「今日だっけ陽人?妹がこっちに引っ越してくるの」
一緒に昼食をとっていた橋本雅月が陽人に話しかけてくる。雅月は高校からの友達で、陽人の親友でもある。
陽人「そうなんだよ。あの狭い家に3人も住むんだよ」
白石陽人は姉の麻衣と一緒に住んでいた。
?「おまえの妹も乃木坂大学なのか?」
?「白石くんって妹もいたんだ」
一緒に昼食をとっていた伊藤大樹と生田絵梨花が二人の会話に入ってくる。二人は大学に入学してからできた友達だ。陽人は大学に入ってから、雅月、大樹、絵梨花の3人と一緒にいることが多い。
陽人「おまえの妹も?大樹の妹もこの大学にくるの?」
大樹「そうなんだよ。だからおれも今日から一人暮らしじゃなくなるんだよね」
絵梨花「伊藤くんも妹いるんだ。二人ともなんか意外笑」
陽人「どういう意味だよ」
絵梨花「なんかお兄ちゃんっぽくないから笑」
陽人「なんだよそれ」
その後も4人は談笑を続けた。昼休みが終わり次の時間講義がある大樹と絵梨花はそれぞれの講義の教室にむかった。陽人と大樹の2人は所属しているゼミの先生で二人の担任でもある深川先生の所に課題を出しに向かった。
陽人「失礼します」
深川「いらっしゃい、白石くんと橋本くん」
2人が入ると深川先生の他にもう一人女の人がいた。
陽人「深川先生、レポート出しにきました」
深川「2人ともいつもギリギリね。まぁ遅れたことはないからいんだけどね」
?「そんなんじゃあかんで笑。明日から先輩になるんやからもっとしっかりせんと」
2人に関西弁で話しかけてきたのは一つ学年が上のゼミの先輩の西野七瀬だ。
陽人「べつに間に合ってるんだからいいじゃないですか」
七瀬「その考えがあかんねん」
深川「2人ともケンカしない。たしかになぁちゃんはレポートの提出はやいもんね。2人とも少しは見習ったら?笑」
陽人「まぁ努力してみます」
大樹「おれも努力はしてみます」
深川「この調子だと次もギリギリそうね」
七瀬「そうですね」
2人はため息をついた。
陽人「そろそろ行きますね。これから用事があるんで」
七瀬「デート?」
陽人「違いますよ」
深川「なに?なに?恋バナ?」
深川先生が話にくいついてくる。
陽人「だから違いますよ。妹の引っ越しの手伝いですよ」
七瀬「なぁーんだ」
深川「妹さんがいたんだ」
陽人「はい。あいつもこの大学に通うんで一緒に住むんですよ」
七瀬「そーなんや、白石くんのお姉さんの麻衣さん可愛いから妹も可愛いんじゃないん?」
陽人「さぁ?」
深川「それにしてもまいやんと白石くん、それに妹さんまで。姉弟そろってこの大学なのね」
深川先生は陽人の姉である白石麻衣の担任でもあった。麻衣はモデルをやりながらこの大学の大学院に通っている。
陽人「そろそろ帰らないと。姉ちゃんに怒られるんで」
深川「橋本くんはこれからなにか用事ある?」
雅月「べつに特にはないです」
深川「じゃあ机の資料片づけるの手伝ってね?」
雅月「え?」
陽人「雅月がんばれよ」
雅月「おい待てよ陽人、お前も手伝えよ」
陽人「失礼しました笑」
陽人は雅月をおいて部屋を出て行った。するとLINEにメッセージが届く。姉の麻衣からだ。
『はやく帰ってこい』
陽人は急いで家に帰るのであった。
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