その後
【精通した時の話】
りっちゃんをずっと好きでいよう!
そう心に誓ったのは小1の夏。
その翌年の夏休みも、田舎で数日間を過ごした。
りっちゃんの行方を知りたくて、出来る範囲で聞き込みしてみた。
でも有力情報は得られなかった。
毎年夏休みが来るたびに、りっちゃんと遊んだ川に行って、りっちゃんを思い出した。
意外と、そんなに切なくなることもなかった。
所詮やっぱり子供のままごとだったんだよな…
年を追うごとに、ただの思い出になっていった。
数年が過ぎて、俺は6年生、12歳になった。
俺はひとりでボーッとすると、無意識にちんちんをいじってしまう。
勃起させて皮を引っぱったり、めくったりして遊んでた。
そのおかげか皮の癒着が剥がれる、つまり真性包茎から仮性になるのは早かった。
そして、何年も前に辿り着いたはずの、
「ちんちんをいじらなくても自然に勃起するのは、りっちゃんを想った時だけ」
という答えは、もう無効になっていた。
興奮して勃起する材料は、りっちゃんとの思い出よりも、むしろ他のことだった。
テレビとか漫画のHな場面。
学校で女子が無意識に繰り出す、日常のエロ百景。
ちょっとしたことですぐムズムズする。
いつでもどこでも勃起するようになった。
友里たちとの見せっこも、今さらのように、思い出すと勃起するようになってた。
自分の中で、りっちゃんが一番じゃなくなったんだな…
分かってはいても、改めて自覚するとちょっと寂しくなった。
その頃、尿意に似てるけど違う、何か込み上げる感覚が、時々やってくるようになってた。
一応この時点で、保健体育で精通のことは習ってる。
でも「その時」が来たらちんちんは一体、どうなるのか、何が起こるのか。
具体的な現象は想像出来ないし、オナニーのことも知らない。
だからそれが前兆だとは思っていなかった。
そして小学校最後の夏休み、その時が来た。
俺は家で1人、冒険小説みたいのを読んでいた。
すると主人公の男が、突然!真っ裸になる場面があった。
確か山小屋かどっかに監禁されて、脱出のために、服をロープか何かの代わりにする。
パンツも使わないと足りない!とかそんな状況だったのかな。
主人公が脱出成功したとこで俺は、なぜか最高に興奮して勃起した!
男がすっぽんぽんで森を走る文字描写で、女っ気は全くないのに…なんで?
ああ、そうか、りっちゃんだ!
りっちゃんと一緒に野外ですっぽんぽんになって、触れ合った。
あの情景と、匂いと感触、幸せな気持ち。
それが脳内で今、再生されてることに気付いた。
主人公の野外露出行為に触発されて、突然リアルに思い出せたんだな。
と、自分の心理を分析し終わって納得したあと、何気なくちんちんをさすった瞬間。
待ってましたとばかりに「何か」が、尿道をトトトトトと駆け上ってきた!
これはっ!最近感じるあの感覚の、強烈なバージョンだっ!
しっこじゃない何かが出る!
俺は急いでパンツを下ろした。
勃起しても余ってる皮の先を、巾着みたいにキュっと指でつまんだ。
結果的にそのつまんだ刺激が最後の引き金になった。
あああ…来る…来る!
どく!でろりあーん!(88mi/h)
もやぁんと時空が歪むような浮遊感、脱力感、何だこの感じ。
それと同時に、皮がぷくう?って水まくらみたいに膨らんだ!
ああああ、やっぱり何か出た!
まだ出てくるか?
押さえ切れるか?
あふれちゃうか?
どうぢようどうしよう!
…幸いあふれることも漏れ出すこともなかった。
俺は皮の先をつまんだまま、ゴミ箱に走った。
今手を離したら、皮の中から出るのは何なんだろう?
恐る恐る、とにかく開放してみた。
すると白く濁ってプトゥルプルしたものが、でゅゆるっどりゅ?ばりもワ?。
おお…変な匂いぷーん…
でも正体は思ったほど気味の悪いものじゃなかった。
あっそうか、多分これが精子って奴だ!と、そこでようやく思い当たった。
びっくりしたけど、気持ちかったなあ!
りっちゃんのまんこにちんちんを押し付けた時の、夢見心地な感覚を思い出した。
あの何とも言えない気分と、射精の余韻は、何となく似てる気がした。
俺はこの日からオナニストになった。
オナニーっていう言葉も意味も、しごき方も、まだ知らない。
それでも毎日毎日どりゅ?ばりもワ?。
もんでさすって巾着封鎖、そしてゴミ箱かトイレにこぼす、という方法だった。
そう言えば小説の主人公が、あのあと裸でどうやって帰ったかは、全く覚えてない。
つづく
次の体験談を読む