俺が酔いつぶれて寝ていると思った景子と浩介。二人は、俺に内緒で口でした。これまでとは違う、俺の見ていないところでの行為に、俺は激しく動揺した。でも、それ以上に興奮してしまったようで、パジャマの中で手も触れずに射精してしまった……。
「今日は、浩介としないの?」
何も知らない振りをして、景子にそう言う俺。
『しないよ。でも、して欲しいの?』
景子は、妖艶な笑みを浮かべて言う。一気に空気が変わった感じがする。
俺は、黙ってうなずく。
『じゃあ、行ってくるね。ちゃんと動画撮っとくね♡』
そう言って、景子は寝室を出て行った……。
俺は、どうしようか迷った。このまま、本当にここにいていいのか……。
景子は、浩介とセックスをするとき、集中できないから見ないでくれと言った。でも、本当に二人きりにしていいんだろうか? 景子は、俺を試しているような気もする。
そんな風に悩んでいると、和室の方からかすかに声が聞こえてきた。声と言うよりも、甲高い泣き声のような……。
結局俺は、寝室を出た。でも、二人の面前に行くためではなく、気配を殺して様子をうかがうためにだ。
気配を殺して廊下を歩き、和室の前に行く。薄い襖を通してなので、声も丸聞こえだ。
『ダメぇ、声出ちゃう! もっとゆっくりぃ……あ、アッ!』
「それなら、見てもらえば良いじゃん。こんなので撮らなくてもさ」
『ダメなの、んっ! あぁフゥ……恥ずかしいから……アッ!』
「イキまくるのが恥ずかしいの?」
『バカ……あっくん以外でイクわけないじゃん!』
「またまたw あいつの前でイキまくってたじゃんw」
『ふふw 浩介も、意外にウブなんだねw 女の演技も見抜けないようじゃ、いつか痛い目あうよw』
「はいはいw じゃあ、これどうしたの? 乳首だけじゃなくて、乳輪まで勃起してるじゃんw」
『なっ! そんなわけないじゃん!』
「動くぞ」
『ヒッ! あ、アッ! ダメぇ、ゆっくり、声出ちゃう! ンンあっ!』
俺は、襖の前で震えるほど興奮していた。乳輪が勃起するほどの快感? そんなのは聞いたことがない。襖の向こうでは、景子が声を殺しながら、浩介と繋がっているはずだ。
「気持ち良いから声が出るんでしょ?」
浩介が、いじわるっぽく言う。
『違う……浩介のが、大きすぎるから、うぅ、だよ……あぁっ! ダメ……声、聞かれちゃう……』
もう、今さらとも思うが、それでも、声を必死で抑えようとする景子が嬉しかった。
「ほら、声出なくしてあげる」
『んんっ! んーっ! ンフゥ♡ んっ!』
パンパンとリズミカルに響く肉を打つ音に、くぐもった景子のうめき声。キスしながらしているのだと思う。
さっきから俺は、激しく興奮しているが、二人がちゃんと避妊をしているかの方が気になっていた。
もしかして、また生で繋がっているのではないか? そんな不安にさいなまれる。
「景子、イキそうでしょ? すっげぇ締まってきたw」
『違うぅ、浩介のが、あぁっ! ン、太い、からぁ……苦しいだけぇ、んふぅっ! 苦しいから、声出ちゃうだけだよぉ……ンふぅっ!』
景子が、途切れ途切れになりながら言う。
「苦しいんだ。じゃあ、止めるね」
浩介がそう言うと、パンパンというリズミカルな音が消えた。
『うぅ……ゆっくりなら平気だよ……』
「いや、いいよ、悪いしw」
『悪くないから……ゆっくり、ね?』
景子は可愛げのないことを言っているクセに、本当はしてもらいたいというのが見え見えだ。
「はいはいw」
『んっ! ンアッ! ンふぅぁっ! アッ! そう、ゆっくりぃ……アッ!』
景子は、控えめなあえぎ声をあげ続けている。
「ほら、それ貸してごらん。集中出来ないでしょw」
『う、うん……あ、あっ!』
「ほら、エロい顔になってるw」
『ダメぇっ! 顔は、撮らないでぇッ! んンッ! ダ、メぇ……』
「アレ? なんか、スゲぇ締まってきたw ほら、こっち見てごらん。エロい顔アイツに見せてやらないとw」
『イヤァ……ダメ、止めて、アッ! 撮っちゃ、あぁ、ダメっ!』
「ほら、イクとこ見せてやらないとw」
『そんなの、あぁっ! くぅ、ふぅアッ! ダメぇ、ホントに、あぁっ! ひっグゥッ!』
「ほら、イッちゃうって言いな! ゴメンなさいって!」
『あぁっ! あっくん、ごめんなさぁいぃっ! イ、イッちゃうッ! イクっ! んンふぅっ!!』
「スゲぇ、その顔エロ過ぎるよ」
『ダメぇ……撮っちゃ……』
「はいはいw ほら、消したよ。じゃあ、俺もイカせてもらうかな?」
浩介がそう言うと、またパンパンと強く肉を打つ音が聞こえてくる。
『ダメェェ……もう、アッ! アッ! アッ♡ 気持ちいいっ! 浩介ぇ、ダメぇ……こんな、ダメ、ダメになるよぉ……』
「何が? 何がダメになるの?」
『狂っちゃうぅっ! 浩介のに、あぁっ!イクぅぅ……』
「景子、イクっ! 好きだっ! イクっ!」
『うぅあぁっ! ヒィ、あぁ……好きぃ……』
そして、しばらく音がなくなる。でも、凄く集中すると、かすかに水っぽい音が響いてくる。多分、キスをしているのだと思う。
景子は、どういうつもりで浩介とセックスをしたのだろう? ちょっとしたイタズラみたいな感じで始まった、浩介とのエッチな行為。エスカレートして最後まで行ってしまったが、今の景子の気持ちはなんだろう?
浩介を挑発しすぎて、引くに引けなくなっているのか、それとも俺を嫉妬させるため? 俺の性癖を見抜いて、喜ばせるため?
もしかしたら、自分自身の楽しみのため?
そんなことを考えていたら、また声が聞こえてきた。
「また外れるとヤバいから、抜くね」
『うん……そうだね……』
「抜くよ」
『ン、あぁ』
「良かった、外れてなかったよ」
『ふふw』
この会話を聞いて、ちゃんとコンドームを着けていた事がわかり、凄くホッとした。
でも、アクシデントとはいえ、俺より先に景子と生でセックスをして、結果的に中出しをしてしまった浩介に、俺は激しく嫉妬しているし、敗北感すら持ってしまっている。
そして、それを考えていると、俺ははち切れそうなほど勃起している。
さっき、景子とセックスをするとき、急に立たなくなった。まるでEDのように、フニャフニャで固くならないペニスに、ショックを受けた。
でも、襖の向こうで、景子が俺以外の男とキスをしていると思うと、こんなにもいきり立つペニス。
俺は、景子が他の男に寝取られて、興奮してしまう性癖なのだと思う。
『じゃあ、もう行くね』
「え? さっきイッたでしょ? 2回もw」
『ホント、浩介ってイジワルだよね』
「嫌い?」
『ではないけど……でも、さっきのも演技だからね。全然イッてないからw あんなの信じちゃって、浩介って童貞みたいw』
「ド、ドーテーじゃねーし」
浩介が、ギャグっぽく言う。二人とも、楽しそうに笑っている。俺のいないところで、他の男と楽しげに笑う景子。そんな状況を、俺は楽しんでいる……。
『じゃあ、おやすみなさい。どーてーくんw』
「おやすみ、ありがとうな」
そう言って、出てきそうな気配になったので、慌てて寝室に戻った。足音を殺すのが、凄く難しかった……。
寝室に戻ってくると、景子はベッドに潜り込んで、俺に抱きついてきた。
『ねぇ、聞こえてた?』
真っ直ぐに俺を見つめて、景子が言う。
「なにが?」
俺は、とぼけてみた。
『決まってるじゃんw 私が浩介に、イカされちゃった声だよ♡』
景子はそう言うと、俺のパジャマの上から、全力で勃起したペニスをもてあそび始めた。
『あれ? あっくんも調子いいんだねw いつもより固くて大っきいよ♡』
「あぁ、景子……」
俺は、思わずうめく。
『ねぇ、スマホで撮ってみたんだ。見たい?』
景子が、うわずった声で言う。景子も、相当興奮しているようだ。
俺は、言葉も出せずにうなずいた。
景子は、そんな俺のリアクションを見て、笑いながらスマホを取り出す。そして、動画を再生する。
映像は、とにかくブレブレだった。でも、当たり前だが、さっき襖の外で聞いていたやりとりそのままで、臨場感がハンパではなかった。
すると、さっきのやりとりのように、浩介が景子からスマホを取り上げた。
すると、急に映像がはっきりした。全裸で、仰向けで寝ている恭子。しっかりと、浩介のペニスが景子の膣に突き刺さっているのが見える。
そして、さっき見たやりとりが繰り返される。
景子は、見たことがないと思うくらいのトロトロの顔で、浩介に顔を撮らないでと哀願し続ける。
『うわぁ、私、こんな顔してたんだ……ゴメンね、あっくん以外に見せちゃダメな顔だよね?』
小首をかしげて、可愛らしく聞いてくる景子。景子は、完全に目覚めてしまった感がある。
俺を煽り、イジメるというか、言葉責めする喜びに……。
俺は、こらえきれずに景子に覆いかぶさった。
脱ぐのももどかしく、パジャマをずり下げ、景子のパジャマも下だけを脱がせた。
そして、そのままコンドームも着けずに挿入しようとした。俺はここ最近、そろそろ子供を作ろうと言う考えに変わっていた。浩介に孕まされてしまう前に……そんな思いからだ。
すると、景子はスマホの再生を止めて、俺を迎え入れる姿勢になる。軽く開かれた両足、それをかき分けながら、身体を重ねていく。
すぐに、ペニスが熱い肉に包まれた。
『ン、あぁっ! あっくん、愛してるぅ!』
すぐにそんな事を言ってくれる景子。愛おしくて仕方ない。俺は、景子にキスをしながら、腰を振り始めた。でも、さっきみたいに、なぜか俺のペニスは固さを急速に失っていく。
それでも、なんとか勢いで乗り切ろうと腰を振り続けたが、結局抜けてしまった……。
俺は、恥ずかしさで顔が真っ赤になるのを感じた。
「ゴメン……」
俺は謝ることしか出来なかった。
すると、景子が何も言わず、スマホを触り始めた。そして、さっきの動画を再生すると、
『私がイカされるの、見ててね♡』
と言いながら、俺にスマホを手渡した。それは一瞬で効果を発揮し、俺の柔らかくなっていたペニスを、一瞬で150%にした。
『ふふw すっごーい♡ じゃあ、上になるからね。ちゃん動画見ててね♡』
そう言うと、騎乗位で俺に繋がる景子。俺は景子に上になってもらいながら、景子が浩介にイカされている動画を見ていた。それは、俺にとっては理想の形のように思えた。実際、今まで感じたこともないくらいの快感が、俺を包み込んでいた。
『うぅあっ♡ あっくん、気持ち良いよぉ……やっぱり、あっくんがいい……好き、愛してる♡』
そんな嬉しいことを言いながら、ぎこちなく腰を振る景子。それでも俺は、スマホの動画を見続けていた。
そして、動画の景子と、俺の上で腰を振る景子を比較してしまった。今俺の上で腰を振る景子は、余裕がありすぎた。動画の中の景子みたいに、必死になってもいないし、感じすぎてパニックという感じでもない。
俺は、何一つ勝てないのかな? と、暗い気持ちになっていた。
すると、動画の中では、
『好きぃ……』
と、景子が浩介に言っていた。
俺はその言葉を聞いた途端、前触れもほとんどないままに、景子の中に射精していた。
『へへw いっぱい出たね♡ あっくん、愛してる……』
景子が、嬉しそうに笑ってそう言ってくれた。
そして、もうかなり遅い時間ということもあり、二人で抱き合うように眠った。
真夜中に、ふと目が覚めると景子がいなかったような気がした。トイレかと思って、俺はすぐに寝てしまったようだ。
翌朝目が覚めると、俺の腕枕で可愛らしく景子は寝ていた。多分、いないと思ったのは、気のせいとか夢だったんだと思う。
そして、朝は騒がしかった。浩介は、景子の手料理が大好きだ。
「いやぁ、味噌汁も美味いし、この卵焼きとか、スゲぇ美味いよ!」
朝から、バクバク食べる浩介。バイタリティーにあふれている感じだ。
『本当に、作り甲斐があるどーてーくんだよw』
楽しそうにふざける景子。
「だから、どーてーじゃねーわw」
浩介もそんな事を言い、景子と二人で笑いあっていた。
こんな感じで、にぎやかな朝を迎え、楽しい時間が過ぎた。
そんな楽しい朝食も終わり、
「じゃあ、そろそろ行くわ。景子、またね」
と、浩介は帰っていった。
もう、すっかりと呼び捨てで呼ぶのが当たり前になっている感じだ。
『あっくん、怒ってる?』
浩介がいなくなると、急に弱気な感じで、心配そうに聞いてきた。俺を煽り、挑発する景子とのギャップに、ちょっと笑えてきてしまう。でも、それで安心する俺もいる。
「全然怒ってないよ。なんか、物足りないくらいだよw」
さっきまでの焦りとか、嫉妬などなかったように、余裕があるフリをして答えた。
『本当に? 愛してる?』
まだ心配そうに聞いてくる景子。
俺は、そんな景子が可愛いと思いながら、愛してると答えた。
そして景子は、朝っぱらなのに抱いてくれと言い出し、俺は幸せな気持ちで寝室に向かった。
だけど、また同じ事を繰り返してしまった。いざ挿入しようとすると、急に固さを失う俺のペニス……。
「ゴメン……なんか、調子悪いみたい……」
俺は、本当に情けない気持ちで泣きたくなった。
『うぅん……どうしたらいい?』
景子も、心配そうな顔で聞いてくる。
「うん……景子は、アイツとどうしたいの?」
俺は、答えを聞くのが怖いと思いながらも、そう聞いた。
『……正直に言ってもいいの?』
景子は、真剣な口調で言う。
「あ、あぁ、そうして欲しい」
俺は、ドキドキしながらそう言った。何を言うんだろう? 不安で押しつぶされそうだ。でも、景子の言葉に、期待している俺もいる……。
『あと一回だけ、浩介君としてみたい……あっくんが完全にいないところで、二人きりで……撮影もなしで……』
「それは、どうして?」
俺は震える声で、そんな間抜けなことを聞いた。
『あっくんに見られてると思うから、興奮しちゃうんだと思う……あっくんに見られてなければ、きっと感じないはずだから……確かめてみたいの……あっくん以外で、イクはずないって……』
俺のことを真っ直ぐに見つめながら、景子が言う。
「昨日の浩介とのエッチ、やっぱりイッたんだ?」
俺は、わかっていながら、万一の可能性にかけて聞いてみた。
『うん……ゴメンね……』
泣きそうな声で謝る景子。俺は、景子が浩介にイカされた事を再確認して、ひどく落ち込んだ。
認めたくないと思ったが、それは景子も同じなんだと思うと、少しは気が紛れた。
景子は、自分が浩介にイカされた事が、俺に見られているからだったと証明するために、俺の視線がまったくないところで浩介に抱かれることを希望した。
そして俺は、それを承諾した……。
そしてその日が来た。俺は、不安でいっぱいだった。もし、そのシチュエーションでも、景子が浩介にイカされてしまったら、景子はどう思うのだろう。
あらためて運命の人に出会ったと思ってしまうのだろうか?
その時、景子はどんな行動を取るのだろう?
景子を本当に失うかも知れない……そんな事を思い始めると、嫉妬や焦燥感を覚える。
でも、そんなのるかそるかの大ばくちに、震えるほど興奮する俺がいる。
そして、その日は来た。日曜の昼前、景子は浩介の家に行く。
そして、夕方に帰ってくる。俺が把握しているのはそれだけだ。
俺は真実を知りたいと思っていた。
すべてが終わった後、恵子の口から報告される事実……それは、いつわりの事実かも知れない。
俺は、結局浩介にお願いをしてしまった。景子と、思う通りに遠慮なくセックスをしていいので、内緒でカメラ撮影をしてくれと……。
「マジで? それはかまわないけど、本気で行くぜ? 見ても嫌な思いするだけだと思うけど……」
そんな心配をしてくれる浩介。でもそれは、俺の視線の影響に関係なく、景子がイキまくるはずだという自信のあらわれに思えた。
そして景子は部屋を出るとき、
『じゃあ、すぐに確かめて、なるべく早く帰ってくるからね!』
と、明るく言って出ていった。
そして、一人家で待つ俺……。
夕方になり、そろそろ帰ってくるかな? と思いながら、時間ばかりが過ぎていく。夜の8時を過ぎた頃、もう、いても立ってもいられなくなる。悪い想像ばかりが大きくなり、何度も景子に電話をしようと思ってしまう。
でも、必死で我慢をした。絶望でおかしくなりそうなのに、もう何時間も勃起したままだった。
このまま景子が帰ってこないかも知れない……そう思えば思うほど、性的興奮が高まる。俺は、もう元には戻れない性癖になってしまったのを自覚した。
9時、10時、俺は食事はおろか、水すら飲む気が起きなくなった。それなのに、勃起だけは収まってくれない。
そして、景子は結局深夜1時過ぎに帰ってきた。
『ゴメンね、遅くなっちゃった……』
俺は、時間は遅いにしても、とにかく帰ってきてくれたことに心底安堵して、景子を強く抱きしめた。
『あっくん、本当にゴメンなさい。でも、もう終わったから……もう、次はないから……』
景子は、申し訳なさそうに言う。
「……どうだったの?」
俺は、聞きたいことは他にも山ほどあるクセに、そんな言葉しか出てこなかった。
『うん……全然気持ち良くなかったよ。やっぱりあの時は、あっくんが見てるからだったみたい。へへw ゴメンね、心配させちゃった?』
「あぁ、遅かったから……」
『ゴメンね。浩介君も、ムキになって何回も……ゴ、ゴメンなさい……』
景子は、途中で失言に気がついて、言葉を止めて謝った。でも、何回もやられたにせよ、全然気持ち良くなかったという景子の言葉は、死ぬほど嬉しかった。
「そっか、安心したよ。ねぇ、今からいいかな?」
俺は、すぐにでも景子を抱きたい気持ちだった。
『ゴメン……ムキになって何度もされたから、ちょっと擦れて痛いんだ……お口で良い?』
そんな事を言う景子。俺は、一瞬口でも良いと言いかけたが、それは、男として最低だと気がつき、止めた。
そして、景子はシャワーを手早く浴び、俺と一緒に寝た。
眠りに落ちるまで、何度も俺に謝る景子。でも、もう次はないとか、俺がやれと言っても、もう絶対にしないとか言ってくれた。
よほど疲れていたのか、すぐに寝息を立てる景子。俺は、景子は浩介とどんなセックスをしたのだろう? という疑問で、なかなか寝付かれなかった……。
そして朝になると、昨日のことなどなかったように、いつもと変わらない景子がいた。
俺は、馬鹿な好奇心のために、景子を失うところだった。結局、景子は俺を選んでくれた。でも、奇跡みたいなものだとも思う。もう、こんな馬鹿なことはしないと心に誓った。
そして、会社に行き、いつもみたいに働いていると、浩介から電話があった。
「昨日はありがとな。言われた通り撮影したけど、どうする? 見ない方がいいと思うけど……あ、でも、景子ちゃんは間違いなくお前を愛してるぜ!」
浩介は、妙に歯切れが悪く、凄く言いづらそうな感じだった。俺は、かまわないから見せてくれと答える。
「わかった。動画見た後で、俺がどうしたらいいのか決めてくれ。俺は、景子ちゃんの言ったことを尊重したいけど、お前の言う通りにするから……」
最後まで、歯切れが悪い浩介だった。一体、どんな動画なんだろう? 想像すると吐きそうになってくる。
景子の意思を尊重? 何を言ったのだろう?
そして俺は、浩介からのメールをひたすら待った。それは、15分ほどで届き、リンクの通知をクリックした。
そして、クラウドストレージからダウンロードを始めた俺は、会社から外出する根回しを始めた。
自分の携帯をタイマーにして、電話がかかってきたフリをする。そして、客先から呼ばれたという話にして、ダウンロードしたノートPCごと外出した。
俺は、真っ直ぐに個室ビデオ店に入り、ノートPCで動画を再生し始めた。
動画は、まずリビング一面を写しだした。ソファがあり、テーブルがある。多分、テレビのラックか何かにカメラを仕込んだ感じだ。
すぐにドアが開き、浩介が入ってくる。
「汚いけど、まぁ、入ってよw」
楽しげな浩介。その声に導かれるように、景子が入ってくる。当たり前だが、昨日出ていったときと同じ格好だ。
『へぇ~、綺麗にしてるじゃん! って、昔からそうかw 大学の時も部屋綺麗にしてたもんねw』
「そうだっけ?」
『浩介の部屋に入るの、なんか懐かしい』
「たかだか2~3回じゃん。覚えてないだろ?」
『覚えてるに決まってるw あんな事されたんだからw それに、2~3回じゃないよ。20回は入ったでしょ?』
「い、いや、ゴメン……ホントにゴメン。酔ってたから……」
『へぇ、そうなんだ……酔ってなかったら、しなかったの?』
「そ、それは……アイツに悪いし……」
『じゃあ、酔っ払って、好きでもない女とやったんだね……』
「違う! それは違うって! マジだったよ……」
『へへw それならいいよw』
「え? いいの?」
『いいのw 二人だけの秘密♡』
俺は、想像もしていない角度からパンチをもらったような感じだ。大学時代に、景子は浩介の部屋に行ったことがある? しかも、セックスまでした? とても信じられない。
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