昔の日本では夜這いや寝宿、お祭り、歌垣などが盛んに行われました。
が、その一方で次のような事実もありました。
(それが自然なこととされていた昔の日本)
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日本では、昔から子どもが大切に扱われてきたわけではない。
どうやら古代や中世の日本では、子どもを捨てるのが当たり前だったようなのだ。
「日本の伝統的な子育ては素晴らしい」とか「昔は人情に溢れていた時代だった」という人がいるが、それは歴史資料を見る限り、全くの嘘だということがわかっている。
今から1000年ほど前、捨て子は日常茶飯事で、それを助けようとする人もいなかった。
赤ちゃんは無防備のまま放置され、牛や馬に踏み殺されたり、犬に食べられてしまうことが多かったという。
また、当時の法律には捨て子を罰する規則もなかった。
『源氏物語』などで描かれているように、貴族たちはきらびやかな生活を送っていた時代ではある。
しかし庶民の世界はそこまで悲惨だったのである。
その状況はなかなか変わらなかった。
戦国時代、ポルトガルからやってきたルイス・フロイスという宣教師は『日本史』の中で次のような証言を残している。
「婦人たちが堕胎を行うというのは、日本ではきわめて頻繁なことである」
「或る人たちは、誕生後、その頸に足をのせ、窒息させて、子どもを殺し、また或る人たちは堕胎を誘致する因となるある薬草を飲む」
「朝、岸辺や堀端を歩いて行くと、そこに投げ捨てられた子どもたちを見ることが度たびある」
「日本の子どもは半裸で、ほとんど何らの寵愛も快楽もなく育てられる」
にわかには信じられないが、日本では長い間、庶民たちの間では堕胎や捨て子は当たり前のことだったらしい。
それが、多くの人が非常に貧しい環境で暮らし、子どもを十分に養うことができなかったからだ。
しかも、捨てられなかった子どもが現代のように大切に育てられたわけではない。
当時は、一部の貴族などをのぞいて、男女関係なく誰もが働かなくてはならなかった。
百姓も商人も、育児と家事だけをする「専業主婦」なんて存在はいなかった。
また衛生環境も悪く、医療水準も低かった時代。
乳児死亡率は非常に高く、大人になるまでに死んでしまう子どもも多かった。
子どもは取り替えのきく存在と見なされていたのだ。
さらに、中世には人身売買も盛んで、10歳に満たない子どもも労働力として売り買いの対象になっていた。
売買された子どもは、草刈りや芝刈り、運輸業などに従事し、貴重な労働力になっていたようだ。
びっくりではないだろうか。
「子どもが大切」という価値観は、歴史的に見て少しも当たり前のことではなかったのだ。
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現在日本で人工妊娠中絶手術が受けられるのは妊娠22週未満(21週6日)までです
昔は産んでから、始末(!)した
産む前に始末(!)するのと産んでから始末するのと、どれほどの違いが?
母体の保護という視点では、どちらが?