05月1

友達の元カノに手を出した話

その友人とは結構仲が良かった
同じ部活ということもあり、ほぼ毎日一緒に帰っていた
学校で会えるというのにメールもほぼ毎日していた
ほかの人には話さないようなこともお互いに包み隠すことなく話していた
おれは親友だと思っていたし、その友人もおれのことを親友だと言ってくれた
そんなある日、おれと友人は喧嘩した。
この喧嘩は、自分で言うのは少しおかしいけど、友人が悪かった。

でもすごい些細なことだったし
こんな感じの喧嘩は度々起こっていたからすぐ収まるだろうと思っていた。
しかし、現実は違った。

こういう些細な喧嘩はいつもメールで謝って終わるっていうのが定番?だった。
案の定、そのときも友人はメールを通して謝ってきた
それに加えて、直接謝ってきた。
おれはそのときは許そうって思ったんだけど
なんか面白いし、少し意地張って遊んでやろうと思って、

「そうやって、毎回喧嘩が起こる度におれに気を使ってる時間があったらほかの人と遊んでた方がいいよ?」
って送った。これがほんとに間違いだった。
いまでも後悔してる。

そのメールを送った次の日から
その友人は明らさまに無視をしてきた。
それが何日も続いてさすがにまずいと思ったおれはメールでも直接でも謝った
そうやって今までも事な気を得ずに終えてきたからこれで解決すると思った。

だけど、そこからも相変わらず無視は続いた
他の友人にも相談して、関節的にもおれが反省してるってことを伝えたんだけど
全く意味がなかった。

おれも、そいつに神経を使うのがだんだん疲れてきた。

そんな状態のときに、その友人のある話を思い出した
それがそいつの元カノの話だった。

その元カノは
一年前に、一緒にいるのが面倒くさくなったって理由で友人が自ら振った
おれは友人から、付き合ってるときは自慢を、別れたあとは愚痴を、それぞれ聞いていた。

その時におれは思った
もうこの友人とは別れてるし、同じバンドも好きだし、ちょっとその元カノに絡んでみようかな?
ってww

これがまた新しいお話を生むことになる。

思い立ったら即行動ということで
おれは某SNSのメッセージ機能を使って絡みを開始する。

かなり上手くいって、直接メールでやり取りすることになった。

その子とはかなり意気投合した
メールの内容も楽しいし、俺の意味のわからないノリとかにもちゃんと対応してくれた。

会う前に電話もした。
声が可愛すぎてビビった。チビった。腹減った。
決して機械音みたいな声ではなかった。

女子と話す機会なんて滅多にないからそれだけで興奮していただけかもしれないが
おれはかなり楽しくなってきて、その子と会ってみたくなった。

でも正直、メールや電話だけで絡みをやめようと思ってたし
女子と会うなんて、それだけで嘔吐物だからやめておこうと思った

なんだかんだで、誘った。

電話もして、声も聞いてるし、写メも送ってもらってたから
よゆーよゆうwww
話してもいい感じだし、男といる感じでいれば大丈夫だわwww

なんて、思ってた。
待ち合わせまでは本当に余裕だった。
「黒いセーター着てる人探して!」ってメールきて探した。
見つけた、空いた口が塞がらなかった。

一瞬で心臓バックバク、汗だっくだくになった。
ほんとに女性慣れしてないとヤバイよな。

言葉では表せないんだが、すごく可愛いんだよ、その子。
顔は志田未来にちょっと似てる感じ。

先ほどまでの余裕wwは無くなって
終始話す途中に言葉を噛んだり、言ってることもしどろもどろになっていた。
でも自分なりに精一杯やったし、その子もかなり楽しんでくれたみたいだった。

そこからもメールも電話もほぼ毎日した。
数回会って、その後に告白した。

ここまできたらいけるだろうなんて思ってた
振られた。
ガッツリではないけど振られた。

その時に言われた言葉。

友人に振られたときに、恋愛感情がわかんなくなった
好きって感情がわからなくなった。

その子は泣いていた。
おれも泣いた。ほんとうにかわいそうになった。

友人から、愚痴を嫌というほど聞かされたから
もうめちゃくちゃ悪い人間で、性格も歪んでるのかとずっと思っていた。

でも一緒にいればいるほど、それが間違いだって気がついていった。
笑ってる姿、話してる姿、考え、全てが魅力的で
ちょっとした遊び心、友人へのちょっとした復讐心で始めた絡みは
いつの間にかそれどころではなくなっていた。

一緒に泣いたときに、自分の本当の心にやっと気がついた。
俺は本当にこの人のことを好きになったんだって。

見事に振られたんだけどその子は、
「でも一番大切にしなきゃいけないのは俺君」と言ってくれた。
この子は、容姿が可愛いってこともあるのか、仲がいい男性が片手で数えられるくらいだがいた。
その中の一人に俺は入っていたことだけでも嬉しかったけど
その中でも一番って言ってくれたことが何よりも嬉しかった。

もうこのままの関係でもいいから、ずっと一緒にいたい。
そう思った。

そこからも絡みは続いた
それからも数えきれないほど会った。

ある日のこと
公園のベンチに座って話していた。
なんの他愛のない会話をしていたのだが、急にその子が泣き出した。

この前のことだな、ってすぐに察知して
なんでもいいから吐き出していいよ、って言った。
その子曰く、他の友達のまえでも言わないくらい、いろいろ話してくれた。
ほとんどが友人の話し、振られた理由がわからないから毎晩泣いていたとかもういろいろ。

で、最後に、やっぱり好きってことがわからない。って言ってきた。

この好きってことがわからないって言葉
この場面になる前から何回も聞かされたけど
この言葉の真相というか深いところはこの子にしかわからないことだし
俺自身、何か役に立ってあげたかったけど、この言葉の前では何も出来なかった。

でもこの時ばかりは違った。
何か言わなくてはとでも思ったのか俺は
「じゃあさ、こう考えれば?友達として好きとか恋愛として好きとかって区別するんじゃなくてもうひっくるめて好きって考えるの!」
って言った。

自分でも訳ワカメだったから、思わずその場で笑ってしまった。

ああ、終わったなって正直思った。

でもその子は泣きながら笑ってくれた。
そんでこう言ってくれた。
「そんなこといったら、俺君のこと、大好きだよ」

沸騰した。

その言葉を聞いた瞬間、ほんと夢の中にいるような気がして
いま現実にいることが考えられなかった。

その後、その子は
「私なんかが彼女でいいの?」
「わたしが彼女だったら俺君がかわいそう」
立て続けにこう言ってきた。

おれはこと如く否定した。
それで本当に好きだってことも改めて伝えた。

こうして、付き合うことになったんだ!
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