10月28

俺がドMになった理由 PART.3

あの日以来、圭子の俺に対する態度は明らかに変わった。
クラスの連中がいる前では以前と同じだったが、たまに2人きりになると、ことあるごとに
俺の事を「可愛い」と連呼するようになったのには驚きと戸惑いを感じた。
あの時から開き直ったかのように、圭子は俺に対して自分が今まで
思っていたらしき事を口にするようになった。
「これまでさぁ、あんたのこと、いろいろイジメたりしたけどー、ホントは可愛かったから、
 ついついやっちゃったんだよねー」
なんて、ぶっちゃけてくる。
おまえ、そういうキャラじゃないだろってほどの変化だった。
正直、そう言われても嬉しいどころか、かえって気持ち悪い。
第一、かわいいならなんで意地悪をするのかが、当時の俺には理解できなかった。
そのことで亜季と話したことがある。
亜季が言うには、最近、圭子が俺のことがかわいくて仕方ない、みたいな事を亜希にも
漏らしているらしい。

「ほら、前に私が言ったとおりだったでしょ?」
亜季は、どうだ、とばかりに言う。
「俺をからかってるだけじゃねーの?」
「ちがうちがう。あのー、今、圭子ちゃん、たぶんすっごく楽しいと思う」
「楽しいって何が」
「んー、ホントのこと・・あ、ホンネか。本音をいう事が」
「え、なんで」
「新鮮だからかも(笑)。ほら、昔からそう思ってたのをずっと隠してたわけだし」
S女にはそういう悦びのツボもあるのだろうか。
「でも可愛いならなんでイジメるんだよ」
「えー、それはだからぁ・・・わかんないかなあ」
亜季は年下のくせに、妙にお姉さんぶった態度で、俺の無知を諭すような口調だった。
「Wさんも、好きな子に意地悪とかしたことないの?小さい頃に」
「え、んー・・・ないな」
これまで好意を持った女の子は幼稚園時代から何人かいたが、
あらためて考えてみると、俺にはそういう記憶はなかった。

この歳で伊達に男と付き合ってるわけではないということなんだろうが、ただ、もう少し
亜季に表現力があれば、『愛情にも色々な形があるから』とでも言ったかもしれない。
「・・えー、つまり、恋人とかになりたいような好きじゃないってことか?」
俺は少々落胆した面持ちで言ったが、意外にも亜季の返事は「YES」ではなかった。
「あー、ううん、そうとは限らないかも・・・」
「えっ」
「あのー、もしかしたら、圭子ちゃんの、花谷さんへの”好き”が、恋人への、”好き”、
 じゃなくて、違う”好き”だったかもしれないじゃない」
「え?え?」
「だからあの2人は別れちゃったのかもしれないし・・でもWさんへの”好き”が、
 今度こそ圭子ちゃんにとっては恋人になりたい”好き”なのかもしれないし・・・」
「ちょとまて・・・なんだか頭がこんがらがってきて、言ってる事がよくわからねえ」
「あーっ、もう!」
亜季は俺の鈍さにイラついたようだが、この時はまだ亜季の言語表現力も未熟で、
短くて的確な表現ができてなかったのも事実だ。

「んじゃさ、お前の宮村さんへの”好き”は、恋人にしたい”好き”なんだな?」
俺は自分の事ばかり追及されるのがなんだか恥ずかしくなってきたので、
話題を亜季とその彼氏の方に振ってみた。
「・・・ん、あのね、最近さぁ・・」
俺は驚いた。急に亜季の表情が暗くなり、声もひどくトーンダウンしたのだ。
「最近ちょっと・・・わからなくなっちゃって」
「え・・・」
亜季の表情はますます暗くなる。
「わたしはそのつもりだったんだけど・・・亮ってばさぁ、会うたびに
 エッチなことしたい、エッチなことしたいって、最近、すごくしつこくてさ。
 なんだか・・・うん、なんだか・・・」

エッチなことしたいっていうのはシックスナインのことだろうか。
それとも既に宮村さんは亜季にセックスを求めてきてるのだろうか。
「亮がわたしの事が好きなのか、エッチなことだけが好きなのか、わかんなくなってきて・・・
 Wさん、どう思う?」
「え・・・」
俺は返答に窮した。愛情と単なるスケベ心が同一のものなのか、それとも別なのか、
これは大人でも難しい問題であり、当時の俺ごときに簡単に答えが出せるものではなかった。
「・・・両方あんのかもよ」
俺は無難な返事をしたつもりだったが、亜季は不満顔だった。
「両方かぁ・・・だったら、ちょっとやだな。わたしを好きなだけでいてほしいな・・・」
俺は内心でため息をついた。本音としては、別に両方あったっていいじゃねえか、と思った。
今なら『愛だけじゃチンコ勃たねえよ』とでも言いたい。
思えば男と女の愛情や性に対する考え方の違いを、この時、初めて実感したような気がする。

この時、亜季と話した事とやや関連があることを、9月の終わりごろにEと話したことがあった。
Eは先日、絵里に告白されたと言うのだ。
事前に圭子から話を聞いていた俺は、ついにされたか・・という感じだった。
「いやー、どうしようか困っちゃって、俺」
そう言いつつも、Eの声は弾み気味で、顔は少しにやけてる。
「んで、おまえ返事したの?」
「いや、まだ・・・いきなりそんな事言われても、って言って」
「で、どうすんの?付き合っちゃうの?」
「んー・・・」
ここでEは初めて真剣な顔つきになった。
「おまえは絵里のこと好きだったの?」
「えー、いやー、考えてなかったな、そういうの」

「(絵里の)オッパイ覗いたりしたじゃん」
「あははは・・・とりあえず絵里のオッパイは好きだな、俺」
「そんなら俺も絵里のこと大好きだわ」
俺とEは一緒に大笑いした。亜希が聞いたら激怒しそうな会話だが、要するに俺たちはまだ
真面目に恋愛をするには精神が幼すぎたのかもしれない。
しかし男にとって愛情とスケベ心が不可分だということは事実には違いない。
「あー、でもどうしようかな」
「とりあえず付き合っちゃえば?そっから先のことはそれから考えればいーじゃん」
俺は無責任極まりない事を言ったが、Eとしてはその方が分かりやすかったらしい。
「んー、じゃそうしようかなぁ・・・」
Eの心は明らかに付き合う方に傾き出したようだったが、この時はまだはっきりと
決断しなかった。
だが数日後、俺は人づてにEの結論を知る事になる。
その”人”とは、圭子だった。

Eと絵里の事で話してから数日経ったある日の放課後、唐突に圭子にまた屋上に
来るように言われた。
これまで屋上といえば数々のエロ体験があったので、自然と俺の心は弾んだ。
しかし屋上に着いた時の圭子の表情は意外に真面目な顔つきだった。
「――ねえW、絵里とEが付き合うことになったの知ってる?」
圭子は開口一番、爆弾をぶつけてきた。
そうなることを予測していた俺もドキリとなった。むろん今日もEと一緒に休み時間に
話したり遊んだりしたが、そんな様子は感じられなかった・・・が、思い返してみると、
さりげなーく、絵里と何度か目線を合わせていたような気がしないでもない。
「いや・・・え、そうなの?」
「うん、絵里が告白したら、Eが昨日、OKの返事してくれたったって」
「あー、そうー・・・やっぱなー」
「やっぱり?ってことは、あんた、Eに相談とかされたっしょ?」
いきなり図星だった。相変わらず圭子は鋭い。
「いや、まあ、そうだけど」

「それで、あんた、Eになんて言ったの?」
「・・・・・・・」
俺は言葉に詰まった。
とりあえず付き合って、そこからは後で考えればいい・・・なんて言った事を馬鹿正直に話せば、
シャレにならないことくらい、当時のガキだった俺にも分かっていた。
「なんてって・・・お前も好きなら付き合っちゃえば、みたいな」
「あっそう、ふ?ん・・・」
俺の無難な返答に、圭子は言葉の上では納得したように言ったが、表情がまた怪しいので、
心の中で反射的に俺は身構えた。
「・・ところであんたさ、宮村さんが、好きって心と、スケベ心が両方あるんじゃないのって
 亜季に言ったんだってねえ?」
俺はギョッとなった。亜季のやつ、そんなこと圭子にバラすなよ!と思った。
「亜季、悩んじゃって・・まあもともと最近、彼氏のことで悩んでたけど、今はもっと
 悩んじゃっててさ」
「え、それ、俺のせいなのか?」
「あんたのせいだよ」

圭子はピシャリと決め付けられてしまい、俺は考え込んでしまった。
俺としては本音を言ったつもりでも、それが亜希を傷つけてしまったと思うと、
強い罪悪感があった。
俺が目を落として無言で立ちすくんでいると、その時、突然圭子が、今までとはうって
代わったようなご機嫌な表情になって、クスクスと笑い出した。
「やー、Wってば、もうマジでショック受けちゃって・・・かわい」
圭子はそう言って笑うと、いきなり俺の至近距離まで近寄ってきて、俺をぐっと
覗き込むように見つめてきた。
こう至近距離に寄られては、自然と頭と顔面に血液が昇ってくる。
「でもさあ、別にあんたに悪意あったわけじゃないかもしんないけどー、あんまり本当の事
 言っちゃだめだよ」
「本当の、こと、って・・・?」
圭子に至近距離で見つめられたままなので、興奮している俺は言葉の呂律が少しおかしくなる。
「だからさー、あの子にまだ男の・・・そんな本当のこと言っちゃだめなんだよ」
今度は圭子はわりかしマジメな口調で言った。

完全にではないが、俺はなんとなく圭子の言いたい事がわかった。
要するに、愛情とスケベ心が両方存在するという『男の本音』をはっきり言ってあげるな、
まだ亜希にはその事実を教えるのは早いし可哀想・・・ということだろう。
だが、亜希には早くても、圭子がそんな忠告が出来るということは、すでに圭子は
そんな男の性分を知り尽くしてるということなのだ。
「それだから、Eもホントに絵里のこと好きなんだか・・・どうなんだかねー」
圭子はまたも鋭い事を言う。俺は内心、冷や汗ものだった。
「・・・好き、なんじゃ、ねえ・・・の」
俺は圭子の顔のアップを目の前にしていることと、後ろめたさが一緒になって、
ますます呂律がまわらなくなる。
すると圭子がその内心を見抜いたようにクスリと笑うと、手をのばし、俺の頬をスッと撫で、
そのまま耳、そして髪の毛を優しく撫でてきた。
「W、声変だし、顔赤いよー、Eのことでなんか隠してるからかなー、それとも・・・
 こうやってあたしに近くに来られると恥ずかしい?」
俺は返答に詰まった。実際は両方だったが、まさか前者を理由にあげるわけにいかなかった。

「いや、まあ、こんなに近いと、ちょっと・・」
俺が仕方なくボソボソとそう言うと、圭子はクスクスと笑いを漏らし、唐突に俺の首筋に
腕を巻き、俺をぐっと自分の方に抱き寄せてきた。
「・・・・!」
身長差のせいで、俺の顔面は圭子の豊かな胸にボヨンとめり込み、素晴らしい感触だったが、
まず圭子のこの行動に驚いて、味わってる余裕はなかった。
「あー、やっぱあんた、超かわいー」
そういうと、圭子はますます力を込めて抱きしめてくる。
「・・・よせよ、痛えよ」
俺はそう言ったが、半分はウソだった。気持ちいいに決まってる。
圭子は少し力を緩めてはきたが、それでも俺を放さなかった。
そしてそのままの姿勢で、いきなり俺の股間に手を伸ばしてきた。
「・・・やっぱもうタッってる(笑)」
「・・・仕方ねえじゃん、こんなことされちゃ」
「こんなことって・・・」

圭子は一旦言葉を切ると、クスクス笑いを漏らした。
「ホントはこうやる前から、もうタッてたくせに・・・そうでしょ?」
有無を言わせない口調で圭子は言った。この時は俺にかわいいなどと言ってる時の表情から、
以前のS女的な表情に戻ってる。
この顔に迫られては俺としてはもはやウソがつけない。
「まあ・・そうだったけど」
「あー、やっぱり」
「なにがやっぱりなんだよ」
「だから、近くに来られただけで・・・あたしの顔見ただけでボッキしちゃったんだ」
圭子はなにか納得したような表情を嬉しそうに浮かべる。改めて自分の俺への支配力に
満足しているようだった。
だが俺としては顔見ただけで勃起したとバレたのは、さすがに恥ずかしく、抱き寄せられたまま
身体をよじらせ、圭子から目を逸らしたが、逆にその微かな抵抗が、圭子のSマインドに
火をつけてしまったらしい。

「今さら恥ずかしがらなくてもいいのに・・・あー、もう、あたしさぁ・・」
圭子はそこで言葉を切ると、なにか苦しそうな表情になった。
俺はどうしたんだと思っていると、いきなり圭子は、俺の頬にキスしてきた。
「!」
不意の行動に俺が驚いていると、すぐさま圭子は頬の他にも、鼻下やおでこなど、
顔の各所にキスの嵐を見舞ってきた。
これが本当に圭子のすることかと、俺は唖然としていた。
「なんか・・・」
「なに?」
「こういうの・・・おまえ、らしく、ない・・っていうか・・・」
俺は興奮のあまり半ば朦朧としながら、やっとそれだけを言った。

圭子もそれは自覚しているらしく、俺の言葉に軽く頷いた。
「ちょっと前まで、あたしもそう思ったけどねー・・・じゃ、もーっと、
 あたしらしくない事しちゃおうかな」
圭子はニッと笑うと、俺の顔を両手で抑え、もっと顔を至近に寄せてきたと思ったら、
いきなり唇を奪ってきた。
「!―――」
俺は驚愕して目を見開いたが、確かに目の前には自分と唇を合わせた圭子がいる。
しかも圭子は目を開けてしっかりこちらの反応を見てる。
もちろん俺にとっては初めてのキスだったが、ただただ圭子の行動に驚くばかりで、
そんなことを感動している余地はない。
さらに驚いたのは、その直後、圭子がいきなり俺の口の中に舌を突っ込んできたことだ。
ディープキスなどまだ知識になかったので、圭子がおかしくなったんじゃないかと思い、
俺は手足をバタつかせた。
「暴れないでよ」
圭子は一旦、唇を話して抗議してきた。

「だって、お前、ベロとか入れてきやがって」
「やっぱあんたって子供・・・」
呆れたように圭子は言うと、また俺の顔に軽いキスの雨を降らせてきた。
「女の子にキスしてるみたい(笑)」
「・・おまえ、女にキスしたことあんのかよ」
「ばーか、あるわけないっしょ」
圭子は何を言ってるんだという感じだったが、俺はなぜか少しホッとした。
「さーてと・・」
唐突に圭子はいつものS的な笑顔になったので、俺は内心ドキッとした。
次は何をされるのかと思ったが、圭子は再び顔を近づけてきて、また唇を重ねてきた。
さっき以上に唇をじっくり濃厚に押し付けつつ、舌を入れてくる。
同時に圭子は俺に向かって少しづつ体重をかけてきたので、俺はやや反り腰になっていたが、
圭子の濃厚なキス攻撃の前にどんどん力が抜けてきて、ますます体が弓なりになった。
そしてとどめとばかりに圭子は俺のはちきれんばかりの股間に手を伸ばし、さわさわと
撫でてきた。

圭子は攻めることへの悦びか、実に嬉しそうな目をしている。
この上下のダブル攻撃に、たまらず俺は力が抜けていった。
「なんか重いなー・・ねえ、力はいらないの?」
「・・・・・」
「子供相手にちょっと刺激強すぎたかなー(笑)」
圭子の言うとおり、俺はもうメロメロ状態で、まったく力が入らずに背中から
崩れ落ちそうになったが、圭子の腕が支えていたので背後に倒れることはなかった。
しかし次に膝がヘナヘナと崩れてしまい、とうとう屋上の地面に尻餅をついてしまった。
一瞬、これで終わりかと思ったが、とんでもなく、すかさず圭子も追撃するかのように、
俺の前に座り込んで、再び俺の唇を奪ってきた。
ますます力の抜けた俺は、そのまま自然の流れ的に地面の上に仰向けに倒れ込み、
一瞬、午後の青空が視界に広がったが、そのまま上に圭子も乗っかってきたので
あっというまに塞がれた。
「ちょ・・ちょっと待った、その」
ここまでの展開が、俺にとってあまりに唐突かつ刺激的すぎたので、いったん体勢を
立て直したかった。

しかし、一度火がついた圭子は止まらなかった。
基本的に圭子は言葉責め系のS女だったと思うが、こうやって肉体的な攻めにまわっても、
恐ろしく情熱的にエキサイトすることを俺はこの時初めて知った。
「だーめ、待たない♪」
圭子はそう言うと、上から俺を組み伏せる形で、三度目のディープキスを見舞ってきた。
俺はなんとか圭子を跳ねのけようとしたが、腕力ではかなわない。
「むりむり、力じゃあたしに勝てないの知ってるっしょ?それにさー、こうすれば
 力はいんないみたいだし(笑)」
圭子の手がまた股間にのびてきて、サワサワと撫でてくる。
さらに圭子は唇を離すと、そのまま口の先を、俺の首筋にスライドさせていった。
圭子の唇と舌が、俺のあごの下から頚動脈のあたりをスーッと愛撫し、思わず全身が
ゾクゾクゾクっとなる。
「んっ・・・んっ・・・!」
それは快感とくすぐったさが見事にブレンドされた感覚で、俺は激しく息を漏らしながら、
前後左右に身悶えした。

圭子にとってはその反応がたまらないらしく、まずます激しく攻め立ててくる。
「あー、ダメ、あんたマジかわいい・・・ちょっと本気出しちゃいそう」
本気ってなんのことだと一瞬思ったが、すぐに何も考えられない状態に追い込まれる。
圭子は俺の上半身を責めつつ、スカート越しに自分と俺の股間をぴったり合わせてきて、
こすりあわせてきた。
それはほとんど微弱な摩擦だったが、こんな風に攻められていては、所詮子供チンコの俺には
致命的な刺激になる。
「あー、やばい、圭子、出そう、出そう」
警告を発したつもりだったが、圭子はまるで止めようとしない。
「出そう、マジ、マジ出るって!」
俺は声を強めた。なんせ今の俺はズボンとパンツを履いたまんまだったからだ。
だがそれでも圭子は動じる様子はなく、俺の耳元で笑いながら囁いてきた。
「いいよ、そのまま出しちゃいなよ・・っていうか出させる!」
その言葉に俺は耳を疑ったが、事実、圭子はますます股間の摩擦を強めてきた。

「手を使わずにイカせちゃうのは初めてだっけ?・・・こうやってこすられただけで
 出しちゃうのも結構恥ずかしいよねー」
圭子は完全にSモードに戻っていて、わざわざ挑発的なことを言ってくる。
俺は俺で、いつもの手コキとは違う、この擬似的なセックス行為に異常に興奮していて、
布越しとはいえ、圭子と性器と性器をこすりあわせてるかと思うとたまらない。
理性では服着たまま射精したら後が大変な事になのはわかっていたが、こんな状態で
ガマンするのは不可能だった。
「もうダメっしょ?情けないなー、花谷はホントにあたしとセックスしても何分も持ったのに、
 あんたはこうやって服越しにこすられるだけで出ちゃうんだ・・・」
圭子はクスクスと意地悪に笑う。俺と花谷の性的能力が月とスッポンであることを
よーく知り尽くした上で馬鹿にしているのだ。
「ま、そこが可愛くていーんだけど・・・」
圭子はこの言葉を契機に、フィニッシュとばかりに股間を激しく、半ば打ち付けるように
こすりつけてきた。
やがてその激しい下半身の動きに、俺はそのままたまらず射精してしまった。

むろんその瞬間は気持ちよかったが、あっと言う間に気持ちの悪いヌメヌメ感が
股間に広がってくる。
「あー・・・出ちゃったよ」
俺は情けなく顔を歪め、圭子に対して抗議のつもりで言ったのだが、
圭子はむしろ満足気な表情で、あらためて俺の頬に軽く一回キスしてくると、
ニヤッと笑いながらウィンクしてきた。
俺は何かその顔をまともに見てなくて、思わず目を軽くそらした。
「いまさら何恥ずかしがってんの」
そう言いながら圭子はようやく俺の上からどいてくれたので、俺もそのまま上半身を起こし、
そのまま立ち上がったが、ズボンの中のヌメヌメ感が実に気持ち悪い。
「うぁ、気持ちわりぃ・・」
「とりあえず脱いだら?」
圭子の言葉に俺はためらいもなく、その場でズボンを脱ぎ、パンツも脱ぎ、
チンコ丸出しになった。
パンツの内部は精液まみれで、ズボンにまで少し染み出ていた。

「あー、もう、汚れまくり・・・」
仕方なく俺はフルチンのままパンツを持って、屋上の入り口の脇にある水道場にゆき、
蛇口をひねって出た水を手ですくってはチンコにぶっかけるのを繰り返し、
そして股間周辺をテッシュを何枚も使って拭いたが、完全にはベトベトはとれなかった。
次にパンツを手洗いしたが、あまりに大量の精液がついてるために、こすってもこすっても落ちず、
もう家に持って帰りたくなかった。
「・・だめだ、もうこのパンツ、捨てるっきゃない」
俺のこの言葉に、なぜか圭子はツボを刺激されたらしく、クスクスと笑い出した。
「なにがおかしーんだよ」
「だって、さっきからあんた、チンチン丸出しにして必死に洗ってて、
 で、パンツ捨てるとか・・・あー、なんかすっげーおかしい(笑)」
パンツはこのまま学校の焼却炉にでも破棄するしかなかったので、ノーパンで家に
帰らなきゃいけないと思うと気が重かった。
しかたなくパンツを履かずにズボンを履いたが、チャックの金属がチンコに当たる
感触が気持ち悪い。

そしてなによりも、ズボンの股間部分が湿っているのがバレバレなのが嫌だった。
「おもらし状態(笑)」
圭子がさっそくそれを見てからかってくる。
「おまえが悪いんだろ!」
「あははは、いやぁ、ごめんね、なんだか止まんなくって」
圭子は笑いながらそう言ったが、その短い言葉の中で俺は2回驚いた。
まず軽い調子とはいえ、圭子が素直に「ごめんね」と俺に謝ったことで、
この六年間、どんなことであれ圭子に謝罪された覚えなどなかったのだ。
もう一つは「止まんなくって」という部分で、思えばさっきの圭子はあきらかに、
理性のヒューズみたいなものが半ば飛んでいた。
ほとんど逆レイプに近い事をされた衝撃は恐ろしく、初キスの感動なんかは
完全に吹っ飛んでいた。
今さらながら、圭子のドSな性分・・・それも言葉責め的なものではなく、
もっと直接の暴力的な、より恐ろしい部分を知った気がする。
そんな俺の気持ちが顔に出ていたのか、圭子は妙な猫なで声を出しながら、
背後から近寄ってきた。

「ねえ、もしかして、あたしのこと・・恐かった?ちょっとやり過ぎちゃったかなー?」
「・・・別に」
「そお?ちょっと涙目だったよ」
それはさすがにウソだと思った。たしかに恐かったが、泣きそうになるとか、
そんな感情にはならなかった。
「まあ・・女の子みたいに嫌がるあんたが可愛くて止められなかったんだけどさ」
圭子は悪びれる様子もなくクスクス笑った。
「サドだ・・・絶対サドだお前」
「んー・・・やっぱそうなのかもね」
圭子はついに認めたが、すぐにこう付け加えてきた。
「だからあんたの方もマゾだって認めろよ(笑)」

「・・・とにかくパンツん中に出すのはもうイヤだ」
俺はさりげなく(?)、話題を今現在の問題にすりかえた。
「あー、ノーパンでズボンはいてんのって気持ち悪ぃよ・・このまんま帰んなきゃいけねーの、
 お前のせいだぞ」
「あんたん家、(学校から)遠いもんねー・・・あ」
圭子はしゃべってる途中に何か閃いた様子で、ニッと笑いながら俺を見た。
「ならさー、途中であたしん家、寄ってく?」
「え」
「今の時間だとうちの両親出かけてるしー・・パンツの代わりになるもん用意したげるよ」
思いもかけない申し出だった。
確かに圭子の家は、俺の家の帰り道の途中にあり、なおかつ学校とはかなり近く、
5分とかからない場所にあった。

「パンツの代わりってなんだよ」
圭子には4歳上の高校生の姉ちゃんの他に、2歳下の弟がいたが、俺は顔は童顔とはいえ
身長はさすがに4年生よりは大きかったので、弟のパンツを俺に貸したりするのは
少々きついだろうと思った。
とはいえ、まさか父親のパンツを貸すつもりとも思えなかった。
「まぁいろいろ手段はあるっしょ。うちにあるスーパーのビニール袋の底に、
 足を出す穴をふたつ開けて履くとか・・・」
圭子は意地悪そうにクスクス笑った。
たとえビニール袋は冗談にしても、また何か悪巧みをしてるのかと思ったが、
確かにノーパンのまま湿ったズボンを履きつつ、自分の家まで30分近い道のりを
歩くのは億劫だった。
そしてなにより圭子の家に行けるということに、俺はドキドキしていた。

それから俺はズボンの前を歩きながら隠しつつ、圭子に連れられて彼女の家に
やってきたわけだが、実はこの家に入るのは初めてじゃなかった。
たしか小2の時と小4の時に、それぞれ学芸会の出し物の相談や、小道具の製作などで、
クラスの連中と一緒にこの家に集まったことがあるのだ。
だがもちろん一人でゆくのは今日は初めてだった。
圭子の家は両親が共働きで、なおかつ子供が三人いるせいか、ちょっと大きめで、
中流の上くらいの家という感じだった。
この時は圭子の両親も姉弟も不在で、ホッとした俺を圭子は二階の自室に連れて行った。
「あれ、机が一つしかねーな?弟のが前にあったよな?」
「去年から雅人、下の部屋に移ったんだよ」
雅人とは圭子の弟で、前にこの家に来た時はこの部屋は圭子とその弟との兼用だった。
要するに圭子と雅人は、去年からお互い自分の部屋を持たせてもらったんだろう。
おかげで前に来た時よりも、部屋はずいぶん広々としていて、以前あった二段ベッドが
なくなっていて、普通のシングルベッドになってる。
「あー、そう、ふーん・・・」

俺は何気なく頷いたが、内心は、
(だから花谷を連れ込んで、あれこれ出来るようになったんだな)
(このベッドでヤリまくったんだろうな)
などと、またそっち方面の妄想が膨らんできた。さっきからずっとズボンにチンコが
直に触れる感触が気持ち悪いせいか、勃起こそしなかったが。
「なあ、パンツの代わりになるもんってなんだよ」
俺はさっそく話を切り出した。
「下からハサミとビニール袋もってこよーか?」
圭子はクスクス笑った。
「かんべんしてくれ」
「あっそ、それも面白そうなのにねぇ(笑)。そんじゃ・・・あ」
圭子がなにか言いかけたその時、明らかに一階の玄関から”ギ?、バタン”という、
ドアの開閉音が聞こえてきた。
「おい、誰か帰ってきたみてーだぞ」
「・・そうみたいだね」

俺は不安になった。とりあえず今の所、やましい事も、やらしい事もしてないが、
ただ単純に圭子の家族と顔を合わせるのが面倒くさかった。
「まさか、お父さんやお母さんじゃないだろうけどさ・・・お姉ちゃんかな?雅人かな?」
「二人ともいねえんじゃなかったのかよ」
「お姉ちゃんは部活で、雅人はサッカークラブだから、まだ帰ってこないはずなんだけど・・」
圭子はそう言うが早いが、立ち上がって部屋を出てゆき、一階へと降りていった。
俺も部屋の入り口のそばで階下の動きに対して耳をすませる。
「・・・お姉ちゃん?今日、早いじゃん」
下から圭子の声が聞こえてくる。帰宅したのはどうやら姉ちゃんらしい。
「今日、部活中止んなっちゃってさ。顧問が出張で」
圭子の姉ちゃんの返事が聞こえてくる。
圭子の姉は、未央(みお)という名前で、俺たちより4つ上なので、今はもう高校生のはずだ。
「つーか圭子、このクツ誰のよ。あ、また男の子連れ込んでるんでしょ?」
未央姉ちゃんの言葉に、二階の俺はドキリとなった。
そしてすぐさま二人分の足音が階段を昇ってくるのが聞こえてきた。

俺はとりあえず立ち聞きしてたとバレたくなかったので、ドアのそばから離れた。
そしてすぐさま圭子が戻ってきて、さらにその背後から未央姉ちゃんが顔をのぞかせた。
未央姉ちゃんは高校の制服を着ていて、通学カバンを手にしていた。
妹と同じく姉ちゃんもかなり美人系で、これも妹と同じく歳は実年齢より2?3歳上に見える。
「お姉ちゃん、帰ってきちゃってさー」
圭子は少し不機嫌そうに言った。
「・・・花谷くんじゃないね。あー、でも、結構カワイイ子じゃん」
軽く「どーも」と会釈した俺を見て未央姉ちゃんは言った。
「だからとっくに別れたって言ったじゃん」
「そっかー、でもこのコって年下じゃないの?」
やっぱ間違えられたか・・と思ったが、いつものことで慣れてるので、今さらショックを
受けたりはしなかった。
「一応、同級生だよ」と、圭子。
「え、そーなの?・・・あ、そういえば君、見たことあるなー」
未央姉ちゃんは俺の顔を遠慮なく覗き込んできた。
「えっと、昔、うちに来たことあるよね?君」

「え、あ、はい」
俺は姉ちゃんに向かって頷いた。確かにそのとおりで、2年生の時も、4年生の時も、
この家で未央姉ちゃんとは軽く顔を合わせていた。
学校でも俺が低学年の時には、まだ在校生だった未央姉ちゃんと何度か顔を合わせたことは
あるはずだ。
「えっと、確か・・Wくんだったよね?」
「そうです」
「うん、そうだ、覚えてる覚えてる。女の子みたいに可愛いコがいたから、
 圭子に誰って聞いたんだったねー」
「そう。お姉ちゃん、あの可愛い子誰?ってあとで聞いてきてさー」
俺の知らない所でチェックされてたのか・・・姉ちゃんの御目がねにかかったのは
少し嬉しくはあったが、やっぱ女も俺らと同じで裏ではそういう事してんだなと思うと、
また女へのドリームがひとつ消えてしまった気がした。
「んで、この子があんたの新しい彼氏とか??」
未央姉ちゃんのいきなりな直球攻撃に俺はドキリとしたが、圭子は余裕ある顔のままだった。

「ん?っふふふ、違うよ。んふふふ・・・」
圭子は意味ありげな含み笑いをした。
「なにその古畑みたいな笑い方」
未央姉ちゃんは笑ったが、追求はまだ続いた。
「じゃ、なんでこの子、うちに連れてきたの」
「・・えー・・・」
ここでさすがの圭子も言葉に詰まった。
まさか、
『さっき学校の屋上で押し倒したあげく、パンツの中に射精させてしまったので、
 そのおわびに替えのパンツを貸そうと思って』
なんて言えるわけがない。
すると、珍しく圭子は俺に救いを求めるような視線を送ってきた。
「・・・言っていいW?」
「言っていいってどこまでだよ・・ていうか言うな」
俺と圭子の会話を聞いた未央姉ちゃんは、耐え切れないとばかりに笑い出した。

この会話だけで何か曰くありげなことがあったと白状してるようなものだったからだ。
「あんたたち、なんかあったんでしょー、白状しないとー・・・」
未央姉ちゃんは、俺と圭子を睨んできた。
別に本気でギロッと睨みつけてきているわけではなく、姉ちゃんの口元は笑っていたが、
なにか有無を言わせない、大人の女としての迫力があった。
圭子は「いやぁ・・」などと、口の中でなにやらブツブツ言っている。
さすがの天下無敵の圭子も、この姉ちゃんには弱いらしい。
やがて未央姉ちゃんは、体育座りをしていた俺の股間部に目を留めて「んー?」と言った。
この目ざとさは、さすがに圭子の姉という感じだった。
「なんかこの子のズボン濡れてなーい?あ、ひょっとして・・・」
姉ちゃんはいったん言葉を切った。
まさか真相にたどり着かれるのかと思い、俺は心臓がバクバク高鳴った。
「あんた(圭子)が意地悪して、この子をオシッコに行かせなかったとか!それで・・・」
「違うよ」
圭子は即答したが、俺は尿と精子が違うだけでまったくのハズレでもないなと思った。

「じゃ、なによ」
「あー、もう・・言っていい?お姉ちゃんって、しつっこい性格だから諦めないよ」
圭子自分の事を棚にあげてそう言ってきたが、俺としてもいい歳してお漏らしをしたなんて
不名誉を押し付けられるよりは、まだ本当の事を言った方がマシな気がしてきたので、
仕方がないという感じで軽く頷いた。
だが、屋上でのアレをありのままにバラされるのは・・・
しかしさすがに圭子も同じ気持ちだったのか、無理矢理押し倒したとか、股間を擦り付けて
射精させたとか、そのへんはもっとソフトな表現にして、軽くいたずらし合ってたら、
ついついエスカレートしちゃった・・・くらいの感じで姉ちゃんに伝えた。
「つまり、あんたがいじくってたら、この子がパンツん中に出しちゃったってこと?
 ・・・そんでこの子、学校にパンツ捨ててきちゃったんだ。あはははっ、超ウケる」
未央姉ちゃんは噴き出した。
この圭子の姉ちゃんだからある程度予想はしていたが、妹のこんな話を聞いても、
ショックを受けた様子はまるでない。

「あんたたちさー、あんまり学校でそういうことしちゃいけないって」
未央姉ちゃんはもっともらしくお説教してきた。
俺なんかが見ると、姉ちゃんはもう大人の女にしか見えず、ただ「はい」と頷くしかない。
「なに言ってんの、お姉ちゃんだって結構いろんなことしてたんでしょ?今も昔もさー」
「あんたみたく小学校ん時はしてないよ」
未央姉ちゃんはそう言うが、明らかにもう色々と経験済みの大人の雰囲気がした。
こうやって姉妹を見比べると、あれほど進んでいる圭子がまだ幼く見えてくるから不思議で、
実際、姉ちゃんの夏服のシャツから盛り上がった胸は、妹のそれを軽く越えていた。
「で、パンツをこの子に貸すの?雅人のを?・・・あっ、そっか」
未央姉ちゃんは何か思いついた・・・というより、何かに気づいたらしく、圭子を見て
ニヤニヤ笑った。
「なんとなーく、わかったなー、あんたの性格からして・・・」
と、姉ちゃんは圭子に向かって言った。
圭子は「なによ」と未央姉ちゃんに言うと、姉ちゃんはそ知らぬ顔で俺の方を見た。
「ちょっと待ってWくん、あたしがなんとかしたげっから」

そう言うと、姉ちゃんはさっさと部屋から出て行き、隣の自分の部屋に行ったようだった。
「なんとかって、なんだ?」
「・・さーね」
圭子は何か知っててとぼけている感じだったが、答えてくれそうにないので、
とりあえず俺は話題を変えた。
「・・なあ、おまえの姉ちゃんって・・・その、いろんな事してたのかよ?学校で?」
「あ、やっぱそういうの気になるんだ、スケベ」
「いや、まあ、そりゃ」
「学校で何してたかなんて知らないけどさ、彼氏を家につれてくるなんて姉ちゃんは
 しょっちゅうだし」
「おまえだって・・花谷を連れて来たことあんだろ?」
俺の言葉に圭子は一瞬、表情を固くしたが、すぐに挑発的にニヤニヤと笑った。
「なに、あんた、もしかしてヤキモチ妬いてんの?かわい(笑)」
「ちげーよ」 
「言っとくけどね、お姉ちゃんはレベル違うよ。・・・よく隣の部屋から彼氏との
 アレの声が・・」

「おまたせー」
その時、未央姉ちゃんが、なにやらいくつかの衣服を腕に抱えて部屋に戻ってきたので、
圭子は喋るのをやめてしまった。
肝心の部分を聞き損ねたので非常に残念な気分だったが、未央姉ちゃんの持ってきた服を見て、
俺はすぐさまギョッとなった。
それは明らかに女物の服だった。
「え、なんで・・」と、俺。
「そこまでする?」と、圭子。
圭子も驚いた様子だったが、”そこまで”という言い方がひっかかった。
では圭子自身は一体なにをしようとしていたのか?
「だって・・もったいないじゃーん。せっかくこんなカワイイ子、連れて来たんだし」
未央姉ちゃんは俺を見てニヤニヤ笑ってる。それは妹の見せるSの笑いと明らかに
同質のものだった。
「あのー、まさか、それを着ろってことですか?俺に?」
俺は恐る恐る言った。これまでの過去の人生経験から、その展開が予想できなくもなかったのだ。

「ピンポーン♪」
未央姉ちゃんは爽快な表情で正解だと告げてきた。
「あー、やっぱりね」
圭子が言った。
俺はまさかと驚くというより、むしろ、『なんでまた・・』という気持ちだった、
実は女装を求められたのはこれが初めてではない。去年の学芸会の時にも一度あったのだ。
それは催し物の劇で、俺が女役として登場するというものだった。
もちろん俺は断固として拒否したが、男子は面白いからやれとはやしたて、女子も一部が
やけに熱心に勧めてきた。
結局、嫌がる事は無理にさせられないと、担任の先生がかばってくれたので、
ガチンコ女装は避けれたが、その後、代わりにとばかりに運動会の応援合戦の
パフォーマンスでオカマ役をやらされた。
ガチでの女役よりは、オカマ役でふざけるならまだいいと思って仕方なくやった。
さらにEたち3?4人の友達と、一緒にチームを組んでやったし、親や教師たちは渋い顔だったが、
全校生徒にはバカウケだったのでまだ救われた(あとで担任がPTAに怒られたらしいが)

「去年のオカマ応援団を思い出すっしょ?」
圭子はずばり俺の頭に浮かんだトラウマ的思い出を指摘すると、クスクスと笑う。
あの時、女子の何人かが俺やEらに、執拗にメイクしてきた。
オカマってことで、わざと極端に化粧品を大量にぬったくったのだが、メイクしたり、
服を用意してる時の女の子たちは実に楽しそうだった。
自分らではまだ化粧はやりたくてもやれないので、その鬱憤を晴らすという気持ちも
あったかもしれない。
「なんでさぁ・・・女って女装させんのが好きなんだよ」
「だって面白いじゃん」
と圭子。
「とにかく好きなの」
未央姉ちゃんはにっこり笑って、身も蓋もない事を言う。
余談になるが、女は男に女装させるのが好き・・・これは紛れもない真実だと俺は思う。
俺はこの後の人生において、中学でも高校でも、学園祭などのイベント時に、
似合いそうだからという一点のみで、幾度か女装を強要させられた。

ちなみに女を男装させるという事も、女の子たちは楽しんでやっていたので、
おそらく対象は男女問わず、異性に変身させる作業が本質的に好きなのに違いない。
とにかく俺はまだ「なんでパンツが無いだけなのに、上の服まで着替えなきゃいけないのか」
・・などと、至極まっとうな意見を言って抵抗するつもりだったが、こちらを楽しそうに見つめる
未央・圭子姉妹を見て、そんな気持ちもヘナヘナと萎えてしまった。
いくら抵抗しようとしても、口でも腕力でも、この二人が相手ではどうしようもないと
悟ったのだ。
姉ちゃんが持ってきたのは、小学生の時の自分の服だという。
確かにサイズはだいたいは合っていて、俺はまずTシャツを脱がされて
ブラウスを着せられた。
「やーん、超似合う。かわい?」
未央姉ちゃんは目を細めながら、いきなり俺にギュッと抱きついてきた。
妹以上の豊かな胸が制服越しとはいえ、ムニュッと感じたので、ドキリとなった。
「さーてと、Wくん、下はパンツ履いてなかったんだよね」
姉ちゃんはクスクスと笑う。
俺は(うわ、来た)と思った。

「それじゃあ・・・これ!」
未央姉ちゃんは明らかに芝居のかかった口調と手つきで、持ってきたスカートの中に
さりげなく隠されていた、女物の薄紫色のパンツを取り出した。
もしかして・・と、この展開を予想してないでもなかったが、俺は頭がクラクラしてきた。
「うわ?、やっぱ履かせるんだ・・女のパンツ」
圭子が半分は笑い、半分同情するような顔をした。
未央姉ちゃんは、そんな圭子を見てニヤッと笑った。
「なにヒト事みたいに言ってんの。あんただってこの子に履かせるつもりだったんでしょー、
 自分のを(笑)」
俺は思わず口からブッと唾飛沫を噴き出しそうになった。
「あ・・バレてた?そうそう、去年のサイズ合わなくなったのがいくつかあるからさー。
 なんならパンツ代わりにあげちゃおうと思って(笑)」
圭子も悪びれずに答える。
この時はじめて、先ほど屋上で圭子が思いついた企みが分かった。
最初からパンツの代わりとして、俺に女物を履かせて楽しむつもりだったのだ。
姉ちゃんも姉ちゃんだが、圭子も圭子だった。

「お姉ちゃん、これさー、今はいてるやつでしょ?昔のじゃなくて」
「まーね。さすがに小学校の時のはもう持ってないし・・・このスカートとブラウスは、
 特別お気に入りだったから、記念に捨てないでおいたんだけどさ」
確かに未央姉ちゃんが手にしているパンツは、あきらかに大人用の下着で、女物でありながら
俺には大きそうだった。
「パンツだけはさぁ・・勘弁してくれよ」
俺は半分泣き声になって言ったが、未央姉ちゃんも圭子も、ニヤニヤ笑いながら
首を振るばかりで、その顔はまさにドSな魔女姉妹だった。
「いやなら無理矢理着せちゃうよ?」
とどめとばかりに圭子は半ば脅すように言ってきたので、俺の脳裏にさっきの屋上での
半・逆レイプが思わずフラッシュバックした。
俺は精神面はともかく、肉体的なM体質ではなく、さすがにあの時のような事は
もう御免だったので、仕方なく従うことにした。
「そんじゃあたしたち外に出てるから、着替え終わったら呼んで。スカートもきちんと
 履いてね?」
未央姉ちゃんは意外にも着替えまでは見るとは言い出さず、圭子と一緒に部屋を出て行った。

一人になった俺は仕方なくズボンを脱いでフルチンになると、思い切って
未央姉ちゃんのパンツを履いてみた。
やはり予想どおり、めちゃくちゃブカブカだったが、ゴムのおかげで緩いながらも
かろうじて下に落ちなかった。
これが未央姉ちゃんのいつも履いてるパンティ・・・などと考えると、
興奮しないでもなかったが、今の自分のおかれてる状況の異常さ、そして女モノのパンツを
履かなきゃいけないという情けなさのせいか、いまいちリビドーは刺激されなかった。
そして次に用意されたスカートを履く。
去年のオカマ役の時の経験で、男でありながらスカートの履き方をちゃんと心得てるのも
これまた実に情けない。
上下共に着替え終わった俺は、部屋の隅にあった全身用の鏡で自分を見てみた。
そこには厳しめに見ても、おそらく10人中8人が女の子と間違いそうな俺自身が映っていた。
こういう時、漫画なんかのお約束では、「これが・・ボク?」などと言って、
新たな性癖に目覚めるのかもしれないw
しかし現実はつまらないもので、「うわ、やっちまった」としか思わなかった。

俺は間違いなくドMだが、結局、女装嗜好やそれに興奮するような性癖は皆無で、
女になることに憧れるマインドは俺の中にはなかったのだ。
とはいえ、こんな風に女物を着れば、髪型をいじらなくても女の子に見えるわけで、
やっぱこの広末(10代の時の)みたいな髪型がいけないんだとつくづく思った。

とりあえず着替え終わったので、なにを言われるか不安ながらも、俺は外にいる姉妹を呼んだ。
すぐに二人が入ってきて、俺を見て姉妹共々、ほおっと息を呑んだのがわかった。
「やー、やっぱ予想どおり、超かわいいー」
未央姉ちゃんはそう言って、また俺に抱きついてきた。
「似合う似合う、超似合う??。Wくん、女の子にしか見えな?い」
姉ちゃんは心底嬉しそうに頬擦りしてきた。
「だってW、5年の時に運動会でオカマやったあと、あんまり可愛いからって
 6年生の男子に告白されてさ(笑)」
と、圭子。
「え、それホント?」

「ウソに決まってるでしょーが!」
俺は慌てて否定した。放っておくと圭子はなにを言い出すかわかったもんではない。
そして未央姉ちゃんは俺を鏡の前で立たせた。
「ね、ね、ね、似合うと思わない?クセになりそうとか・・・(笑)」
はしゃぎながら姉ちゃんは言ったが、俺としてはただただこっ恥ずかしいだけだった。
「だめだよ、こいつ、顔は女の子みたいだけど、中身はフツーの男だもん」
圭子が横から口を挟んできた。さすがによく分かってる。
「かなりスケベだし・・・」
「そうなの?」
未央姉ちゃんは少し残念そうに言った。
そして今度は圭子が俺の方に近寄ってくると、「ほら、その証拠」と言って、
いきなり俺の履いていたスカートをパッとめくってきた。
「・・ありゃ、珍しくまだボッキしてないね」
圭子は意外そうに言った。
「お姉ちゃんのパンツなんか履かされたから、もう、ビビビのビンだと思ってたのに」

確かに圭子の言うとおり、いつもどおりの精神状態ならとっくに勃起してたと思うが、
この時は緊張やら情けなさやらで、萎えたままだった。
しかし未央姉ちゃんは、俺が履いている自分のパンティを興味深げに見ると、
唐突にクスクスと笑い出した。
「なーんかさぁ、Wくんのチンチン、ぜんぜん膨らみがないんですけど」
「いや、だって、これ大きいし」
「え?、でも女物って股の部分が小さいから、男が履けばフツー小学生でも
 膨らみくらいできると思うよ・・・やっぱ、Wくんホントは女の子なんじゃないの?」
未央姉ちゃんはニヤニヤと笑ってる。
「違うの圭子?」
「ち・・・んじゃ、お姉ちゃん、確かめてみたら(笑)」
圭子は明らかに「ちがう」と言いかけたが、すぐに姉ちゃんをけしかける風に切り替えた。
このあたりの姉妹の息の合い方はすごい。
「あっそう、それじゃ・・・いいよねWくん?」

未央姉ちゃんは、一応は俺に許可を求めてきた・・・が、仮にイヤだと言っても
結果は同じなのは目に見えてるので、仕方なく俺は軽く顎を下に動かした。
「そんじゃ確かめちゃうからねっと・・・」
未央姉ちゃんは自分のものであるパンティを、俺の股間からスッとひき下ろした。
「・・・ありゃ・・ねえ、なぁにコレ(笑)」
露出したチンコを指差して、わざとらしく姉ちゃんが俺に聞いてくる。
「・・女じゃないでしょ」
「うんうん、いちおう可愛いのがついてるみたいだねー(笑)」
やはり予想通りの姉ちゃんの反応だった。
圭子や亜希ですら小さいと思うのだから、高校生の姉ちゃんにはもっとだろう。
「残念、男の子だったか」
なにが残念なのかわからないが、そう言いつつも姉ちゃんは上機嫌だった。
「でも確かにこれじゃ(パンティに)膨らみ出来ないかなー・・・あのさ、Wくんのって
 雅人のチンチンよりも小さいよね」
「小さい小さい、6年生のくせに4年生のチンコと比べ物になんないくらい小さい(笑)」
圭子はわざと「比べ物になんない」という部分を強調して言った。

「こんなカワイイの、勃起させたりイカせたりするのって犯罪じゃないの(笑)」
未央姉ちゃんは圭子をからかうように言った。
「でもこいつ、生意気に出るもの出るんだよ。超早いけど!」
圭子はそう言って笑う。
「早いってどのくらいなの?」
「10秒!」
圭子が容赦なく暴露してしまい、姉ちゃんは腹をかかえんばかりに笑う。
「Wくん、10秒でイカされちゃったんだ・・・同じ歳の圭子相手に情けないなぁ」
そうじゃなくて圭子が相手だから10秒なんです・・と言いたかったが、やめておいた。
ところで圭子だけならともかく、姉ちゃんの前で露出しているのがだんだん恥ずかしく
なってきたので、俺は自分でパンティをあげて、またチンコを隠した。
隠すためのものがコレというのも情けなかったが・・・。

「今日はなかなかボッキしないで頑張るじゃん」
「この子をボッキさせたいんだ圭子」
未央姉ちゃんは笑った。
「あ・・・そだ」
圭子はまた何か思いついたようで、部屋にある本棚のそばに歩み寄ると、なにやら一冊の
アルバムらしきものを持ち出してきた。
「なにしてんの?」
未央姉ちゃんが圭子に問い掛けた。
「んー、ちょうどいい機会だから、実験してみようと思って(笑)」
圭子の言葉に俺は首をかしげた。実験?なにをするつもりなんだろうか。
どうせまたトンでもないことなんだろうけれど・・・。

「実験?」
圭子はなにやらアルバムを1ページ目からめくり出した。
最初の方のページには、幼稚園から小学校低学年くらいの圭子が写ってる写真が貼ってある。
いずれも当時の学校の行事や遠足などで撮った写真だった。
「・・・おい、これ、お前の小さい頃だよな?」
「ピンポーン」
「幼稚園とか、小1や小2のくらいん時の写真」
家族と一緒の写真がないところを見ると、そっちの方は親が持ってるのかもしれない。
未央姉ちゃんも年齢差があるせいか、学校行事の写真には一緒に写っていなかったが、
弟の雅人は一緒に何枚か写っていた。
「あ、圭子かわいー。まだこの頃は(笑)」
「この頃は!?」
未央姉ちゃんが圭子をからかう。
俺も横からしみじみとそのアルバムを眺めた。

確かに俺はこの時代の圭子と一緒に過ごしているはずなのだが、今あらためて見ると
新鮮な感じで、今でこそ小学生離れした色気のある女に成長した圭子だが、この頃は
フツーに可愛かったんだなと思った。
それはそうと、実験って一体なにをする気なのか不安になった。
「あ」
俺は珍しくすぐにピンときた。
もしや、以前『タイムマシンで小1の自分を見ても勃起するよね』って、俺に言ったことを
写真を使って試してみようという意図なんじゃないのか?
写真の5?6年前の圭子は、すでに顔つきに気の強さ、S的な意地悪っぽさを覗かせていたが
それゆえに俺のツボで、さらに圭子にそんな意図があるかと思うと、急にムラムラしてきた。
「これがどうかしたの?」
未央姉ちゃんの方はさすがにまだ圭子の考えに気づいてない様子で、圭子はにんまりと
笑いながらページを先へ先へとめくっていった。
すると、やがて一面が海で撮った写真ばかりのページにたどり着いた。

「これ、小1ん時にサマー合宿で撮ったやつだと思うんだけど・・・」
そのページに貼られてる写真は、ほとんどが圭子が1年生の時に浜辺で撮られた
水着姿の写真だった。
圭子は意味ありげな笑いを浮かべながら、アルバムと俺の顔を交互にのぞきこんでくる。
やっぱり予想どおりかと思った。
同時に未央姉ちゃんも圭子の意図に気づいたらしく、「あっ、あー」と、声をあげた。
「え、なに、もしかして昔のあんたの写真でWくんを立たせちゃうつもりだとか?」
「そう、小さい私のセクシーショ?ット! で(笑)」
「なーにがセクシーだか」
未央姉ちゃんはそう言うが、俺から見れば確かにこの写真群は宝の山だった。
「絶対立っちゃうよ。こいつロリコンだし」
「ふーん、そっか、それなら・・・」
圭子の言葉に未央姉ちゃんはなにやら考えていたが、なにか思いついたらしく、
急に悪戯っぽい笑い顔になった。

「ちょっと待って、そんじゃあたしも秘蔵のやつ持ってくる♪」
そう言うと、未央姉ちゃんはまた自分の部屋へと出て行った。
「・・・秘蔵?何もってくるんだろ、お前の姉ちゃん」
俺は不安になった。
「さー、自分の小さいころの写真じゃないの?んー、あらら、ひょっとして、
 もうタッちゃってるのかな、Wちゃんは(笑)」
圭子がめざとく、パンティに包まれた俺の股間を見て言った。
「え・・・」
「んー、あんたのってこのパンツ履いてると、ボッキしてても分かりづらいんだよねー
 ・・・ちっちゃいから(笑)」
「いや立ってねえって」
「そう言ってこれまで何度も立ってたじゃん・・・もしさー、この写真で立ってたら、
 あんた、1年の頃から成長してないってことだよね(笑)」
そう言うと、圭子は俺の股間を指で軽くチョンと突いてきた。
「なんかやっぱボッキしてるっぽいんだけどー(笑)素直に言ったら?
 小学校1年生のあたしの水着姿に勃起しちゃいましたって」

「だからしてねえって」
俺はつい意地を張ると、圭子はいきなりパンツに手を伸ばしてきた。
「じゃ脱いでみなよ」
圭子はそう言うと、俺が止める間もなく姉ちゃんのパンツをぐいっと下ろしてきた。
そして圭子はすかさず俺の股間を覗き込み、満足気に笑った。
「あはははっ、ほーら、やっぱカッチカチになってる」
そのとおり、既に俺は幼い圭子の写真を見ながら、天突くようにチンコを立たせていた。
「クスクス・・・あーあ、こんな写真でボッキしちゃうんだ・・・さっすがロリコン」
その時、未央姉ちゃんが部屋に戻ってきた。なにやら片手に写真を数枚ほど持っていたが、
裏になっていて見えない。
「ありゃ、もうしちゃったの?」
姉ちゃんは俺が勃起チンコを丸出しにしてるのを見て、残念そうに言った。
「あははっ、Wくんの、やっぱり大きくなっても小さいね。こんな可愛いチンチン、
 久しぶりに見たなー。でー、どの圭子の写真見てタッちゃったの(笑)」
未央姉ちゃんは楽しげに言う。

俺は仕方なく、スクール水着を着て、波打ち際でピースサインしている圭子の写真を指差した。
「これ・・・かも」
「ありゃりゃ・・ふーん、でも、この年頃の男の子はビンカンだしねー」
未央姉ちゃんの俺へのフォロー(?)を、圭子は鼻で笑った。
「ちがうちがう、こいつ、昔からあたしを見てチンコ立たせてたもん」
「この頃から?」
「そうそう、たまーに水泳の着替えの時とか、ちょっとサービスしてからかったげると、
 すぐにピンピーンって・・クラスで一番ちっちゃいチンコを(笑)」
確かにそんな事が何回かあった気もするが、それで勃起したのは俺だけではなく、
圭子の前でふざけてフルチンしてた連中のほぼ全員だった。
まだ精通の無い子供も、女の裸に欲情もすれば勃起もするものだ。
しかしサービスという言葉からして、この写真に写ってるような幼い頃から、
圭子は自分の身体で男子を興奮させてからかうという術を知っていたということで、
やはり圭子は幼い頃から圭子だったんだなぁと、あらためて思った。

「それホントなの?」
未央姉ちゃんが興味深げに俺に聞いてきた。
「・・え、いや、まあ、この写真の頃はさすがに覚えてないっすけど・・・
 それと(勃起してたのは)俺だけじゃないし」
「そう、勃起しちゃった男子たちが、股間を隠すのが面白かった(笑)」
「圭子ってばそんなことしてたんだ。ま、あたしも似たようなことしたことあるけど(笑)」
未央姉ちゃんは事も無げにそんなことを言う。
さすが圭子の姉だと思い、きっと圭子の性格も、この姉ちゃんの影響が大きく
関わってんだろうなと思った。
そして未央姉ちゃんは、手にしていた何枚かの写真を見て残念そうに、
「じゃこれもう意味ないか・・・」
と言うと、おそらく写真を自分の部屋に戻しに、またこの部屋から出ていった。
結局姉ちゃんが持ってきた写真はなんだったのか、俺には気になったままだ。
そしてまた圭子と二人になったその時、いきなり圭子が俺のそばににじり寄ってきた。
今までよりも顔つきがなにか色っぽく、妖しい。

「ねえW・・・」
「なんだよ」
「お姉ちゃんには言わなかったけどさー、あんた、この写真でボッキしたってウソでしょ?」
圭子は、俺がさっき指差した水着写真を見て言った。
「実はさぁ、あんたの股間をさっきから観察してたんだけど・・・」
圭子はそう言いながら、アルバムのページを表紙側の方に戻してゆき、最初の方に開いた、
遠足などの写真が貼られてるページを開いた。
「あんた、このページのあたしの写真見てる時から、もうボッキし始めてたよねぇ?」
圭子は耳元で魔女のように囁いてきた。
そして次は、さっきの屋上の時のように至近距離から俺を見つめてきて、甘い吐息ともに
俺になにもかも白状させようとする。
「本当のこと言えよー。言わないとまたイジめちゃうよ。あ、あんたの場合、
 もうイジめないって言った方が効果あるのかな(笑)」
どっちにしても、この状態に持ち込まれてはとても圭子に逆えない。逆らう気も起きない。

「・・・わかったよ。してた・・よ」
「やっぱりね(笑)水着のページに行く前にもうビンビンだったんでしょ?」
「・・・たぶん」
圭子は俺の自白に対して満足気に頷いた。
「そりゃさー、水着の写真の方がエッチだと思うけど、それ見るまでもなくさー、
 1年生ん時のフツーに服着てるあたしの写真見て、Wのチンコ、ガッチガチに
 なっちゃったんだ・・・なんで?」
圭子はわざとらしく繰り返し確認してくる。
いつもの圭子の常套手段で、彼女が俺に何を言わせたいかもう分かっていた。
「どの写真に一番コーフンしちゃったの?」
圭子がアルバムを指差して言ってきたので、俺は正直に、圭子の顔がカメラ目線で
大写しになってる写真を差した。
さすがにこの年頃だとスタイルもなにもあったもんではないので、ロングショットより、
顔のアップの方がビビンとくる。

「顔のアップがいいんだ。なんでこれがいいの?」
「・・いや、その・・・可愛かったから」
「可愛かったから?」
「可愛かったから・・・エロいこと想像しちゃって」
というより、実際はこの顔そのものが小生意気そうで、エロかったから興奮したと
言った方が正しかった。
「それで、この写真を見ただけで・・・」
「そうだよ!小1ん時のお前の顔を見ただけで勃起した!」
それも完全に真実ではなく、この写真一枚で海綿体を充血させたわけでもないのだが、
俺があえて開き直ってそう言うと、圭子は自分の目的の言葉に誘導したことに満足気に笑った。
横から俺にささやきかけてくる
「じゃ、やっぱ昔のまんまじゃん。あ、いや、顔だけじゃボッキしなかったから、
 昔以下になってる(笑)」
圭子はそう言うと、俺の丸出しになってる勃起チンコを指で撫でてきた。

「こっちのサイズもあの頃とほとんどかわってないしね」
「・・ちょっとは大きくなってんだよ」
「そーかな?そうだとしても、今でも1年の時の花谷よりも小さいのは間違いなさそ(笑)」
圭子は根拠の無いようなことを言ってクスクス笑った。
それはそうと俺は花谷の名前が出たので、ふと脇のベッドを見やった。
「・・・・・」
「どしたの?」
「おまえ、ここで・・・」
俺の口から言わなくてもいい言葉が出てくる。嫉妬ゆえに口が滑ってるのは否定できない。
「その・・・花谷と・・・」
「ああ・・」
それだけで俺が何を言いたいのか圭子にはわかったようだった。
「かわいいなー、想像しちゃったんだ(笑)」
そう言うと圭子は突然俺の手を掴んで、いきなりベッドの方に引っ張ってきた。

いきなりだったので逆らいようがなく、俺は圭子と一緒にベッドに倒れこんだ。
圭子は仰向けになってる俺に、屋上の時のように組み伏せるような体勢になった。
「そうそう、いつもこうやってさ・・・」
圭子はそう言うと、いきなり俺の着ている(着させられている)ブラウスの前ボタンを
外し始めた。

「え・・」
「つっても、こうやって脱がされるのはあたしの方だったんだけどー」
圭子は完全に俺の胸をはだけさせると、これまた屋上の時のように、ぐっと俺の方に
のっかかってきた。
「ちょ・・・え、なに」
「なにじゃなくて・・・」
もしかして、さっきの屋上の時と同じことが始まるのかと思うと心臓がドキドキしたが、
隣の部屋には未央姉ちゃんがいると思うと、このままだとまずいと思った。
それにしても、未央姉ちゃんは戻ってくるのが遅い。
一方、圭子は姉ちゃんの存在など忘れたかのように、さっきと同じように、また俺の首筋に
唇を寄せてきた。
「・・・ん、ん?ん?っ」
俺がつい感じてしまって声を出すと、圭子は余計興奮してきたらしく、いっそう激しく、
今度は舌を使って首筋から俺の口元まで愛撫してきた。

「かわい♪・・けどさぁ、あんたのその格好だと、なんかあたしらレズみたい(笑)」
確かにそうかも・・と、俺は苦々しく思った。
繰り返すが俺はMであっても、そっちの方面の趣味(女装プレイ)は無い。
「じゃ、おまえ、女とこんな事したことあん・・・」
「ねえぇぇ???よ。あんた、さっきも同じよーな事言ってたよね」
圭子は呆れたような口調で俺の言葉をさえぎった。
「そんじゃ、ま、どうせならそれっぽいこともしちゃおうかな」
そう言うと圭子は、はだけている俺の胸をいきなり両手で揉み始めた。
「ん、ちょ、ちょっと待てよ!」
無論そんなことをされるのは初めてだったので、俺は首筋を舐められた時以上に狼狽した。
「たまには揉む方やるのもいいね」
圭子はそう言ってクスクス笑った。
それはおそらく自分は花谷にさんざんこのベッドの上で揉まれたという事だろう。
どうやらさっきからの圭子の「攻め」は、ここで花谷にやられた事を、今度は自分が
「男役」になって、俺にやるという事のようだった。

「そんじゃ今度は・・・これやっちゃおうかな」
その言葉と共にこれまで俺の首筋を愛撫していた圭子の唇が、なんと乳首へと移動して、
優しく舐め始めてきた。
「つぁっ!ん、ん、ん!そ、それ、それ!!ちょっと!ヤバい!」
俺はくすぐったさのあまり、意味不明の声をあげた。
「どしたの?気持ちよすぎるとか・・(笑)」
「じゃ、なくて、くすぐってぇ・・・」
俺はやめてくれと言うつもりで言ったのだが、結局それは圭子をますますエスカレートさせる
ことになってしまった。
「だんだんもっと気持ちよくなってくるからガマンしなよ」
圭子はそう言って、乳首への愛撫をやめない。ご丁寧に片方の乳首は舌で、もう片方は
指でいじってくる。
「あ!うっ!んっ!!」
俺は最初はくすぐったさから声を漏らしていたが、そのうち圭子の言うとおり、
たしかに微妙に快楽が入り混じってきた。

くすぐったさはもちろん消えないが、それすら快楽にとって代わるような感覚を生み出す
何かの物質が脳内で分泌しているようだった。
「んー!んんっ!んんっ!あっ・・!」
「な?んか、だんだん気持ちよさそーな声になってきたぞ(笑)」
圭子が狙いどおりとばかりに言う。
これも花谷がさんざん圭子の乳首をいじったり、舌で転がしたりしたことを、今度は圭子が
俺にやってるのだろう。
そして半ばとろけそうな意識の中、そういえば未央姉ちゃんが戻ってくるのが遅いなと、
わずかに残っていた冷静な部分で思った。
「そんじゃ移動ね」
移動とは何かと思うと、圭子は舌で愛撫する箇所を乳首から下へ下へとゆっくり移動させ始めた。
愛撫され始めた当初ならともかく、今となってはどこを舐められてもこれまでの気持ちよさは
持続していて、相変わらず悦楽の声を漏らしてしまう。
まさに俺は圭子に性感帯を開発されつつあった。
やがて圭子のいやらしい舌はお腹を通過し、へその辺りまで来た。

そこまで来れば、もちろん俺としては『アレ』を期待してしまう。
やがて圭子はへそ下まで愛撫し終わると、スッと俺のチンコを指にからませてきた。
「さぁてと・・・ねぇW、フェラってほしい?」
圭子は俺の期待などあっさり見抜いているようで、俺の目を見て悪戯っぽく笑った。
俺はこれまでの刺激につぐ刺激で言葉もろくに出せず、ただただ頷いた。
「どうしようかな?・・・・やっぱやめーた」
圭子はそう言うとチンコから手を離してしまい、俺としてはお預けをくらった犬のような
心持ちになり、そりゃないよと思った。
「あーあ、そんな絶望的なカオしちゃって(笑)・・・だってあんた、口に入れたとたん
 ピュッって出しちゃいそうなんだもん」
確かに圭子の言うとおりかもしれないが、男として一度はフェラチオを体験しておきたかった。
いくらMでもこの止め方は嬉しくともなんともない。
「しょーがないなー、そんじゃさっきより、も一枚先に行かせたげるか」
もう一枚ってどういう意味かと思ったら、圭子は俺に馬乗りになったまま、自分のスカートを
パッとめくった。

その下は青紫色のパンティで、圭子はその股間部を俺の勃起チンコの先に、ピタリとくっつけて
きたのだ。
「ちょっとホントのエッチしてるみたいっしょ?」
もう一枚先とは、屋上の時のスカート越しだったのが、今度はパンツ越しの接触ってことかと、
やっと分かった。
圭子は俺のチンコを自分の股間に押し付けたまま、また体を俺の方に倒してくる。
「あはは、Wのちっちゃいのが一生懸命がんばって、あたしのパンツ押してる。
 でもやっぱりこれじゃエッチはまだ無理じゃないかなー?」
「・・なんでだよ、俺のが小さいからか?」
「当たり前じゃん。もししたとしても、入ってるか入ってないか分かんなかったりして(笑)」
まだ実際に挿入すらしてないのに、圭子はひどい事を言う。
「だから、あんたはここまででまだガマンしなよ」
「・・・でも花谷とは普通にしてたんだろ」
俺はまた嫉妬で、ついついまた僻み丸出しのセリフを言ってしまった。
「・・・・・」

俺の言葉に圭子は一瞬マジな表情になり沈黙したので、俺はドキッとしたが、
すぐにいつものニヤニヤ笑いに戻った。
「前にも言ったじゃん、あいつはもう大人みたいだったしー・・・こんな風に
 パンツ越しじゃなくて、あたしもパンツ脱いで・・・というかハダカになって」
そこで圭子はいったん言葉を切ると、下にいる俺の顔を覗き込んできた。
圭子は俺に対してはパンティを脱いでくれないが、花谷の時は普通に脱いでいたんだと思うと、
やはり強烈な嫉妬心を感じたが、同時にそれはMの快楽があった。
「ナマで花谷のアソコとあたしのアソコをくっつけあってさぁ・・・・」
圭子が前に花谷とのプレイを話したのと同じ口調で、またわざと焦らしつつ、
詳しく語りかけてくる。
しかしフェラやシックスナインのような前戯の話はともかく、セックス・・本番について
直に聞くのは初めてだった。
「で、お互いコーフンしてくると、そろそろって感じで・・・」
「・・あのさ」
「ん?」

俺は聞いても傷つくだけだとわかっていたが、それでも聞かずにはいられなかった。
「その・・お前らさ、こういう時はどっちから、”やろう”って言ってたんだ?」
「・・ああ、そういうこと知りたいんだ(笑)」
圭子はもっとニヤニヤとSの表情を強める。今の圭子は可愛がりモードから、苛めモードに
移行したのが分かった。
「最初は花谷の方が言ってきたけどさ、まあ・・だんだん回数してくうちに・・ね」
「・・・お前の方から?」
「まーね・・・『そろそろ入れてよ』って」
”入れて”・・・俺はそのダイレクトな言葉に、ドキンとなにか痛いものが胸を通過し、
思わず目をつぶってしまった。
おそらく二人でこのベッドの上でさんざん前戯を楽しんだ後、股間と股間を擦り合わせたり
なんかして、感じまくったあげく興奮の極に達した圭子は、股間をびちょびちょに濡らしながら、
花谷のチンコを求めたのか・・・などと、また具体的な妄想が膨らんでくる。
「・・なに?結構ショックだとか?でもウソじゃないしねー。・・・ふふ、あたしの方から言ったよ、
 『もうガマンできないから花谷のチンチン入れて!』・・って」

サディスティックさと露悪趣味を混ぜたような圭子の口調だった。
この話がどこまで真実かは分からないが、少なくとも俺を精神的に苛めて楽しもうと
してるのはよくわかる。
「で、とうとう
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