」
姉「海に行こう(はぁと)」
姉友「わかったわかった、昨日水着買いに行ったから近々来るとは思ってたけど」
姉「さすが姉友ちゃん!そこでお願いが…」
姉友「車だろ?兄貴に借りてくるよ」
姉「ありがとう!お弁当は」
姉友「作ってくれんの?」
姉「持参です!」
姉友「…」
姉「かき氷も持参です!」
姉友「溶けるわ」
週末
姉「いざ!鎌倉ー!」
兄友「おー!」
妹「…朝っぱらから」
兄「…元気だなぁ」
妹友 ワクワク
姉友「おーす」
女「おはようございまーす」
姉「よし、出発!」
姉「うーみーはーひろいーな」チラッ
兄「…」
姉「…」ショボン
兄「わかったよ!おーきーいーなー…」
姉友「どっちが年上だか」
妹「まったくです」
兄友「女性陣の水着が楽しみだな!」
兄「半分近く家族なんですけど」
女(…み、みんなどんな水着なんだろ…兄はどんなのが好きかな)
妹友「」クイクイ
兄「んー?」
妹友「…」
妹「泳げないから教えてほしいそうですよ」
兄「かまわんが」
妹友「(はぁと)」ニパー
兄(かわいいなオイ)
女「わ、私も教えてほしい!」
兄「ん、お前カナヅチだっけ?」
女「今カナヅチになった!」
姉友「若いねぇ」
兄友「では姉友さん、僕と大人の時間を」
姉友「遠慮しとく」ニッコリ
妹「…」
寝起き姉「さぁ…到着しました…」ムニャ
兄「なんだあれ」
妹「昨日興奮して眠れなかったそうです」
姉友「小学生か」
兄「小学生みたいなのはここにいるけど」
妹「ん?」
兄「すいません」
兄「では。水泳教室を始めます」
女「はーい」
妹友「」キヲツケッ
妹「はい」
兄「…増えてません?」
妹「気のせいでしょう」
姉「よーしおねーさんスイカ割っちゃうぞー!」
姉友「気が早いよ」
兄友「…」ポツン
兄「とりあえず…手でも引きながら泳いでみるか」
妹・妹友・女「…」ワクワククマクマ
兄「…手は二本しか無いんだが」
妹友「…!…!」バシャバシャ
女「んー!」バシャバシャ
兄「よーしストップ」
妹「だいぶ進むようになりましたね」ギュウゥ
兄「…何だお前は、コアラか」
妹「誰が水が怖いなんて言いましたか」
兄「…」
兄「おーっとー」グラッ
妹「なっ、何をしてるんですか!」
兄「ほぅ…」
妹「もういいです上がってください」
兄「どうしようかなー」
妹「…」
妹友「…」クイクイ
妹「な、なにをしてるんですかっ!」
女「…」クイクイ
妹「ちょっ…」
兄「…」グラグラ
妹「う…」ジワッ
兄「…あ」
妹「…」
兄「悪い」
妹「…もう知りません」
妹友「ごめんなさい…」シュン…
女「ごめんね」
妹「…」プイ
兄「あー、お前らは兄友とでも遊んでやっててくれ」
兄友「心の友よー!」
兄「…」
兄「…なぁ、機嫌なおしてくれ」
妹「…」ツーン
兄「…」
妹「…覚えてないんですか」
兄「え?」
妹「…いえ、なんでもないです」
兄「とりあえず…悪かったよ」
妹「別にいじけてなんかいません。私はそんなに子供じゃないです」
姉「ねぇー、そろそろスイカわろうよー」
妹「…」ピクッ
兄「ものすごく割りたそうだな」
妹「眼科に行ってきたらどうですか?私はその間にスイカと戯れてきます」テテテッ
兄「…素直じゃねーなぁ」
姉「女ちゃん、どうぞー」っスイカ
女「い、いくよーっ」ブンッ
兄友「うおおぃ!あぶねぇ!」
女「こっちか!」ブォンッ
兄友「ねぇ絶対狙ってますよね!」
姉友「こらこら、ダメだろ」
兄友「姉友さん…」
姉友「しっかり首から下は埋めとかないと逃げちゃうって」
兄友「鬼畜!」
妹「そぉい」ブンッ
兄友「もはや目かくしすらしてねーじゃん!」
兄「結構人いるなぁ」
妹友「…」クイクイ
兄「おいやめてパンツは引っ張るな」
妹友「っ浮輪」
兄「膨らませってか、はいはい」
妹友「♪」パァァ
妹「心の目で見るのです」
姉「はい師匠」
妹「こちらは二人、奴は一人。恐るるに足りません」
姉「よってたかってぼこぼこですか」
妹「現実は時として残酷です」
兄「いいから早く割れ」
妹「はっ!」姉「とー!」ブンッスカッ
姉友「いい加減スイカもあったまっちゃっただろうな」
妹「だいたいなんで敵前で目を隠す必要があるんですか!」バシー
兄「取っちゃったよこの子」
妹「ふっ!」ベチッ
妹「…」
妹「…!…!」ベチッベチッ
兄友「いつになったら食えるんだろうな」
女「あぁスイカがへこんで…」
兄「スイカもこんなにいじめられるとは思ってなかっただろうよ」
姉「いやぁ頑張った後のスイカはおいしいね!」シャクシャク
姉友「頑張ってなくてもうまいけど」シャクシャク
姉「…」プンスコ
姉友「ごめんごめん」
妹友「」ニコニコ
妹「浮輪ですか。…ちなみに…誰が膨らませたんですか?」
妹友「!」ユビサシッ
兄「…」
妹「なるほど。おや、空気の入りが甘いようですね、貸してください」
妹友「…」フルフル
妹「いや別にやましいことなんて考えてませんよ!ただ私は空気を入れるために仕方なく口をつけるだけで」ニジリニジリ
妹友「」テテテッ
妹「ま、待ちなさいっ」
兄「あちー…うめー…」シャク
女「と、隣いい?」
兄「かまわんよ」シャクシャク
女「あのさ、水着どうかな?」
兄「似合ってると思うぞ」
女「ホ、ホント?ありがとっ」
兄「スイカ食ったか?」シャク
女「ううん」
兄「まだ余ってるはず…ほら」スッ
女「おいしい」シャク
兄友「…ハァ、ハァ、何故か妹ズ達の鬼ごっこに巻き込まれたぞ…オレにもスイカくれ」
兄「…」プププッ
兄友「いや種じゃなくて」
姉「わかめー」デローン
女「かいがらー」チマッ
姉友妹「うに」キラーン
兄「待て一つおかしいぞ」
妹「うに合戦って知ってます?」
兄「雪合戦みたいな言い方やめてくれますか」
妹「えーい」ブンッ
兄「うわっ、死傷者が出るって!」
姉友「わーい」ブォンッ
兄友「うっ」サクッ
女「死んだ」シャクシャク
兄「兄友ォーーッ!」
兄「…てめーはオレを怒らせた」ドドドド
妹「フン…この『ウニ』ッ!!貴様にかわせるかッ!!」ブンッ
妹友「…」
女「…ついていけないね」
妹友「…」レロレロレロレロ
女「!?」
兄友「…さすがに疲れたな」
姉「かき氷にしようかー」
姉友「マジで持参っスか」
兄「…」ガリゴリガリ
妹「おかわりです」
兄友「オレも」
姉友「あたしも」
兄「…」ガリゴリガリガリガリ
妹友「…」スッ
女「次はメロンで!」
兄「…」ガリガリガリゴリガリガリゴリガリ
姉「はい」
兄「…」
一同「…」パクパク
兄「いじめカッコワルイ」
一同「…」パクパク
兄「…なんかお前の気持ちがちょっとわかった気がするわ」
兄友「大事なのは慣れだ」ポン
姉「日も暮れて来たねぇ…」
兄友「砂浜、夕焼け!これはキャッキャウフフな追いかけっこするしかねぇ!」
姉友「相手してあげよう」
兄友「マジっすか!」
姉友「捕まえてごらんなさーい」ギュンッ
兄友「わぁ、もうあんなに小さいよ☆」
兄「追い掛けろよ」
兄友「ちくしょおおぉぉ!!」ダッ
兄「で、そろそろ帰るのか?」
姉「何のための三連休ですか!泊まりだよ泊まり」
兄「…」
姉「去年ここの近くの民宿のおばちゃんと仲良くなってさ!
電話してみたら格安で泊めてくれるってー」
兄「…去年ここきたっけ」
妹「…来てません。そういえば夏休みに一週間くらい姉さんが行方不明になりましたよね」
兄「…」
兄友「こまけぇこたぁry」
妹「…そうですね。私も泊まりがいいです。いろいろイベントがありそうですし」
兄「でもみんな着替えとか持って来てないんじゃ」
「「「もって来てまーす」」」
兄「…」
妹「私も持って来てます」
姉「じゃあ私の服貸そうか?」
妹「…いえ、私が貸します」
女「わ、私が貸すよっ」
兄「入らんだろ」
兄「へぇ、お化け屋敷みたいなの想像してたけど意外に普通だ」
姉「さぁ行こー!どうもー」ガラッ
婆「はいはい、今年はまた大勢で来てくれたね」
姉「お久しぶりですーw」
婆「部屋に案内するねぇ、こっちだよ」
妹「風情があっていいですね…」
妹友「♪」
姉友「うん、いいとこじゃないか」
チリーン…
女「風鈴まで」
姉「へっへー褒めて褒めてw」
兄「何が悲しくてお前と二人で寝なきゃならん」
兄友「こっちの台詞だ」
兄「やれやれ…」
兄友「あぁ向こうは世界で一番華やかな空間になってんだろうな…」
兄「まぁ部屋は綺麗だな」
兄「ぶらぶらしてみるか」テクテク
婆「……、…」
姉友「…? …」
兄「姉友さん」
姉友「…おぉ、兄くん」
兄「何話してたんですか?」
姉友「ふふ、後でのお楽しみ」テクテク
兄「…」テクテク
妹友「…」
兄「どうした?」
妹友「といれ…」ビクビク
兄「わかった妹呼んでくるよ」
兄「妹ー」ガチャ
半裸妹「…」
兄「…すまんかった」
半裸妹「閉めるなら入って来てから閉めてくださいね」
兄「アホか」バタン
妹「…どうぞ」
兄「タイミング悪かったな」ガチャ
妹「いえ、ずっと半裸でしたから」
兄「なんでだ」
妹「兄さんが入って来た時のためです」
兄「やめなさい」
妹「ところで何か用ですか?」
兄「…アレ?なんだっけ」
妹友「…漏れる…」プルプル
………
妹「…終わりましたか?」
妹友「…」コクン
兄「…お、中庭があるのか」
兄「…」サクッ サクッ
女「あ」
兄「おー」
女「あのさ、」
兄友「兄ー!花火やろうぜー!」
姉「ぜー!」
兄「おぅ、やるかー」
女「…」
兄「どうした?やらないのか?」
女「えっ?あ、やるやる」
姉友「ふむ」
姉「妹ちゃん達も呼んで来た!」
妹「呼ばれてきました」
妹友「?」ワクワク
姉「今から花b」
姉友「肝試しをします」
妹「!」
姉「…え?」
姉友「お婆さんに聞いたら近くにお墓があるらしいんだ、これが地図」
妹友「…」ガクガクブルブル
兄「ちょ、花火はどうしたんですか」
姉友「夏といえば肝試しでしょう。肝試しがいいひとーっ」
妹(兄さんとペアになれば…)女(暗闇の中であんなことやこんなこと…)
妹・女「はーい」兄友「はーい」
兄「おい変態組」
女(ガーン)
兄「…妹友は無理だろ」
妹友「…」ガクガクガク
姉友「あたしが何とかするよ、姉は?」
姉「こ、こわくないよ?」
姉友「…こっちもあたしが何とかするよ」
姉友「ペアはくじ引きねー」
妹友・兄友 / 兄・姉 / 妹・女
妹「くぁwrせtyふじこ」
女「あははははははは」
妹友「…」チラ
兄友「よろしくなちびっ子」
妹友「…」コクン
姉「…」ギュウウゥゥ
兄「いででで手が潰れるる」
姉友「じゃ、ゴールで待ってるねー」シュバッ
兄友「…あの人何者?」
兄「…知らん」
妹「ふじぶじふじここここ」
兄友「じゃあ行ってくるZE!」
妹友「…」ビクビク
女「死ぬなよーう」
兄「死ねよーう」
兄友「ふははは全速前進だ!」ズンズン
妹友「…!…!」テテテッ
兄「じゃあ次は…」
妹「私たちが行きます」
女「ます」
兄「…なんか異様な迫力が気になるが…」
姉「こわくないこわくない」ブツブツ
兄「…そうしてくれ」
ギャアアアアアァアアァァァ…
兄「…」
妹「妹、行きます」
妹「…」女「…」ダッ
兄「はやっ」
妹「…ここからは別々で行きましょう」
女「考えてることは同じみたいね」
妹「負けませんから」
女「こっちこそ」
兄「行くか」
姉「手離したら一ヶ月ご飯抜きだからね」
兄「死ぬよねそれ」
兄「…なかなか怖いな」ザッ ザッ
姉「」ガクブル
妹「さて、どこで兄さんを待ち伏せ…おや?」
妹「なんですかこれは…空気銃?………姉友さんですか」
女「空気銃?なんでこんなものが…とりあえずもっとこ」
姉友「さぁどうなるかな」
兄「…なんか…浮いてる…」
姉「なななななにあああれ」
兄友?「…」ブラーン
兄・姉「」
姉「いやぁああああぁぁ」ダッ
兄「うぉおおぉい!」ビックゥ
兄「どこ行くっ、おいっ」
兄「…」ポツン
兄「…アレ、地図が…」
兄「…迷子ですか?」
迷子兄「姉ー」ザク ザク
迷子兄「…おーいどこだー」ザッ ザクッ
妹「兄さんの声!」ダッ
姉友「ふぅ、保護完了」シュタッ
妹友「…」ギュウゥ
姉友「よしよし、お姉さんどこにもいかないから大丈夫」ナデコナデコ
妹友「…」ギュウゥ
ザワザワ…
兄「あーマジやってらんないよコレ何だよ肝試しって試さなくても肝臓丈夫だからマジアイアンストマックだから」
妹「それは胃ですっ」ザッ
女「見つけたっ」ザッ
兄「お、お前ら…」
妹「…すみませんが女さん、少し眠ってもらいます」チャキッ
女「そっちこそ」チャキッ
兄「え?何オレを挟んで物騒なモン構えてんの?バトルロワイヤルですか?」
妹「…」パァン!
女「…」バッ! パンパンッ!
兄「おいィィィィ!?」
姉友「コレを修羅場っていうんだよ」
妹友「」フムフム
姉友「武器の配給でもしに行くか。こいつらを適当に撒くから手伝ってね」
妹友「」イエッサーッ
妹「ふん、中々やりますね」ジャリッ…
女「隠れたわね… ? これは…」ヒョイ
妹「さて、どうやって接近しますか…」
女「…」ピンッ ブンッ
カッ!
妹「閃光弾ですか!」
女「そこねっ!」ダッ
兄「もうなんか違うお話じゃねコレ」
妹「はっ」バッババッ
女「くっ」パンパンパンッ!
兄友「あー…頭がガンガンするし迷ったし…やってらんねー」
女「くそーっ」パンパンッ
兄友「うっ」ドサッ
妹「闇雲に撃っても当たりませんよっ!」グイッ ピンッ
女「!?」グラッ
妹「さっき落ちていたワイヤーを張っておきました!
隙はこうやって作るものですっ」ジャカッ
女「甘いっ」プッ!
妹「!」サッ
女「危ない危ない」ヒュバッ
妹「口に麻酔針でも仕込んでいましたか」
兄「何でもいいから早く決着付けてください」ガクガクブルブル
兄「…!?」
姉「…ふへ…うふへ…」フラッ
兄「姉っ!よかった、無事だっ、た……」
姉「うふふはふ」ジャキンジャキン
兄「」
妹・女「!!」
姉「死んじゃえバインダー!!!」ドドドドドド!!!
妹「これはっ」女「まずいっ」
姉「うわああぁぁあぁあん!!」ドドドドドド!!
姉友「ちょっとやり過ぎたか」
妹友「…」ビクビク
姉「…はっ」
兄・妹・女・兄友「…」ピクピク
姉「み、みんななんで倒れてるの!?お化け!?」
姉友「…」シュタッ
姉「姉友ちゃん!よかったよぅもう肝試し終わりにしようよぅ!」
姉友「見事な戦いでした」
妹友「!」パチパチパチ
妹「…やっぱりあなたが黒幕でしたか」ムクッ
女「…くじも…仕組まれてたんですね」ユラァ
兄「…寿命どれだけ縮んだ事か」ニジリニジリ
兄友「…」
妹友「…しかばねのよーだ」ツンツン
姉友「まぁまぁ、中々楽しめたじゃないか。ね、ちょっと、怖いよみんな…お、落ち着け…にゃあぁぁああぁ!」
姉「今度こそ花火をしましょう!」
みんな「はーい」
逆さ吊り姉友「もうしないからおろしてくださーい」プラーン
妹「今夜一晩くらいはみのむししてもらいましょうか」
妹友「…!…!」
妹「…わかりましたよ。妹友に免じて許してあげます」ホドキホドキ
姉友「妹友ちゃん、助かったよ」
妹友「」ニコッ
兄「…すげー疲れた」
兄友「…オレなんか記憶がないぞ」
女「線香花火やろっ!」
兄「そうだな、それなら振り回す馬鹿もいないだろ」
妹友「?」ブンブン
兄友「言ってるそばからあっつ!この子人の話聞いてなあっつ!」
部屋
姉「まだまだ夜は終わらないぜーっ」
姉友「性的な意味で」
妹友「?」チョコン
女「妹友ちゃん姉友さんの膝の上気に入ったみたいだね」
妹「じゃあ私は兄さんの膝の上にでも」
女「…」ガシッ
姉「向こうの部屋行ってみよっか!」
兄「…」
兄友「6!」
兄「…ダウト」
兄友「ああああ!」
兄「…なぁ、二人でダウトはやめないか」
兄友「うるせー!今11四枚持ってるからな!お前の番で11になったら絶対ダウトだからな!」
兄「…」
姉「とぅす!」ガチャ
女性陣「わー」ワラワラ
兄「おー」
兄友「ちょっ今いいとこだから!」
兄「どこがだ」
姉友「ロン」ジャラッ
兄「はぁ!?国士十三面待ち!?」
姉友「さぁ脱いでもらおうか」
兄「普通逆だろ…」
妹・女・姉「ハァハァ」
姉友「需要的にはこれが正しいよ」
兄「…」
妹友「…」ソーッ
兄友「さぁ来ましたトランプタワー4段目…」
ベシャッ
妹友「(´・ω・`)」
兄友「諦めるなもう一回だ!」
妹友「(`・ω・´)」
兄「…zZ」スピー…
妹友「…」スー…
姉「…」クー…
兄友「…」カー…
姉友・妹・女「…」
姉友「…さて、消灯ーっ」カチッ
…
兄「…ん……動けん」
妹・女「…」ギュウウゥゥ
兄「…」
姉友「それは朝立ちかな?それとも…」ニヨニヨ
兄「!」
帰宅
姉「ソロモンよ!私は帰って来た!」
妹「…相変わらず」
兄「…テンションたけー」
姉友「じゃ、みんな送っていくか」
妹友「…」ペコッ
兄「またこいよー」ナデナデ
妹「…決着は今度です」
女「のぞむとこよ!」
兄友「じゃあオレは助手席で!」
姉友「アンタは徒歩。」
兄友「」
姉「じゃあねー」ヒラヒラ
妹「ほら、早く寝ますよ」ポンポン
兄「何でオレのベッドにいてしかも下着姿なのか説明してくれ」
妹「おやすみなさい」
兄「おい」
姉「あー楽しかったねー!」ノビー
兄「まぁ色々あったけど面白かったよ」
妹「明日が休みで良かったです」
兄「疲れたな」
…
兄部屋
兄「あー腹一杯だー」ドサッ
兄「…」
兄「ちょっと抜くか」
兄「…あれ?オレのエロ本コレクションが減ってる…」
兄「まぁいいや、今日はこれにしよう」
兄「ハァハァ」シコシコ
兄「うっ…」シコシコシコシコ
妹「また一人でしてますねっ」バァン
兄「うわぁ!」ササッ
妹「何でそんなもったいないことをするんですか!汗だくにまでなって!」
兄「…」
妹「せっかく隣の部屋には妹がいるというのに」
兄「いいから出てけ」ポイバタン
妹「あっ!まだ話は終わってな…兄さんの三日分の濃厚せーしがあぁぁあ」
姉「大きな声で何を叫んでるのかな?」
妹「…」
姉「ご近所さんに変態家族と思われちゃうよ」
兄「なんでオレまで…」
妹「兄さんがあんな事してるから悪いんです」
兄「そのくらいいいだろ!健全な男子高校生なんだ!」ヒッシ
姉「とにかく、気をつけてね?」ニッコリ
兄・妹「はい」
兄「あー今日で終業式かー」
妹「夏休みですね」
兄友「おーす」
兄「よー」
兄友「明日から夏休みだな!お前ん家で一週間耐久ぷよぷよでもやるか!」
兄「せめてRPGいくつかもってこい」
妹「ではまた」
兄「おー」
…
兄「ただいま」
兄友・女「お邪魔しまーす」
妹「おかえりなさい」
兄友「よう!」
妹「…」
兄友「なんだその汚物を見るような目は」
妹「消毒してあげましょうか?」
妹友「…」オズオズ
兄「よっ」
妹友「…」トテテテ
妹友「…」ギュッ
兄「お」
妹「なにニヤニヤしてるんですか。妹友も離れてくださいっ」グィイイイ
女「ライバル多いなぁ…」
兄友「ぷよぷよ持ってきたぜ!」スチャッ
兄「朝のを本気で言ってたならオレは友達をやめるぞ」
兄友「… 本気なわけないだろ!」
兄「なんだその間は」
妹「勝った方が兄さんの膝の上です」メラッ
女「負けないから!」メラメラ
兄「オレを勝手に景品にするのやめてくれる?ねぇ聞いてる?」
妹「くらいなさいっ」バヨエーンバヨエーンバヨエーンバヨエーン
女「」
妹「ふふっ、これで兄さん(の膝の上)は私のもの!兄さーん」
妹友「♪」チョコン
兄「満席です」
妹「…兄さんの短小包茎ーっ!」ダッ
女「あ、兄くん…そうだったの?」
兄「違うわ!」
妹友「?」
兄「知らなくていい」
兄友「…」ソーッ
兄「崩れろー」
妹友「ろー」
兄友「…よっしゃ!次はお前の番だぜ!」
兄「ちくしょー」ソーッ
兄友(構わん、やれ)
妹友「…」ツンッ
兄「!」ビクッ ガラガラッ
兄友「はっはぁー雑魚め!」
兄「妹友ちょっとどいてなー」
兄友「」
帰ってきた妹「…なんでジェンガなんかしてるんですか」
女「…」ニアとことんぷよぷよ
妹「…しかし暑いですね」
兄「夏だからな」
妹「そのくらい知ってます、馬鹿ですか?」
兄「すいません」
妹「下から扇風機持って来て下さい」
兄「持って来ますじゃないのか」
妹「持って来て下さい」
兄友「うおぉ!燃えろオレの小宇宙ー!」ピコピコ
兄「こいつのせいで暑いんじゃないか」
妹「じゃあこれを下に置いて代わりに扇風機持って来て下さい」
首ふり扇風機「」ブーン
妹「涼しいですね」ソヨソヨ
兄「だな」ソヨソヨ
兄友「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」ソヨソヨ
女「はぁー」ソヨソヨ
妹友「」ソヨソヨ
…
兄「どっちですか扇風機の真ん中にブーム君かいたのは」
兄友「妹友ダメだろっ☆」
妹「まったく」
兄「オレはどっちって聞いたんだ」
妹友「…」ジーッ
扇風機「 ^o^ 」
妹友「w」
兄「ほらー扇風機がこっち向くたびに腹立つ顔見なきゃいけねーじゃねーか」
扇風機「 ^o^ わたしです」
女「…」プルプル
妹「しょうがないですね、兄友さん何とかしてください」
兄友「任せろ!」キュッキュッ
扇風機「\(^o^)/オワタ」
兄「書き加えてどうする」スパーン
女「…」ピクピク
兄「おまえもいつまでツボに入ってんだ」
姉「ただいまー」
兄「あぁやっとまともな人間が増える…」
姉友「やったね兄ちゃん!」
兄「まともじゃないのも増えた」
姉友「お姉さんは悲しいなぁ」ミシミシ
兄「ギブギブ」タンタンタン
…
姉友「では流しそうめん大会を始めまーす」
女「たいかい?」
姉友「そうめん以外の物も流れて来るぞっ☆」
兄「嫌な予感しかしねぇ」
妹「そしてこの馬鹿みたいに長い竹は一体どこから」
姉友「…じゃあいくよーっ…」
…ヒュゴオォッ!
兄「」
姉友「…ちゃんととってるかー?…」
ヒュゴオォッヒュゴオォッ
兄「食えるかっ」バシー
妹「はっ」パシッ
女「ほっ」ヒョイッ
兄友「よっ」ゴソッ
兄「…」
姉友「…ちゃんととってるかー?…」
ヒュゴオォッヒュゴオォッ
兄「食えるかっ」バシー
妹「はっ」パシッ
女「ほっ」ヒョイッ
兄友「よっ」ゴソッ
兄「…」
姉「…」
兄「大丈夫か?」
姉「んぁ…」フラッ
兄「…姉?」
姉「…なんでしゅかぁ」フラフラ
兄「…ちょっと待て」
姉友「ふはははは」ポイポイポイ
兄「…あの馬鹿酒流したな」
姉「兄きゅんっ!」
兄「はいっ!?」ビクッ
姉「呼んどいて馬鹿とはなんでしかっ!」
兄「いや、違っ…」
姉「んふふふ」
兄「…」
姉「妹友ちゃーん」フラフラ
妹友「?」モキュモキュ
姉「かわいい!」ガバー
妹友「 ? ?」チタパタ
姉「ぷにぷにー」スリスリスリ
妹友「…♪」スリスリ
姉「んふー」ギュウゥ
姉「妹ちゃん!」
妹「なんですか今女さんと勝負してるから忙 しっ」グイッ
姉「つーかまーえたー」ギュー
妹「ちょっ…姉さん?あっ…ど、どこ触ってるんですか!や、やめ…」
〈しばらくお待ちください〉
妹「…」ヨレッ
兄「…なんという姉無双」
兄友「あの妹が為す術もなく…」
姉「あはーぁ♪」フラフラー
兄「よし、向こう行ったぞ」
妹友「…」クイクイ
兄「ん…?」
妹友「…」ポー…
兄「ブルータスお前もか」
女「なーにがヒポポタマスよ!」ウィー
兄「もうやだこのメンツ」
女「だいたい妹ちゃんとわたしどっちがいいんらー!?」ヒック
兄「落ち着け」
女「これがおちちゅいてられますかっ!」ダンッ
兄「すいませんでした」
女「おっぱいわたしのがでっかいもん!」
兄「声がでかいって!」
女「声もでっかいもん!」
兄「わかったから!」
兄友「ほれ、膝使うか?」
妹友「…」…コクン
姉友「流し終わったよー」
女「んー…」
妹「…うー」
兄「酔いが覚めたか」
姉「…」スピー
兄「というか何を流したんです?」
妹「…はっ!私が取った兄さんの隠し撮り写真は!?」
女「…あ、兄くんの中学の制服のボタンは?!」
兄「オイコラ」
妹友「…」ジーッ
兄友「お前は何とったんだ?」
妹友「…ぶらじゃー」ジーッ
兄友「…サイズ的に姉さんのかな」
妹友「…」ショボン
兄友「なぁにこれからでかくなるさ」
妹友「…」コクッ
兄「ふぅ、片付け終わりっ」
妹「家に入りましょう」
兄「だな」
姉「…zZ」スー…
兄「…やれやれ」オンブッ
姉部屋
兄「よっ…と」
姉「…」ムニャムニャ
妹「クーラーつけときます」ピッ
兄部屋
兄「寝るかー…」
妹「一緒に寝ましょう」ガチャ
兄「地獄耳すぎませんか」
妹「ネグリジェがいいですか?かぼちゃパンツ?浴衣もありますよ」
兄「なんで一緒に寝る前提なんだ」
妹「…」プクー
兄「…しょうがねーなぁ…変な事するなよ」
妹「私と兄さんとでは変な事の基準が違いますから」
兄「部屋に帰れ」
妹「わかりましたしませんよ」
兄「…抱き枕なくていいのか?」
妹「兄さんがいますから」
兄「…そうか」
妹「…おやすみなさい」ギュッ
妹「…」スー…
兄「…」ナデナデ
妹「兄…さ…」ムニャムニャ
兄「…」ナデナデ
ミーンミンミンミン
兄「あぁ…宿題が汗で湿る…」
妹「そんな宿題を渡される先生の身にもなってくださいよ」
妹「…」
妹「うらやましい」
兄「いいから宿題やれ」
ピンポーン
姉「はーい」トテテテッ
姉友「祭りだ」
兄「なんですかいきなり」
姉友「今日は夏祭りだよ」
兄「なんでそんなにイベント続きなんだ」
姉友「もちろん行くよな?」
姉・妹「行く!」「行きます」
兄「…」
姉友「寂しいぞーみんなが祭りでキャッキャウフフしてる間に一人宿題…」
兄「…わかったよ」
姉友「よーし集合場所はここ!集合時間は今!」
兄「斬新すぎる」
兄友「おっじゃまー」
兄「…」
兄「だいたいまだ昼過ぎじゃないですか」
姉友「女の子は準備に時間がかかるんだよ」
兄友「そんなんだからもてねーんだゾ☆」
兄「張り倒してぇコイツ」
姉「じゃあとりあえずお昼にしよっか」
兄友・姉友「さんせーい」
兄「…」
妹「そろそろ着替えましょう」
姉「だね!」
姉友「じゃ、男性陣は先に現地行っといて」
兄「え?なんで…」
姉友「美女5人の浴衣姿は揃って見た方が壮観だろ?」ニッ
兄友「…」ゴクリ。
兄「…じゃー行っとくか」
兄「…まだかな」
兄友「お主もやはり男ですのぅwwwフヒヒwww」
兄「…」
妹「お待たせしました」
女性陣「」ズラッ
兄「おぉ…」
兄友「ここは天国ですか?」
妹「似合ってますか?」
兄「あぁ、不覚にも可愛い」
兄「」
妹友「♪」クルクル
姉「うわー、人たくさんだねぇ!」
兄友「よーしまわるかー!」
女「…」
姉友「どうだい、なかなかな眺めだろ」
兄「何故一人だけ着流しなんですか、まぁ似合ってますけど」
姉「タコ焼き!タコ焼き!」
女「焼きそばー!」
妹「わかってないですね、まずはお腹を空かせるために金魚掬いです」
妹友「…!」キョロキョロ
兄「はぐれんなよー」
金魚掬い
姉「…ありゃ」ビリー
妹友「…」ビリー
姉友「そんなに突っ込んだら破れるよw」
姉「姉友ちゃんやってー」
妹友「てー」
姉友「ん?いいの?」
妹「私達にやらせたら金魚いなくなりますよ?」
店主「…」
射的屋
妹友「?」
兄「景品を撃ち落としたらもらえるんだ」
女「…」チャキッ 妹「…」チャキッ
兄「ねぇなんでオレに銃向けてるの?」
兄友「あたたたた」バインバインバイン
兄「ヨーヨーか」
兄友「見よこの華麗な手捌k」
パァン!
兄友「…」ボタボタ
兄「アホか」
妹「さぁどんどんまわりましょう
お面
姉「キュートな瞳が悪を貫く!」キラーン
女「せ、世界を愛で満たします!」ビシー
姉友「美少女戦隊モエレンジャー!」シャキーン
妹友「!」パチパチパチ
妹「馬鹿ですか」
姉「色々食べられるようにみんな別々の物買おう」
妹「じゃがバター食べます?」
姉「バターだけちょうだい!」パク
妹「」
姉友「イモリの黒焼き買ってきたけど」
女「どこでですか」
兄友「僕のフランクフルトをお食べ!」
妹友「♪」
兄「待てコラ」
妹「兄さんのチョコバナナなら…」
兄「やかましい」
みんな「」ワイワイ
妹「兄さん」
兄「ん?」
妹「その…少し二人でまわりませんか」
兄「みんなとは別にってことか?」
妹「はい」
みんな「」ワイワイ
兄「…そうだな、少しなら大丈夫だろ」
妹「では行きましょう」
姉友「…」
妹「ふぅ、少し疲れました」
兄「ちっと休んでくか」
妹「このへんホテルありましたっけ」
兄「ベンチだよ」
妹「はぁ…」
DQN「ねぇねぇ君」
DQN2「一緒にまわらない?w」
兄「…なんだこのベタな展開」
DQN「あ?なんか言ったかコラ」
DQN2「ほら、こんなのより俺らとまわった方がおもしれーよw」
妹「キモいから話しかけないで下さい」
DQN「そう言わずにさぁw」
妹「ウザいです。そんなんだから今日も男だけでまわってるんでしょう」
兄「おい、あんま挑発したら…」
DQN2「…下手に出てりゃあ調子に乗りやがって」
DQN「オラ来いよ」ガシッ
妹「きゃ…」
兄「…離せよ」スッ
DQN2「うるせー黙ってろ」ガッ!
兄「いって…」ドザァッ
DQN「オラッ」グイッ
妹「痛っ」
DQN2「近くに先輩の家あっからさぁwそこでいいことしようぜww」
妹「兄さ…」
兄「あんまり喧嘩は得意じゃねーけど」チョンチョン
DQN2「あ?まだなんか用…」
兄「」バキッ!
DQN2「ってぇ!」
DQN「てめぇは寝てろ!」ガッ!
兄「っぐぉ…」
妹「やめて下さい!」グイッ
DQN「ちょっと待ってろ!」バシッ
兄「やめろこのクズ…がっ!」ドスッ
DQN「うぐっ!」
DQN2「うぜーんだよ!」ガスッ!
兄「ぐ…」
DQN「雑魚が!」ゴッ
兄「うぁ…」
妹「やめて下さい!死んじゃいます!」
姉友「二対一とは関心しないな」
DQN「あぁ?テメーも犯されてーのか」
DQN2「いい体してんじゃねーか、そこの女と待ってろよ」
姉友「キミ」スタスタ
DQN2「なんだ?」
姉友「ふっ」ドゴッ
DQN2「ぐぉ…」ズザザザァッ
兄「姉友…さん…」
姉友「へばってる場合か?妹を助けるんだろ?」
兄「当然…」ググッ
DQN2「なんだコイツ…強ぇ」ゲホッ
姉友「一人ずつ戦いなよ」
DQN2「くそ…」ダッ
姉友「おや、逃げるのか」
DQN「クソが!」バキッ!ドカッ!
兄「この…」ゴッ!ガッ!
姉友「大丈夫か?」
妹「はい…でも兄さんが」
姉友「大丈夫だろ、あいつもやるときゃやるよ。今のうちに人が多いところに…」
DQN2「どこいくんだよ」
姉友「おや、DQN345678…が現れた」
DQN「…」
兄「…はぁ、はぁ」
姉友「兄君、一仕事終わったとこ悪いけど追加だ」ザザッ
兄「ハァ、まだまだ…余裕っすよ」
?「どけコラァ!」ガッ!
DQN11「うぐっ」
兄友「ったく、姉友さんと二人でまわれるかとついて来たらこれだよ」
兄「はは…アホめ…」
兄友「もうすぐ花火なんだよ、とっととみんなンとこ戻ろうぜ」ジャリッ
兄「…だな」
DQN4「死ねオラアァァア!」
兄「ああぁぁあ!!」
DQN6「死ね!」ブンッ
兄「何発も喰らってられっか!」ドボォ
DQN8「前ばっか見てんじゃねェ!」ヒュ
兄友「それはオメーだ!」ドカッ!
姉友「はっ」バキャ!
DQN5「くそがァ!」ブンッ
姉友「大振りすぎるな」ドドドカッ!
妹「兄さん…」
?「ほら、これ持って!」
DQN10「この…」チャッ
兄「ナイフ…!」
DQN10「寝てろ!」ダッ
パンパァン! ガガッ!
DQN10「いてぇ…!」
女「私たちを忘れてもらっちゃ困るなぁ」チャキッ
妹「射的屋の銃ですか…」チャキッ
兄「オラァ!」ドゴッ!
姉友「…さて、あと二人か」
DQN2「くそ…次会ったら殺す!」ダッ
DQN9「…」ダッ
兄「はぁ…」ドサッ
兄友「は、人数いないとただのチキンか」ドサッ
姉友「まったく、最近のはすぐに武器に頼るから困る」パンパン
兄「…いてて」
妹「兄さん…」タタッ
兄「大丈夫か、さっき突き飛ばされてたろ」
妹「私は平気ですっ、それより…」
兄「たいしたことねーよ」
兄友「ボコボコじゃねーかw」
兄「お前もだろw」
ドーン…ドドーン…
姉「たーまやー!」
女「かーぎやー!」
妹友「…」キラキラ
姉友「ほら」スッ
兄友「なんすかこれ」
姉友「姉友家秘伝の傷薬。ぬっときな」
兄友「じゃあありがたく」
兄「おう!染みる!」
妹「まったく…姉さんが簡易救急セット持ってなかったら、どうするつもりだったんですか」
兄「ほっときゃ治る…いででで」
妹「…はい、終わりです。…その…、…ありがとうございました」
兄「兄として普通だろ。もうちょい強ければよかったんだが」
妹「十分過ぎるほどでしたよ。…かっこよかったです」
兄「二人に助けられまくってたけどな」
妹「守ってくれたじゃないですか…。…昔から…無茶ばかりして」ボソッ
兄「まぁ無事でなによりだ。さ、花火見よう」
妹「…はいっ」
帰宅…
姉「兄君、しっかり休んでね」
兄「大袈裟だな」
妹「休まないとダメです」
兄「わかったよ、おやすみ」
妹「…兄さん…」
妹「兄さんは忘れてしまったんでしょうか…」ネガエリッ
妹「…それでも、私は兄さんが…」
妹「…」…スー…
兄「宿題が進まねぇ」
妹「やってるといつも邪魔が入りますからね」
兄「姉友さんはなんでも出来そうだよな…教えてもらうか」
姉「うーん…古文はいつも満点だったけど、それ以外はいい点取ってたの見たことないなぁ」
兄「マジかよ…」
姉「…私が教えようか?」
兄「え?」
兄「…すげぇ…」
姉「これでも学年10位以内の常連だったんだから!」エッヘン
妹「…向こうは頭脳派と肉体派が揃ってるのに私と妹友ときたら」
妹「…つるぺたコンビじゃないですか」
兄「ちょうどいいだろ、飴と鞭で」
妹「もちろん私が飴ですよね?」
兄「だとしたらハッカ味でもぬるいな」
妹「消しゴムにシャーペンの芯埋め込みますよ?」
兄「やめろ」
兄「はかどったはかどった」
妹「お疲れ様でした」
兄「暑いなぁ」
姉「クーラーつけよっか?」
妹「!」
兄「そうだなー」
妹「兄さん、ちょっとコンビニ行きませんか?」
兄「アイスか?暑いから行きたくな…」
妹「早く」グイッ
姉「じゃあアーイースー」ゴロゴロ
兄「暑い…」テクテク
妹「…兄さん」
兄「どうした?」
妹「…なんでもないです」
兄「なんだ?…最近ちょっと元気ないな」
妹「…気のせいでしょう」
兄「まぁ毒吐く余裕があるみたいだしな」
妹「…」
兄「…」
夜
妹「…」スー…
―――
ゴポ… ゴポポッ…
妹(…なんで私は水の中に)
妹(…あぁ、これは)
ブクブク…
妹(…苦しい…)
妹(兄さんがもうすぐ…)
ザパァッザパッ
兄「大丈夫かーっ!」
妹(…あぁ、これは)
妹(私の記憶…)
兄「はあっ…はあっ…!」ジャブッジャブッ
姉「大丈夫!?」
妹(…姉さん…二人とも幼い…)
幼妹「…ケホッ」
兄「早く大人の人呼ばなきゃ!」
妹(…)
幼妹「…」フルフル
姉「―――――…―…――…」
妹(…?聞こえない…)
兄「―――……――…」
妹(兄さん…何を話してるの…?)
兄「…大丈夫。今度からは僕が一緒にいる、守ってあげる」
幼妹「…?」
兄「ずっと、そばにいるから」
妹(…そう)
妹(兄さんは一緒にいてくれる…そばにいてくれる…そう言ってくれた…)
妹(でも…私が水が怖いのを忘れていたの?)
妹(…兄さん…私の事は…忘れてしまう程度のことなの?)
妹(あの約束も…)
妹(…)
妹「…」パチ
妹「朝ですか…」
ミーンミンミン…
妹「…」トントントン…
姉「おはよう」
兄「…昨日はどうした?帰ってくるなりすぐ寝ちまって」
妹「ちょっと暑さにやられただけです、もう平気ですから」スタスタ
兄「どこか行くのか?」
妹「…」ガチャバタン
兄「…どうしたんだ?妹のやつ」
姉「…」
妹(一回だけ…私が兄さんに助けられてから一回あの海に行ったはず)
妹(なぜかみんな暗い顔をして…)
妹(…私にはどうしてか教えてくれなかった)
妹(そう…溺れてすぐ次の日に、電車に乗って…母さんと兄さんと姉さんと…)
妹(…とにかく駅に行きましょう)
妹「…駅員さんに聞いてみましょう」
妹「…すみません」
駅員「はい、どうしました?」
妹「この沿線に海はありますか?」
駅員「えーと、ここの駅からだと上りと下りにそれぞれ一つずつありますね。どちらに?」
妹「あまり…覚えてないんです…」
駅員「うーん…切り立った崖があるほうかな?それとも砂浜ばかりだった?」
妹「あ、崖があるほうだと思います」
駅員「だったら下りの方だね。〇〇って駅で降りるとつきますよ」
妹「ありがとうございます」
妹(そうだ…兄さんから引き上げられた岩場から崖を見た覚えがある)
妹(…?でも…崖からの景色も見た覚えが…)
妹(どうしてでしょう…登った覚えはないのに)
妹(…とにかく行ってみましょう)
ガタンガタン…ガタンガタン…
妹(…そもそも私はなんであそこで溺れてたんでしょう…)
妹(…あれ……思い出せない…)
妹(…仕方ないですよね、もう10…何年前でしたっけ…)
妹(…そういえば……溺れるより前の事が思い出せない)
妹(…今まであまり気にしたことはありませんでしたが…)
次はー〇〇ー、〇〇ー…
妹「…はっ」
妹「…着きますね」
妹「…そりゃあ目の前に海がある訳無いですよね…駅員さんもいませんし…」
妹「案内板は…あれですか」トテトテ
妹「…多分あっちでしょう」
妹「…はぁ、はぁ」テクテク
妹「…まだですか…」テクテク
妹「多分こっちだと思ったんですが…」テクテク
妹「…」チラ
妹「…もう夕方ですか…」テクテク
妹「ん…なんだかひらけて…」タッ
ザアッ…
妹「…!」
妹「…崖の方に来てしまったんですね…それより…
やっぱりこの景色はいつか見た……!」
―――
自動車の中
幼妹「ねぇねぇ、どこいくのー?」
父「…」
母「…みんなで綺麗な所に行くのよ…」ナデナデ
幼妹「ふぅん…でもずっとくるまのってるよ?まぁだ?」
母「もう少しだからね」
幼妹「わかった!」
父「…この道を、まっすぐだ…それで…」
母「…あなた…!」ギュッ
幼妹「なんでとまったの?なんでママないてるの?」
母「幼妹…」ギュウッ
幼妹「パパ、ママ泣かしちゃいけないんだよ!
せんせいがおとこのこはおんなのこをまもってあげなさいって言ってたもん!」
父「ごめんな…ごめんな…」ソッ…
幼妹「パパ…?」
父「…じゃあ…」
母「ええ…」
父「いこう…」グッ
ブゥウウン
幼妹「もうすぐつくんだよね?」
母「そうよ、みんな一緒よ」
幼妹「? あたりまえだよー、へんなママ」
父「…」グッ!
ザアッ…
幼妹「…!すごーい!ママ、すごいきれい!」ウィーン
母「! ダメ!窓を開けちゃ…」
父「母…幼妹…すまない…」
フワッ
妹「わ…」
――ま…―を―ザッ…――めて―!ザザッ――ダメ……――お―ガガッ―てを
―…………―ザーーーーーーーーーーーーー
妹「…はぁっ!はぁ、はぁ、」ドサッ…
妹「い…今のは…」ブルブル
姉「…思い出したんだね」
妹「姉さん…!なんで…」
姉「ずっと一緒にいるんだからなんとなくわかるよー」
妹「…私は…私は…」
姉「…血は、繋がってないんだ」
妹「…な、何言ってるんですか」
姉「…」
妹「今の…今のは…映画とか、ドラマとかが混ざってごちゃごちゃになっただけですっ!」
姉「…」
妹「そんな…そんなこと…」
姉「…あの時…私たちはたまたまここに遊びに来てたの…」
姉「気付いた兄くんが妹ちゃんを助けたの…あなたのお母さんやお父さんは…」
妹「嘘…」
姉「とりあえずあなたを連れて帰って次の日にここに来たけど見つからなかった」
妹「嘘っ…」
姉「…その日の夕刊に一家心中、娘の遺体は見つからず、と載ってた」
妹「嘘?っ!…」
姉「母さんはすぐにあなたをうちで引き取ると決めた。
心中は借金が原因だったみたいだったから。
…戸籍なんかは姉友ちゃんの親がなんとかしてくれたみたい。
昔からうちの親と仲が良かったし、ダークな事には精通してたらしいから」
妹「じゃあ…私は…私は…あの家の家族じゃ…ない…?」
兄「なに馬鹿な事言ってんだよ!」
妹「兄さん…!?」
兄「ふざけんな!家族じゃないだと!?今まで一つ屋根の下で暮らしてきただろうがっ!」
妹「でも…私は…」
兄「なんだよ!オレの妹じゃ嫌なのか!そりゃあ頼りにならない兄かもしれねーけど…!でも!ずっと一緒にいるって言っただろ!」
妹「…!」ポロッ…
兄「守ってやるって!約束しただろうがっ!!」
妹「覚えて…いたんですか…」ポロ…ポロッ…
兄「当たり前だ!…でも、あれが原因で水が怖いなんてのは知らなかった…忘れてると思ってた」
妹「私だってあれが原因と思いたくありません!」ポロポロッ、
妹「ひっく…あの記憶、は…兄さんに助、けてもらった…私が覚えて、いた最初の…ひっく…兄さんを好きになった…記憶だったんです…」
兄「…悲しい事言わないでくれ」
妹「…」
兄「寂しいなら一緒にいる、水が怖いなら克服するのを手伝う。一緒に馬鹿やって、歳くったら一緒に酒でも呑んで、一緒に生きていこうぜ…オレら家族だろ?」
妹「…うぅ…」ポロポロポロッ
姉「どうしても私たちと暮らしたくないなら無理には止めないよ。でも…私は寂しいな」
妹「うぅー…っ」グシュグシュ
兄「帰ろう」
妹「いいん、ですかっ…私は…あの、家にいても…いいんですかっ」グシュグシュ
兄「当たり前だ」スッ
姉「ほら、立って」スッ
妹「…うわあぁぁん!」ボロボロ
兄「よしよし、泣くな」ナデナデ
ガタンガタン…ガタンガタン…
妹「…」スゥ…スゥ…
兄「泣き疲れたか」
姉「ふふ」
兄「…明日から妹が変にギクシャクしなけりゃいいが」
姉「大丈夫だよ、私たちの妹なんだから」
兄「…そうだな。家族だもんな」
姉「そうそう!」
妹「…兄さん…姉さん…」スゥ…スゥ…
―次の日
妹 ムク
トントントン…
姉「おはよう」
妹「お、おはようございます」
姉「兄くんまだ寝てるから起こしてきてくれる?」
妹「…わかりました」トントン
妹「に…兄…さん?」ガチャ
兄「グー…」
妹「…朝ですよ」
兄「…んー…」
妹「…兄さん」ユサユサ
兄「うへ…きょにゅー…」ムニャ
妹 プチッ
妹「あ さ で す」メキメキ
兄「あぁあ゛あ!折れる折れる!」
妹「そんなに巨乳がいいですか!兄さんのエロコレクションから巨乳ものは没収しておいたのに!」メキメキメキメキ
兄「マジ、折れる、死ぬ死ぬ」
妹「知ってるんですよ、姉友さんや姉さんの胸チラチラ見てるの!胸の所にお尻がもう一つあるようなののどこがいいんですか!」メキメキメキメキメキメキ
兄「…」ピクッ…ピクッ
姉「大きな声で何を言ってるのかな?」
妹「…」
兄「朝から死ぬとこだった…」
妹「ふん」
兄(…普段通りだな、よかったよかった)
妹「…痛かった、ですか」
兄「ん?ああ、いつものことだろ」
姉友「嫌な日常茶飯事だなぁ」
兄「うわ!…ホント何者なんですか」
姉友「いやぁ、妹ちゃんにね。うちの親が戸籍も操作してるから、世間的にも君はこの家の家族だよ」
妹「姉友さん…」
姉友「さぁ朝ごはん朝ごはん。この匂いは味噌汁だな。和食はいいねぇ♪」トントントン…
兄「気にすることなんか何もねーよ。思いっきり関節技かけてこい」
妹「…ふふっw兄さんがドMだとは知りませんでした」
兄「あ、いやそうじゃなくて」
姉友「あー…うまかった」
兄友「ごっつぁんです」
兄「遠慮って単語知ってる?ねぇ」
姉「まぁまぁ、みんなで食べた方が美味しいじゃない。ね?」
妹「はい ※ただし兄友は除く」
兄友「相変わらず辛辣な」
女「おじゃましまーす」
妹友「…」ペコリ
兄「なんでうちが集合場所なんだ」
姉友「7分の3がここにいるんだから自然とそうなる」
兄「やれやれ…」
妹友「♪」スリスリ
妹「…まったく」ナデナテ
女「ふっふっふ、今日こそ妹ちゃんに勝ってみせるんだから!
あれから毎晩とことんぷよぷy」
兄友「さて、今日はマリオカートを持って来た」スチャッ
女「…」
姉「まったく…みんな宿題進んでるの?」
姉友「見せて(はぁと)」
姉「ダーメ。勉強にならないよ」
姉友「ねぇ…いいでしょ…?」スルッ
姉「や、ちょ…姉友ちゃん!?あ…だめぇ…」
兄友「カメラを持てぃ」
妹友「…」ッパ
妹(…そうです、ここが私の居場所です。…兄さんがいて、姉さんがいて、みんながいて。…まったく、悩むことなんてないじゃないですか)
みんな「…!…!」ヤイノヤイノ
兄「おいちょっと」
妹「兄さん」
兄「ん?」
妹「仕方ないから妹でいてあげます。
…ありがたく思ってくださいよ」
兄「はは、光栄だ」
妹「私もやります、女さんには負けませんよ」タタッ
兄「…素直じゃねーなぁ」
兄「…そういやお前もうすぐ誕生日だっけ」
妹「そういえばそうですね」
兄「早いな、もう16歳か…」
妹「そんな事を言ったって事は何かくれるんですよね?」
兄「…しまった」
妹「ね?」
兄「わかったよ、何がいいんだ?新しいぬいぐるみか?」
妹「そうですね…当日言います」
兄「は?そしたら買いに行く暇が」
妹「一緒に行けばいいじゃないですか」
兄「要するに当日一日付き合えと」
妹「そういう事です。楽しみにしてますよ」
兄「…一応リサーチしとくか」
姉「え?妹ちゃんの欲しいもの?」
兄「あぁ、もうすぐ誕生日だし」
姉「うーん…ぬいぐるみとか」
兄「だよなぁ」
兄「…というわけで、知らないか?」
妹友「…!…!」
兄「何、紐パン?」
妹友「……」
兄「…脱ぎやすいからってか」
妹友「…」コクコク
兄「買いに行けるかっ」
兄「…」
兄友「…なんだ?」
兄「お前はダメだ」
兄友「いきなりひどくないっすか!」
姉友「…やれやれ」
兄「…な、なんですか」
姉友「わかってないなぁ」<br
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