高校3年の時期に、僕の幼馴染は最悪最低の男に堕とされてしまった。
僕をゴミの様に扱う最悪最低な男に騙されて・・・・・。
今思うと、僕が第一志望の高校に落ちていなければ、人生の歯車が狂うことはなかったのかもしれない。
いや、なかったのだろう。
すべてはあの高校に入学したことが間違いだった。
僕は生まれてこの方、勉強だけで生きてきた様な男だった。
運動能力もなく、決して容姿が良いわけでもないため、
勉強だけは人より頑張ってきたつもりだった。
ガリ勉とバカにされても勉強だけは将来のために頑張ってきた。
そして本来なら県下で一番偏差値の高い高校へ入り、エリートになるべき男だった。
しかし、結果論、僕はあろうことか第一志望の高校へ落ちてしまいあの忌々しい高校へかようこととなった。
と言うのも、僕の住んでいる県は高校の数が少なく、公立は第一志望を落ちてしまうと、定員割れしている他の偏差値のあまり高くない公立に入るか、他の私立に入るかしか選択肢はなかった。
そして第一志望に落ちた僕が高校に通うにはどうしても金銭的に公立に行くしかなく、あの高校へ行くこととなった。
実は定員割れしている高校も3校ほどあり、僕が通うこととなった学校より偏差値が少しばかり高い場所もあるにはあった。しかし僕は迷わず今通ってる高校を選んだ
ではなぜ僕がその高校を選んだのか。
これは、僕の家の隣に住んでいる幼馴染、彩の存在が大きかった。
彩は元気で明るくて、本当に素直な女の子で、顔もめちゃめちゃ可愛く、全盛期の浅尾美和を少し色白にしたような子で、中学でも人気の健康的な女の子だった。
家が隣なこともあって、僕はそんな彩と物心つくころから、ずっと仲良しであり
実際、そんな人気者の彼女と仲良くできていることに自慢も感じていた。
そして、そんな彩が、志望校に落ちて、落ち込んでいる僕に
一緒に行こうよと声をかけてくれたのがその高校だった。
僕は、薄々きついていたと思うが彩のことがとてつもなく好きだった。
勉強を頑張ってきたのも事実、彩に少しでも良いところを見せたかったからだった。
もはや僕に断る理由はなく、迷わず僕は彩と同じあの学校に通うことにした。
しかしそれが大きな間違いだった。
入学後、僕はすぐに、クラスカースト最下層に位置することとなる。
と言うのも、僕の入ることになったその高校は今まで僕が関わって来なかった様な人種が大半を占めており、かっこよさ、面白さ、喧嘩の強さで全てが決まる様な学校だった。
要するに、中学で僕が敬遠していた僕とは真反対の人種が大半で、僕には全く空気感が合わなかった。
偏差値が低いだけでここまで環境が低くなるとは正直、思わなかった。
彩とも同じクラスになれなかったし
学校の大半が卒業後、就職するような学校だったので、勉強にもそこまで力が入っておらず、
僕はすこぶる後悔することとなった。
クラスに友達がいないわけではなかったが、
僕の友達はやっぱり性格は良いがクラス内では権力のないひ弱な奴らばかりで、僕らはクラスで生き残るために
時が経つにつれ、上位層のイケイケメンバーの従順なパシリと化していった。
面倒事は僕らがやらされ、おいしいところは全てそいつらに持っていかれる
本当に悲惨な毎日だった。
その中でも本当にひどかったのは、クラスのリーダー的ポジションにいた栄司だった。
栄司は本当に最低な奴で、僕らのことをまるで奴隷よように扱い、逆らえば暴力。
しかし、教師やかわいい女の子の前では猫をかぶる様な奴であり
なまじっか顔も整っておりイケメンの為女の子にも人気があり、いわゆるヤリチンと呼ばれる野郎で学校のトイレで平気でいろんな女とSEXするような最低の奴だった。
そして仲間には優しいためクラス内では人望があるが、僕らの様な者にはすこぶる残酷な、最悪な人間であった。
僕は最悪なことに、そんな栄司と2年間も同じクラスになり、日々、奴隷の様に、散々な学生生活を送っていた。
幸い2年次も彩とはクラスが離れたため、彩に僕の惨めな姿を見られることはなかった。
始めは、彩と同じクラスになれないことに悲しさを感じていたが、今となっては離れていて正解であった。
そして三年になり転機がおとずれた。
僕はあの栄司とクラスが離れたのだ。
僕は本当に喜んだ。彩とはまた別のクラスになってしまったけれど、それよりも栄司から解放される喜びの方が大きかった。
実際、僕のクラス内での生活環境も大きく変わり、カースト最下層に属することには変わらないが要約、人間らしい生活ができるようになった。
環境も変わり3年になったこともあり、もう一度大学へ入って頑張ろうという気持ちが持てるようにもなった。
何よりも良い大学へ入り、彩に良い所を見せたかった。
クラスが違うといっても家が隣のため、彩とは毎日の様に顔を合せており、
栄司に奴隷のように扱われていた僕にも屈託のない笑顔を見せてくれる彩に、日に日に好きという気持ちが僕のなかでは大きくなっていった。
彩の笑顔がなによりの僕の心のよりどころだった。
とにかく僕はそんな彩のために頑張ろうと思っていた。
そのころから本格的に彩とお付き合いしたいという気持ちが大きくなっていた。
しかし、実際は栄司と離れることになったことが僕の悪夢の始まりであった。
僕が掃除当番に当たり、放課後廊下掃除をしていたある日、ふと賑やかな教室の前で自然と足が止まった。
そこで彩の笑い声が聞こえたからだ。
そして実際に顔をあげると事実、そこには彩がおり、彩はそこで男女数人と楽しいそうに会話をして笑っていた。
彩も楽しそうでありそこまではよかったのだが僕は彩と楽しくしゃべっている男女の中にいるある奴を見た瞬間、身体中に無数の鳥肌がたった。
そこにはなんと栄司がいた。
彩が楽しそうに栄司と教室でしゃべっていた。
僕が散々痛い目を見せられたあの栄司と。
僕はその光景をみただけで吐き気がした。
僕は掃除当番中の一週間、毎日その光景をみるはめになった。
楽しそうに栄司と話している彩を見るたびに尋常じゃなく心が痛くなった。
後あと調べた結果、やはり彩と栄司が同じクラスであったことも分かった。
僕は彩にもしものことがあったらどうしよう、栄司にもし狙われたらととてつもない不安に襲われた。
しかし、僕にどうこうする行動力はなく、なにげなく月日がたったある日、僕は衝撃的な光景を見ることとなる。それは学校からの帰り道での出来事だった。
僕はその日は体調を崩し保健室で長い時間眠っていたため、通常より帰るのが遅くなってしまった。
下校時間はとうに過ぎ、あたりも暗く、校内にはほとんど人がいない状態であった。
僕は学校が閉まる時間も近かったため急いで学校を出て自転車をとばしたのだが、ほとんどすでに人のいない帰り道に、あるカップルを発見した。
外は暗く、遠かったため顔などは認識できなかったのだが、2人が何度も顔を近つけ、キスしている様だったためカップルだとすぐに認識することができた。
僕はこんな外でキスするなんて、どんな奴だろう。もしかして内の生徒かもと思い、ヤジウマ根性丸出しで、そのカップルの顔をみてやろうと自転車でそのカップルの方へ向ってしまった。
これがいけなかった。
始めはウキウキだった。
しかし、自転車でカップルに近つくにつれ僕の心臓の鼓動は早まった。
なぜなら、近つくにつれ、そのカップルが内の制服を着た見たことのある様な奴らであることがわかったからだ。
僕が自転車で近ついていく間にも2人の男女は何度もキスをくり返している。
そして、ペダルをこぐごとに、僕の脳は認識していく。
このカップルは完全に僕の知っている奴らだと。
そして僕はそのカップルを通り越した。
僕の頭は完全に真っ白だった。何も考えられなかった。
そこで、キスをしていたカップルは間違いなく栄司と彩だった。
何度も僕の目の前で唇を重ねあっていたのはあの栄司と彩だった。
僕のヒロインである彩が栄司に唇を奪われていた。
そして、その後まもなく、
僕が、栄司と彩が同じクラスだと気ついたときには
すでに2人は付き合っていたことに気付くこととなる。
そして最悪な夏が訪れる。
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