06月25

安倍総裁の3500円カツカレーを食べてみた

安倍新総裁が食べたという「3500円のカツカレー」を食べてみた!!上品すぎてカレーを逸脱しているレベル

自民党の総裁選挙が行われ、過去の総理大臣を務めた安倍晋三氏が新総裁に就任することとなった。総裁に就任が決定した2012年9月26日、安倍氏は3500円もする高級カツカレーを食べたことが判明し、ネットユーザーの間で注目を集めた。

庶民の感覚からすれば、カツカレーに3500円も出すのはためらわれるのだが、一体どんな味がするのだろうか? それはさぞかしウマいに違いないッ。 ということで実際に食べてみたぞッ!!
 
安倍氏がカレーを食べた店というのは、どうやら東京・赤坂ホテルニューオータニのレストラン「SATSUKI」だったようだ。インターネットユーザーの間では、安倍氏就任当日、すでにこのお店だと特定されており、その情報をもとに記者(私)も足を運んだのである。
 
・みんなカツカレー目当てで来店
記者は今までの人生で、カツカレーを食べるためだけにホテルを訪ねたことは一度もない。やや緊張気味で、入店したのである。スタッフに促されて席に着くと、周りは誰も超金持ちのように見える。実際にどうかはわからないが、記者のようにカツカレーを目当てに、ここにいる人はいないはずである。

ところが、漏れ聞こえてくる会話からは、「安倍総裁……」や「カツカレー……」などの言葉が混じってる。なんだ、みんな安倍氏の食べたカツカレーが気になるんじゃないかッ! カレー食いにここまで来たんだろッ! と心のなかで突っ込みを入れた次第だ。
 
・サービス料込みで3520円
さて問題のカレーなのだが、メニューを見るとカツカレー(ポークカツカレー)は二種類あり、ひとつがロースカツ(2900円)そしてもうひとつがフィレカツ(3200円)だった。3500円という値段から推定すると、安倍氏はフィレカツカレー(サービス料10パーセント込みで3520円)をオーダーしたようである。そのほかのメニューもカツカレーに負けないほど高いッ! さすがホテルニューオータニだ。庶民感覚では食えないようなものばかり。
 
・見た目は意外と普通のカレー
オーダーして、待つこと約15分。待ちに待ったカレーがきた。「さぞかし、スゴイのが来るのだろうな?」と想像していたのだが見た目は意外と普通。ご飯のうえにどっかりとフィレカツが乗り、その横には千切りキャベツ。そしてルーはカレーポットで別添えだった。伝統的な日本の欧風カレーと言ったところか。

まずカツなのだが、フィレ肉を使っているだけあって、肉は大変柔らかい。軽く歯を入れるだけで簡単に噛み切れる。サックリとした衣は、多少時間が経ってもサクサク感を維持していた。そしてルーは、大変マイルドで口当たりがとても優しい。まるでポタージュスープのようになめらかだった。
 
・上品すぎて、庶民からすればカレーではなくなっている
全体的な感想としては、驚くほど完成度の高い料理だ。フランチャイズのカレー専門店や、喫茶店では到底味わうことのできないレベルのカツカレーであることに違いない。ルーには深いコクとまろやかさがあり、旨味が体へ染みわたる。

しかしながら、一庶民の記者からすれば、カレーの域を出している感が否めない。記者の知っているカレーは、もっと味の輪郭がはっきりしていて、無骨な旨味が感じられるものだ。それはたとえば、給食のときに食べたカレーのような「甘さ」と「ウマさ」が混然一体となって、口のなかにぶつかってくる。それがカレーだ。3520円のカレーは、そのガッツというか迫力がなく、洗練されすぎているように思われる。

とはいえ、確実においしい。残念ながら、記者の知るカレーと高級カレーは、驚くほど距離があったようである。3520円という金額は伊達ではなかった。庶民派のカレーを好む方には、少々物足りなく感じるかもしれないが、一度試されてみてはいかがだろうか。

余談だがスタッフに尋ねたところ、この日はカツカレーの注文が殺到したそうだ。さらに、電話での問い合わせが相次いだとのこと。やはり誰もがカツカレーを食べたいようである。

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