10月6

男の後輩に。。第1話

この物語は、リサさん(仮称)の許可を得て掲載するものです。
某SNSの日記に掲載されていた、実体験に基づいた物語です。
作者のプライバシー保護のため、登場人物の一部を改編しております。

では、どうぞ!

大学に入学して最初に入部した文化会の部とは別に、
2年生になった頃、もうひとつ別のサークルにも入部した。
部員数は50名くらいだったかな。。
活動内容は、とっても特徴的なので。。
もしかしたら、それが元であたしの大学がバレるかも。
なので、ここでは発表しませんが^^

4年生の頃。。
あたしの彼氏さまは、卒業後に留学してしまって。。
留学後1年くらいは連絡を取り合っていたんだけど、
なんとなく音信も途絶え気味になり。。
自然消滅?という流れに入っていました。
そういう噂はどこから広まるのか。。

リサとその彼氏は破局したという説が
サークル内の通説になっていました^^;

そのサークル内に、R君という当時2年生の後輩がいました。
東北出身。ご当地では県下一番の進学校出身だそうで。。
入部当初は、俺が一番だ!と、とても威勢の良い子でしたが、
渡る世間は広いもの。。
周りにいるツワモノに早くも飲み込まれ。。意気消沈。
そのまま幽霊部員になるかと思いきや。。
見事な転身、筆頭宴会要員に路線変更。
まぁ。。とっても元気な子で。。実は性格も良いし。
あたしの中では高感度No.1の後輩でした。

あたしの容姿がそうさせるのか、性格がそうなのか。。
特に男子の後輩からは「姐さん」と呼ばれていた。
それに呼応するように、あたしもそんな男子の後輩に対しては、
名前を呼ぶときは呼び捨て^^;
R君も例外ではない。。仮に「龍平」としておきましょう^^

ある日、学食で食事をしていた時のこと。。
龍平があたしの席の向かい側の空席にやってきた。。

「ちーっすっ!」

「姐さん!今度の土曜日ヒマっすか?
ケンの家で飲むんですけど。。メンバー、俺入れて5人。
みんな姐さんにも来て欲しいって言うんで」

『ん。。時間は。。あるけど』

「マジっすか!!やった!姐さん、なんも用意いりませんから。
手ぶらで来てください!」

『そんなわけいくか!
後輩の飲みに誘われて、手ぶらで行けるわけないでしょ』

「申し訳ないっす!みんなすげー喜びますよ。
じゃぁ、ケンの家案内しますから。。
土曜日夕方6時に、渋谷ってことでいいっすか?」

『うん。。わかった^^ いいよ♪』

龍平は声が大きいんだよねぇ。
用件済ませて去っていった彼はいいわよ。。
その場に残されたあたしは。。「姐さん」なんて呼ばれて。。
しばらく周りからの好奇の目に晒された。。

当日。。土曜日6時、渋谷。。
タンカレーのジン1本、おつまみ数点を購入し待ち合わせ場所に。

人の目の識別能力というものは、本当にすごいものね。
目の前にいる数百、数千の顔の中から、
お目当ての顔を瞬時に見つけるんだもんね。
満面の笑みを蓄えた龍平の顔だけが目に映った。

「お待たせしましたぁ!さ、行きましょう!!」

『んと、どこなの?ケンのお家って』

「たまプラっす。田園都市線ですよ」

『ふーん。。そうなんだ。ここからどのくらいかかるの?』

「30分くらいじゃないかなぁ。
駅からは近いし、40分後くらいには到着っすよ^^」

電車の中。。
田園都市線なんて、しばらくぶり。。
用賀に住んでる友達んちに行った時以来かな。

「姐さん、知ってます?ケンと美里って付き合ってるんすよ!」

『ねぇ?龍平は声が大きいんだよぉ^^;
公衆の面前で、その姐さん呼ばわりはやめてよぉ^^;』

「あ、ごめんなさい^^;俺、声大きいっすか?」

『声も態度もね。。』

「態度もっすか!!」

『しっ!マジで、音量落として^^;』

『で?。。なになに、あの二人付き合ってるの?』

「そうなんすよ。。
2ヶ月前からなんだって。マジ知らなかったし」

『へぇ。。あたしも知らなかったなぁ。。』

「今日は美里も来るから、説明してもらいましょう!
ところで、姐、いや。。先輩はさ。。彼氏さんと別れたってマジですか?」

『どうもそういうことになってるみたいよねぇ。
お互いに、別れよう!って明言はしてないんだけどね。。
別れちゃったのかもねぇ。』

「なんか、ずいぶん他人事じゃないですか^^;
彼氏は新しく作るんすか?」

『うーん。。別に今は考えてないかなぁ』

「伏目がちでそんなこと言っても、説得力ないですよね」

『うるさいっ!ばかっ!』

「俺は先輩の舎弟ですから。。いつでも相談のりますよ。
何でも言ってくださいよ」

『姐さんとか、舎弟とか。。極道じゃないんだからさ^^;』

こんな他愛のない会話をしつつ。。
だけど、おかげで退屈せずに目的の駅に着いた。
歩いて数分。。ケンのお家に到着。

呼び鈴を押すと。。
ちょっと赤ら顔のケンが出てきた。

「おう!龍平! あっ!姐さーーん!!」

裸足のまま玄関から飛び出て、あたしに抱きついてきた。
こいつ、もう酔ってるし。。
っていうか、美里という新妻がいるのに。。

『ほれっ、差し入れ』

『もうっ!酔っ払うの早いんじゃないのぉ??』

『いい加減離れろ。。こらっ!お座りっ!!』

ケンは、これが好きなのよね^^;
お座り!と言われると、本当にその場にお座りするの。

『おじゃましまぁ?す^^』

『お^^ 美里ぉ?♪』

「きゃぁ?っ!!リサさぁ?ん^^ 抱きっ♪」

『おす^^ コー♪』

「ちっす!先に飲んでます♪」

『おや^^ 香奈ちゃんも来てたのねぇ^^』

「待ってましたよぉ^^ リサさんと飲むの久しぶり!」

やいのやいの。。で、2時間経過。。
この2時間は、ケンと美里が酒の肴^^

「俺が彼氏だったら、絶対に姐さんを放っておかないっす!」

『そう?でも。。あたしが龍平を放っておくかもよぉ^^』

「それでもいいっす!」

『っていうか。。ねぇ? コーさぁ、何寝てんの?』

コー撃沈。。
顔を真っ赤にして壁にへばりついている。。

「あたし、そろそろ帰ろうかなぁ。。」

『ん?香奈んちってどこだっけ?帰り大丈夫なの?』

「結構近いんですよ^^ タクってもたいした金額にならないし」

『なら安心ね^^ えっと。。コー、こいつどうする?』

「とりあえず、起すか?」

「おいっ!コー!起きろーーっ!!」

むにゃむにゃ言いながらコー起きる。
「寝るなら隣の部屋で寝ろぉ。。」
「シャワー浴びるかぁ?」
周りの声なんて聞こえちゃいませんという感じに。。
のそのそ起き上がって、お部屋を移動する。。

「あいつ、どこ行ったんだ?ちょっと見てくる」

ケンが後を追う。

「おーい!その部屋はダメだってぇ?!寝るならこっちさ来ーい!」

しばらくしてケン戻ってくる。

「あいつ親の寝室で寝てやがって。。」

『そういえば、ご両親は今日帰ってこないの?』

「はい^^ 旅行に行ってるんですよ」

『そっか^^ それで、ここが会場になったわけね』

「親には内緒ですけどね^^;」

『そっか^^』

『ねぇ?香奈、タクシー呼ぶ?』

「うーん。。駅近いし、駅前で拾います」

『じゃぁ、あたしが駅まで送るよ^^』

「わぁ?い♪」

『それじゃ、送ってくるわねぇ^^』

香奈ちゃん帰宅。。

戻って4人で飲みなおす。。
やいのやいの。。で、1時間経過。。

「姐さーん。。俺じゃダメっすか?馬鹿は相手にしないってか?」

『そんなこと言ってないでしょ!ばかっ!』

そんなあたしと龍平のやり取りを見て、美里はケラケラ^^
この子は本当に笑顔が素敵。
周りを幸せな気分にさせる笑顔って素敵よね^^
ケンも本当に良い彼女を持ったものね。。正解よ♪

よく笑う子は、疲れるのも早いのか。。
美里が瞑想状態に入った。
会話の所々で、なんとなく相槌を打つけれど。。
そのタイミングが微妙にずれている。
マバタキして目を閉じると、しばらく目を開けない。。
オネムちゃんなのね^^ 可愛い^^

『ケン? 美里。。そろそろ寝かせてあげないと^^』

「あ、はい。。すみません^^;」

「美里??もう寝るか?」

「うーん。。だいじょぶ、だいじょぶ。。ふにぃ。。」

『あはは^^ ケン? 美里。。。。強制退去^^』

「かしこまりました^^」

美里はずるずる引きづられて、隣のお部屋へ。。
ケンがお布団を敷いている。。
お姫様抱っこをして、美里をお布団の上へ。。
なんか、キュんってしちゃった^^

襖をシュッとしめて。。ケン、再び参戦。
ここで紅一点となったあたし。
今晩はとことん付き合ってやる^^

この段階で、後輩たちが持ち寄ったビール、チューハイ等が
すべて空になった。。
そこで、あたしが持ってきたタンカレーの登場。

「姐さんって、タンカレー好きなんですか?」

『うん、ジンだったらこれが一番好き♪』

「他には何が好きっすか?」

『うーん。。そーだなぁ。。ブッカーズも好きだよぉ^^』

「なに?それって、何酒?」

「あ!俺知ってるわ。。それバーボンですよね?
めちゃアルコール度数強いですよね?」

『おぉ^^知ってるんだ^^うんうん。。60度以上あるかな?』

「ひゃぁ!すげーっ!火?噴くなぁ、それぇ。。」

『火、噴いてみたい^^?』

「火でも水でも、ご要望とあれば何でも噴きますっ!」

『じゃぁ。。今度飲ませてやる^^遺書書いて来い^^』

「でぇ。。このタンカレー、どうやって飲むんすか?」

『んとぉ。。ロックね♪ ロックが一番おいしいのよ^^』

「よっしゃーーっ!」

すっかり体育会系のノリになった男2人。。
そうさせた紅一点のあたし^^;

「ガーーーっ!ノドが焼けるぅ。。」

「ちょっと水で割ってもいいっすか?」

『うんうん。。ムリすんなぁ^^』

「姐さんって、マジ、酒強いっすよねぇ。。
酔わせて落とそうなんて。。ムリだわなぁ。。」

『何それ?そんな計画があったわけ?』

「いや。。その。。計画変更っす^^;」

『何に変更よ?』

「俺が落ちるから。。介抱してもらうっす^^」

『放置してやるわ^^』

「おっ♪ 放置プレイもいいっすよねぇ!!」

『プレイを付けるな!あほっ!』

ケン、危険信号。。
目の焦点があってない^^;

『ケン?大丈夫?そろそろやめておきな^^』

「はい。。情けねぇ^^;」

『いいんだよぉ^^ムリして飲むもんじゃないって^^
自分の限界無視して潰れる方が情けないの^^』

「すまん!! 俺、もう寝るわ。。」

ケン、愛妻の元へ。。

「しめしめ。。これで姐さんを独り占めだ^^」

『じゃぁ。。さしで勝負するぅ^^?』

「勝負はイヤじゃぁ?っ!」

『こらっ!しっ!隣で2人が寝てるのよ^^;』

ここからはテンションをグンと下げて。。
龍平とテーブルを挟んでヒソヒソ話。。

「姐さん、彼氏と離れてからもう1年でしょ?寂しくないんすか?」

『そりゃ。。寂しいけど。。』

「なんていうか。。したくなったりしないんすか?」

『はっ?』

「あの。。エッチを。。モヤモヤしたりしないっすか?」

『なっ、なに言ってるのよ^^;』

「いや、俺の元カノなんて、1ヶ月もしなかったら狂いそうになるって。
姐さんは、1年じゃないですかぁ。。」

『シラフでそんなこと言えるかぁ^^;』

「えっ!!まだシラフなんすっか!!ひょえぇ?
もっと飲んでくださいよぉ。。自分だけズルイすっよぉ」

『わかった、わかった。。飲むから。。だったら酔わせてよ。。』

「うーん。。じゃぁ、一気!!」

『アホか君は^^;?そうやって酔わせるか?』

龍平。。
うーんとロダンの「考える人」がそっぽ向いたような形で、
しばし天井を見上げて思案中。。

「姐さんの横、行ってもいいっすか?」

『えっ?突然なに^^;?』

「ダメっすか?」

『うん。。いいけど。。変なことすんなよぉ。。』

もそもそっと立ち上がり。。
立ち上がったところで一旦身体の揺れを止め。。
若干前かがみになって、あたしの方へ移動してきた。
こいつ、結構酔ってるなぁ^^;

「姐さんって、前から思ってたんすけど。。」

『なによ?』

「嫌いだったらごめんです。。加藤あいに似てません?」

『んと。。誰?それ?』

「えっ?知らないんすか?」

『知らない。。芸能人?』

「女優っす。。マジで知らない?」

『芸能人分からないよぉ^^;テレビ観ないもん。。』

「えっ!! そうなんすか?」

『うん。。小さい頃から。。』

「さすがだ。。やっぱりお嬢は違う。。」

『誰がお嬢だ^^;』

テレビネタもダメかぁ。。と、
再び考え込む龍平。
なんだ?この子は話題を探してるのか?

「姐さん、すげぇいい匂いすっよね。。何付けてるんすか?」

『んとぉ。。今日はエルメス。。地中海の庭だよ^^』

「んと。。。。分かんね^^;」

「俺、全然ダメっすよね。。男の色気ないっすよねぇ」

『ぷっ!何それ?ハタチのガキんちょが色気も何もないでしょ^^;』

「でも、テクはあるんすよ!」

『何のテク?』

「エッチの。。」

『あっそ』

「うわぁ。。ダメだぁ?、全然ダメだぁ。。」

うな垂れる龍平を見てたら。。
とっても可愛くなって^^ちょっとキュんっとなってしまった。
母性本能なのか。。ダメダメ君にホロっていっちゃう感じ。
シラフとは言ったものの、本当は結構酔っていた。。
母性本能といたずら心が混ざり合わさって。。
自分でも信じられない行動に。。

『龍平?』

「はい?」

龍平がボヤっとした視線のまま
あたしの方に顔を向けるなり。。ちゅっ♪
龍平の唇に軽くキスをした。。
とっさに、龍平が顔を遠ざけた。

「やべぇ。。姐さん、すみません!俺、そんな。。」

『ばかっ。。謝るな。。』

「いえっ!すみません!本当にごめんなさい。。」

『よしよし^^もういいから^^』

そう言って、龍平を引き寄せて。。ぎゅっと抱いた。
龍平の気持ちには気づいていた。
龍平がサークルに入ってきた当初から、分かっていた。

6月くらいだったかな。。一緒に飲んだよね。
入部当初はやけに元気な奴という印象だった君が、
徐々に色褪せるように後退していくようで。。
それが気がかりで、あたしから飲みに誘ったのよね。

高校までは誰にも負けなかった。。
常に学校のトップだった。。天才と言われて育ってきた。
それが、大学に入ったらただの人になってしまった。。
本当に悔しかったんだろうね。。
あたしの前で泣きながらそう言ってたね。

『ねぇ?もう負けを認めたの?
仮に負けだとして。。あなたの価値ってそれでなくなっちゃうの?』

「いえ。。」

『上とか下があるとしてね、じゃぁ上に立ったらどうなるの?』

「優越感とか。。」

『優越感に、それほどの価値があるの?』

『たかだがテストの点の良し悪しでしょ?
それで味わってきた優越感でしょ? 人の価値ってそれだけ?』

「いえ。。」

『今あなたは初めて挫折したのよ。。
そこからどうやって身を起すか。。
挫折や失敗をどう次に生かすか。。そこに真価が問われるんじゃない?』

「はい。。」

『じゃぁ、起き上がりなさいよ。
上とか下とか、そんなチンケな世界にいないで。。
もっと大きな世界に行きなさいよ。。あなたの真価見せなさい』

龍平もあの時のことを思い出してたのね^^
ぎゅっと抱きしめて、しばらくお互いに黙っていたら。。

「姐さん。。」

「俺、あの時に生まれ変わった気がします。真価見せろって言われて」

『うんうん。。分かってるって^^』

龍平、斜に構えて人を見下す感じだったのに、
見事な転身よね^^壊れキャラ^^

「俺、友達いなかったんすよ。。高校まで。
でも、自分が変わったら、周りもこんなにも変わるんすね」

『点数かき集めるよりも。。ずっといいでしょ?
友達は財産だからね。。』

「今の自分、めちゃ好きっすよ^^」

『よしよし。。いい子^^』

さらに、力を入れてぎゅっと抱きしめた。。
普段はなんだかんだ悪態をついてるけれど。。
本当は、この子が可愛いの。

「うわ。。姐さん、マジやべぇ。。」

『何が?』

「胸。。マジ柔らかいっす。。」

『そう? 触りたい?』

「えっ!マジっすか?」

『ばか。。ウソだよ』

「ってか。。やべっ。。勃っちゃった」

『えっ^^; ホントに?』

「えぇ。。そりゃもう。。」

いたずら心炸裂。。
時間も時間だし。。アルコールも入ってるしで。。
ここからの展開に対して、事前に自己弁護^^;

『どれどれ。。』

龍平の股間へと手を伸ばしてしまったあたし。。

「うわっ!」

『ホントだ^^ すごいことになってるねぇ^^』

手の平をピトってあてがっただけだったけど。。
龍平のソコの熱が即座に伝わってきた。。
手の平全体に伝わる、その存在感と熱。。
その熱によって炙り出されるように。。
身体の奥底から何かがジュワっと染み出すような感覚。

中指の先で。。
龍平のソコを、下から上へ。。

「マジやべぇ。。それだけで出ちゃいそう。。」

『何?早漏なの?』

「違いますよ。。姐さんの手がソコにあるって思うだけで、
もう出ちゃいそう。。」

『じゃぁ。。出すか?』

******◆第1話 完◆************************
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