06月30

女性の貝の汁を塗られ立派なオトコに生まれ変わる絵

     
カミムスビ(神産巣日命)は、キサガイヒメ(蚶貝比売)とウムギヒメ(蛤貝比売)の二柱の女神を殺されたオオナムチのもとへと遣わす。
     
キサガイヒメ(蚶貝比売)の「キサガイ」とは「赤貝~あかがい」の古名であって、つまりキサガヒメは【赤貝の女神】、そしてウムギヒメ(蛤貝比売)は【蛤(はまぐり)の女神】である。
     
『古事記』には、二柱の女神の蘇生治療が次のように記されている。
「キサガイヒメは赤貝の貝殻を削って粉を集め、そしてウムギヒメはこれを待ち受けて、蛤の汁で溶いた母の乳汁を塗ったところ、オオナムチは立派なオトコとなって元気に歩かれた」
     
「貝」は「女性性エネルギー」を比喩的に表現しており、今日においても「女性自身」を表す隠語として用いられるように、このエピソードには女性性・シャクティ的な要素が強く含まれている。
     
《未熟な男子が、貝の汁で溶いた母乳を身体に塗られることによって蘇生し、そして立派なオトコへと産まれ変わる》というくだりは、何ともエロティックであり、読んでいてとても興味深い。
     
     
     
     
     
 画像  青木繁『大穴牟知命』(オオナムチノミコト)
     
     

     

      
(え?女神たちの手は?男神のあそこに?)
      

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