中国のレーダー照射「騒ぎすぎ」、「日本の空気の方がたち悪い」 丹羽節連発
2013.2.1918:06[外交]
日中関係について講演する丹羽前駐中国大使 =東京都千代田区(鴨川一也撮影)
丹羽宇一郎前駐中国大使は19日、都内で講演し、中国海軍による自衛艦へのレーダー照射問題について、「首相や防衛相への報告が遅れても許されるような事件だ。メディアも大騒ぎするな」と語った。
沖縄県・尖閣諸島に関して日本は「領土問題は存在しない」との立場だが、丹羽氏は今春に韓国で開催予定の日中韓首脳会談を機に「係争を認め、中国と話し合いの場を作ることを考えるべきだ」と述べた。
昨年の日本の尖閣国有化については「せめて日中国交正常化40周年が終わる12月末まで(待てなかったのか)。場合によっては5年であろうと4年であろうと急ぐこともない。大変疑問に思った」と当時の民主党政権を批判した。
さらに、「(日中友好に歴代首相が)大なり小なり努力されたのを一人の首相が壊していいのか」、「日米中の三角形の関係で、二辺(日米)だけを強力にするのは長い目で見て正しいのか」とも発言し、日米同盟強化を掲げる安倍晋三首相を牽制(けんせい)した。
一方、言論統制の厳しい中国をよそに「日本に帰国してびっくりしたのは皆さんが勇気ある発言をされない。思っていることを仰らない空気を感じた」と指摘。「中国は自然の空気は悪い。日本はもっとたちの悪い空気だ。どっちが本当に国民が幸せなのか」と語った。
丹羽前大使「尖閣、係争と認めよ」 国有化を疑問視
2012.12.2108:08[尖閣諸島問題]
丹羽宇一郎前駐中国大使
丹羽宇一郎前駐中国大使は20日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、沖縄県・尖閣諸島をめぐる中国との関係について「外交上の係争はある。『ない』と言うのは理解不能だ」と述べ、「領有権問題はない」とする日本政府の立場の変更を求めた。
丹羽氏は「今さら領土問題があるとは言えないが、向こうが黒と言い、こちらが白と言えば争いだ。争いを越えて両国の国益のために何をしたらいいのか考えるのが外交だ」として、両国政府が協議するよう求めた。
その理由として「尖閣は臨界点を超えさせてはいけない。臨界点は軍隊が出ることだ」と強調。一方で、「話し合いで領土、主権問題は解決しない。日本は一寸たりとも譲歩すべきではない」とも述べた。日本が係争の存在を認めれば中国の挑発がやむのかとの問いには「それ以外、道はない」と述べるにとどめた。
丹羽宇一郎(にわういちろう、1939年(昭和14年)1月29日-)は、日本の元実業家、元外交官である。
伊藤忠商事会長・社長、日本郵政株式会社取締役、認定特定非営利活動法人国際連合世界食糧計画WFP協会会長などを歴任の後、2010年(平成22年)6月から2012年(平成24年)12月まで中華人民共和国駐箚特命全権大使を務めた。
学生時代[編集]
名古屋大学在学中には自治会会長を務め、学生運動家として60年安保闘争では先頭に立った。1962年(昭和37年)3月、同学法学部を卒業。
伊藤忠役員時代の発言等[編集]
作家の深田祐介は、かつて丹羽が伊藤忠商事の役員時代に面談した際、「将来は大中華圏の時代が到来します」と言い切り、「すると日本の立場はどうなりますか」と反問する深田に対し「日本は中国の属国として生きていけばいいのです」と続け、「日本は中国の属国にならなくちゃならないんですか」と深田が聞き返すと、「それが日本が幸福かつ安全に生きる道です」と繰り返したという[2]。
「日本はオチンチン丸出しの笑いもの」[編集]
中国大使時代の発言
2012年10月20日、丹羽は一時帰国した日本において母校の名古屋大学で講演し、尖閣諸島を巡る日中関係の現状について、「40年間の努力が、水の泡となる」と述べ、危機感を示した[20]。それに続き2012年11月、在北京日本人記者クラブが主催して開かれた送別会で、「日中関係の局面は、ここ最近で大きく変わった。これ以上中国と関係が悪くなったら、40年前の国交正常化前に戻ってしまう。」「いまどき『領土問題がない』なんて言ったら、世界中の笑いものだよ。」「外国から見れば、日本がオチンチン丸出しで騒いでいるようなものなんだよ。」などと発言していたと報じられた[21]。
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