アルピスの山小屋に、夜が来た。
二階の干し草のベッドで、ホイジとタララは抱き合うように布にくるまって眠っていた。
タララが大きな都市から、このアルピスの山を訪れて、ホイジと過ごす日々は 驚きの連続だった。
足が不自由なタララは、ホイジと 山羊飼いのペイタの助けをかりて、自然の雄大な風景と、さまざまな動物たちとに触れあい、そして美味しい食事によって 身体の何かが変わっていくのを感じていた。
毎夜、ホイジと楽しい夢を見ていたタララは、ここ数日よく眠れず夜を過ごしていた。
ホイジの寝顔を見つめながら、タララはそっと指を下半身に伸ばす。
タララは この数日で下半身を指でさぐる『自慰』という戯れを覚えてしまった。
(ああっ、………でも、あの時の気持ち良さにくらべたら まだまだだわ……)
────
数日前のことだった。
タララはホイジといっしょに、ペイタのいる山の上に遊びに行った。
山の上には、三人以外鳥や山羊しか姿はない。
三人は自然の光をいっぱい浴びるために服を脱ぎ、アルピスの真っ青な空をさえぎる物が何もない山の上で、みんなで歌ったり おべんとうを食べたりしていた。
突然、タララは困った事になってしまった。
タララはホイジを手招きした。
「タララ、どうしたの?」
「ホイジ……その……ウンチがしたくなったの。」
「え、それは大変。ペイタ、ペイタ~!」
タララは顔が赤くなった。いつもウンチの世話はホイジがしてくれるので、ここでもホイジが何とかしてくれると思っていたのだが、ホイジはペイタを呼んでしまったのだ。
(男の子に、ウンチの事なんか知られたくないのに……)
それは都市に住むタララの羞恥だった。
「そっか。」ペイタはタララを抱き上げた。二人の汗ばんだ肌がピッタリと密着した。
ペイタはタララを、草むらに転がる小さな岩の所に連れて来た。そしてペイタは岩をまたいで腰をおろすと、
「ほら、タララ。もうウンチしてもいいよ。」
と言って、タララの白いお尻の谷間に軽く指をすべらせた。
(ひゃあぁぁぁぁぁ…………っ)
ブッ、ブッ、ブリブリブリブリッ…………ブゥ───ッ
タララのお尻の谷間を広げて、茶色い固まりが現れた。それは長く伸びて小さな花を咲かせる草原に落ち、うず高く盛り上がった。
「タララ、ごめんね。」ホイジが言った。「かわいそうに。こんなにウンチをガマンしてたんだね。」
タララは恥ずかしさで、逆にペイタの胸に顔をうずめてしまって動けなかった。
カラン カラカラカラン カラン………
鈴の音が近づいてきた。
「あ、『ベロ』よ。『ベロ』が来たわ。」
ホイジが言った。それは山羊が首に下げた鈴の音だった。近づいてきた鈴の音が、
メェェェェェェェ……ッ
と鳴き声に変わったその時、
「キャアッ!」
タララのお尻に異様な温もりが走った。タララは悲鳴をあげながら、抱きついていたペイタの背に爪をたてた。
「大丈夫よ、タララ。」ホイジが言った。「『ベロ』がタララのお尻に残ってる、ウンチを舐めとってくれてるのよ。」
(ウ、ウンチを舐めるだなんて、ウンチの出たお尻を舐めるなんて、そんなの……そんなの信じられない……)
しかし、タララが信じられないのはその行為だけではなかった。
(いけない。こんな……こんな事で気持ち良くなるなんて、これは、これはきっと罪になる淫らな快楽ッてものだわ。貴族の家系であるデーデマン家の私が、こんな快楽に囚われては、ダメなのに……ダメなのに……)
────
あの時の『ベロ』の舌の感触を再現しようと、タララはベッドにもぐるたびに陰部からお尻の穴にかけての股間を指でいじるようになった。
しかし、指が招く快感はあの時の快楽に およばなかった。
(近いところまでは 行くのになぁ~)
タララがため息をついて、ふと目の前を見ると、ホイジが目を見開いてタララを見つめていた。
「タララ、いま ワレメをいじってたでしょう?」
ホイジはいつもの無邪気な口調でタララに問いかけた。タララが恥ずかしくて言葉が出せずにいると、ホイジはタララにピッタリ身体をくっつけて、
(ああッ!)
タララの下着の中に手を差しいれてきた。
ホイジの指は、あの時の山羊の舌の動きのように、ねっとりとタララのお尻の穴のまわりを這いまわった。
「ホイジ……」タララは声をあげた。「気持ちいい……気持ちいいわ………」
「そう?気持ちいい?」ホイジの片手は、タララのふくらみはじめた胸の乳首を軽く撫ではじめた。「タララったら、下着の上から指でなでてるんだもん。」
タララの股間でうごめくホイジの指は、タララの乙女の入口を軽くつつきはじめた。
「は、は、はぁっ!」
タララは下半身に熱を感じた。
「タララ、タララ!」
ホイジがタララの手をとった。
「タララ。ちょっと……」ホイジはその手をタララの太ももに当てると、またタララの下着の中に手を差しこんだ。
「あっ…… あっ…… あ!」
タララが可憐なあえぎ声を漏らす。ホイジは、
「タララ、感じるでしょ?」と聞いた。
「うん。ホイジ……感じる……。気持ちいい…… 」
「違うわ、タララ、ほら!」
ホイジはタララの手をグッと太ももに押しつけた。
タララはその手に、いままで得たことのないものを感じた。
「動いてる…… 私の足が動いてる!」
「タララ、すごいわ! タララの足、ちゃんと動くのよ! タララ、きっと歩けるようになるわ!」