11月16

剣薫←宗 強姦要素アリ

「神谷薫さんですね?」

名前を呼ばれ振り返り、自分を見つめる冷たい瞳に身構えた次の瞬間、意識を失った。

気がついたのはユラユラと揺れる床の上だった。
痛む鳩尾を押さえ、横たわっていた体を起こす。
薄明かりの室内には自分ともう一人、誰かがいる。
気配に気付いたのかこちらを見る。

「あ、気がつきました?」

冷たい微笑みを浮かべ歩み寄ってくる。
それは先程名前を呼んだ男の人だ。

「すみません。いきなり乱暴な事して」

剣心の様に優しい印象を受ける顔つきだが、町中で対峙した時も、話し掛けている今も、笑顔を浮かべているが一瞬たりとも隙がない。
察しはつくが聞いてみる。

「あなたは?」
「挨拶が遅れました。僕は十本刀の瀬田宗次郎と言います」

やはり目の前にいる彼は志々雄の部下だった。

「…ここはどこ」
「志々雄さんの船です。せっかくの招待が荒っぽくなってしまってすみません。薫さんが素直に着いてきてくれるとは思わなかったので」

ニコッとさらに笑みを深くする宗次郎。

私を攫ってどうするつもりなのか。
考えられるのは剣心を誘き出す為だろう。
剣心の力になりたかったのに、枷になるなんて。
葵屋で斎藤に言われた言葉が痛い程胸に突き刺さる。
一介の町道場の師範代風情…
確かにそうだ。志々雄-かれら-からしたら私はただの小娘にすぎない。

「緋村さんに大事に思われてるんですね」
「?」
「もうすぐここに来ると思いますよ」
「っ!」
「何せ凄い剣幕で必死に僕を追いかけてきてましたから。さすが志々雄さん。薫さんを手土産にして連れ帰れば必ず緋村さんは来るって言い切ってましたからね」

助けに来てくれる喜びより申し訳なさで一杯だ。

「あれ?嬉しくないんですか?」
「…」
「そう睨まないで下さいよ。可愛い顔が台無しですよ」

茶化す様に言う彼はやはり隙がない。
というか感情がないと思えるくらい淡々と話している。
どうにかして逃げられないか。
でも彼から逃げられたとしてここは船のだ。
しかも敵だらけですぐに捕まるのがオチだろう。
そもそも捕まっているのに何故縄で縛られたりしていないのか。
拘束なんてしてなくても自分など容易に抑え込めるという事なのだろうか。

「逃げてもいいですけど、貴女はこの船室からは出られませんよ?」

だって、僕強いですから。
と、空いていた間合いを一瞬で詰められる。

「僕としては逃げてもらった方が退屈しのぎになるんですけど」
「わ、私はあなたの退屈しのぎの為にこんな所にいるんじゃないわよ!!」
「可愛いのに随分気が強いんですね薫さん。敵の手中にいても怯まないなんて」

ずっと変わらず浮かべている笑みがやけに冷たく感じる。
自然と後退る足。

「船の上で待機って退屈なんですよ…緋村さんが来るまで薫さんが僕を楽しませてくれますか?」

何か武器になるものはないか。
瞳を動かし探すが何もない。

そのとき、いきなり宗次郎に唇を奪われた。

「う、むっ!?んっ、ンンっ!!?」

驚いて力一杯胸を突き飛ばそうとしたが、宗次郎は私の抵抗なんかものともせずにより深く唇を重ねる。
柔らかい感触がして生暖かいザラッとした舌が唇の合間から侵入してくる。
顔を背けようとしたが顎を掴まれ、ただ唇と舌を受け入れるしかない。

「ん…ンンっ!!」

舌で口を大きくこじ開け、歯列まで舐められ、口内を貪欲に味わい尽くそうとするかのように薫の舌と絡ませる。

「クス」

散々口内を嬲られた後、悪戯っぽい笑みを浮かべようやく唇が離される。

「闘うと思いました?そんな事したら一瞬で薫さんを殺しちゃうからしませんよ。だから遊んで下さい」

子供みたく笑う宗次郎。

「緋村さんとはもう接吻したんですか?フフ。僕が初めてだったら嬉しいなぁ」

こちらは全く笑えない。
笑うどころか自分でも想像できないぐらい真っ赤になっていると思う。

「初めて見た時、可愛い人だなって思ってたんですよ。志々雄さんには手土産って言われたけど…土産はつまみ食いをするのが楽しいですからね。それに緋村さんも怒ってくれそうですし」

薫の身体が寝台に放り投げられる。

「何より緋村さんが激怒すれば志々雄さんが喜ぶ」

のしかかり、着物の合わせ目を開こうとする宗次郎の手を掴み開かれない様に押さえる。

「へぇ。女性にしては力が強いんですね。でも無駄な抵抗はやめにしましょうよ」

宗次郎は自分の手を掴む薫の手を簡単に左右に開く。
そしてよれた襟元を歯で噛み引っ張り、緩んだ合わせ目から露になった鎖骨や胸元に唇を這わす。
薫の白い肌に唇を付けチュッと肉を吸う。

「やめて!!やっ!」
「いい声ですね」
「私は剣心を誘き出す為だけに連れてこられたんでしょ!こんな」
「だって敵に捕まった女って昔からこうされるじゃないですか」

露になった胸の膨らみをカプリと口にふくまれる。

「やだ!!やめて!剣心!!」
「そうですね。やめるかどうかは緋村さん次第ですね。早く来ないと全部食べられちゃいますねぇ」

被さる宗次郎の膝が脚の間に入り、閉じていた脚を割る。

「震えてるんですか?可愛い。大丈夫ですよ、痛いのは最初だけです。優しくシテあげますから」
「触らないで!!」

止まらない行為に薫の声が悲鳴に変わる。

「やめて!やめてぇ!!離して!やだっ!」

身体に力を入れ暴れようともがくが全く歯が立たない。
それが恐怖を増幅させ悲鳴が大きくなる。

「お願い!いやよっ!助けて剣心っ!」
「ふふっ、もっと抵抗してください」

着物の裾が捲りあげられる。

「そして、緋村さんの女になったこと、後悔すればいいんです」

「っ…い‥‥やぁ…ぁっあ」

宗次郎は肉棒を出して入り口に押し込んでいく。

「あんっ、んぁ……!あぁぁぁ!」

亀頭の先から、だんだんと竿の根元にかけて埋めていく。
薫は額には脂汗を浮べていた。
生温かい膣壁のぬめりが、ギュゥっと搾り上げるようにして、宗次郎の肉棒を締め付けている。
宗次郎は楽しげに腰を突き入れて薫の膣内を貫いた。

「あぅっ……うあぁぁ……!」

よがり、仰け反る薫。

「そんなにいいんですか?薫さんって、意外と節操がないんですね」

宗次郎がバカにしたように薫を貶める。

そんなわけがない―

否定しようとしたが、すぐに宗次郎は薫の口を手で押さえ、上から体重をかけることで抵抗を封じながら、激しいピストンで薫の膣内を責め立て始めた。

「――んっ!んん!んっ!」

喘いでいるのか。喚いているのか。
それとも、悲鳴か。
口を塞がれた声では、どちらなのかはわからないが、ピストン運動に合わせて声が漏れ、体中のビクつく反応を示しているのは間違いなかった。

「残念でしたね?緋村さんじゃなくて」

自分の肉棒の感覚を教え込もうと、奥深くまで貫いて愛液で滑りの良くなった薫の蜜壷を堪能する。

「――――んぅ!」

涙を滲ませながら、薫は宗次郎を睨んでいた。

「あれ?何か言いたいことでもあるのかな?こんなに気持ち良さそうにしてるくせに」

宗次郎は愉快そうに腰を揺さぶり、思うままに薫の口から喘ぎ声を引きずり出す。
なんとか歯を食い縛ることで堪えるが、そうしなければ甘い女の鳴き声は確かに響いている。
こんな男によがらされる屈辱に薫はひどく表情をゆがめていた。
宗次郎はより大胆なグラインドで薫の膣を抉り込み、薫の背中を何度も何度もビクンビクンと跳ね上がらせる。

「――んっ!んっ……んんっ、んんんっ!」

男根が執拗にナカを掻き回し、深く深くその存在を刻みこんでいく。
身体を支配する快楽に唇を噛み耐える。

犯されながら、薫は思った。

コイツは私に教えようとしてるんだ。
こうすることで、剣心より自分の方が上なんだと思わせようとしている。
だけど、私は屈しない!
強姦されても、絶対に心だけは渡さない!

「あれ?薫さん、何か頑張っちゃってます?イヤだなぁムリしないでくださいよ」

薫が顔を真っ赤にしながら脚をばたつかせるので、宗次郎は大人しくしろとばかりに尖った陰核をキュッと摘まみあげる。

「うぐぅっ!」
「こんなにココを勃たせて…淫らな女性ですね」
「ウグぅ、ァ…」
「薫さんはここを擦られると堪らないんだ」

低い声がぞわぞわと背筋を伝って、薫の思考をも犯していく。

身体の奥を突かれながら小さな陰核を短く整えられた爪でかりかりと引っ掻いたり、親指と人差し指でちゅこちゅこと上下に擦りあげられ、突き抜けるような快感に薫の唇の間から悲鳴ともとれる嬌声が漏れた。
必死で刺激から逃れるように身を捻ろうとするが、圧倒的な実力差の前にはどうすることもできるはずもなく強引に与えられる快感に喘ぎ悶える事しか出来ない。

「ンっ、ンッァ…!ゃぁ…ンハっ…」

暫く陰核を弄んでいると押さえつけていた足に力がこもり、キュウッと足先が丸くなった。

「んーーッ!!んゥ゛ッ!」

ビクンビクンと大きく痙攣させ、途端にだらりと足の力が抜けたのを感じる。

「緋村さんのためにもう少し頑張るのかと思いましたけど案外簡単に達しましたね」

弛緩し、抵抗しなくなった薫の身体を貫きながら宗次郎が笑顔で語りかけてくる。
返事はできず、ただ涙を流すことしかできなかった。

無抵抗になった薫の上でそれでも宗次郎は、薫の心まで直接犯すように乱暴に腰を振り続ける。
ギシギシとその動きに合わせてベッドが軋んだ。

「そろそろ時間かな?ナカに出しますね」
「んっ!?んんんんーっ!!」

当然のような台詞にそれだけはダメと必死で首を振ろうとするけど、掌で口を塞がれてる状態でじゃ拒絶の意思表示すら許されない。

「緋村さん、大事な女性を穢されたって知ったらどんな顔するかなぁ」
「むうっ!むううーっ!!」
「絶対に妊娠させてあげますね、薫さん」

――ドクドク! ドク……ドクゥ……ビュルン!

熱い白濁が吐き出され、薫の膣奥に染み込んでいく。
身動きが取れないほどきつく抱きしめられ、ただ奥に熱い精液を受け止めるしかなかった。

「んんんんんーっ!!!」

絶望的な感覚に、目尻から涙があふれた。

陰茎が何度も脈打ち、身体の最も深い場所を穢していく。

「よかったですよ薫さん」

肉棒の引き抜かれた肉穴から溢れた精液がドロリと流れ、シーツに染みを作った。

バタン。
扉が開いて呆れた声が降ってきた。

「何遊んでるの坊や」
「あ、由美さん」

扉を開け入ってきたのは花魁の様に綺麗な女の人だった。

「あなたがちゃんと男の子って安心したけど、仮にも今は闘いの最中よ?」
「だって暇だったんですもん。もう終わりましたけどね」
「はあ。抜刀斎が来たわ。その子の出番。遊びは終わりにして縛って頂戴」
「は~い」

あっさりと薫から退いた宗次郎が、薫に猿轡をかませると、乱れた胸元の合わせを直しながら縛っていく。

「緋村さん残念ですね。あと少し早ければ大事な女性が犯されずにすんだのに」

「でもどうせ緋村さん僕に勝てるわけないですから、後でまたじっくりと楽しみましょうね薫さん。負けた緋村さんの前でってのがいいですね。最後に見るのは貴女が他の男の手に落ちる姿…」

縄を巻きながら囁く宗次郎の声と甲板からする騒がしい声。

「じゃぁサクサクっと片付けてきますね」

縄で縛った薫の背中を由美に向かってトンと押す。

「また後で、薫さん」

無邪気な笑顔を残し宗次郎は船室を後にした。

【了】

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