このあと、クリスマスとか、初詣とか、
まあ、なんだかんだ、ちょっとありましたが、
エロイことはしてません。
バイブは出番なし。
いや、たまに魔がさして・・・・・・・・。
そんなこともないです。あったとしても、言えませんて。
うちの仕事場では、イベント時期の休みは、
家族持ちが優先して休みをとれる。
曰く、若いやつは夜遊べるけど、子供は夜には寝かさないといけないだろ、と。
それはそうだ。
そんなわけで、街中がイルミネーションとか、光るトナカイの置物が
ムードを盛り上げる中、クリスマスシーズンは
24日も、25日も仕事が確定していました。
妹から
「クリスマス、予定あるの?」
と、ぼーっと、リビングでT観ていると、声をかけられました。
「ん?仕事だなぁ。そっちは?」
「養護施設のクリスマス会に行ってくる。」
「大変だなぁ。またボランティア?」
妹はニコニコしながら
「ボランティアといっても、好きでいく感じだよ。
子供とクリスマス会なんて楽しそうじゃん。」
と、本当に楽しみにしている様子。
偉いよなぁ。俺には真似できない。
妹は俺をじーっと見ると
「そんな健気な女の子には、サンタがくると思うんだよなぁ。」
と、聞こえるように呟きます。
「俺だって、クリスマスなのに仕事して、しかもクリスマスキャロルとか
ガンガン売ってるんだから、サンタが来ますかね?」
妹は、ふふんと鼻を鳴らし、
「来るんじゃないのー。」
と、自分の部屋に戻って行きました。
妹へのクリスマスプレゼントをどうしようか、
実はずーっと、考えていました。
ただ、なんとなく、ドライブへ行ってから、
つまりは二人でラブホテルに入って以来、そんな雰囲気になることもなく
妹はちょっと後悔してるんじゃないか、なんて思ってたんです。
俺自身は、正直、考えないようにしていました。
もし、妹に彼氏が出来るなんてことがあれば、
それはそれで、めでたいと。
そう考えていることが、実は後悔してるんじゃないかなんて思ったり。
そんな気持ちなので、妹にクリスマスプレゼントを買う行為自体が、
自分の意思を決定させるように、感じていました。
妹と恋人になりたい、といったような。
しかしまあ、今回は妹から要求されたのだし、買うのは問題ない。
そう、俺のよく考えない頭脳は、都合のよい結論を出しました。
結局、職場のあるモールの宝石屋さんで、あれこれ悩むことに。
指輪はヘビィだよなぁ・・・、ピアスは開けてないよなぁ・・・、
やっぱニンテンドーDSにするかぁ・・・・。
なんとなく、玩具よりは身に着けておいてもらえるものが
いい気がするのは、やはりいつでも、俺のことを
思い出してもらいたいから、なんでしょうか。
店員のアドバイスもあり、ブレスレットに決めました。
それと、取り置きをしておいた、俺の愛読書をセットに。
クリスマスイブ。
慌てながらレジを閉めて、急いで帰宅の準備。
周りからは、「おんなっけ無いくせに。」「見栄を張るな。」と、えらい言われよう。
モールの別の店から、飲みに行こう、なんて独身貴族集団のお誘いもありましたが、
家がキリスト教だとか、実はモルモン教だとか、適当なことを言いながら
帰りました。
モルモン教ってクリスマスになんかやるのかも知りませんが。
家の帰ると、妹が待ちわびていたようにリビングで待機していました。
いつも家にいるときはジャージのくせに、今日は普段着、というか
ちょっと着飾ってるくらいの服装です。
妹はちょっとふくれっ面をして、
「遅いよ、サンタさん。」
と、リビングのテーブルにチキンとケーキをを指差しました。
別に何の約束もしてないんですけどね。
どうやら、両親は別荘ですごすようです。
二人で、乾杯して、チキンをモグモグ食べながら、
お互いに彼氏、彼女がいないことを笑いあいました。
しばらく、お互いの長所と短所を言い合いました。
片一方が、相手の短所と長所をひとつずつ言って、
言われたほうが、言い返すような。
最初は差しさわりの無い、短所と長所を言い合ってたんですが、
だんだん、ネタが尽きてくると、妹が、
「兄ちゃんの喘ぎ声は何気に可愛いのが長所で、短所は口に出したがるところ。」
と言ったところから、下トークに移行してしまいました。
「お前はスタイルがいいけど、足がでかいのが短所。」
「むっ。ちんこが咥えやすいサイズなのが、長所だけど短所?」
「う!」
なんか、ちょっとお酒も入って、ソファで並んで座っている距離も近くなり
かなり、二人ともお互いの体温と鼓動が感じられるように。
そこで、ふと、俺の口から漏れました。
「すごく可愛いのが長所で、実の妹というのが短所。」
言った後に、しまった!と後悔。
妹の熱が冷めていくのが、手に取るようにわかります。
「妹に好かれてるのが長所で、妹が短所・・・・。」
おろおろ。今にも泣きそう。
やばい、慌ててカバンからプレゼントを取り出しました。
妹はうつむいたまま、受け取ろうとしません。
「いいから、開けてみな。」
妹は沈んだ顔のまま、ラッピングを開けました。
「ブレスレット。」
「見れば分かるよ、ありがとう。」
まだ、沈んだ顔。
俺はどうにでもなれと、自白しました。
「俺はな、それをずっと付けておいてもらいたい。いつでも、俺のことを
感じていてもらいたい。いつも家で会うけどさ、家以外でも俺のことを
考えて、あー、もう!」
うまく、言えません。好きだって、言えないんですよ、これが。
妹は顔を上げて、しっかりと言いました。
「ごめん、いつもつけてたいけど・・・。」
心臓がバクバクします。
あれ、俺の独りよがり?あれれ?
「介護のときは外さなきゃいけないと思う。」
そういうと、妹は満面の笑みを浮かべました。
「それ以外では、ずーっと、ずーっと付けてるからね」
それを聞いたとたん、ボロボロと涙が出てきました。
なんだこりゃ、俺、泣いてるの!?
妹は俺を抱きしめると
「ありがとね。ありがとね。」
と繰り返しています。
多分、妹も泣いています。
しばらく、抱き合って、俺の鼻水をずずーっと啜る音が引き金になって、
離れました。
妹は、
「よし、今日はもう寝よう!後片付けは明日だ!」
と言いました。
あれれ?俺へのプレゼントは?
妹は部屋に戻るそぶりを見せながら、
「そうだ、よい子にはサンタがくるらしいから、部屋の鍵は開けといたほうがいいかもよ。」
と言って、それから、自分の部屋に戻って行きました。
俺は部屋の鍵なんて、閉めたことなんて一度も無いんですが。
しかし、確認をとってまで、部屋の鍵を開けておけとは・・・・。
うちの家には不文律があって、ほかの人の私室に入ることは絶対ありません。
父が変人ってのも関係あるかもしれませんが、母親ですら、
俺が物心ついてから、俺の部屋に入ったことは、多分一度も無いです。
俺も、両親、妹の部屋に一度も入ったことが無いし、入ろうと思ったこともないです。
嘘です。妹の部屋には忍び込もうとしたことがあります。
まぁ、それはそれ。
そんな家なので、妹が俺の部屋に、夜、忍び込むってことは
ものすごい重大事件なんです。
一人暮らしの男の家に、友達以上の関係の女の子が遊びに行くようなものです。
俺は、あわててシャワーを浴びました。
ざっと体を洗うと、自室に入りました。
ものすごく慌てて、部屋をざっと片付けます。
もともと散らかすほうではないので、ざっと。
シーツを換えようかどうしようか、いや、本格的にやりだすと
朝になってしまう・・・。
あきらめて、普段は着ないようなパジャマを引っ張り出して、
ベットに潜り込みました。
寝れません。全然、寝れません。
ゴムがないが、どうしよう・・・。まてまて、プレゼントを置きに来るだけかもしれん。
まさか、裸でやって来て・・・・。
寝れん!
小一時間、もぞもぞしていると、部屋の外に気配が。
そーっと、ドアが開きます。
俺はバレバレだろうと思いながらも、寝たふりを。
真っ暗の中、廊下から漏れてくる明かりを頼りに、
妹はベットに近づいてきます。
枕元に、何か置かれる感覚。
枕元に、何か置かれる感覚。
「おやすみ。ありがとね。」
そう、妹は耳元でささやくと、部屋をそっと出て行きました。
なんだ、裸リボンじゃなかったのね。
妹が、完全に部屋を離れたのを確認しながら、
明かりをつけ、プレゼントをいそいそと開けました。
腕時計。雑誌を見ながら、これ欲しいなぁ、ってだいぶ前に呟いたヤツ。
覚えてたんだ、というのと、やっぱり身に着けておくものってのが
なんか、ドキドキしました。
妹も、ずっとこれを着けていて欲しいんだろうか。
リストが、金属のヤツだったので、そのままはめるとブカブカですが、
それをしたまま、その日は寝ました。
ちっ、ちっ、ちっ、という秒針の音を、心地よく聞きながら。
ごめんなさい、クリスマスと初詣はエロないの。
一緒にプレゼントしようと思った本は、あのタイミングだと
微妙な感じなので、いまだ机の引き出しの中。
どのタイミングで、あげるべきか・・・。
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