5年ほど前にやったTVエキストラの話を。
某DTのHちゃんとS福亭S瓶がやってた深夜番組。
その日は、ふたりが都内のパンチラスポットを巡るという企画でした。
例えば駅のホームを見上げることができる場所とか、そんなのです。
俺(♂:当時22歳)が呼び出されたのは渋谷のとある喫茶店。
そのときまでロケの内容は「パンチラスポットの企画」としか聞かされていませんでした。
パンチラスポットの企画でなんで俺が? という状態。
事務所が行けと言ったら問答無用で行くのがうちの流儀(?)でした。
で、行ってみるとディレクターと名乗る男性が待っていて
「もうすぐ女優さんもいらっしゃいますので」と言う。
そりゃ女の子も来るよなぁ、とか思いながら「あ、え、はぁ」と曖昧な答え。
そんな様子を察してか「ロケの内容、聞いてるよね?」とディレクター。
「いえ、聞いてないんですよ……」と素直に答えました。
困ったな、ってな顔でディレクターさんが説明をしようとしたとき、女優さんが登場しました。
これがかわいい。18才くらいで、もうびっくりするほどかわいい。
少なくとも渋谷の駅から喫茶店に入るまでに見かけた女の子の中では一番かわいかった。
もしかしたらこんなかわいい子のパンチラが拝めるのかー! とすでにウハウハでした。
彼女が席について「じゃ、今日の段取り確認するね」とディレクターさんが説明を始めました。
聞けば彼女はデビュー直前のAV女優で、撮影内容もパンチラどころの話じゃありませんでした。
円山町にある何とかってラブホテルのルーフバルコニーに露天風呂(オープンバス?)があって
そこのお風呂が隣のビルの非常階段から見下ろせるとのこと。
HちゃんとS福亭がその非常階段に陣取って、一般客(実際には仕込みの俺ら)のエッチを覗こうという企画だったのです。
「○○ちゃん(女の子)、大丈夫だよね」と目の前のコーヒーを飲み干すディレクター。
彼女は「あ……」と言って俺の顔をちょっと見たあと「……はい」と気丈に答えました。
彼女は企画意図を把握して来ていたみたいです。当然ですが。
どんな顔していいのかわからないのは俺。そして気持ちの整理が付かないまま件のホテルへ移動しました。
そもそも覗き、つまり盗み撮りという設定なので部屋にはカメラも照明さんもいません。
ディレクターさんと女の子と3人でしばし待ち時間。緊張するし喋ることが何もない。
風呂にお湯をためながら、HちゃんとS福亭が到着次第始めましょうということになります。
女の子も今までグラビアしかやったことがなくて、こういう撮影は初めてとのこと。
俺もたいして経験があるわけではないので(TVも女性も)、必死に落ち着いてるフリをしてました。
ちなみに俺には当時彼女がいたのですが、付き合って3ヶ月でまだやらせてくれない、というアレな状況でした。
しかも女といっしょに風呂に入ったことなど一度もありません。どうすればいいのか……
彼女が化粧室に入ったので、ずっと気になっていたことをディレクターさんに聞いてみました。
「あの、どこまで……っていうか……」
「あー本番以外なにやってもいいよ」
え?
「俺がこやって腕回したら、もっと激しく、って合図だから見とけよ」
「とにかく、恋人同士って設定だから。わかるよな」と。
最後に「絶対入れるなよ」と念を押されました。
似たような企画で実際入れちゃってロケ潰しちゃった人がいたそうです。
やがて女の子が戻ってきてフリスクを齧る。俺にも3粒くれる。
ここで完全に吹っ切れました。というか、ちょっと好きになっちゃいました。
だってフリスクだもの。
やがて本番。がんばる俺。ケナゲな女優さん。
今考えれば普通にイメクラの恋人コースなのですが、あれは確かに恋でした。
カメラ位置は把握してたし、映りやすいポジションも指示されてましたが一切気にせず。
プロ意識ゼロです。一応チラチラとディレクターさんの方は見ていたのですが、
腕が回されることはありませんでした。
20分ほどで撮影は終了。
身支度をしてホテルを出ます。
私がホンワカしているうちに、彼女は渋谷の人ごみの中に消えてゆきました。
ギャラは半日拘束で3000円、交通費なし。
後日の放送時間は4秒ほどでした。
しかも全画面モザイクで肌色が動いてるのが辛うじてわかる程度。
「オッサンのち●ぽしか見えへんやん」というHちゃんの声が今でも耳に残っています。
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