その日、僕は学校の授業が終わると一目散に家に飛んで帰って来た。
「ただいま……ハァハァ」
学校からずっとダッシュしてきたので、家に着いた頃には息が切れ切れだった。
「お帰りなさい、今日は早かったのね?」
「うん……まぁ」
いつもより早く帰ったので、母親が訝しんでいたが、今はそんなことはどうでもいい。
僕は手洗い、うがいをし、喉を潤すためにコップに三杯のジュースを飲み干してからその時が来るのを待った。
(そろそろか……)
僕は、壁に掛かった時計に目をやってそう思った。
「散歩に行ってくるね」
「行ってらっしゃい(キタ……!)」
今は、夕方の五時。母は、これから一時間程は犬の散歩に行ってるだろう、その間が勝負だ。
僕は、母親が完全に外出したのを見届けると、大急ぎで自分の部屋に戻り準備に取り掛かった。
まずは、自分の部屋のテレビを点け、PS2を起動させる。
PS2は常に配線を繋ぎっぱなしなので、ここまで三十秒と掛かってない。
(いいペースだ)
我ながら感心するくらい順調であった。
そして、いよいよ鞄からその「物」を取り出した。
もうお分かりだと思うが、その「物」とはエロDVDである。
もちろん、それは僕のものではなく、友人の兄のものを友人が拝借して、それを僕に貸してくれたのだ。
僕は、念のため部屋に鍵をかけ、ヘッドホンを使用してDVD観賞を始めた。
タイトルは失念したが、素人を言葉巧みに誘って犯しちゃうというようなものだった。
(てか、全部で四時間もあるんか……)
登場する女の子は、十代後半?二十代半ば、職業もフリーター・女子大生・OL・若妻等と一通り網羅されていた。
(さて、どれを見ようかな?♪)
僕は、キャプチャー画面とパッケージを見比べてどれを再生しようか思案していた。
(よし、これにしよう!)
決めたのは、19歳、女子大生の女の子(仮名ミカ)が登場するやつ。一見するとロリっぽいのが僕の好みにヒットした。だが、決め手となったのは電マ、潮吹きのシーンがあるというところに惹かれたからだ。
冒頭のナンパや、ワゴンの中でのおしゃべりシーンはすっ飛ばして、ミカが下着姿になったところから見始めた。
ミカの下着は上下ピンク。
(おっぱいでけぇ)
ロリ顔に巨乳のミカは僕の好みにどストライクであった。
最初ミカは、下着の上から胸や女の子の部分を優しくマッサージされていた。
そこから徐々にねちっこい愛撫に変わっていった。
その辺りからミカのスイッチが入ったのか、乳首や女の子の部分に指が触れられるたびに、「あん……」と艶かしい吐息を漏らし、腰をビクッと震わせた。
僕も「ふっふっはっ。ふっふっはっ」とリズミカルに右手を動かした。
そして、頃合いを見計らって、お待ちかねの電マの登場である。
(キターーー!!)
この時、僕の陰部は我慢汁が涌き水の如く溢れ出ており、磁石に吸い付けられる砂鉄のように画面に釘づけになっていた。
ミカも、「あん……」とか「ダメ……」としか言葉を発せなくなり、いつイッてもおかしくない状態だった。
ここぞとばかりに、ミカの陰部に電マが押し当てられる。
「あッあッあッあ゛?ん、イグ……イッちゃう?」
ミカの絶頂に合わせて、僕も右手のスピードを加速させようとしたその時、重大な事を忘れているのに気付いた。
(あっ、しまった! ティッシュがない!)
僕は、一旦DVDの再生を止めて、箱ティッシュを探した。
(くそっ! どこにあるんだ)
僕は、周囲の物をめちゃくちゃにしながら半狂乱のようになって箱ティッシュを探した。
すると、どこからともなく箱ティッシュが飛んできた。
「へ!?」
驚いて後ろを見ると、妹の志穂が冷めた目つきで僕を見ていた。
「あ……、志穂帰ってたんだ……」
この時僕は、冷や汗をだらだらと流していたにちがいない。
「いつの間に……?」
冷静さを装うって志穂に尋ねた。
「ずっと部屋にいたのに、気付かなかった?」
「全然……」
志穂の方が学校から近いので、先に家に帰っていても何ら不思議ではないのだが、そんな事は頭の片隅から消し飛んでいた。
僕は呆然と立ち尽くして志穂を見ていた。
「ねぇ、続きやんないの?」
「へ!?」
僕は志穂の不意な問い掛けに素っ頓狂な声を出してしまった。
「そのままじゃ、収まりつかないんじゃないの? それに早くしないとお母さん帰ってちきゃうよ?」
「そんなんできねぇよ……」
僕は声を絞り出すように言った。
「私の前じゃオナニーできないの? さっきまであんなに必死にやってたのに?」
「……」
ぐうの音も出なかった。
「お兄ちゃんのオナニー見せてくれたら、今日の事は黙っててあげる」
そう言われれば、こちらとしてはどうする事もできない。志穂に従うより余地はない。
僕は覚悟を決め、妹の目の前で自慰をし始めた。
志穂は興味深そうに僕の陰茎を眺めていた。
「ねぇ、触ってみてもいい?」
こういう状況に至ってはもうどうにでもなれと、開き直っていたので、「ああ、いいよ」と軽く答えた。
志穂は軽く摩る程度に触れてくると考えていたが、予想外の行動をしてきた。
パチン。志穂は右手を僕の陰茎に近付けてから、中指を親指で弾いたのだ。
「ん゛ぐぅ……!」
僕は、思わず呻き声をあげた。
「あはははは。おもしろ?い」
パチン。パチン。パチン。志穂は面白がって二度三度四度と僕の陰茎を指で弾いた。
「や、やめて」
僕は懇願するように言った。
「そんな事言ってもお兄ちゃんのチンチンどんどん硬くなってるよ?」
「でもデコピン(正確にはチ〇コピンか?)はやめて。お願いだから優しくして」
「ふふふっ」
微かに笑みを浮かべ、志穂は僕のを両手で優しく包み込んだ。
志穂は亀頭の先端から根元までを丹念に揉んでくれ、玉袋まで愛撫してくれた。
「気持ちいい?」
志穂は僕の表情を確かめながら、愛撫を続けた。
「あ゛っ、イク、イッちゃう」
「いいよ、出して」
志穂はティッシュを掴んで受け止める準備を整えていた。
「あ゛???」
僕は志穂の手で扱かれながら昇天した。これが僕の初めての手コキ体験である。それが実の妹になるとは思いもよらなかったが。
「いっぱい出たね」
ティッシュから溢れるほどの僕の精液は志穂の手や床のカーペットを汚した。
僕の精液まみれのティッシュの固まりを見て、僕は何て事をしてしまったんだろうと後悔と自責の念にかられ泣きそうになった。
そんな僕を見て、志穂は「大丈夫、誰にも言わないから」と頭をナデナデして慰めてくれた。
「ありがとう」僕は涙声でそう答えるのが精一杯だった。
「お兄ちゃん、これちょっと持ってて」
志穂は精液のたくさん詰まった固まりティッシュを僕に渡して、何やら携帯をピコピコやりだした。
「お兄ちゃん、こっち向いて」
「ん?」
「はいチーズ♪」
ピロリンという機械音とともに、志穂の携帯が一瞬光った。
「何してんの?」
「記念写真だよ? ほら見て?」
そこには下半身を不様に晒した僕の醜態が写っていた。
「け、消してよ」
「残念♪ もう保存しちゃった。てか早く片付けした方がいいよ? お母さんもう帰って来ると思うし」
そう言うと、志穂は自分の部屋に行ってしまった。
その後すぐに片付けをしたので母にはバレなかったが、この日以降僕と志穂は兄妹という立場から完全に逆転してしまった。
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