02月25

韓国人男性が日本人女性に種付けしまくる時代が始まってしまった…というお話

はじめに 簡単な設定説明と登場人物紹介(随時更新)
※はじめに
 この物語はもちろんフィクションです。作者もこの小説にかかれるような未来が到来するとは全く思っていません。本作を読まれる方は、この物語を架空の話と割り切り、大きな意味での「寝取られストーリー」として気軽に読めるという方に限らせて頂きます。


   簡単な設定説明
 もちろんストーリーの合間にも設定説明は入るはずですが、とりあえず最初に簡単な説明を書いておきます。

 舞台は22世紀、つまり今から100年後ぐらいの日本です。20世紀後半に隆盛を極めた日本は21世紀に入り低迷期を迎えます。無責任な政治で財政赤字は膨らみ景気は停滞。21世紀の中頃にはマイナス成長が定着してしまいます。加えてM9規模の大地震とそれによる津波、さらには富士山の大噴火などの全国的な火山噴火が相次ぐなど立て続けに大災害に見舞われ、国力はみるみる衰え21世紀の終わり頃にはGDPも世界100位前後にまで落ちてしまいました。
 そんな日本に代わって急成長を遂げたのがお隣の韓国でした。日本とは対照的に国家戦略として各産業分野の発展を推し進めた結果、韓国経済はみるみる成長。あっという間に日本を追い抜いてしまいました。以降も差は開く一方で、21世紀末にはアメリカと並ぶ2大大国に成長し、GDPは日本の10倍以上に達するまでになりました。技術力はもはや韓国が間違いなく世界一で、韓国製の製品が世界を席巻。ノーベル賞も化学・物理学・医学の科学分野3賞は韓国人がほぼ独占状態です。軍事力も大幅に増強し、東洋の警察と言われるほどの圧倒的な軍事力でアジアの秩序を担っています。
 そんな大国に成長する過程で、韓国は日本への影響力を強めてきました。日本の企業は次々と韓国企業に買収され、かつての在日米軍に代わって韓国軍が日本に駐留するようになりました。もちろん政治的にも、日本政府は韓国政府の意向を無視できません。日本は韓国のポチ、そんな言葉すら聞こえてくるほどです。
 21世紀初頭に無責任な政治で将来に責任をなすりつけてきたツケを、22世紀を生きる人々が払わされていると言えるかもしれません。
 さて、先進国から脱落してしまった日本ですが、近年大きな問題に直面しています。
 それは急激な少子化です。
 少子化問題自体は20世紀からずっと言われていたのですが、ここ数年問題になっている少子化ははこれまでとは少し様相が違います。というのも、男性の精力自体が謎の減退を始めたのです。つまり不妊男性が急増したのです。
 原因は不明、政府もお手上げです。これまでの少子化対策は社会保障政策でなんとかなりましたが、男性の精力そのものに対しては成す術があるはずもありません。
 このままでは破滅的な未来が訪れる…八方ふさがりに陥った日本に救いの手を差し伸べたのが、他ならぬ韓国でした。
 なんと韓国の優秀な男性を日本に派遣して、日本人女性に種付けすると言いだしたのです。
 そんな荒唐無稽な提案を、日本政府は結局受け入れることにしました。大義名分としては急速に進む少子化対策、しかし実態は韓国政府の申し出を断ることはできないというものでした。それが22世紀の日韓関係なのです。
 翌年春。
 選考を経て選ばれた、第一陣となる韓国人男性100人がを乗せた飛行機が、第一陣として日本に降り立ちました――


     登場人物紹介(随時更新予定)

   イ・ソンヨン
 本編の主人公。韓国生まれ、韓国育ちの18歳。日本人女性に種付けするため2年前に来日。現在は東応高校の3年生として学生生活を送る一方、週休2日のペースで精力的に種付けをこなす。身長184cm、体重70kg。韓国一の名門と言われるソウル中学校を首席で卒業し、鳴り物入りで日本へと派遣されたスーパーエリート。東応高校では転入直後から成績は常にトップ、スポーツは何をやっても断トツでナンバーワンと韓国人男性の「凄さ」を周囲にまざまざと見せ付けている。加えて端正なルックスも相まって女子生徒からの支持は絶大である一方、男子生徒からはその高すぎるスペックに妬みの視線が向けられることも多い。優しくて可愛らしい女の子がタイプ。

   二階堂達也
 ソンヨンのクラスメート。体が小さく運動が苦手で、どちらかというと気弱なタイプ。韓国のことがあまり好きではなく、日本で活躍する韓国人たちのことをよく思っていない。実は韓国人に憧れているけど、恥ずかしさからそれをひた隠しにしているという話も。

   神崎悠樹
 達也と同じくソンヨンのクラスメート。常に明るく誰とでも仲良くなれるタイプ。運動部に属し、勉強よりも運動が得意。達也とは対照的に韓国人への憧れを隠そうとせず、いつもソンヨンを羨ましがっている。「俺も韓国人に生まれたかった」が彼の口からよく出るセリフ。

   小野亜由美
 ソンヨンの彼女。達也とは幼なじみで幼稚園からずっと同じ。美術部に所属。もともと韓国に対して特別な感情は抱いていなかったが、ソンヨンと付き合い始めてから韓国のことを徐々に好きになっていき、ソンヨンのレッスンもあって今では韓国語で会話もできるほどになった。

プロローグ (ちょっとしたHシーンと設定説明)

「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ああっ…」
 とある一室。防音設備が整えられたその部屋に、女の嬌声が響いていた。
「あっ、くっ、くぅっ、うっ、うあぁっ、あっ、あっ、ああぁっ!!」
 卑猥な声を聞かれるのが恥ずかしかったのか最初は余計な反応を示すまいと閉じていたはずの口も、今ではだらしなく開きっぱなしの状態になっていた。高い声をあげながら体全身で乱れるその姿は、『征服』された女の儚さを感じさせる。
 そんな哀れな女を見下ろすようにがっちりと腰をつかみ、背中から力強く腰を送る男。
 イ・ソンヨン。
 韓国人の両親のもとに生まれた、純粋な韓国人である。
「……………」
 無言で腰を送り続けるその体は、まるでアスリートのように鍛えられていた。肩から胸にかけて隆起する筋肉や当たり前のように割れた腹筋は、さすが美意識が高く己に厳しい韓国人と言うべき男らしさに満ちている。
「ああっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あああっ!」
 女の声がさらに激しさを帯びる。そのヨガリっぷりはこのまま気が狂うのではないかと思ってしまうほどだが、当のソンヨンは何の心配も無いと言うように無表情のまま攻めを継続する。
 これまで数え切れないほどの日本人女性を抱いてきたソンヨンにとっては、ごく見慣れた光景なのだ。
「あっ、あっ、はっ、、、」
 女の呼吸が荒い。顔をうずめるシーツにはよだれで出来たシミが確認できる。
(そろそろ、か)
 ソンヨンは突然腰を休めたかと思うと、繋がったまま女の体を持ち上げ、器用にくるりと仰向けにした。そして今度は正常位で、さっきのように激しい攻めを再開する。
「んああっ、あっ、あっ、んあああっっ!」
 女は悲鳴に近い声を上げながらも、残った力を振り絞って両手で自らの顔を隠そうとするが。
「……………」
 ソンヨンは女の手首を掴み、自らの方へと引き寄せる。
 情けない顔を見られたくないという女の最後の願いも、無言のまま無慈悲に却下して。
「やっ、あっ、あっ、あっ、あああっ!」
 ソンヨンの腕を振りほどける訳もなく、女は諦めたように天井を見つめて喘ぎ続けた。その視点は定まらず、不規則に訪れる一層強い突き込みに合わせて一瞬白目を向く。
(さて、と…)
 女の完全な屈服を確認したソンヨンは、最後の仕事に取り掛かるべく、腰の振りをさらに苛烈なものにする。
「あああっ、あああっ、あああああぁぁっっ!!」
 女の声がさらに大きくなるが、それすらも心地よい音楽。
「っ…」
 最後にドスン!とモノを奥の壁に押し付け、そこに塗り付けるように大量の精液をどくどくと流しこむ。
「あっ……ぁぁっ………」
 口は半開き、視線は定まらず無意味に上を向いている。そんな表情を見下ろしながら、ソンヨンは容赦なく精液を注ぎ続ける。征服した証を、子宮に直接マーキングするように。
 これまで数え切れないほどの日本人女性を抱き、その度に同じような表情を見てきたというのに、この瞬間ばかりは何とも言えない満足心に満たされる。
 日本人女性の性器に太極旗を立ててやった、そんな征服心――
「ふぅ…」
 最後の一滴まで搾り出しても、なお繋がったまま暫く『征服』の余韻に浸る。興奮がすうっと冷めていくこの瞬間も、ソンヨンが好きなひとときである。
 狭い穴を好き放題に蹂躙したペニスが、膣の中でだんだんと小さくなる。その暖かさは、韓国人だろうが日本人だろうが変わらない。
「っと…」
 ずるりとモノを引き抜く。自らの精液と愛液でコーティングされたペニスは、ほぼ平常時に戻ったとは思えないほどの大きさを誇っていた。
 大きく筋肉質の体、立派なペニス。韓国人男性の特徴とも言うべきDNAををソンヨンもしっかりと受け継いでいた。
「はあ…、はあ…、はあぁ……」
 女の息は荒く、正気を保っているのかどうかも怪しかった。少なくとも、自分ひとりでは満足に動けない程度には消耗していることは間違いなかった。
 そんな女の様子を確認してから、ソンヨンは1枚のシールを取り出した。
 韓国の国旗、太極旗のシール。それをぐったりとしたままの女の下腹部に貼り付ける。
「ぃっ…!」
 女が一瞬痛そうな表情を見せたが、ソンヨンは構うことなく押し付けるようにシールを貼る。グリグリと指で圧力をかけると、それに呼応するように膣内から精液が溢れ出す。
 そして…ペリッとシールをはがすと、下腹部にカラフルな太極旗がハッキリと残された。
 一週間程度は消えることはない、特殊な入れ墨シール。もちろん洗い流すことも不可能。
 この日本人女性の子宮は韓国人が実効支配しているという証。日本人の男を遠ざける効果も付随する――
「さて」
 シャワーを浴びるべく、女を残して部屋を後にする。無駄な肉が削ぎ落とされた逞しい体はぶらぶらとゆれる巨根も相まって、男らしさを通り越しもはや恐ろしさすら与えるほどだった。


………………………………

     ―21××年:東京―

 東応高等学校。
 日本一の名門私立大学として名高い東応大学の付属校であり、卒業後は自動的に東応大への入学が許されるということもあって、競争倍率も偏差値も高い人気校。
 イ・ソンヨンが通う高校でもある。
「よう、おはよーさん」
 朝、クラスメートの神崎悠樹がソンヨンに話しかける。いつも明るく、誰とでも仲良くできるタイプの男だ。
「なあ、ソンヨンは昨日のサッカー見たか?」
「いや、どうせ韓国が勝ったんだろ?」
「まあ、そうだな…」
 昨日はサッカーの日韓戦が行われていた。とはいえ公式戦ではなく親善試合。なのでフルメンバーの日本に対し、韓国は18歳以下の選手のみで構成された高校代表メンバーというハンデ戦だったのだが…
「韓国ってホント何でも強いよなあ」
 試合は8-0と韓国の圧勝だった。しかも前半だけで4得点を奪った韓国高校選抜は、これでは練習にもならないと後半は1年生を中心としたメンバーにチェンジしたのだが、その後半にも4点を追加し力の違いをまざまざと見せ付けた。その様子は、まるで韓国チームのシュート練習のようだった。
「あのパク・スンウってあれでまだ15歳だろ?信じられないよな」
 韓国サッカー界の希望の星と言われるパク・スンウは昨日の試合でも大活躍だった。つい数ヶ月前まで中学生だったとは思えない屈強なフィジカルで日本代表を軽々と弾き飛ばしたかと思えば、時には華麗なテクニックで守備陣を翻弄し、後半途中からの出場にもかかわらず易々とハットトリックを達成して見せた。
 かつては宿命のライバルと言われた日本と韓国だが、それはもはや大昔の話。日本が最後に韓国に勝ったのは、もう50年以上も前に遡らなければならない。
 そして、日本が韓国に『敗れ』たのは、何もサッカーに限った話ではなかった。日本の凋落と韓国の躍進、それはこの100年の世界の縮図だった。
 スポーツではあらゆる種目で韓国がメダルを独占する一方、日本は強すぎる韓国に阻まれ世界大会に出場することすら叶わない。経済に目を向ければ、無計画な政策や少子高齢化で日本がみるみる弱体化するのを尻目に、韓国は国をあげた戦略的な政策で世界が目を見張る大躍進を遂げた。日本の名だたる企業は、競争力を失いドミノ倒しのように次々と韓国企業に買収されていった。科学分野でも韓国は世界の最先端をリードし、毎年のようにノーベル賞を獲得している。過去50年、韓国人のノーベル賞受賞者が数百人単位なのに対し日本人はゼロだ。
 そして、軍事の面でも日本は韓国の軍門に下っている。
 かつて日本を『支配』したアメリカ軍は撤退し、今では核武装した韓国軍がかつてのアメリカ軍のように日本各地に駐留しているのだ。いまや47都道府県全てに韓国軍基地が存在し、その総面積は日本の国土の5%超、防衛費として日本が韓国に支払っている金額は年間5兆円にもなる。
 アメリカ軍撤退と韓国軍駐留は日・米・韓の思惑が見事に重なった結果だった。アメリカとしては日本から撤退することで軍事費を削減でき、また強固な同盟国であり強大な軍事力とを誇る韓国なら東アジアの秩序を委ねるに相応しい。韓国としては日本に軍を駐留させることで、日本及び東アジアに多大な影響力を持つことができる。憲法により武力が制限される日本としては、現実的な国防を考えると核抑止力を持つ国に防衛をお願いするほかなく、それであるならアメリカよりも同じアジア人である韓国のほうがより信頼できる…という思惑。
 そんなこんなで、経済的にも軍事的にも韓国の強い影響力の下にあるのが、22世紀の日本の姿である。8-0というサッカーのスコアは、現在の日韓の力関係を象徴的に表していると言えた。
「というか、韓国人って何であんなに体デカいんだよ」
「日本人が小さいだけだろ?」
 韓国人の平均身長は成人男性で180cm前後。食生活の変化などもあり100年前に比べて5cm以上伸び、今では西欧人と同程度になった。言うなれば世界基準である。
 一方の日本人は、前世紀の中頃あたりから平均身長が低くなっていった。それも女性の身長は変わらないままなのに、男性の身長だけが何故かどんどんと低くなっていったのである。今では成人男性の平均身長は160cm前後と、女性とほとんど同じ程度にまで低くなってしまった。
「昨日の試合とか見てても、ついこの前まで中学生だった奴のほうが日本代表より余裕で体がデカいってんだから、あんなの勝てるわけねーんだよな…」
「体格のせいにしてるからいつまでも弱いままなんじゃねーのか?」
「くそ…一度でいいから日本代表が韓国に勝つところを見てみたいぜ…」
「ははは、まあ頑張れ」
 韓国が日本に負けることなど有り得ない、とでも言うように余裕の表情でソンヨンは答える。
 と、その時。
「おー、達也じゃねーか」
「あ、悠樹にソンヨン、おはよう」
 現れたのは二階堂達也。悠樹と同じくソンヨンのクラスメートである。
「なあ、達也も昨日のサッカー見たか?」悠樹が達也に聞いた。
「まあ、ちょっとだけ…」
「すげーよな韓国は。しかもあれで俺たちより年下なんだぜ」
「別にサッカー強いから偉いわけじゃないし」
 どこか面白くなさそうな表情をみせる達也。韓国の強さを称える悠樹とは対照的だ。
「あーあ、俺たちも韓国人に生まれたかったよなぁ」
「またそんな事言ってるし」
「韓国人っていいこと尽くしじゃん。現にソンヨンなんて日本に来てやりたい放題なんだぜ?」
「やりたい放題とか言うなよ」
 苦笑しながらソンヨンが言う。
「とか言ってさ、毎日のように女に種付けしてるんだろ?」
「ま、そのために日本に来たわけだからな」
 『種付け』とは信じられない単語だが、ソンヨンは否定するどころかむしろ当たり前と言わんばかりの表情。
 日本の国力が衰え韓国の軍門に下って数十年、日本人男性の身長が低下したことは既に書いたが、そんな彼らの体にはもうひとつ、ある不思議な変化が現れた。
 それは、男性器が著しく小さくなってしまったのである。
 もっと正確に言うなら、日本人は大人になってもペニスがほとんど成長しないままなのだ。思春期前後のいわゆる第二次性徴期に起こるべきペニスの成長や包皮の反転が、全くと言っていいほど見られなくなってしまったのである。その結果、成人男性のペニスは勃起しても10cmにも満たない。平均値8cm台という話まである(ちなみに韓国人男性のペニスは平常時で10~12cm、勃起時で16~18cmが平均的という)。
 加えて、男性の精力そのものも大きく減退した。未成熟の男性器から作られる精液では精子濃度は低く、不妊症の男性が激増。少子化も驚異的なペースで進行した。
 そんな日本の『危機』に救いの手を差し伸べたのが、他ならぬ韓国だった。
 少子化に喘ぐ日本を救うべく、韓国が官民一体となって優秀な男性を日本に派遣して女性に『種付け』するという大胆な事業を打ち出したのだ。
 そんな韓国の勝手な申し出に、当然日本政府は慎重な姿勢を見せた。当初は断るべきだという意見が男性議員を中心に大勢を占めたが、日韓関係を無視できないという観点から結局はこの申し出を断ることはできなかった。韓国の意向には逆らえない、日本国としての結論だった。
 だが、この事業は大成功を収めることになる。
 折りしも日本では、特に女性の間で韓国ブームが巻き起こっていた。スポーツで日本を一蹴し、科学分野でも世界の最先端を走る韓国に日本人女性は夢中だった。強く逞しく頭もいい、カッコよくて美意識も高くその上紳士的で女性にも優しいというのが彼女たちの韓国人男性に対するのイメージであり、そんな彼らと付き合いたい、結婚したいという声が日本人女性の間で溢れるようになっていた。
 そんな状況下にあって、日本人女性は韓国人男性を熱狂を持って迎えた。憧れの存在が自分たちを抱き、孕ませるために海を渡ってやってくるのである。しかも彼らはただの男性ではない。韓国人というエリート集団の中で厳しい競争を勝ち抜いた、文字通りのスーパーエリートなのである。そんな優秀な遺伝子を分けてほしいと、日本人女性は彼らに殺到した。
 高い教育レベルの中で育ち、心身ともに鍛えられた韓国人男性に日本の男が勝てる要素はどこにもかった。種付けが始まって今年でまだ10年だが、事業規模は当初の200倍以上に膨れ上がった。1年目に派遣された韓国人はわずか500人だったが、昨年はケタがふたつ上がって5万人。制度が定着し、韓国人ひとり当たりの種付け回数も倍以上になった。韓国人男性が日本人女性を次々に奪っていくという悪夢のような現実を、日本人男性はただ指をくわえて見ていることしかできなかったのである。その結果、実に昨年日本で生まれた赤ちゃんの4割強が韓国人の父親を持つという。しかしそんな韓国人たちの活躍によって、日本の出生率がみるみる回復したのもまた事実だった。
 イ・ソンヨンも、日本人女性に種付けするために韓国からやってきた男のひとりなのである。

「いいよなぁ、女を選び放題抱き放題なんてなあ」
 悠樹はソンヨンへの羨望を隠そうとしない。実際、日本人男性にとってソンヨンのような韓国人男性は夢のような存在だ。
 だが、当のソンヨンは特に面白くもなさそうな表情で。
「あのな、種付けったってそんな楽なもんでもないからな」
「えー、どう考えてもパラダイスだろ?」
「体力もいるし相手を満足させることも必要。帰れるのが次の日になるのも珍しくないしな。お前じゃ務まらないって」
「いや、俺だったら喜んで徹夜で頑張れるな」
「童貞に言われても説得力ないっての」
「う…」
 言い返す言葉のない悠樹。韓国人男性が幅を利かせる昨今、10代のうちに童貞を脱出できる日本人など皆無なのだ。
「というか、そんなに俺が羨ましいならお前も頑張って彼女の一人でもつくればいいだろ?」
「それができりゃ苦労しないよ。なあ達也」
「ぼ、僕は別に…」
 恥ずかしそうに顔を背ける達也。もちろん彼も悠樹同様、彼女イナイ歴=年齢の童貞である事は言うまでもない。
「言っとくけど、お前ら日本の男が情けないから、俺たち韓国人がワザワザ種付けしに来てやってんだぞ。羨ましがる前にまず感謝しろよな」
「女の子を根こそぎ奪っておいて感謝なんて…」
 達也がポツリと呟く。
「ん、なんか言ったか?」
 ソンヨンが確認するように聞いた。
「いや、別に…」
「というか、達也は彼女欲しいとか思ったりしないのか?」
「ぼ、僕のことはいいじゃんか」
「ふーん」
 達也は恥ずかしそうに俯いている。
「ま、心配しなくても日本の女の子は俺たち韓国人が責任持って引き受けるから、お前は安心して童貞を極めろ」
 言いながらソンヨンが達也の頭をポンと叩く。ソンヨンにしては軽いジョークだったのだが。
「うるさいなっ!僕、もう行く!」
 ソンヨンの手を払いのけ、スタスタと早足で校舎へと駆け込む達也。
「韓国好きじゃないからなぁ、達也は」
 歩き去る達也の背中を見ながら悠樹が言った。
「そうか?俺には韓国大好きに見えるけどな」
「いやいや、それはないだろ」
「恥ずかしがってるだけで、ああいう奴に限って本音では憧れてるもんだ」
「そんなもんかな…」

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